ヒストリー・オブ・バイオレンス

ヒストリー・オブ・バイオレンス』(原題: A History of Violence)は、2005年(平成17年)のアメリカ合衆国カナダ合作の犯罪映画

カナダ人監督デヴィッド・クローネンバーグジョン・ワグナー英語版同名のグラフィックノベル英語版を映画化したバイオレンス・サスペンス

2005年アカデミー賞では脚色賞と、ウィリアム・ハートが助演男優賞にノミネートされた。また、アメリカの評論家から絶賛され、『ローリング・ストーン』誌の2005年のBest top 10で1位に選ばれた。

日本では劇場公開時R-15指定になっている。

ストーリー

インディアナ州の田舎町ミルブルックにある小さなダイナーのオーナーであるトム・ストールは、弁護士の妻エディと高校生の息子ジャック、幼い娘サラとともに穏やかな日々を送っていた。

そんなある日、トムの店が拳銃を持った強盗リーランドとビリーに襲われるが、トムは驚くべき身のこなしで2人を撃退する。店の客や従業員の危機を救ったトムは一夜にして地元のヒーローとなり、新聞やTVで報道される。

それから数日後、片目のえぐれたフィラデルフィアマフィアのカール・フォガティが、手下2人とダイナーに現われ、過去を知っているような口調でトムに親しげに話しかける。フォガティは、トムの本名はジョーイ・キューザックで、フィラデルフィア・マフィアのボス、リッチー・キューザックの弟だと主張する。トムはそれは完全な人違いでありマフィアとは面識がないと否定するが、フォガティはそれを受け入れず執拗に一家につきまとう。

神経質になるトムのイラつきを感じ取った家族はぎくしゃくし始める。そんなある日、息子ジャックは自分に絡み続けていた不良たちに衝動的に暴力をふるい停学となる。トムは息子に「暴力で事を解決するな」と言うが、息子はダイナーでの事件を言い返し家を出て行く。

フォガティらは息子を捕らえ、トムに自分をジョーイと認めフィラデルフィアに同行するよう脅す。その時、トム・ストールはジョーイ・キューザックに豹変し、手下2人を簡単に殺すが傷を負いフォガティに殺されかける。しかし、その背後から息子はフォガティを撃ちトムを助ける。

運び込まれた病院で、トムは妻に過去はジョーイであった事と、しかし過去を捨てトムとして生き直してきた事を告白するが受け入れられず、妻や息子��との関係は破綻する。

そしてある夜、兄リッチーからの電話を受けたトムはジョーイとなり、全てに決着をつけるべく遠路フィラデルフィアに向かう。リッチーはジョーイを殺して示しをつけようとするが、逆にジョーイはリッチーらを皆殺しにする。ジョーイとしての過去を清算し、困憊しきって家に帰ったトムを息子や娘は父として受け入れる。そして妻は伏せた顔をあげ、夫を見た。

キャスト

※括弧内は日本語吹替

評価

レビュー・アグリゲーターRotten Tomatoesでは215件のレビューで支持率は87%、平均点は7.90/10となった。Metacriticでは37件のレビューを基に加重平均値が81/100となった。

主な賞歴

受賞

ノミネート

その他

  • 冒頭に出てくる2人組の強盗リーランド・ジョーンズ(Leland Jones)とウィリアム・オーサー(William Orser)の名は、『セブン』(1995年)で土曜日・第4の殺人「Lust」(肉欲)を犯すキャラクターを演じた、俳優のリーランド・オーサー(Leland Orser)から取られている。
  • 実際のインディアナ州にミルブルックという地名は存在しないが、映画のロケ地となったカナダオンタリオ州にはミルブロックが存在する。
  • 原作コミックと映画には数々の違いがあり、ジョーイとリッチーが兄弟となっているのは映画のみの設定。原作ではリッチーはニューヨーク在住だが、映画ではフィラデルフィア在住となっている。「フィラデルフィア」の地名はギリシア語の「兄弟愛の市」から来ており、街の標語も「Philadelphia maneto兄弟愛)」である。
  • イギリスのエンタメニュースサイトdigital spyの「映画に出てくる名セックスシーンベスト10」で4位に選ばれた。

キャッチコピー

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出典

外部リンク

Uses material from the Wikipedia article ヒストリー・オブ・バイオレンス, released under the CC BY-SA 4.0 license.