UNIVAC 1104

UNIVAC 1104(ユニバック1104)は、1950年代後半にアメリカ合衆国で開発された電子式デジタルコンピュータであり、UNIVAC 1103 系列の技術を応用して設計されたリアルタイム制御用途向けの専用機である。科学技術計算を主目的とした1103とは異なり、1104は主に航空機搭載またはミサイル誘導システムでの使用を想定していた。この機種は軍事用途限定の、制御用の専用機であり、汎用科学計算向けの1103系列とは分類上異なる系統に属するとされる。

概説

UNIVAC 1104 は、スペリーランド社の一部門である Engineering Research Associates(ERA) (英語版)によって開発された。UNIVAC 1104は、UNIVAC 1103 のアーキテクチャを一部受け継ぎながらも、ワード長を 36ビットから30 ビットに短縮し、制御用コンピュータとして設計されたとされる。

1104 の設計は、アメリカ空軍とウェスティングハウス( Westinghouse Electric)の要請に基づいて行われた可能性が高く、書面で明らかになっている搭載例はボマーク地対空ミサイルシステム(BOMARC)の誘導装置とされる。ミサイル制御用途なので、1104は小型化・信頼性向上・応答速度を重視していたと考えられる。

兵器制御コンピュータなので、軍事機密に属しており、公開された情報はきわめて少ない。このコンピュータに関する主要な情報源は、Unisys社員による空軍基地内のミサイル開発現場への出張に関する報告書(1958年10月21日付)や、Unisys社元技術者による技術史団体である 「VIP Club」による言及である。

1104の概要(詳細不明)

詳細な内部アーキテクチャや命令セット、クロック周波数、入出力装置に関する資料は公開されていない。寸法、重量なども不明。

歴史

UNIVAC 1104 は、1957年ごろに設計されたとされる。その契約書も、試作、製造、納入に関する資料も一般には公開されていない。

主要な情報源である VIP Club(Unisys社元技術者による技術史団体)の記録によると、1104はボマーク・ミサイル誘導システム(BOMARC)の誘導システムのプロトタイプとして使われた。その後の記録では、より新しい制御用コンピュータのUNIVAC G-40(軍用型番 AN/USQ-20) に置き換えられたとされる。

参考文献

脚注

  1. ↑ コンピュータ史の、"商用の汎用コンピュータ"の系統図などでも、UNIVAC I, UNIVAC II, UNIVAC 1103などは言及されるが、1104は通常言及されず、まったく別扱いである。軍事専用、制御専用、兵器組み込み専用だからである。
  2. ↑ Unisysの制御システム部のW. C. Nelsonが、フロリダ州 エグリン空軍基地内のポマーク誘導ミサイル開発現場(ウェスティングハウスによるもの)に1958年9月23日~10月11日に出張し、それについて1958年10月21日付で書いた出張報告書、およびそれに関連したVIP Club(Unisysの元技術者ら)のコメントである。


  1. ↑ “BOMARC”. 2025年10月13日閲覧。 1958年10月21日付のTrip report(出張報告書)についてのVIP ClubによるResearch Comments(研究コメント)の節。
  2. ↑ “BOMARC”. 2025年10月13日閲覧。 Unisys社員による1958年10月21日付のTrip report(出張報告書)。社員が出張の際にミサイル開発現場で行った作業のひとつとして「We then erased the drum in preparation for the coming memory tests which could cause trouble due to the power failure. (電源トラブルの悪影響が出る可能性があったので、メモリテストのためにドラムメモリを初期化した)」との記述がある。
  3. ↑ “Commercial Computers, Chapter 59”. 2025年10月3日閲覧。

関連項目