この記事は特に記述がない限り、日本国内の法令について解説しています。また最新の法令改正を反映していない場合があります。 |
この記事の一部(2024年12月及び2026年12月の制度改正に関わる部分)は更新が必要とされています。 (2026年7月) |
確定拠出年金(かくていきょしゅつねんきん、DC:Defined Contribution Plan)とは、確定拠出年金法を根拠とする日本の私的年金である。2001年(平成13年)10月1日から掛金の運用が始められた。「日本版401k」とも言われ、日本の年金制度上は最上位の第三階に位置づけられる。
現役時代に加入者が規約で定められた金額を掛金(保険料)として拠出し、この年金の受給資格を得る。運用した結果は納付額の累計等で決まる。企業会計上、退職給付債務に基づく会計処理は適用されない。給付には「老齢給付」「障害給付金」「死亡一時金」の呼び名がある。
対になるものとして確定給付年金がある。
| 国民年金(第1階) | |
| 第1号被保険者 | 1,449万人 |
| 第2号被保険者 | 4,513万人 |
| 第3号被保険者 | 793万人 |
| 被用者年金(第2階) | |
| 厚生年金保険 | 4,047万人 |
| 公務員等 | (466万人) |
| その他の任意年金 | |
| 国民年金基金 / 確定拠出年金(401k) / 確定給付年金 / 厚生年金基金 | |
本記事において、確定拠出年金法については条数のみ記す。
個人型確定拠出年金(こじんがたかくていきょしゅつねんきん、iDeCo、イデコ、individual-type Defined Contribution pension plan)は、少額投資非課税制度(NISA)と同じく非課税制度(他の例:エンジェル投資におけるプレシード・シード特例)。愛称の『iDeCo』は公募によって決定した。
2020年3月末時点で加入者数は156万人であり増加傾向にある。
連合会は個人型年金に係る規約を作成し、厚生労働大臣の承認を受けなければならない。また、国民年金基金連合会が資産管理機関を兼ねる(実際には連合会から金融機関等に資産管理業務が委託されている)。運営管理業務は運営管理機関に委託しなければならない(第60条)。
| 個人型 確定拠出年金 iDeCo | 累積投資型 少額投資非課税制度 つみたてNISA | |
|---|---|---|
| 新規加入費用 | 2829円 | 無料 |
| 年間口座維持費用 | 792円〜 | 無料 |
| 金融機関の変更費用 | 0円〜4400円 | 無料 |
| 現金の受取り費用 | 振込1回につき440円 | 無料 |
| 年間積立額の所得控除 | 対象(小規模企業共済等掛金控除) | 対象外 |
| 取り扱い金融機関数 | 56社 (2020年11月時点) | 597社 (2022年4月時点) |
| 加入者数 | 約242万4千人 (2022年4月時点) | 約518万人 (2021年12月時点) |
| 商品数 | 3 - 35本(2021年12月時点) | 最大166本 (2022年3月時点) |
| 売却資産を再投資する上限額 | 上限なし | 年間40万円以内 (2022年6月時点) |
| 所管行政機関 | 厚生労働省(国民年金基金連合会) | 金融庁 |
※数社のiDeCoで取り扱いをしている「ナスダック100指数」に連動したインデックスファンドは、つみたてNISAでは取り扱いをしていない(2022年4月26日時点)。
ここで言う企業型(Corporate-type defined contribution pension system)の特徴は、「企業が掛金を支払う」(全額事業主負担)というものである。後述するマッチング拠出を利用することで従業員が上乗せで拠出出来る。2020年2月末現在の加入者数は724万人であり増加傾向にある。
平成30年5月より、設立条件を一定程度パッケージ化された制度とすることで、設立時に必要な書類等を削減して設立手続きを緩和するとともに、制度運営についても負担の少ないものにするなど、中小企業向けにシンプルな制度設計とした企業型年金が新設された。一般の企業型との相違点は、
確定拠出年金制度の運営は下記のような機関が業務を担っている。1社が複数の機関を兼務することもできる。
加入者は運営管理機関を通じて運用指図を行い、資産を運用する。運営管理機関の多くはインターネット上で運用指図ができるサービスを提供している。
| 資格喪失年齢 | 必要とされる通算加入者等期間 |
|---|---|
| 60歳以上61歳未満 | 10年 |
| 61歳以上62歳未満 | 8年 |
| 62歳以上63歳未満 | 6年 |
| 63歳以上64歳未満 | 4年 |
| 64歳以上65歳未満 | 2年 |
| 65歳以上 | 1月 |
給付を受ける権利は、譲り渡し、担保に供し、又は差し押さえることができない。ただし、老齢給付金及び死亡一時金を受ける権利を国税滞納処分(その例による処分を含む。)により差し押さえる場合は、この限りでない。租税その他の公課は、障害給付金として支給を受けた金銭を標準として、課することができない(第32条)。
個人型および企業型の確定拠出年金の掛金にかかる課税は以下のとおり。積み立てている間は非課税、積立金を受け取った時に課税されるのが特徴。
運用益は非課税。
企業型の場合、積立金に対して特別法人税が課税されることになっているが、当初からずっと課税凍結しており、凍結期間は延長を繰り返していて、現在は少なくとも2023年3月まで凍結が延長されている。撤廃の議論もある。
受け取り条件によって、課税される科目が異なる。受け取り時に課税対象であった場合は、確定申告の対象となる。
確定拠出年金法の目的は、少子高齢化の進展、高齢期の生活の多様化等の社会経済情勢の変化にかんがみ、個人又は事業主が拠出した資金を個人が自己の責任において運用の指図を行い、高齢期においてその結果に基づいた給付を受けることができるようにするため、確定拠出年金について必要な事項を定め、国民の高齢期における所得の確保に係る自主的な努力を支援し、もって公的年金の給付と相まって国民の生活の安定と福祉の向上に寄与することを目的とする(第1条)。特徴は、年金資産を加入者が行った運用の指図の結果の損益に応じて年金額が決定されることにある。年金資産が個人別に区分され、残高の把握や転職時の資産の移行が容易に行える。事業主側からみた利点は、掛金を確定させれば、給付額は加入者の運用次第なので複雑な年金数理計算が不要となる。また掛金拠出の時点で費用計算をすれば後発債務が発生する心配もない。
企業と労働組合との合意の上で規約を定めれば、規約にて定められた日付から実施可能である。その際の企業規模は一切問わない。対象者が各個人で掛金を支払う「個人型年金」と、企業が掛金を支払う「企業型年金」の2通りがある(第2条)。掛金は自由に決められるが、上限が定められている。掛金は損金または所得控除の対象となる。
確定給付企業年金と最終的な目的を同じくするものの、目的の達成に至る段取りや方法に違いがあり、例えば確定拠出年金では給付を受ける者が厚生年金被保険者に限られないため、「個人」と言う表現を用いている点等が異なっている。
特定非営利活動法人確定拠出年金教育協会は2001年(平成13年)10月1日に確定拠出年金法が制定されたことから毎年10月1日を「確定拠出年金の日」として一般社団法人日本記念日協会に記念日の登録をした。協会では日頃から確定拠出年金についての調査やセミナーを行っている。
年金運用の3階建て部分であるこの制度における個人向けの運用がiDeCoである。拠出額が大きく所得税率が高いほど節税効果も高まるため、高所得者は加入するメリットが大きい。低所得者層にとっては国民年金の半額免除や全額免除のような救済措置もなく3階部分の「iDeCo」のために拠出する余裕資金がほとんどない点から、メリットが少ないとみなされる場合もある。
| 時期 | 加入者数 |
|---|---|
| 2017年3月 | 430,292人 |
| 2018年3月 | 853,723人 |
| 2019年3月 | 1,210,037人 |
| 2020年3月 | 1,562,814人 |
| 時期 | 加入者数 | 実施事業主数 |
|---|---|---|
| 2003年3月 | 8.8万人 | 1,318社 |
| 2004年3月 | 32.5万人 | 2,379社 |
| 2005年3月 | 70.8万人 | 4,350社 |
| 2006年3月 | 125.5万人 | 6,664社 |
| 2007年3月 | 218.7万人 | 8,667社 |
| 2008年3月 | 271.1万人 | 10,334社 |
| 2009年3月 | 311.0万人 | 11,706社 |
| 2010年3月 | 340.4万人 | 12,902社 |
| 2011年3月 | 371.3万人 | 14,628社 |
| 2012年3月 | 421.8万人 | 16,440社 |
| 2013年3月 | 439.4万人 | 17,328社 |
| 2014年3月 | 464.2万人 | 18,393社 |
| 2015年3月 | 505.2万人 | 19,832社 |
| 2016年3月 | 548.2万人 | 22,574社 |
| 2017年3月 | 591.4万人 | 26,228社 |
| 2018年3月 | 648.1万人 | 30,312社 |
| 2019年3月 | 687.8万人 | 33,138社 |