(Sharon) イスラエルの地名のひとつ。今日の、テルアビブ(ヨッパ)から北のハイフア(カルメル山)に至る、地中海に面した肥沃な平原で、砂漠の多いこの地域にあっては、花が咲き草木が生い茂る特別な場所である。「乳と蜜が流れる広い良い土地」(出エジプト3章8節)「シャロンは羊の群れの牧場となるように」(イザヤ書65章10節)シャロンの牧場は、ユダヤ教とキリスト教世界における理想郷を意味する。その地に咲く『シャロンの花』(シャロンのばら(英語版)、雅歌2章1節)は旧約聖書では純潔の象徴として扱われている。「シャロンのばら」が何であるかはいろいろな説があり、クロッカス、チューリップ、ユリ、スイセンなどが学者によって示唆されている。なお、「シャロンのバラ」という名称は、園芸植物にも一般的に用いられている。北米ではムクゲが「Rose of Sharon」と呼ばれているが、ムクゲは東アジア原産である。また、セイヨウキンシバイは、イギリス英語で「Rose of Sharon」と呼ばれているが、こちらも南東ヨーロッパおよび南西アジア原産の常緑低木である。いずれもレバント地方以外を原産地としていることから、聖書の舞台には存在しなかったと考えられる。