SuperBはBファクトリーとして利用することが計画されていた高ルミノシティ電子-陽電子衝突型加速器。プロジェクトは2001年頃に開始し、2012年11月27日にイタリア政府によって中止された。当初はイタリア国立核物理学研究所の監督の下、衝突型加速器をイタリア、ローマ付近のローマ・トル・ヴェルガータ大学のキャンパスに建設することが支持されていた。サイトの場所は後にフラスカーティ国立研究所(地理的には数キロメートルしか離れていない)に変更された。SuperBという名前は衝突型加速器が非常に大量のB中間子を生成することが期待されている事実を指す。
初期の概念設計報告書では、加速器は円形(実際には、六角形に近い)の円周2249メートルの二重リングで、衝突までに電子を7 GeV、陽電子を4 GeVまで加速させると考えられていた。プロジェクトはSuperBの建設開始予定よりも前に廃止されたPEP-II加速器からハードウェアを再利用することによってコストカットすることを提案した。また、BaBar検出器のコンポーネントもこの実験に再利用することが考えられていた。衝突型加速器の建設と試運転には5年かかると見積もられていた。加速器の建設場所については(イタリア、おそらくローマ付近ということ以外)多くは語られていない。報告書の裏表紙で予定地がローマ・トル・ヴェルガータ大学のキャンパスになると示されていた。
後の計画では、加速器の形状は線形インジェクター部分を持つ楕円形に変更された。また加速器はより小さい円周わずか1250メートルとなり(ただしビームのエネルギーは変更されなかった)、最終的には場所がフラスカーティ国立研究所に変更された。計画ではSuperBはフラスカーティ国立研究所の建物の下の(かなり浅い)地下に位置する予定だった。依然としてPEP-IIおよびBaBarのハードウェアを再利用する計画だった。中止時点でプロジェクト全体の予算は10億ユーロのオーダーと見積もられていた。
設計者はSuperBが標準模型のフレーバーセクターを研究する助けになると期待していた。 SuperBは大型ハドロン衝突型加速器によって発見されたあらゆる新しい物理に関するさらなる情報を与えることを意図していた。CP対称性の破れの源を確認し、なぜ宇宙は反物質ではなく物質で満たされているのかの理解に寄与するすることも可能だったかもしれない。受け入れられている物理理論からビッグバンで同量の物質と反物質が生み出されたことが示される。しかしながら、物質と反物質が出会うと互いに対消滅するので、宇宙は空になると考えられる。物理学者はCP対称性の破れが矛盾の原因かもしれないと考えており、設計者はSuperBがこの疑問に光明を投じることができるかもしれないと期待していた。SuperBは過去に可能だったCP対称性の破れのチェックをより高精度にすることが可能だろうと期待されていた。
SuperBは不確定性原理によって、宇宙の初期と同じように多く共存する物質と反物質を観測できるようになるはずだった。この状況は非常に不安定で、非常にわずかな時間しか継続しないが、何十億回も素早く一瞬を観測し、それによって何が起こっているのか画像を構築できると期待されていた。