ジ・オニオン

ジ・オニオン (The Onion)
Tu stultus es(汝、馬鹿なり)
種別パロディ
判型タブロイド判
所有者Onion, Inc.
編集者ジョー・ランダッソ (Joe Randazzo)
設立1988年
本社所在地536 Broadway
10th Floor
New York, New York 10012
United States
発行数690,000
ウェブサイトtheonion.com
Onion, Inc.
業種 出版
設立 アメリカ合衆国ウィスコンシン州マディソン、1988年
創業者 ティム・ケック (Tim Keck)
クリストファー・ジョンソン (Christopher Johnson)
解散 2013年 ウィキデータを編集
本社 、
アメリカ合衆国
主要人物
Steve Hannah(社長兼CEO), Mike McAvoy (COO)
製品 『ジ・オニオン』(The Onion) - 新聞、ラジオ番組、ビデオ、書籍。The A.V. Club(英語版) - ウェブサイト
従業員数
160人
ウェブサイト www.theonion.com ウィキデータを編集
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ジ・オニオン(英語: The Onion)は、米国の風刺報道機関。米国内外および各地域の風刺的なニュースを発信し、また娯楽紙およびウェブサイトの「The A.V. Club(英語版)」も提供している。公称では、米国内の発行部数は690,000部、ウェブサイト読者の61パーセントが18-44歳である。2007年より「ジ・オニオン・ニューズ・ネットワーク」(Onion News Network) として、オンラインでの音声と映像による風刺ニュース公開も行っている。

『ジ・オニオン』の記事は、伝統的な新聞のパロディの形を取っており、社説、街頭インタビュー、株式市況を掲載し、伝統的な新聞のレイアウトにAP通信風の論説欄を持つ。掲載されるユーモア記事のほとんどは、ニュース種になるような日々の事件に基づいているか、よく使われる言い回しのもじり(たとえば見出しを “Drugs Win Drug War”〔麻薬との戦い 麻薬が制する〕にするなど)である。

残りの紙面は風刺的でない娯楽面「The A.V. Club」である。さまざまな新刊メディアのインタビューやレビュー、その週の特集を伝える。印刷版は、発行される地域のレストラン評やライブの予告も掲載する。「The A.V. Club」のオンライン版には独自の連載、ブログ、読者会議室がある。オンライン版は『ジ・オニオン』とは独立したドメイン名を持つ。

沿革

ジ・オニオンの事務所。ニューヨーク市。
コロラド州ボルダーの「ザ・ヒル」事務所。

1988年にウィスコンシン大学マディソン校の2人の3回生、ティム・ケック (Tim Keck) とクリストファー・ジョンソン (Christopher Johnson) が、『ジ・オニオン』を創刊した(当初はウィスコンシン州マディソンで発行されていた)。翌年、彼らは同紙をScott DikkersとPeter Haiseに20,000ドル以下(『ワシントン・ポスト』によれば16,000ドル、「Business 2.0」の2003年の記事によれば売価19,000ドル)で売却した。伝えられるところでは、『ジ・オニオン』という紙名を発案したのはクリス・ジョンソンのおじ、ウィリアム・ニルス・ジョンソン (Wm. Nels Johnson) である。「いつもみんな『ジ・オニオン』の名の由来を聞きたがる」と、ショーン・ミルズ(英語版) (Sean Mills) 前社長は『ウィキニュース』(英語版)のインタビューに対して語っている、「最近、創刊者のひとりティム・ケックに尋ねたら、こう言っていた……おじが、自分とクリスがオニオン・サンドイッチを食べているのを見て『ジ・オニオン』にしようと決めたって。本当だよ。ふたりは本当に、玉葱を切っただけのをパンにのせて食べていたんだ」。チェト・クレム (Chet Clem) 前編集マネージャによれば、ふたりが創刊したころは食費にも事欠き、白いパンと玉葱でしのいでいたという。

『ジ・オニオン』は最初、ごくわずかな都市と町で、特に有名大学でのみ人気を博した(たとえばウィスコンシン州マディソン、ミルウォーキー、ミネアポリス、シカゴ、コロラド州ボルダーなど)。当初は全ページの下2インチが切り取り式のクーポン券(マディソンの住人向けの廉価な学生食堂や「フォー・スター・ビデオ・ヘブン」ビデオショップなど)になっていた。

1996年のウェブサイト開設によって、全国的な展開への道が開けた。2000年、マス・マーケットへの参入により、『ジ・オニオン』はコメディ・セントラルから買収の打診を受けた。それは『ジ・オニオン』の風刺ブランドを他の形態のメディアにも広めようとの申し出であった。しかし2001年はじめ、同社は事務所をニューヨーク市に移転した。紙面はその後もときおりマディソンのことがらを扱っているが、近郊の町の名に置きかえたり、挿入写真を現地のランドマークに差し替えることで話の舞台を変えたりするようになった。2007年4月、『ジ・オニオン』は「ジ・オニオン・ニューズ・ネットワーク」(The Onion News Network) を開始、24時間テレビニュースをウェブ上の動画で配信している。

同紙の創刊者はいずれも、別のオルタナティブ週刊紙(英語版)を創刊した。ケックの『ザ・ストレンジャー(英語版)』(ワシントン州シアトル)と、ジョンソンの『ウィークリー・アリバイ(英語版)』(ニューメキシコ州アルバカーキ)である。

2009年1月、ジ・オニオンのショーン・ミルズ社長——ニューヨーク市でのオニオンの拡張と成長にたずさわった——は、突如、「新たな挑戦の時が来た」(“the time has come for a new challenge”) として退社した。

2009年4月、ジ・オニオンはその「風刺タブロイド記事の24時間ケーブルテレビニュースへの配信が愉快、痛快で、往々にして現実のできごとと見紛うほどであった」功績により、ピーボディ賞を受賞した。

2009年7月、複数の消息筋から、ジ・オニオンの大手メディア企業への売却の危機が迫っているとのうわさが流れ始めた。さらに、売却は2009年7月20日月曜日に発表されるともうわさされた。「売却」は、架空の元発行者T・ヘルマン・ツヴァイベルによって暴露された。彼は版権を中国の企業に売却したとし、その結果オニオンのウェブサイトと出版物は中国関係の記事や特集であふれ返った。2009年7月22日水曜日、『ジ・オニオン』のジョー・ランダッソ (Joe Randazzo) 編集長は米国公共ラジオの「All Things Considered(英語版)」で真相を明かした。「たしかに、『ジ・オニオン』を買い取りたがっている中国のコングロマリットはたくさんあります」と彼は言った、「実は、われわれは米国の会社を買い戻しました」。

頒布

『ジ・オニオン』の印刷版は、ウィスコンシン州マディソン、同州ミルウォーキー、ニューヨーク市、シカゴ、ミネアポリス=セント・ポール、コロラド州デンバー、同州ボルダー、テキサス州オースティン、コロンビア特別区で無償配布されている。また各国の書店(英国など)で購入でき、郵便による有料購読もできる。2005年から2009年まで、カリフォルニア州でロサンゼルス版とサンフランシスコ版が発行されていたが、広告収入が得られず終刊となった。

定番記事

チェト・クレム前編集マネージャとショーン・ミルズ前社長。

『ジ・オニオン』の定番記事には次のようなものがある。

ウェブサイトは2005年にリニューアルオープンした。

ジ・オニオンのウェブサイトは毎日更新されているが、特に(もともと毎日更新になる前からそうだが)水曜日の午後の更新が多い。新聞の『ジ・オニオン』が木曜日に配布されるためである。

記者と編集者

『ジ・オニオン』の編集者は現在ジョー・ランダッソ (Joe Randazzo) である。執筆者はJoe Garden(英語版)、Dan Guterman、Todd Hanson、John Harris、Chris Karwowski、John Krewson、Chad Nackers、Seth Reiss、Baratunde Thurston(英語版)、Will Tracyである。元執筆者にはMark Banker、Max Cannon(英語版)、Amie Barrodale、Rich Dahm(英語版)、Megan Ganz、Janet Ginsburg、Tim Harrod(英語版)、David Javerbaum(英語版)、Ben Karlin(英語版)、Peter Koechley、Carol Kolb、Tom Scharpling(英語版)、Maria Schneider(英語版)、Robert D. Siegel(英語版)、Jack Szwergold(英語版)らがいる。マイケル・ファイスカ (Michael Faisca) とニック・ギャロ (Nick Gallo) がグラフィック・エディターである。『ジ・オニオン』は、外部のフリーランスからの寄稿は受けない。ジ・オニオン・ニューズ・ネットワークはウィル・グラハム(英語版) (Will Graham) とジュリー・スミス (Julie Smith) が制作・監督する。脚本統括は前『ジ・オニオン』編集者のキャロル・コルブ(英語版) (Carol Kolb) である。脚本家としてほかにDan Mirk、Jack Kukoda、Sam Westがいる。

ジ・オニオン・ニューズ・ネットワーク

2007年3月、ジ・オニオンは「ジ・オニオン・ニューズ・ネットワーク」(The Onion News Network; ONN) を開始した。ウェブで動画を毎日放映するもの。これはすでに2006年なかばにはときどき稼働しており、ある不法移民が行政の仕事を年間80万ドルかかるところ60万ドルで請け負っていた、といった話題を流していた。伝えられるところによると、ジ・オニオンはこの動画放送の稼働までに100万ドルを投資し、稼働のためのスタッフを新たに15名採用したという。『ジ・オニオン』前編集長のキャロル・コルブ(英語版) (Carol Kolb) がONNの脚本統括、ウィル・グラハム (Will Graham) がショーランナー兼制作総指揮に就いた。2009年2月3日、ジ・オニオンはONNのスピンオフ作品として「オニオン・スポーツ・ネットワーク」(Onion Sports Network) を開始した。ONNがコメディ・セントラル向けに「オニオン・スポーツ・ニュース」試行版を制作するとの発表もあった。

2007年11月、『ウィキニュース』(英語版)のインタビューに対して前社長ショーン・ミルズ (Sean Mills) は、ONNは大ヒットしていると述べている。「ダウンロード回数は週に100万回を超えている。これはインターネット向け動画のサイトとしては最も成功した部類に入る」ミルズは言う、「一番ではないにしても、そうしたサイトのひとつだということだ。それが24時間ニュースネットワークだ。今度新しい企画を始めるんだけど、すでに『In The Know』という日曜朝のトーク企画があるし、つい先週は『Today Now』というモーニングショーも始めた。本当にわくわくするよ、新たに企画を始め、記事を積み上げていく。来年はスポーツでもそれをやるんだ。」

継続中の企画

「ジ・オニオン・ニューズ・ネットワーク」動画シリーズにはONNのニュースショーから借りてきたような企画や、継続的な報道ものがあり、24時間ニュースネットワークの雰囲気を出している。

映画

『ジ・オニオン・ムービー』(The Onion Movie) はオリジナルビデオ。脚本は当時の『オニオン』編集者ロバート・シーゲル (Robert Siegel) と執筆者トッド・ハンソン (Todd Hanson) 監督は音楽ビデオ監督のトム・カンツ (Tom Kuntz) とマイク・マグワイア (Mike Maguire)。

2003年から製作にかかり、フォックス・サーチライト・ピクチャーズが配給元となったビデオは『The Untitled Onion Movie』と呼ばれたが、制作の途中で監督のトム・カンツとマイク・マグワイア、脚本のロバート・シーゲルがプロジェクトを去った。

2006年、ニュー・リジェンシー・プロダクションズ(英語版)が制作を引き継いだ。2年の停滞の後、映画は2008年6月3日にDVDで発売。監督には新たにジェームズ・クライナー (James Kleiner)、脚本にはハンソンとシーゲルが名を連ねた。

『ジ・オニオン』の記事を真に受けた例

『ジ・オニオン』は実在しない事件を大まじめに報じるので、ときおりほかのメディアが『ジ・オニオン』の記事を本当のニュースとして引用してしまうことがある。

書籍

架空のプロフィール

沿革

公式には、本紙の発刊は18世紀半ばにさかのぼり、250年以上の歴史を誇る。『重商玉葱』(Mercantile Onion) と号したが、これは移民の創刊者フリードリヒ・ジークフリート・ツヴァイベル (Friedrich Siegfried Zweibel) が当時知っていた英単語がこの二語だけだったためである(なお、この「Zweibel」はドイツ語で玉葱を意味する「Zwiebel」の綴りを変えたものである)。同紙の標語は“Tu Stultus Es”(ラテン語「汝、馬鹿なり」)であった。

1896年、ツヴァイベルの孫T・ヘルマン・ツヴァイベル (T. Herman Zweibel) が20歳にして編者となったが、百歳を過ぎ耄碌してもその地位に留まりつづけたと見られる。20世紀の大半の期間、同紙の論調は極めて反動的で、女性参政権運動からテレビドラマの夫婦が同じベッドで眠るシーンに至るまで、その間に起こった社会改革の動きすべてに対して猛烈に反対しつづけた。T・ヘルマン・ツヴァイベルは毎週の論説を執筆していたが、その後2000年にアンドロメダ銀河に向けて宇宙へ飛び去ったため、『ジ・オニオン』はバーナード・バルーク(実業家、投資家。大統領顧問を務めた)とジェミマおばさん(英語版)(Aunt Jemima。ホットケーキミックスで有名)の共同経営に託されることになった。ということになっている。

2008年12月15日から始まったジ・オニオン・ラジオ・ニュースの放送では最近、「Our Dumb World」のエンディングで次のように述べる。「350年以上にわたり皆様に日々のニュースを伝えてまいりましたジ・オニオン……」

年譜

寄稿者と編集者

『ジ・オニオン』の架空の編者はT・ヘルマン・ツヴァイベル (T. Herman Zweibel) である(「Zwiebel」はドイツ語で玉葱。また「Zweifel」〔ドイツ語で「疑い」〕にも似ているが、これはマディソンの地元紙『ザ・キャピタル・タイムズ(英語版)』に関わりのある姓でもある)。彼は「1901年よりこの地位にあ」り、いささか狂っているとされる。

『ジ・オニオン』には、常勤および客員の(架空の)筆者によるコラムがいくつかある。

脚注

  1. 1 2 3 Onion Nation, a November 16, 2008 Washington Post article
  2. 1 2 3 The Onion Media Kit 2008 2007年10月2日閲覧。
  3. ↑ Onion, Inc. contact page
  4. ↑ http://www.youtube.com/user/theonion?blend=1&ob=4
  5. ↑ “The Onion: Funny site is no joke”. Business 2.0. CNN (2003年8月29日). 2008年11月21日閲覧。
  6. ↑ Parodies of current events catch interest of unlikely readers, Kathlyn Hotynski, The Spectator (University of Wisconsin–Eau Claire), February 8, 2007.
  7. 1 2 3 An interview with The Onion, David Shankbone, Wikinews, November 24, 2007.
  8. ↑ MinOnline: Sean Mills Peels From The Onion
  9. ↑ Complete List of 2008 Peabody Award Winners from the Peabody Awards website
  10. ↑ news.cnet.com: No Joke: Report says The Onion discussing sale
  11. ↑ Onion Sale Announcement Monday?
  12. ↑ Well, I've Sold The Paper To The Chinese
  13. ↑ Chopped Onion Makes Us Cry
  14. ↑ A New Owner For 'The Onion'? All Things Considered, July 22, 2009
  15. ↑ SFGate.com: The Onion stopping its editions in S.F., L.A.
  16. 1 2 Hackwork hacked, Los Angeles Times, March 29, 2007, accessed April 27, 2007.
  17. ↑ “Press ‘Play’ for Satire: March 23, 2007 The Wall Street Journal Article”. 2010年4月11日閲覧。
  18. ↑ The Untitled Onion Movie
  19. ↑ Wired 7.03: Award-Winning Local Journalists Reflect Own Self-Hatred Back on Nightmarish World*
  20. ↑ http://www.sfgate.com/cgi-bin/article.cgi?file=/c/a/2002/06/08/MN129538.DTL
  21. ↑ "Onion Taken Seriously, Film at 11"Wired,
  22. ↑ "'Deborah Norville Tonight' for March 12", MSNBC
  23. ↑ “Hvem har hugget Sean Penns emailadresse?” (Danish). TV 2 (2006年1月18日). 2009年6月18日閲覧。
  24. ↑ "Harry Potter Satanism", Snopes.com
  25. ↑ "Harry the Wiz is the Wrong Biz", Creators.com via the Internet Archive
  26. ↑ http://news.bbc.co.uk/1/hi/world/south_asia/8237558.stm
  27. ↑ http://v2.russia.ru/video/news_6464/
  28. ↑ http://www.noisefromamerika.org/index.php/articles/The_Onion%3A_1000_-_Corriere_della_Sera%3A_0#body
  29. ↑ Lars Von Trier med kontroversiell Danmark-reklame on Google Cache (the original article was deleted)
  30. ↑ The Onion: Our Dumb Century
  31. 1 2 http://www.zweibelmemorial.org/timeline.php Retrieved 2007-10-18.
  32. ↑ “アーカイブされたコピー”. 2006年4月7日時点のオリジナルよりアーカイブ。2011年3月23日閲覧。 Retrieved 2008-11-30.
  33. ↑ http://www.zweibelmemorial.org/foundation2.php Retrieved 2007-10-18.

参考資料

関連項目

メディア

その他

外部リンク