インターロイキン-13

IL13
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1GA3, 1IJZ, 1IK0, 3BPO, 3G6D, 3L5W, 3L5X, 3LB6, 4I77, 4PS4, 5E4E

識別子
記号IL13, IL-13, P600, interleukin 13
外部IDOMIM: 147683 MGI: 96541 HomoloGene: 1649 GeneCards: IL13
遺伝子の位置 (マウス)
11番染色体 (マウス)
染色体11番染色体 (マウス)
11番染色体 (マウス)
IL13遺伝子の位置
IL13遺伝子の位置
バンドデータ無し開始点53,522,151 bp
終点53,525,529 bp
RNA発現パターン
さらなる参照発現データ
遺伝子オントロジー
分子機能• 血漿タンパク結合
• cytokine receptor binding
• cytokine activity
• interleukin-13 receptor binding
細胞の構成要素• 細胞質
• external side of plasma membrane
• 細胞外領域
• 細胞外空間
生物学的プロセス• negative regulation of endothelial cell apoptotic process
• negative regulation of complement-dependent cytotoxicity
• negative regulation of transforming growth factor beta production
• positive regulation of lung goblet cell differentiation
• response to mechanical stimulus
• response to nicotine
• positive regulation of release of sequestered calcium ion into cytosol
• microglial cell activation
• negative regulation of NAD(P)H oxidase activity
• cellular response to mechanical stimulus
• リポ多糖への反応
• negative regulation of lung ciliated cell differentiation
• positive regulation of ion transport
• 免疫応答
• positive regulation of protein secretion
• positive regulation of connective tissue growth factor production
• positive regulation of pancreatic stellate cell proliferation
• response to ethanol
• 炎症反応
• regulation of proton transport
• positive regulation of smooth muscle cell proliferation
• negative regulation of neuron death
• positive regulation of immunoglobulin production
• positive regulation of B cell proliferation
• positive regulation of macrophage activation
• positive regulation of mast cell degranulation
• cellular response to cytokine stimulus
• positive regulation of tyrosine phosphorylation of STAT protein
• regulation of signaling receptor activity
• サイトカイン媒介シグナル伝達経路
• positive regulation of gene expression
• positive regulation of cold-induced thermogenesis
出典:Amigo / QuickGO
オルソログ
種ヒトマウス
Entrez
Ensembl
UniProt
RefSeq
(mRNA)

NM_002188

NM_008355

RefSeq
(タンパク質)

NP_002179
NP_001341920
NP_001341921
NP_001341922

NP_032381

場所
(UCSC)
n/aChr 5: 53.52 – 53.53 Mb
PubMed検索
ウィキデータ
閲覧/編集 ヒト閲覧/編集 マウス

インターロイキン-13(英: Interleukin 13: IL-13)およびその近縁物質であるインターロイキン-4は、脊椎動物の獲得免疫系におけるシグナル伝達タンパク質である。これらは2型サイトカインファミリーに属する免疫調節性サイトカインであり、主に活性化されたヘルパーT2(Th2)細胞によって産生される他、タイプ2免疫応答時には自然リンパ球2型(Innate lymphoid cell type 2: ILC2)、ナチュラルキラーT細胞、肥満細胞、好塩基球、好酸球、ナチュラルヘルパー細胞によっても産生される。2型免疫応答は、B細胞の成熟、免疫グロブリンE(Immunoglobulin E: IgE)のクラス切り替え、好酸球の動員、粘液産生、過剰な炎症を抑制し組織修復を助けるM2マクロファージ極性化を促進することにより、蠕虫のような大型の細胞外寄生虫に対する防御に不可欠である。インターロイキン-13は、IgE合成、杯細胞の過形成、粘液の過剰分泌、気道過敏性、線維化、キチナーゼの発現亢進における中心的な調節因子である。これは、アレルギー性炎症および喘息やアトピー性皮膚炎を含む様々な疾患のメディエーターである。

構造

ヒトのIL-13は、IL13 遺伝子によってコードされている。IL-13は1993年に初めてクローニングされ、5番染色体(英語版)q31.1に位置し、長さは1.4 kbである。分子量は13 kDaで、4本のαヘリックス束に折り畳まれている。IL-13の二次構造はインターロイキン4(IL-4)と類似しているが、IL-4との配列同一性は25%に留まり、IL-4に非依存のシグナル伝達が可能である。

機能

IL-13は免疫細胞に対し、近縁のサイトカインであるIL-4と同様の作用を及ぼす。しかしIL-13は、多くの組織においてアレルギー性炎症によって引き起こされる生理的変化の中心的なメディエーターであると考えられている。

IL-13は主に気道疾患の誘発に関与しているが、抗炎症作用も有している。IL-13は気道内で、マトリックスメタロプロテアーゼ(Matrix metalloproteinase: MMP)として知られるタンパク質分解酵素群を誘導する。これらの酵素は、実質炎症細胞が気道内腔へ進入し、そこで除去される過程に不可欠である。各因子の中でも特にIL-13は、窒息を招きかねない過剰なアレルギー性炎症から身を守る機序の一環として、これらのMMPを誘導する。

IL-13は造血細胞の変化を誘導することが知られているが、その効果はIL-4によるものよりも小さいと思われる。さらにIL-13は、活性化されたヒトB細胞からの免疫グロブリンE(IgE)の分泌を誘導できる。マウスではIL-13を欠損させても、Th2細胞の分化や、強力なアレルゲンによって誘導される抗原特異的IgE応答には顕著な影響はない。これに対し、IL-4を欠損させるとこれらの応答は不活性化される。従って、IL-13はリンパ球系サイトカインというよりは、アレルギー性炎症細胞とそれらと接触する非免疫細胞とを結びつける分子の架け橋としてより顕著に作用し、それによって生理機能を変化させていると考えられる。

IL-13のシグナル伝達は、IL-4と共通のサブユニットを有する受容体を介して開始される。この受容体は、IL-4α受容体(英語版)(IL-4Rα)とインターロイキン-13α受容体(英語版)(IL-13R1)からなるヘテロ二量体受容体複合体である。IL-13とIL-13R1の高い親和性によりこれらが結合することで、IL-4R1とのヘテロ二量体形成および2型IL-4受容体の生成確率がさらに高まる。ヘテロ二量体化により、STAT6(英語版)とインスリン受容体基質(Insulin receptor substrate: IRS)の両方が活性化される。STAT6シグナル伝達は、アレルギー反応の開始において重要である。IL-13の生物学的効果の大部分は、IL-4と同様に、単一の転写因子であるシグナル伝達因子および転写活性化因子6(STAT6)に関連している。インターロイキン-13ならびにIL-4受容体αサブユニット(IL-4Rα)と結合した受容体は、下流におけるSTAT6の活性化を可能にする。受容体の細胞質側にあるヤヌスキナーゼ(Janus kinase: JAK)はSTAT6のリン酸化を可能にし、これにより活性化ホモ二量体が形成され、核へと輸送される。核内に入るとSTAT6ヘテロ二量体分子は、宿主の免疫防御とTh2の分化などのアレルギー性炎症反応とのバランスに重要な細胞の遺伝子発現を調節する。これは、Ala遺伝子[訳語疑問点]に遭遇した際に引き起こされるアレルギー反応の結果として生じ得る。IL-13は、IL-13Rα2として知られる別の受容体にも結合する。IL-13Rα2(デコイ受容体とも呼ばれる)はTh2細胞に由来し、多面的な免疫調節サイトカインである。IL-13は、IL13Rα1よりもIL-13Rα2に対して50倍高い親和性を示す。IL-13Rα2サブユニットはIL-13にのみ結合し、マウスでは膜結合型と可溶型の両方の形態が存在する。ヒトではIL-13Rα2の可溶型は検出されていない。IL-13Rα2遺伝子座欠損を有するIL-13遺伝子改変マウスの肺に関する研究では、IL-13Rα2の欠損により、IL-13またはオボアルブミンによる肺炎症およびリモデリングが著しく増強されることが示された。免疫細胞や内皮細胞などの殆どの正常細胞では、IL-13受容体の発現レベルは極めて低いか、検出不能である。研究により、ヒト喘息患者の気道線維芽細胞表面におけるIL-13Rα2の発現は、正常対照群の気道線維芽細胞と比較して低下していることが示された。これは、IL-13Rα2がIL-13誘導応答の負の調節因子であるという仮説を支持し、マウスの肺におけるTGF-β1の産生およびコラーゲンの沈着が著しく減少していることを示している。

インターロイキン-13は、杯細胞化生において重要な役割を果たしている。杯細胞は粘液(ムチン)で満たされている。Mucin 5AC(英語版)(MUC5AC)は、杯細胞が産生するゲル状の粘液生成物である。インターロイキン-13は杯細胞の分化を誘導し、気管上皮におけるMUC5ACの産生を可能にする。脂肪酸代謝に関わる酵素である15-リポキシゲナーゼ-1(15LO1)とその代謝産物である15-HETE(英語版)は、喘息において高発現しており(これがMUC5ACの過剰発現に繋がる)、ヒト気道上皮細胞ではIL-13によって誘導される。杯細胞の数が増加すると、気管支内で過剰な粘液が産生される。MUCの貯蔵と分泌の変化による機能的な影響は、喀痰産生、気道狭窄、増悪、肺機能の急速な低下などの、喘息患者における様々な臨床的異常の病態生理学的メカニズムに寄与している。

更にIL-13は、慢性住血吸虫症やアトピー性皮膚炎など、2型サイトカインの上昇を特徴とする様々な疾患の経過において、強力な線維化プログラムを誘導することが示されている。この線維化プログラムは、PDGFRβ陽性線維芽細胞上のIL-4Rαを介したIL-13の直接的なシグナル伝達に極めて強く依存していると考えられている。

進化

IL-13はIL-4と密接な関係にあり、いずれも2型免疫を刺激する。このファミリーの遺伝子は、硬骨魚類および軟骨魚類の双方においても確認されている。進化の観点からはIL-4かIL-13かを区別できないため、これらはIL-4/13と命名されている。

臨床的意義

IL-13は、病原体に寄生された臓器において、侵入した生物やその産物を排除するために必要な生理的変化を特異的に誘導する。 例えば、様々なマウス寄生蠕虫の腸管からの排出には、Th2細胞から分泌されるIL-13が必要である。IL-13は、腸管の収縮増強や腸管上皮細胞からの糖タンパク質の過剰分泌など、寄生虫に不利な環境を作り出す幾つかの変化を腸管に誘導し、最終的に寄生虫を腸壁から剥離させ、排除する。

マンソン住血吸虫(Schistosoma mansoni )の卵は、腸壁、肝臓、肺、更には中枢神経系を含む様々な臓器に定着し、IL-13の作用下で肉芽腫の形成を誘発する。しかしこの場合、最終的に臓器障害を引き起こし、多くの場合、重篤なあるいは致命的な疾患に至るが、感染は解消されない。近年、IL-13が細胞内感染の治癒に不可欠なTh1応答を阻害する可能性があるという概念が提唱されている。Th2細胞が異常に大量に動員されるという特徴を持つこの免疫調節異常の状況下では、IL-13は宿主免疫細胞が細胞内病原体を破壊する能力を阻害する。

アレルゲン曝露後に、軽症アトピー性喘息患者の気管支肺胞洗浄液(bronchoalveolar lavage: BAL)および細胞において、IL-13の発現が増加することが実証されている。ゲノムワイド関連解析により、IL-13およびIL-13受容体をコードする遺伝子の複数の多型が、喘息の感受性、気管支過敏性、IgE値の上昇と関連していることが明らかになっている。IL-13の過剰発現は、気道過敏性、杯細胞化生、粘液の過剰分泌、気道リモデリングなど、気道閉塞に寄与するアレルギー性肺疾患の多くの特徴を誘発する。マウスを用いた研究では、IL-13がマウス肺において喘息様Th2応答を誘導するために必要かつ充分であることが示された。IL-13は主に、喀痰、気管支粘膜下組織、末梢血、気道平滑筋束内の肥満細胞において過剰発現している。IL-4もこれらの生理学的変化に寄与するが、IL-13ほど重要ではない。またIL-13は、アレルギー性エフェクター細胞の肺への動員に必要なケモカインの分泌も誘導する。STAT6遺伝子改変マウスを用いた研究は、これらの効果の大部分には、気道上皮を介してのみ起こるIL-13シグナル伝達が必須である可能性を示唆している。ヒト疾患の制御にIL-13が直接関与していることを示す研究はまだないが、IL-13遺伝子の多くの多型が、喘息などのアトピー性呼吸器疾患のリスクを高めることが示されている。喘息のノックアウトマウスを用いた研究では、気道抵抗、粘液産生、線維化促進性メディエーターの誘導は、IL-13R1の存在のみに依存し、IL-13Rα2には依存しないことが判明した。遺伝子改変マウスを用いたin vivo研究により、肺におけるIL-13の過剰発現が気道上皮下線維症を誘導することが示されている。IL-13は、毒素、感染、アレルギー、並びに移植後の閉塞性細気管支炎モデルにおける線維症の主要な影響因子である。

他の研究によるとIL-13は、上皮細胞の生存と遊走の促進、気道上皮細胞による誘導型一酸化窒素合成酵素(Inducible nitric oxide synthase: iNOS)の産生、マクロファージの活性化、上皮細胞の透過性亢進、コラーゲン沈着につながる気道線維芽細胞の筋線維芽細胞への転換に関与していることが示唆されている。この沈着は、喘息患者の気道リモデリングに影響を及ぼす。

呼吸器疾患における確立された役割に加え、IL-13は他の臓器の抗炎症プロセスにおいても役割を果たしている。IL-13は炎症誘発性メディエーターを抑制し、外傷後の創傷修復に関与している。1型糖尿病においては、IL-13はIL-6によって増強される膵β細胞への細胞傷害性刺激に拮抗した。アセトアミノフェン誘発性肝障害のマウスにおいて、好酸球を介したIL-4/IL-13が肝保護機能を媒介した。重度のアルコール関連肝炎では、血漿中IL-13濃度の低下は、短期(90日間)死亡率の予測因子である。しかし、急性期における短期的な有益性とは対照的に、慢性的に上昇したIL-13は線維化および肝硬変の発症に寄与する。

デュピルマブは、IL-4とIL-13の共通受容体であるIL4Rα(英語版)を標的とする、IL-13およびIL-4調節薬であるモノクローナル抗体である。IL-4とIL-13は類似した生物学的活性を有するため、デュピルマブは喘息患者に対する有効な治療法となり得る。センダキマブ(英語版)もまた、IL-13受容体に対するモノクローナル抗体である。

関連項目

出典

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参考文献

外部リンク