グレード・ポイント・アベレージ (Grade Point Average、GPA) とは、各科目の成績から特定の方式によって算出された学生の成績評価値のこと、あるいはその成績評価方式のことをいう。
米国の大学や高校などで一般的に使われており、留学、就職の際に成績を示す指標の一つとなる。日本の大学においても一般的に導入されている。
GPAは、各科目の成績評価をグレード・ポイント(GP)という数値に換算し、科目の単位数を重みとする加重平均によって算出する。基本的な算式は次のとおりである。
例えば、2単位の科目のGPが4、4単位の科目のGPが2である場合、GPAは(4 × 2 + 2 × 4)÷(2 + 4)≒2.67となる。不合格科目をGPが0の科目として算入する制度では、その科目の単位数も分母に含まれるため、GPAは修得した科目だけの平均とは異なる。
下表は、フェリス女学院大学の学部における成績評価とGPの対応例である。
| 点数 | 評価 | GP | 合否 |
|---|---|---|---|
| 90–100点 | S | 4 | 合格 |
| 80–89点 | A | 3 | 合格 |
| 70–79点 | B | 2 | 合格 |
| 60–69点 | C | 1 | 合格 |
| 0–59点 | F | 0 | 不合格 |
同大学では、試験欠席やレポート未提出などによるG、出席不足などによるHもGPを0としている。この換算表は、すべての大学に共通するものではない。
算出の対象期間によって、当該学期の成績を集計する学期GPAと、在学中の全期間の成績を集計する累積GPA(通算GPA)を区別する。累積GPAも、対象となる全科目についてGPと単位数の積の合計を総単位数で除して求める。したがって、学期ごとの算入単位数が異なる場合、各学期のGPAを単純平均した値と一致するとは限らない。
成績評価の段階数、各評価に対応するGP、GPの最大値などは大学によって異なる。日本の大学にも、最高評価のGPを4.3とする京都大学や、5とする立命館大学がある。
米国では、A、B、C、Dなどの評価に「+」「−」を加え、それぞれに異なるGPを割り当てる方式も用いられる。例えば、ミシガン大学ラッカム大学院のアナーバー校の規程では、Aを4.0、A−を3.7、B+を3.3、Bを3.0などに換算する。A+のGPは4.3であるが、学期・累積GPAの上限は4.0としている。
算入する科目や再履修の取扱いも制度によって異なる。京都大学では、GPAに算入する科目や同一科目を複数回履修した場合の取扱いを各学部が定めている。ミシガン大学ラッカム大学院では、合否のみで評価するS/U科目や正式に履修を取り消した科目はGPAに算入しない一方、正式な取消手続きを行わず履修を放棄した科目は不合格として算入する。大学間や国際的な成績の比較には、数値だけでなく、こうした換算方式や評価制度の違いを考慮する必要がある。
米国では、企業が採用の際に大学の成績を参照し、応募条件にGPAの最低水準を設けることがある。
文部科学省によるとGPA制度を学部の段階で導入している日本の大学は2005 (平成17)年度には248大学(全体の35%)であったが、2011 (平成23)年度には453大学(全体の61%)、2016(平成28)年度には665大学(全体の90%)、2020(令和2)年度には734大学(98%)となっている。
2022(令和4)年度には、学部段階でGPA制度を導入する大学は746大学(98.4%)となり、このうち741大学がすべての学部で導入している。なお、この集計の母数には大学院のみを設置する大学を含まない。
GPAは、学生に対する個別の学修指導、奨学金や授業料免除の対象者の選定、履修上限単位数の設定などに用いられる。大学によっては、進級・卒業の判定や大学院入試の選抜の基準としても利用される。また、海外留学の推薦基準に用いる大学もある。
大学独自の給付型奨学金の選考でも、GPAを参考にする大学がある。
リクルートワークス研究所が毎年実施している「大卒求人倍率調査」によると、2019年4月入社の新卒一括採用を実施する予定、または実施中の企業では、「採用活動において大学の成績を重視する企業」の割合は、全体の 6.7% という数値になった。ただし、この設問は「大学の成績」の重視を尋ねたもので、GPAのみを対象とした調査ではない。同研究所の分析でも、成績を重視していないことが、大学で学んだ内容や学業そのものを重視していないことを意味するわけではないと指摘している。