| プネー पुणे | |
|---|---|
| 愛称 : Oxford of the East, Queen of Deccan | |
| 位置 | |
![]() | |
| 座標 : 北緯18度31分13秒 東経73度51分24秒 / 北緯18.52028度 東経73.85667度 | |
| 歴史 | |
| 設立 | 17世紀 |
| 行政 | |
| 国 | |
| 州 | マハーラーシュトラ州 |
| 県 | プネー県 |
| 市 | プネー |
| 市長 | マンジュシャ・ナグプレ (BJP) |
| 地理 | |
| 面積 | |
| 市域 | 519 km2 |
| 標高 | 560 m |
| 人口 | |
| 人口 | (2011年現在) |
| 市域 | 3,124,458人 |
| 備考 | |
| その他 | |
| 等時帯 | IST (UTC+5:30) |
| ナンバープレート | MH-12 |
| 公式ウェブサイト : https://pmc.gov.in/en | |
プネー(マラーティー語: पुणे, [ˈpuɳe] (
音声ファイル); 英語: Pune)は、デカン高原に位置するインド・マハーラーシュトラ州、プネー県の都市。同州でムンバイに次いで二番目に大きな都市である。
植民地時代には英語名称「プーナ」(Poona)が用いられていたが、のちに「プネー」(Pune)に改称された。


プネーはデカン高原に位置する都市で、金融・経済の中心地であるムンバイの南東に位置し、インド国内の主要都市と空路・鉄道・道路で結ばれている。
18世紀には、マラーター王国の宰相であるペーシュワーの本拠地となった。
「東のオックスフォード」として知られる教育・研究の中心地で、多くの高等教育機関が立地する。サヴィトリバイ・プーレ・プネー大学をはじめとする高等教育機関や研究施設が集積している。プネー都市圏開発庁(PMRDA)も、プネーを教育の中心地として発展してきた都市と位置付けている。
また、工業やビジネスの中心でもあり、IT、工学、自動車産業などが発達している。
20世紀の神秘家メヘル・バーバーゆかりの地である。また、インド独立運動期の1942年には、インドを去れ運動に際してマハトマ・ガンディーらが市内のアーガー・ハーン宮殿に収監された。
プネーの歴史は古く、8世紀のラーシュトラクータ朝期の銅板文書には、この地が「Punakwadi」と呼ばれていたことが記録されている。
17世紀には、プネーとその周辺はマラーター王国の形成とともに重要性を増した。シヴァージーは少年期をプネーで過ごし、その母ジジャーバーイーとともにラール・マハルに居住した。18世紀に入ると、ペーシュワー(宰相)のバージー・ラーオ1世がプネーを政権の中心とし、1730年代にはシャニワール・ワーダーが建設された。以後、プネーはペーシュワー政権の本拠地として発展し、18世紀のマラーター同盟における政治的中心地となった。
第三次マラーター戦争では、1817年にプネー近郊でペーシュワー軍とイギリス軍との戦闘が起こり、翌1818年にペーシュワー政権が崩壊した。これによってプネーはイギリスの支配下に入り、ボンベイ管区の一部となった。イギリス統治下では軍の駐屯地が置かれる一方、教育機関の設立が進み、社会改革運動や民族運動の拠点の一つとなった。
19世紀後半から20世紀前半にかけては、バール・ガンガーダル・ティラクをはじめとする民族運動の指導者が活動した。1932年には、被抑圧階級の政治的代表をめぐってビームラーオ・アンベードカルとマハトマ・ガンディーの間で合意が成立し、いわゆるプーナ協定が結ばれた。
1942年にインドを去れ運動が始まると、ガンディーは妻のカストゥルバ・ガンディーや側近のマハーデーヴ・デーサーイらとともにプネーのアーガー・ハーン宮殿に収容された。ガンディーは1944年5月まで約21か月にわたり拘禁され、その間にカストゥルバとデーサーイが同地で死去した。
1947年のインド独立後、プネーは教育・研究機関の集積と工業化によって急速に発展した。1960年にボンベイ州が再編されると、新設されたマハーラーシュトラ州に属することとなり、その後は自動車産業、製造業、情報技術産業などの集積する大都市へと発展した。
プネーの地方自治は、都市自治体(Municipal Corporation)であるプネー市自治体(Pune Municipal Corporation、PMC)が担っている。PMCは1949年のボンベイ州都市自治体法(Bombay Provincial Municipal Corporations Act, 1949)に基づき、1950年2月15日に設立された。
プネー県にはPMCのほか、隣接するピンプリ・チンチワッドを管轄するピンプリ・チンチワッド市自治体(PCMC)があり、プネー県政府は両者を県内の2つのMunicipal Corporationとしている。
プネーはIT、工学、自動車産業などが集積する工業・経済都市である。特に自動車産業の集積が大きく、マハーラーシュトラ州産業開発公社(MIDC)はプネーをインド最大の自動車産業拠点としており、ピンプリ・チンチワッド地域を中心に多数の自動車・関連企業が立地する。日系の自動車関連企業も進出している。
IT産業も主要産業の一つであり、タタ・コンサルタンシー・サービシズ(TCS)などの大手IT企業が拠点を置く。TCSは2015年にプネーに日本企業向けのデリバリーセンターを開設している。
プネーは「東のオックスフォード」(Oxford of the East)として知られる学術都市であり、多数の高等教育機関や研究機関が集積している。
2008年には、オックスフォード大学のジョン・フッド副総長が、同大学サイード・ビジネス・スクールにインドのビジネスを研究するOxford University India Business Centre(OUIBC)を設置し、プネー近郊の計画都市ラバサにおいても経営者教育プログラムを実施する施設を設ける構想を発表した。
市内および周辺には、国立化学研究所(NCL)、インド熱帯気象研究所(IITM)、防衛研究開発機構(DRDO)の研究施設、大学共同利用天文学・天体物理学センター(IUCAA)など、多数の研究機関が立地する。また、インド政府電子情報技術省傘下の先進コンピューティング開発センター(C-DAC)はプネーに本部(Corporate Office)を置いている。
インド気象局(IMD)は1905年に本部をコルカタからシムラーへ移した後、1928年にプネーへ移転し、1944年にニューデリーへ移転した。
大学では、1949年に設立されたサヴィトリバイ・プーレ・プネー大学(旧プネー大学)が代表的で、多数の学部、研究機関、提携カレッジを擁する。
プネーはインドにおける日本語教育の主要な拠点の一つでもある。サヴィトリバイ・プーレ・プネー大学では1977年に日本語講座が開設され、現在も外国語学部で日本語教育が行われている。また、プネー日本語教師会(Japanese Language Teachers' Association, Pune; JALTAP)が日本語能力試験(JLPT)の現地実施機関となっており、2026年現在、プネーでは7月と12月の年2回試験が実施されている。

プネーは「マハーラーシュトラ州の文化的首都」とも呼ばれ、音楽、演劇、文学などの文化活動が盛んな都市である。歴史的・宗教的な名所も多く、シンハガド、ラージャ・ディンカル・ケールカル博物館、アーガー・ハーン宮殿、パールヴァティー寺院、シャニワール・ワーダーなどが知られている。
祭典では、8月から9月ごろに行われるガネーシュ・チャトゥルティー(ガネーシュ祭)が特に有名である。1893年には、独立運動の指導者バール・ガンガーダル・ティラクがこの祭典を大規模な公共行事として展開し、人々の団結と独立運動を促す場とした。現在もプネーを代表する祭典の一つとなっている。
宗教家バグワン・シュリ・ラジニーシ(Osho)は1970年代にプネーにアシュラムを開設した。現在もコレガオン・パークに「OSHO International Meditation Resort」が所在している。
プネーにはパールシー(ゾロアスター教徒)のコミュニティがあり、複数のゾロアスター教の礼拝施設が存在する。2017年にはAsha Vahishta Zoroastrian Fire Templeが開設されている。
バドミントンの近代的な競技の成立にもプネーは関係している。19世紀、当時プーナ(Poona)と呼ばれていた当地に駐留していたイギリス軍人が、羽根を打ち合う従来の遊戯にネットを取り入れた競技を行い、「Poona」と呼んだ。この競技がイギリスに伝わり、1873年にグロスターシャーのバドミントン・ハウスで行われたことから「badminton」の名称が定着したとされる。
プネーはKoynaダム(英語版)の周りの地震活動が活発な地帯に非常に近く位置している。プネーは、その歴史の中でいくつかの中程度の震度と、多くの低強度の地震を経験した。
プネーで発生したマグニチュード3.0以上の地震を以下に示す。
| 発生時期 | M | 震源地 |
|---|---|---|
| 17 May 2004 | 3.2 | Katraj Region, Pune, Maharashtra |
| 30 July 2008 | 4.2 | Koyna Dam, Koynanagar, Maharashtra |
| 14 April 2012 | 4.9 | Satara district, Maharashtra |
ケッペンの気候区分では、プネーはサバナ気候(Aw)に属し、ステップ気候(BSh)との境界に近い。年間を通じて気温は比較的高いが、標高約560mのデカン高原上に位置するため、沿岸部のムンバイと比べて朝晩は涼しい。
1991年から2020年までの平年値では、年間平均最高気温は31.9℃、年間平均最低気温は18.1℃である。最も暑い時期は4月から5月で、5月の日最高気温の平年値は37.3℃となる。一方、12月から1月は比較的涼しく、1月の日最低気温の平年値は11.2℃である。
年間降水量は841.2mmで、降水は主に6月から10月のモンスーン期に集中する。7月の月降水量は190.0mmで、年間で最も多い。
| プネー(平年値:1991–2020年、極値:1901年以降)の気候 | |||||||||||||
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 月 | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 | 年 |
| 最高気温記録 °C (°F) | 35.9 (96.6) |
38.9 (102) |
42.8 (109) |
43.3 (109.9) |
44.4 (111.9) |
41.7 (107.1) |
36.0 (96.8) |
35.0 (95) |
36.1 (97) |
37.8 (100) |
36.1 (97) |
35.0 (95) |
44.4 (111.9) |
| 平均最高気温 °C (°F) | 29.8 (85.6) |
32.2 (90) |
35.6 (96.1) |
37.9 (100.2) |
37.3 (99.1) |
32.0 (89.6) |
28.3 (82.9) |
27.8 (82) |
29.5 (85.1) |
31.5 (88.7) |
30.7 (87.3) |
29.5 (85.1) |
31.9 (89.4) |
| 日平均気温 °C (°F) | 20.5 (68.9) |
22.5 (72.5) |
25.8 (78.4) |
29.0 (84.2) |
30.1 (86.2) |
27.6 (81.7) |
25.4 (77.7) |
24.7 (76.5) |
25.2 (77.4) |
25.3 (77.5) |
22.9 (73.2) |
20.6 (69.1) |
25.0 (77) |
| 平均最低気温 °C (°F) | 11.2 (52.2) |
12.7 (54.9) |
16.0 (60.8) |
19.9 (67.8) |
22.9 (73.2) |
23.1 (73.6) |
22.4 (72.3) |
21.7 (71.1) |
21.0 (69.8) |
19.0 (66.2) |
15.1 (59.2) |
11.8 (53.2) |
18.1 (64.6) |
| 最低気温記録 °C (°F) | 1.7 (35.1) |
3.9 (39) |
7.2 (45) |
10.6 (51.1) |
13.8 (56.8) |
17.0 (62.6) |
18.9 (66) |
17.2 (63) |
13.2 (55.8) |
9.4 (48.9) |
4.6 (40.3) |
3.3 (37.9) |
1.7 (35.1) |
| 雨量 mm (inch) | 0.7 (0.028) |
0.1 (0.004) |
3.1 (0.122) |
6.8 (0.268) |
19.8 (0.78) |
183.9 (7.24) |
190.0 (7.48) |
156.3 (6.154) |
140.4 (5.528) |
105.3 (4.146) |
28.1 (1.106) |
6.8 (0.268) |
841.2 (33.118) |
| 平均降雨日数 | 0.1 | 0.0 | 0.4 | 0.6 | 1.4 | 9.3 | 13.1 | 10.8 | 8.3 | 5.5 | 1.5 | 0.3 | 51.3 |
| % 湿度 | 36 | 27 | 22 | 24 | 36 | 66 | 77 | 79 | 73 | 57 | 47 | 41 | 49 |
| 平均月間日照時間 | 294.5 | 282.5 | 300.7 | 303.0 | 313.1 | 183.0 | 114.7 | 111.6 | 177.0 | 244.9 | 264.0 | 279.0 | 2,868 |
| 出典1:インド気象局(気温・降水量・降水日数・湿度:1991–2020年) | |||||||||||||
| 出典2:インド気象局(日照時間:1971–2000年) | |||||||||||||

プネー市内には、インド独立運動に関係するアーガー・ハーン宮殿、マラーター王国のペーシュワーの本拠地であったシャニワール・ワーダーなどの歴史的建造物がある。郊外にはシンハガドなどの城塞がある。