第一東京弁護士会
第一東京弁護士会(だいいちとうきょうべんごしかい)は、東京都にある日本の弁護士会の一つである。略称は「一弁」(いちべん)。弁護士会館の11・12・13階に拠点を置く。
概要
東京弁護士会、第二東京弁護士会と並ぶ東京都にある弁護士会。日本弁護士連合会、関東弁護士会連合会に所属している。委員会の他、総合法律研究所を設置し、人権の擁護と能力の向上に努めている。
渋谷に公設事務所を設置しているほか、霞が関、新宿に東京三弁護士会で共同で運営する法律相談センターを設けている。
歴史
明治末年、東京弁護士会の役員選挙で主流派であった「桃李倶楽部」が母体。1922年の役員選挙がきっかけとなって原嘉道、花井卓蔵、岸清一らが中心となって1923年5月8日創立。当時の社会的な背景として、東京大学の卒業者等一定の資格を有していた者に無試験で資格を付与することを廃止し、これに代わって試験資格者として高等学校卒業者に限るとの制限を課する高等試験令の改正をきっかけに、それまで行われていた弁護士試験(受験資格として学歴不要)に暫定措置を導入したため、東京弁護士会の弁護士の数が急増し、会内の統一的な意思形成が不可能になったことがあるとされている。
組織
役員
- 会長は1名。日本弁護士連合会の副会長を兼務する。初代会長は、原嘉道。
- 副会長は5名。
- 監事は2名。
- 常議員は46名。
歴代会長
委員会・協議会
60余りの委員会・協議会がある。
- 資格審査会
- 懲戒委員会
- 綱紀委員会
- 紛議調停委員会
- 経理委員会
- 弁護士推薦委員会
- 人権擁護委員会
- 司法制度調査委員会
- 司法修習委員会
- 刑事弁護委員会
- 弁護士業務改革委員会
- 第1部会(税務)
- 第2部会(カード相談)
- 第3部会(業務拡充・拡大)
- 第4部会(業務推進)
- 第5部会(中小企業)
- 第6部会(コンピュータ)
- 第7部会(遺言センター)
- 第8部会(23条照会)
- 第10部会(国際関係)
- 法曹人口等研究委員会
- 若手会員委員会
総合法律研究所
総合法律研究所は11部会に分かれている。
- 倒産法部会
- 会社法部会
- 遺言信託法部会
- 知的所有権法会
- 金融商品取引法研究部会
- 行政法研究部会
- 租税訴訟実務研究部会
- CSR(企業の社会的責任)研究部会
- スポーツ法学研究部会
- 中国法研究部会
- 現代中近東法研究部会
会報
- 「ICHIBEN Bulletin」毎月1回発行。
- 「いちべんNOW&Future」
支部
多摩支部がある。
意見表明
グーグルマップ改竄事件を受けて岡正晶会長は、被害にあった法律事務所所属の弁護士が同弁護士会に所属しているとした上で、「この弁護士に対しては、他にも、インターネット上での誹謗中傷、危害を加える旨の告知、その他種々の嫌がらせ(業務妨害行為)が続いており、過去に逮捕者も出ている」と状況を説明した。その上で東京第一弁護士会は「弁護士に対するこの種の業務妨害行為は、弁護士制度に対する重大な挑戦であり、当会は断固抗議する」と表明した。
なお、該当弁護士を巡っては2023年にも弁護士や所属法律事務所を名乗った架空請求や爆破予告のメールなどが日本や大韓民国(韓国)で相次いでいるため、東京第一弁護士会が注意を呼び掛ける声明を同年7月に発表している。
参考文献
- 『われらの弁護士会史』(第一東京弁護士会、1971年)
- 『新訂われらの弁護士会史』(第一東京弁護士会、2003年)
脚注
出典
関連項目
外部リンク
- 第一東京弁護士会
- 渋谷シビック法律事務所
- 町田シビック綜合法律事務所(2016年3月31日まで町田シビック法律事務所として第一東京弁護士会の都市型公設事務所、同年4月1日に公設の役割を終えて地元密着事務所としてスタート)
- 日本弁護士連合会:東京 第一東京弁護士会