MUE-Train

JR東日本209系電車 > MUE-Train
MUE-Train
(鳥沢駅 - 猿橋駅間、2020年12月)

MUE-Train(ミュートレイン)は、東日本旅客鉄道(JR東日本)が、2008年(平成20年)に、在来線車両の技術試験のために209系電車を改造して製作した研究開発用の事業用直流電車(試験車)。

概要

3号車のモヤ209-4。パンタグラフがシングルアーム式のものに交換されている。
(赤羽駅、2009年10月20日)

MUE-Train はMUltipurpose Experimental Train(多目的試験列車電車)を略した愛称。浦和電車区に配置され、京浜東北線・根岸線で使用されていた209系0番台ウラ2編成(川崎重工業製、10両)のうち7両を2008年(平成20年)10月に長野総合車両センターで改造した。車両の記号番号は営業運転当時の普通車を表す「ハ」を、試験車を表す「ヤ」に変えたのみ。改造後は川越車両センターに配置され、首都圏の在来線で走行試験が行われている。

また、次世代車両制御システム「INTEROS」の実用化に向けた試運転をこれまでに行ってきたが、その成果を踏まえて同システムは2015年(平成27年)に試験運転が開始され、同年11月30日に山手線で定期運用を開始したE235系にJRの列車として初めて搭載されることとなった。E235系の定期運用が開始された今日でも、当試験車における試運転は継続されている。

車両

4号車のサヤ209-8。改造後に中央部の窓と行先表示装置が閉鎖された。(赤羽駅、2009年10月20日)

明るい未来、希望を表現する「白」を帯色とし、多くの分野の光り輝く新技術が集結して新しい鉄道システムを構築するイメージを帯に集めるブロックパターンと、つながった「mue」の文字により表現している。編成両端各3両のブロックパターンは4号車方向に下がる斜め模様となっており、4号車の模様はV字状となっている。

ATS-P、ATS-SN、ATC-6といった複数の保安装置を搭載し、様々な路線・状況での試験が可能となっている。また、空気ばね車体傾斜機構の試験のため、車高を抑え、重心を下げるための錘を積んでいる。しかしATACSは搭載されておらず、埼京線の池袋 - 大宮駅間がATC-6からATACSに変更されたため当車両は同区間に入線できない。

当初は7両編成であったが、4号車を抜いた6両編成で運用されることが多かった。サヤ209-8は試験終了にともない2010年(平成22年)に廃車され、以降は6両編成で試験に供されている。

試験内容

東北本線を試験走行するMUE-Train
(栗橋駅 - 東鷲宮駅間、2011年1月19日)

「車両の性能向上に関する開発」「次世代車両制御システムの開発」「営業用車両を用いた地上設備の状態監視用機器の開発」に関わる走行試験を行うとしている。

主な試験実施内容

  1. 車両の性能向上に関する開発
    • 空気ばね式車体傾斜機構の試験
    • 降雨時のブレーキ力向上試験
    • 台車の性能向上試験
    • WiMAX(高速データ通信)の検証試験
    • 走行する車両による風速の測定試験
  2. 次世代車両制御システム(INTEROS)の開発
    • モーター・ブレーキの制御装置と指令・状態監視装置の試験
    • 営業用車両を用いた地上設備の状態監視用機器の開発
    • レール、架線、保安装置(ATS / ATC)などの状態を計測する小型の車両搭載用装置の試験

スケジュール

2008年度2009年度2010年度2011年度
車両
改造
第1期走行試験第2期走行試験
車両の性能向上に関する開発次世代車両制御システムの開発
営業用車両を用いた地上設備の状態監視用機器の開発

編成表

 
号車 7654321
車両 クヤ209-2モヤ209-3モヤ208-3サヤ209-8

(2010年廃車済み)

モヤ209-4モヤ208-4クヤ208-2
試験内容 次世代車両制御システム(INTEROS)の開発
営業用車両を用いた地上設備の状態監視用機器の開発台車の性能向上試験降雨時のブレーキ力向上試験
走行車両による風速の測定試験   空気ばね式車体傾斜機構の試験
  WiMAXの検証試験

脚注

[脚注の使い方]

注釈

    出典

    1. 1 2 3 4 5 “在来線用試験電車 MUE-Train (ミュートレイン)について” (2008年10月7日). 2025年11月23日閲覧。
    2. 1 2 3 プレスマンユニオン編集部 (2025年5月4日). “首都圏のJR在来線に走る、謎の電車「MUE-Train」(ミュートレイン)とは!? | ニッポン旅マガジン”. tabi-mag.jp. 2025年11月23日閲覧。
    3. 1 2 3 “【鉄道ファン必見】“走る実験室”で安全・快適に JR東日本の試験車両「MUE-Train」 (1/2ページ)”. MSN産経ニュース. 2008年10月13日. 2009年3月10日時点のオリジナルよりアーカイブ. 2022年10月2日閲覧.
    4. ↑ なお、ウラ2編成の6号車に組み込まれていたサハ209-6は、新津車両製作所製の6扉車のサハ208-15の組み込みにより、同所製の209系0番台ウラ53編成(8両で落成)の5号車に組み込まれた。

    関連項目

    外部リンク