Red Hat Enterprise Linux

Red Hat Enterprise Linux(レッドハット・エンタープライズ・リナックス)、略してRHEL(レル)とは、レッドハット社によって開発、販売されている業務向けのLinuxディストリビューション

サポート体制

RHELは、リリースされてから10年間はRed Hatにより、セキュリティアップデートを含めた公式サポートを受けることができる。ただし、RHEL 3, 4は8年目以降最後の3年間は別契約が必要。また、RHEL 5, 6はセキュリティアップデート終了後3年間はダウンロードすることができる。

新規のリリースは、2年程度ごとに行われるとされている。

RHELのライセンス料金は無料で、関連したサービス(バイナリの配布、ソースコードのダウンロード、アップデート、テクニカルサポート、特許訴訟からの保護)に対して料金を支払うサブスクリプション契約となっている。契約期間中には追加料金を支払うこと無しにアップグレードおよびダウングレードを自由に行うことができる。バイナリパッケージとソースコードを入手するためには秘密保持契約を含むサブスクリプション契約が必要だが、本ディストリビューションのアップストリームとなるCentOS StreamのソースコードはCentOSプロジェクトのFTPサイトで公開されている。サブスクリプションの種類は、RHELの種類とサポート時間(8時間または24時間)、サポート期間(1年または3年)の組み合わせによりさらに細かく分かれている。

また、レッドハットはRHELの運用技術のトレーニングを提供している。運用技術者の認定資格としてRHCSA、RHCA、RHCSS、RHCDSといった資格を提供している。詳細は レッドハット#認定資格

バリエーション

RHELにはいくつかの種類があり、バージョン4まではRed Hat Desktop(デスクトップ用途向け)、WS(ワークステーション用途向け)、ES(エントリークラスのサーバ向け)、AS(比較的大規模なサーバ向け)の4種類のバリエーションが存在した。バージョン5はDesktop、base server、Advanced Platformの3種類となった。バージョン6はClient、Serverの2種類に、必要に応じてAdd-onを別途追加する。

RHELは、Red Hat Linux (RHL) に由来するディストリビューションであるが、Red Hat Linuxと比較して、リリースサイクルはしっかりと維持・管理されている。現在は、Fedora及びCentOS Streamの成果を活用している。

  • Red Hat Linux 6.2 → Red Hat Linux 6.2E
  • Red Hat Linux 7.2 → Red Hat Enterprise Linux 2.1
  • Red Hat Linux 9 → Red Hat Enterprise Linux 3
  • Fedora Core 3 → Red Hat Enterprise Linux 4
  • Fedora Core 6 → Red Hat Enterprise Linux 5
  • Fedora 12 / 13 → Red Hat Enterprise Linux 6
  • Fedora 19 / 20 → Red Hat Enterprise Linux 7
  • Fedora 28 → CentOS Stream 8 → Red Hat Enterprise Linux 8
  • Fedora 34 → CentOS Stream 9 → Red Hat Enterprise Linux 9

の関係にある。

AlmaLinuxRocky Linuxなどは、レッドハットが公開しているソースコードを元にした無償で利用できるLinuxディストリビューションであり、RHELとの互換性を目標としている。その他、Oracle LinuxはRHELをベースに独自のカーネルを搭載している。

リリースバージョンの経歴

バージョンの読み方として、旧表記でRHEL 4 Update 5だったものは、新しい表記で4.5と呼ぶようになっている。

派生版

Red Hat系統樹

CentOS/RHEL派生版一覧に掲載され、パッケージ管理等が同様のもの

その他RPM系

その他RPM系派生版一覧に掲載

その他の派生版

開発停止

脚注

外部リンク

ウィキメディア・コモンズには、Red Hat Enterprise Linuxに関するカテゴリがあります。

関連項目

Uses material from the Wikipedia article Red Hat Enterprise Linux, released under the CC BY-SA 4.0 license.