カシーダ
概要
カシーダという言葉は、「引く、引き伸ばす」という意味を持つペルシア語の動詞ケシーダン(kešidán کشیدن)から派生した、「引き伸ばされた、長い」という意味の形容詞に由来する。手書きの場合、文字そのものの幅を変えることも多いが、組版においては文字幅を自在に変えることは難しいため、文字どうしを連結する線の長さを伸ばすことで対応する。
カシーダが使用されるのは以下のような場合である。
- 強調したい語にカシーダを入れる
- 可読性を高める
- 単なる装飾として使用する
- 割付の目的でカシーダを入れる。ラテン文字では単語の間の空白の幅を調整するが、アラビア系文字ではそのかわりにカシーダを使う
- 地図上で、山脈など細長い地形の地名を表記する場合にカシーダを入れる。
- 本来の目的とは別に、シャクルを単体で表示するために、カシーダにシャクルを加えることもある
連結線をどの文字の後ろに挿入するかは複雑な優先順位が存在する。
コンピュータ上の検索や照合ではカシーダは無視されることが望ましいが、そのように設計されているソフトウェアは少ない。
ウェブブラウザ
Internet Explorerバージョン5.5以降ではアラビア文字の文章に自動的にカシーダが挿入されていた。また、カシーダを制御するためにtext-justifyプロパティの値として「kashida」が使えた。ほかにtext-kashida-spaceプロパティもあったが、バージョン8以上ではサポートされていない。
CSS3にもtext-justifyプロパティがあるが、「kashida」は2013年に除かれた。
脚注
- ↑ Francis Joseph Steingass (1892). A Comprehensive Persian-English Dictionary. Routledge & K. Paul. p. 1035. http://dsalsrv02.uchicago.edu/cgi-bin/philologic/getobject.pl?c.5:1:2934.steingass
- ↑ Benatia, Elyaakoubi, Lazrek (2006) p.138
- ↑ 道広勇司『アラビア系文字の基礎知識』2005年、18頁。http://moji.gr.jp/script/arabic/Arabic.pdf。
- ↑ Arabic, The Unicode Consortium, https://www.unicode.org/charts/PDF/U0600.pdf, "inserted to stretch characters or to carry tashkil with no base letter"
- ↑ Azmi, Alsaiari (2013) p.86
- ↑ Unicode Standard Version 9.0 p.396,404
- ↑ Nelson, Paul, Justifying Text using Cascading Style Sheets (CSS) in Internet Explorer 5.5, Microsoft Developer Network, https://www.microsoft.com/middleeast/msdn/JustifyingText-CSS.aspx
- ↑ text-kashida-space property, Microsoft Developer Network, https://msdn.microsoft.com/en-us/library/ms531173(v=vs.85).aspx
- ↑ CSS Text Module Level 3: W3C Last Call Working Draft 10 October 2013, World Wide Web Consortium, https://www.w3.org/TR/2013/WD-css-text-3-20131010/