ツポレフ134
Ту-134 (Tu-134)
Tu-134(ツポレフ134;ロシア語:Ту-134トゥー・ストー・トリーッツァチ・チトィーリェ)は、ソ連の航空機設計機関であったツポレフ設計局が開発した短中距離用のターボファン・双発ジェット旅客機である。NATOコードネームはクラスティー(Crusty)が割り当てられた。
1960年、ニキータ・フルシチョフがフランス訪問中のシュド・カラベルのデモンストレーション飛行の際に後方に配置されたジェットエンジンの快適で振動も少ない乗り心地に感銘を受け、ソ連帰国後に設計者のアンドレイ・ツポレフに次の旅客機のモデルはシュド・カラベル式を採用するように依頼した。その時点で既にツポレフはTu-104を開発し1955年6月に初飛行していた、またTu-124も1960年3月に誕生していたがどちらとも急いで開発されたため経済性に難があった。
1960年8月1日にソ連閣僚会議の布告により正式にツポレフ設計局に40席級の旅客機の開発が命じられた。新旅客機はTu-124の派生型として開発が行われ、Tu-124の胴体に大幅な変更はなしに採用しフルシチョフ要請に通りにエンジンは尾部に配置され、降着装置の設計は変更されず尾翼はTu-124より広い面積となった。
1962年の秋、最初の試作機の製造がモスクワのツポレフ設計局試験工房で始まったが早期の完成を目指していたためTu-214の部品が使われた、完成した試作機は登録記号:CCCP-45075であった。1962年末に主任設計者がドミトリー・マルコフからレオニード・セリャコフへと変わり、1963年2月末にTu-124Aの名称は廃止されTu-134へと名を改めた。
初飛行はTu-134として1963年7月29日に行われた。1964年に量産が始まり、1967年9月にTu-134は初の定期便としてモスクワからアドラー (ロシア)までの路線に就航した。
Tu-134ではリア・エンジン方式を採用しエンジンはソロヴィヨーフ D-30を搭載した、エンジンを胴体後部に移したためT字尾翼となっている。外見上はフランスのカラベルやアメリカのダグラスDC-9に似ている。主翼の後退角は35度。初期に生産されたTu-134Aは機首部分が爆撃機のようなガラス風防になっており、航法士用の座席が用意されていた。また初期型には逆噴射装置が搭載されていなかったため着陸時はパラシュートを使用していた。また補助動力装置も当初は搭載されておらず逆噴射装置とともにTu-134Aからの搭載となった。
国際民間航空機関から認証を受けた最初のソ連製航空機である。
後に量産された機体は機首下面にレーダーが装備されたが、生産された多くはガラス張りの機体であった。また胴体が細いためDC-9とほぼ同じ大きさでありながら乗客数はさほど多くなく、最大でも100名弱程度である。なお、西側諸国の同時期の同規模の機材に装備されていた機内オーディオシステムやオーバーヘッド・ストレージは装備していない。
試作機を含め累計で854機が製造され、アエロフロート・ソビエト航空だけでなくインターフルークなど共産圏の航空会社などに多く導入されたため、多くの共産主義国の国営航空会社の主力機種でもあった。また、一部は空軍などでも運用された。製造は1989年に終了した。1990年以降、IACOの定めた騒音基準を満たさず多くの西ヨーロッパの空港がTu-134を制限した。1996年にはロシア国内だけで267機のTu-134が登録されていたが、4年後には159機まで減少した。2007年以降、ロシアの経済危機や高騰した石油価格高騰により多くの航空会社がTu-134の運航を停止し、アエロフロート・ロシア航空では2008年1月1日にTu-134の運航を停止した。
旧ソ連圏や旧東側諸国では現在も軍や政府専用機などで運用されている。2020年末時点でロシア軍が60機のTu-134を主にTu-134Shが運用されており、ロシア連邦政府専用機では10機が運用されている。また北朝鮮の高麗航空はTu-134の世界最後の商業運用航空会社である。北朝鮮国内線で運用されているとされる、これについてはYouTubeのPoletMe Aviation Videos様の動画で確認できる。(外部リンクの項を参照)
| 派生タイプ | 概要 | 生産数 |
|---|---|---|
| Tu-134 | 初期はTu-124Aと呼称.ガラス風防付き、当初定員は72〜76名。 | 49機 |
| Tu-134A | エンジン系統を改良し、胴体を2.80m延長したもので定員は76〜84名。 | 375機 |
| Tu-134A-2 | ガラス風防の廃止。 | |
| Tu-134A-3 | エンジンをソロヴィヨーフD-30に換装した主生産型。今日運用される機体はほぼすべてがこの型。 | |
| Tu-134AK | 162機 | |
| Tu-134B | 定員は80〜90名、ガラス風防の廃止。 | 45機 |
| Tu-134B-3 | 定員は96名、ガラス風防の廃止。 | |
| Tu-134UBL | Tu-160の乗員訓練用機材として開発。機首がTu-160同様のものになっている。 | 78機 |
| Tu-134UBK | Tu-134UBLの海軍版である。 | 1機 |
| Tu-134SKh | 地質測定や作物量評価などを行うタイプ | 9機 |
| Tu-134B-1 | 定員は90名 | 不明 |
| Tu-134LK | 訓練用機材。 | |
| Tu-134BV | 特別試験機体。 | |
| Tu-134BSh | Tu-22Mの乗員練習機 | |
| Tu-135 |
Tu-134Bは胴体下部に増槽タンクがあるため膨らんでいるのがわかる。
| Tu-134 | Tu-134A | Tu-134B | Tu-134B1 | Tu-134B3 | |
|---|---|---|---|---|---|
| 運航乗務員数 | 3/4名 | ||||
| 最大座席数 | 72席 | 84席 | 96席 | 90席 | 96席 |
| 全長 | 34.35m | 37.05m | 31.01m | ||
| 全高 | 9.02m | 9.14m | |||
| 最大離陸重量 | 44,500kg | 47,000kg | 52,390 kg | ||
| エンジン型式 | ソロヴィヨーフ D-30 | ソロヴィヨーフ D-30 シリーズ II | |||
| 巡航速度 | 900km/h | 905 km/h | |||
| 航続距離 | 2400km | 3020km | 4,398km | ||
| 初飛行年 | 1963年 | 1980年 | |||

2026年9月時点
2026年9月時点