GAZOO(ガズー)は、トヨタ自動車が運営するコンシューマー向け情報提供サービス。自動車とITを融合するe-TOYOTA事業のひとつ。ポータルサイト「GAZOO.com」(ガズー・ドットコム)にて自動車関連の総合情報や、電子商取引(eコマース)やインターネットコミュニティなどのサービスを提供する。
GAZOO発足のきっかけはトヨタ自動車業務改善支援室の課長として勤務していた豊田章男が1996年に有志と共に開発した中古車画像システムUVIS (Used car Visual Information System) である。豊田らはトヨタ生産方式 (TPS) による販売物流現場の「改善」に取り組んだが、キャッシュ・フローを高める上で、下取り中古車が売れるまでの日数や中古車展示スペースの限度が課題になっていた。そこで、デジタルカメラで大量の下取り車の画像を撮影し、展示を待たずに店頭で見られるようにした結果、展示スペースはそのままに中古車の販売台数が1.7倍に増加し、再販までのリードタイムは半分に短縮されたという。その後、板金修理情報システムVBS (Virtual Body Shop) や新車情報システムNVIS (New car Visual Information System) 、整備情報システムMVIS (Maintenance Visual Information System) 、下取り査定システムSAGS (Self Appraisal Guide System) 、保険情報システムIVIS (Insurance Visual Information System) などのサービスが追加統合されていく。しかし、当時の社内では「インターネットで車は売れない」という否定的な意見が強く、トヨタブランドを名乗ることができず、サービスの総称は「GAZOO」と命名された。『画像』のローマ字表記「GAZO」をある時誤って「GAZOO」と書いてしまったのがきっかけで、「画(GA)」の「ZOO=動物園」となり、「楽しく親しまれるものに」という意味も込められた。
1997年10月、トヨタオート室蘭にて画像情報ネットワークシステム「Gazoo」を初導入。1998年4月より全国の販売店へGazoo端末を展開するとともに、インターネット上に会員制ウェブサイト「GAZOO.com」をオープンし、パソコンからも検索可能とした。同年11月に会員数15万人を突破した。
1999年12月にはGAZOO.com内にオンラインモール「GAZOO商店街」をオープンし、「BIKE(オートバイ)」「SHOP(日用雑貨・衣類・家電・食料品)」「MEDIA(CD・DVD・ゲーム)」「TRAVEL(旅行ツアー)」「BOOK(新刊・古本)」「LIFE SERVICE(駐車場・レンタカー・賃貸住宅・国際電話)」などを取り扱うEコマース分野に進出した。1999年末には会員数50万人を突破した。
2000年にはGAZOO事業部(現:e-TOYOTA部)とガズーメディアサービス(現:トヨタコネクティッド)を設立。デジキューブと提携し、Gazoo専用端末をベースにしたマルチメディアキオスク端末「E-TOWER」を開発。NTTコミュニケーションズおよびコンビニ5社 とイープラットを設立し、日本全国のコンビニ、スーパーマーケット、ガソリンスタンドなどにe-TOWERを展開した。
2002年より車向け情報サービスMONET(モネ)とGAZOOの技術を融合し、カーテレマティクスサービス「G-BOOK」を開始。2006年11月のサイトリニューアルでは地図情報やG-BOOK搭載ナビと連携し、会員発信の地域情報を共有する「G-BLOG」「Gazoo mura」プロジェクトなどのサービスを追加した。2013年5月のリニューアルではマイクロソフトのWindows Azureをベースにしたプラットフォームを採用し、SNSとの連携やスマートフォン向けアプリ「GAZOO Drive」の提供を始めた。また、ユーザビリティ改善のため、会員登録をトヨタ系サイト共通のTOYOTA Web Passportに統合した。
GAZOO.comは顧客との「コマース・コミュニティ」作りを目的としており、「トヨタの弱点といわれる20-30歳代の若者層(インターネットやコンビニをよく利用する)との関係性を深める」「約7年といわれる乗り換えサイクル中、修理点検以外では来店する機会の少ないユーザーとの接点を広げる」という役割を担っている。トヨタWEBサイト(www.toyota.jp)やトヨタ公式サイト(www.toyota.co.jp)よりも企業イメージは薄く、カーライフに関連する外部配信のニュースを掲載したり、旧車のデータベースや競合他社の歴史を紹介する独自記事を編集している。過去にはインディーズのヒップホップグループケツメイシをCMに起用してGAZOO会員限定CD「こっちおいでGAZOO」を販売したり、AV女優の紗倉まなに自動車愛好コラムを依頼するなど、世界的大企業としては意外な企画も行っている。インターネット上で展開されるオウンドメディア(企業がつくる情報発信媒体)の先駆けという見方もある。
トヨタのモータースポーツ総合サイト。”Team GAZOO”と称した社内有志によるレース活動を基点に、モータースポーツを通じて自動車ファンを増やす目的でスタートしたプロジェクト。現在はワークス体制での国際レース活動からローカルの普及活動まで幅広く展開し、市販車のスポーツチューンモデルであるGR(ジーアール)ブランドを発表している。
インターネットと車を通してマチ(都会)とムラ(地域)の交流を促進し、地域活性化を支援するとともに、カーユーザーに新たな「体験型ドライブ」を提案する企画。日本各地に開設した「ガズームラ」の住人がブログで地元の名所や特産品などの情報を発信し、その記事を読んでドライブに訪れるユーザーに各種の体験交流型プログラムを提供する。各地のムラやトヨタ関連施設では広報誌「GAZOO muraマガジン」を年4回配布する。
2006年12月に3つのムラからスタートし、2011年3月に全国47都道府県の58ムラまで拡大。この時点で「ムラブロガー」は422名、毎月1,600件の記事が発信され、地域への来訪者は6,500組(約20,000人)を超えると推定される。
トヨタ自動車がスポンサードしたり、運営に関わっている企業スポーツに付けられる統一名称であり、総合サイト「GAZOO SPORTS」で情報を発信している。自社に所属する障害者スポーツのアスリートに関する情報も発信していることが特徴。「GAZOO SPORTS」で紹介されているチームおよび個人は以下の通り。