ソーシャライト
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ソーシャライトないしソーシャライツ(Socialite)は、社交界の名士の意。主にアメリカで用いられる用語、アメリカ英語の言葉である。
概要
上流階級や富裕層に属するエンターテインメント性に富み、チャリティー活動(あるいはフィランソロピー、慈善事業)に携わったり、社会団体に属している人物やその家族を指す。
ほとんどが親や夫など親族が築いた財産により暮らしており、名義上親族企業の一員として名を連ねることもあるが、実務に関わることはほとんどない(実務で手腕を発揮している場合はビジネスマン・ビジネスウーマン・ビジネスパーソンと呼ばれることが多い)。
各国事情
ヨーロッパ諸国
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ヨーロッパでは、概して「『由緒ある家』に生まれ、裕福な男性と結婚し、社交界で積極的に活動する女性」を指すことが多いとされる。
イギリス
イギリスでは男女を問わず、貴族やジェントリ、富裕層の一族など、潤沢な不労所得のために基本的に働く必要がなく、社交界で活躍する人々を指す。
主な人物については、
フランス
フランスではチャリティに携わったり、ジェット機を乗り回し、スキャンダルに見舞われる、社交界の人物や上流階級(ハイソサエティ)、上層ブルジョワジー(資本家)といったその種の人物を指すアメリカ英語の言葉とする。関連する言葉として、フランス語版では、上層ブルジョワジーや、フランスの上層ブルジョワ層("19家族"と括られたりする)に浸透したユグノーを挙げている。あるいは英米のWASP、ヤッピー、ハンプトンズ等の言葉を挙げている。
フランス革命や7月革命を経て、第三共和政の成立を受けて貴族制度は公式上無くなったが、それら子孫や富裕層の一族などを中心に謂わば「ソーシャライト」が形成されている(「フランス銀行#200家族」等も参照)。
主な人物については、
アメリカ
19世紀以降、エスタブリッシュメント、あるいは生まれ、人種、教育、経済的地位等で括られた著名なファミリーを指している。特に1886年、ドイツ系アメリカ人のルイス・ケラーによる「"New York Social Register (ニューヨークの紳士録)"」は、ニューヨークを"造った人々"であるニッカボッカーをまとめて編集発行したものとして知られている。
しかし、アメリカは国の歴史が浅い上に、貴族制度や華族制度などの階級制度が存在したことがないために、下記「25ans」誌同様に単なる有名人や成金、資産家、またその子供や子孫を「ソーシャライト」と称したりして、「セレブリティ」との区別が曖昧なところがあるとされる。また、資産家の親を持つ女性を指す場合が多いが、稀に男性にも使われる。
プロではないが、その人脈や知名度のメリットから、ソーシャライト(名士)に対して「セレブタント」と呼ばれるような、映画やテレビ番組、ファッションブランドの宣伝に携わる者もいる。
主な人物については、
日本
日本では言葉自体が浸透していない。
女性向けファッション雑誌「25ans」が積極的に取り上げ、同誌独自の定義を提示している。同誌では「リーダー的存在」、「『名家』出身ながらも独立している」、「海外で働いた経験がある人物」のいずれかであることなどを「ソーシャライト」としている。また「単なる『セレブリティ』とは区別されている」とされる。
主な人物については、
ギャラリー
- アメリカの"ソーシャライト(セレブタント)"、キム・カーダシアン(2007年)