
オタ芸(オタげい)とは、コンサートなどにおいてファンが繰り広げる応援のためのパフォーマンスで、主に独特な動きを伴う踊り・ダンス掛け声で構成される。文字通りアイドルオタク(追っかけ)等がアイドルや声優などのコンサート・ライブなどで行っている、アイドルのために捧げる応援の芸(パフォーマンス)、応援方法である。オタ芸をすることを打つなどと呼び、オタ芸を楽しむ人たちのことを打ち師と呼んだりする。語源は、「アイドルオタクの芸」の略である。ボカロ曲やアイドル以外の邦楽に合わせてオタ芸を打つこともある。
「オタ芸」と表記されるものは、アイドルを応援するための芸(通称:地下芸)。「ヲタ芸」と表記されるものは、観衆に向けて行うパフォーマンス(通称:サイリウムダンス、サイリウムパフォーマンス)と分類されている。オタ芸とヲタ芸は、共通の動きもあるが、ヲタ芸にはコールがなかったり、技が大量にあったりと、相違点も存在する。[要出典]
代表的なオタ芸には以下のようなものがある。
「オタ芸」という言葉が登場する遥か以前の1970年代 - 1980年代から、アイドルの親衛隊が曲に合わせて一斉に声をかける応援スタイルは見かけられた。
1989年11月22日にリリースされた渡辺美奈代のシングル『恋愛紅一点』において、同曲のAメロの歌唱披露中、ファンが行っていた ”ロマンスダンス” が「オタ芸」発祥の由来・原型とされている。
遅くとも1997年12月9日のナイナイナ第29回「矢部に趣味を!(嘉門洋子、水野あおい)」というテレビ番組でオタ芸の様子が日本全国に放送されている。それ以前にも、水野あおいのコンサートでは毎回オタ芸が行われていたようである(ライブビデオの音声にオタ芸特有の掛け声が記録されている)。
2000年代に入って前述の応援スタイルに踊りが加わるなどして多様化し、ハロー!プロジェクト系コンサートにおいて「オタ芸」という言葉で認知されるようになったとされる。特に、2002年9月4日の「ロマンティック 浮かれモード」の発表が切っ掛けとなり、数年を掛けてお茶の間の目に触れる程度にまで広まったと言われている。しかし、当時はアイドルへの応援活動が一般的な趣味としては捉えられておらず、2005年放送のテレビドラマ『電車男』でステレオタイプなオタクの姿が全国ネットで放映された影響もあり、少なくとも2000年代末まではアイドルに陶酔し切ってファンが応援する姿に対して「幼稚である」「常識に欠けており危険」などと言った批判の声も多かった。その後2006年頃からYouTubeやニコニコ動画などの動画共有サービスを中心としてオタ芸的な各種パフォーマンスの様子が広く拡散し、オタク文化の魅力が一般人にも伝わるようになってきたと共に、Jリーグ・川崎フロンターレの選手が2007年のファン感謝デーで「ンタ芸」と銘打ったパフォーマンスで行うなど、一般にも広く認知されるようになってきた。2014年頃までにはアイドルやアニメも一般的な娯楽となり、オタ芸を行うことを主体としたイベント・ライブも頻繁に開催されるようになっている。現在ではオタク的な趣味も社会的に広く理解されるようになったため、「オタ芸」は1つのエンターテインメントの姿として理解されている。 有名なヲタ芸のパイオニアチームとしてGinyuforcEがある。

オタ芸に対しては、日本独特のライブの楽しみ方の1つとして認知されるようになった一方で、「コンサートなどでオタ芸をする事がイベント来場の主目的になっている」「自分たちの世界に入り込んでしまい独善的で周囲に気を使わない者がいる」「オタ芸という名前が付いているだけで『迷惑行為』である」といった批判もあり、オタ芸が応援行為かそうでないかで意見が分かれている。一部では、オタ芸や過激な応援行為を禁止するケースも出ている。
最近ではヲタ芸をコンサート会場で行うのではなく独立したパフォーマンスアートとして披露する人も多く、その評価は様々である。
鉄道駅のホームや電車の車内でペンライトやケミカルライト(特に赤い色)を振り回すと、乗務員・駅係員が緊急停止合図と誤認し、緊急停止して運行ダイヤを乱す危険性がある事から、JR東日本や西武鉄道などでは使用をやめるよう、注意喚起している。
2017年8月には、神戸のご当地アイドル「KOBerrieS♪」のコンサートにおいて、過度なオタ芸により歌声や演奏が聞こえなかったとして観客が主催者に対しコンサートのやり直しや損害賠償を求める訴訟を起こしている。判決文では、オタ芸について「アイドルのコンサートにおいて、一部の観客が、曲に合わせて『オー!オー!オー!オー!』のような掛け声を出したり、激しく何度もジャンプしたり、棒状のライト(ケミカルライト等)を振り回すなどの行為」として言及されていた。
ブシロードの木谷高明は2020年2月2日、イエッタイガー行為の根絶方向に動くことを宣言。同行為を行ったものに対し、ライブ会場からの退出やブラックリスト化、損害賠償請求などの法的措置検討をすることを表明した。