
無人地上車両(むじんちじょうしゃりょう、英語: unmanned ground vehicle, UGV)は、人間を乗せることなく陸上を走行する車両のこと。無人地上車両は人が居ることが危険や不可能、または不便であるなど多くの用途で使用することが可能である。一般的に、車両は周辺環境を観測するための一連のセンサーを持ち、自律的に行動に関する決定を下すか、別の場所に居る人間のオペレーターに対し情報を送信し、遠隔操作によって車両が制御される。
無人地上車両は、無人航空機(UAV)や無人水上艇(USV)、無人潜水艇(UUV)と対をなす陸上の乗り物である。無人ロボットは人が厭う様々な作業を行うため、官民問わず積極的に開発が行われている。

1921年10月号のRCA社『World Wide Wireless』誌の中で、実際に動く遠隔操作車両の特集が掲載されている。1930年代にはソビエト赤軍がテレタンクと呼ばれる、別の戦車から無線で遠隔操作することができる機関銃搭載型の戦車を開発した。この戦車はフィンランドとの冬戦争や、1941年にナチス・ドイツがソビエト連邦に侵攻した独ソ戦における東部戦線の戦闘初期に使用されている。
第二次世界大戦中の1941年、イギリスではマチルダII歩兵戦車の無線操縦型を開発しており、このマチルダ戦車は「ブラックプリンス」の渾名で呼ばれ、潜伏する対戦車砲の砲撃を誘発させる目的や、建物などの破壊に使用されたとみられている。戦車のギアボックスをプリセレクター・ギアボックス(ウィルソン式)に変更する費用負担が重く60両の注文はキャンセルされた。
1942年以降、ドイツ陸軍は遠隔地での障害物解体作業にゴリアテ自走地雷を使用した。ゴリアテは60kgの爆薬を搭載し、有線式の制御ケーブルで遠隔操作できる小型のキャタピラ車両であった。1940年にフランスが敗戦した際に発見されたフランスの工業デザイナー、アドルフ・ケグレスが開発した小型追跡車からヒントが得られたことで開発が行われた。しかし、鈍重であり、制御ケーブルへの依存、武器に対する脆弱性など、コストパフォーマンスが悪く成功したとは言い難いものであった。
「シェーキー」と名付けられた初となる大規模な移動式ロボットの開発は、1960年代に国防高等研究計画局(DARPA)の研究調査目的としてSRIインターナショナルで製作されたものとなる。シェーキーは、テレビカメラ、センサー、コンピュータを搭載した車輪付きのプラットフォームとなり、コマンドに基づいて木のブロックを拾い上げ、特定の場所に置くという移動作業を支援するものであった。その後、DARPAはアメリカ陸軍と共同で、一連の自律型および半自律型の地上ロボットを開発した。1983年から1993年にかけ行われた人工知能などを含む、戦略的コンピューティング・イニシアチブの一環として、DARPAは自律式ランドビークルのデモを行っている。これは、道路上でも道路外でも有用な速度で完全に自律走行できる初となるUGVであった。
無人地上車両は、その用途に応じ、一般的にプラットフォーム、センサー、制御システム、誘導インターフェース、通信リンク、システム統合装置などの構成要素を含んでいる。
様々な無人地上車両が使用されており、主に不発弾や爆発物処理など、危険な状況下で人間の代わりに使用されており、更なる強度や小型化が必要とされる場所、人間が容易に近づけない状況下で使用されている。無人地上車両はアメリカ海軍の作戦遂行に有益と見做されており、アメリカ海兵隊の戦闘を助ける上で大きなウェイトを占めており、更には陸上や水上でのロジスティクス作戦に活用されている。
無人地上車両はまた、平和維持活動、地上監視、検問所での警備、武器の標的として利用され、都市部での各種宣伝や啓蒙活動、警察と特殊部隊による市街地での突入作戦を援助する目的で開発が行われている。この他、無人地上車両は救助と災害復旧の任務でも使用されており、アメリカ同時多発テロ事件の発生後、グラウンド・ゼロにおいて生存者を捜索するために使用された。