cURL

cURL(カール)は、さまざまなプロトコルを用いてデータを転送するライブラリコマンドラインツールを提供するプロジェクトである。cURLプロジェクトは libcurlcurl の2つの成果を生んでいる。

libcurl

libcurlとはフリーで使いやすいクライアントサイドURL転送ライブラリであり、2013年10月現在、DICT、FILE、FTPFTPSGOPHERHTTPHTTPSLDAP、LDAPS、SCPSFTPTELNETTFTPのスキームをサポートしている。2010年2月9日のバージョン7.20.0以降はIMAPPOP3、POP3S、SMTPSMTPSRTSPもサポートしている。 libcurlはまたX.509証明書、HTTP POST、HTTP PUT、FTPアップロード、kerberos、HTTPのフォームによるアップロード、プロキシ、HTTPクッキー、ユーザーとパスワードによる認証、ファイル転送のレジューム(中断と再開)、HTTPプロキシトンネリングなどをサポートしている。

libcurlは移植性が高い。libcurlは複数のプラットフォームで同じようにビルド、稼動させることができる。そのプラットフォームには以下のものを含む。 SolarisNetBSDFreeBSDOpenBSDDarwinHP-UXIRIXAIXTru64LinuxUnixWareGNU HurdWindowsAmigaOS/2BeOSmacOSUltrixQNXOpenVMSRISC OSNetWareDOSSymbianOSFAndroidMINIX、IBM TPF等々。

libcurlはフリーであり、スレッドセーフであり、IPv6 コンパチブルである。機能は多く動作は速い。ソフトウェアプログラマはlibcurlを彼らのプログラムに組み込むことができる。40以上のプログラミング言語でlibcurlのためのバインディングが提供されている。

curl

curlはURLシンタックスを用いてファイルを送信または受信するコマンドラインツールである。

curlはlibcurlを使うため、幅広いインターネットプロトコルをサポートする。サポートしているプロトコル(より正確にはスキーム)は前項参照。

Daniel Stenberg1997年にコマンドラインインタフェースでhttp、ftp、gopherその他多くのプロトコルでファイルを転送するための方法としてcurlを書き始めた。その他複数の人々がプロジェクトに重要な貢献をしている。 curlはMIT Licenseに基づき配布されている。curlは自由ソフトウェアである。

Microsoft Windows では、Windows 10 version 1803 以降に標準搭載されている。

curlのコマンドラインからの利用の例

curlの基本的な利用法は、単にコマンドラインでcurlの後に取得する出力のURLをタイプすることである。

example.comのホームページを取得するには、以下のようにタイプすればよい。:

curl www.example.com

curlはデフォルトでは、取得した出力をシステムによって特定された標準出力に表示するようになっている(通常はターミナル)。 したがって上記のコマンドを実行すると、ほとんどのシステムではwww.example.comのソースコードがターミナルに表示される。

curlは、以下のように -o フラグを用いることで、取得した出力をファイルに書き出すことができる。

curl -o example.html www.example.com

これはwww.example.comのソースコードをexample.htmlと言う名前のファイルに保存する。 出力を保存するとき、curlは出力のうちどこまでがダウンロードされたかを表すプログレスバーを表示する。注意:curlは出力をターミナルに表示するときにはプログレスバーを表示しない。プログレスバーが出力の表示を妨げる可能性があるからである。

出力をオリジナルのシステムと同じ名前のファイルに保存するには、-O フラグを用いる。

curl -O (URL)

サポートされているプロトコル

その他にサポートされているフォーマットなどは、以下のものを含む。

作者及び著作権

Daniel Stenbergは600人以上の助けによりcurlを書いた。著名な貢献者は Dan Fandrich、Yang Tse等である。配布物の中のTHANKSファイルは(功績の大小にかかわらず)すべての貢献者の名前を��げている。

curlの著作権はDaniel Stenbergに所属する。2019年2月にDaniel StenbergがwolfSSLに加わり、wolfSSLがcurlのサポートとコンサルティングを開始した。

脚注

関連項目

外部リンク

Uses material from the Wikipedia article cURL, released under the CC BY-SA 4.0 license.