VB 10

VB 10
ヘール望遠鏡で撮影したVB 10の1999年から2008年までの固有運動。
ヘール望遠鏡で撮影したVB 10の1999年から2008年までの固有運動。
仮符号・別名 GJ 752B
ファン・ビースブルック星
星座 わし座
見かけの等級 (mv) 17.30
変光星型 閃光星
分類 M型主系列星
位置
元期:J2000.0
赤経 (RA, α)  19h 16m 57.622s
赤緯 (Dec, δ) +05° 09′ 02.18″
赤方偏移 0.000097
視線速度 (Rv) 29 km/s
固有運動 (μ) 赤経: -582.307 ミリ秒/年
赤緯: -1371.830 ミリ秒/年
年周視差 (π) 170.1 ± 0.8ミリ秒
(誤差0.5%)
距離 19.304 ± 0.008 ly

(5.919 ± 0.002 pc)

軌道要素と性質
元期:J2000.0
グリーゼ752Aからの平均距離 74 ミリ秒
(約434 au)
惑星の数 1?
物理的性質
半径 約0.102 R☉
(0.497 RJ)
質量 0.0779 M☉
(81.6 MJ)
自転速度 6.5km/s
スペクトル分類 M8.0V
表面温度 2,600 K
色指数 (B-V) 2.12
金属量[Fe/H] 0
年齢 <1.0×109年
発見
発見年 1944年
発見者 ジョージ・ファン・ビースブルック
発見方法 天体写真
他のカタログでの名称
BD+04 4048 B,
わし座V1298星,
WDS J19169+0510B
■Template (■ノート ■解説) ■Project

VB 10(グリーゼ752B、ファン・ビースブルック星)は、わし座の方向に、地球から約19光年離れた位置にある赤色矮星である。

概要

大きさの比較
木星 VB 10
木星 Exoplanet

VB 10は、M型のスペクトルタイプを持つ小さな赤色矮星である。質量は太陽の0.0779倍しかなく、木星と比べても81.6倍しかない。これは恒星と褐色矮星の境界部に相当する。これは発見当時、ウォルフ359の0.09M☉を下回る、最も軽い恒星であった。地球から約19光年という近い距離にあるにも関わらず、視等級は17.3しかない非常に暗い恒星である。

VB 10は、非常に大きな固有運動を持つ。この大きな固有運動のため、発見以前の乾板写真で撮影されていたにも関わらず、VB 10自身の暗さもあって存在が見逃されていた。

VB 10は閃光星であり、大規模なフレアを放出する。ハッブル宇宙望遠鏡は1990年代半ばに、普段は表面温度が2,600Kしかない冷たい恒星から、最大で10万℃に達する高温のフレアを観測している。VB 10は、グリーゼ752Aと重力的に結び付いた連星である。グリーゼ752Aも変光星であり、りゅう座BY型変光星であるが、グリーゼ752AはVB 10の6倍重い恒星である。VB 10とは約434au離れている。

グリーゼ752AとB (VB 10) の大きさの比較と、内部のダイナモの図。

発見

VB 10は、マクドナルド天文台のオット・シュトルーベ反射望遠鏡を利用して、ジョージ・ファン・ビースブルックによって1944年に発見された。VB 10は、連星であるグリーゼ752Aの大きな固有運動の観測中に発見された。グリーゼ752Aは、マックス・ヴォルフによって25年前に同様の方法で「ウォルフ1055」としてカタログされていた。

名前

惑星の存在可能性

2009年5月28日、NASAのジェット推進研究所は、ヘール望遠鏡を使用して、VB 10に太陽系外惑星VB 10bを発見したと発表した。ヘール望遠鏡は、大気によるゆらぎを補正する補償光学装置を備えており、高い精度で恒星の位置を観測する事が出来る。その結果、VB 10に非常に小さなずれが観測された。この揺らぎは、3km離れた髪の毛1本分という非常に小さな揺らぎである。この揺らぎは、質量が木星の6.4倍、公転周期が271.6日である惑星によるものとされた。VB 10とVB 10bの質量差は12.8倍もの差があるのに対して、直径はほぼ同じとされた。VB 10bが実在するならば、位置天文学法によって発見された最初の太陽系外惑星である。しかし、その後ドップラー分光法による観測では、予測される程度のドップラー効果を検出する事は出来なかった。これは、この惑星の真の質量が、最初の観測値の半分以下、木星の3倍程度である可能性がある。いずれにしても、VB 10bの存在はまだ確定していない。

VB 10の惑星
名称
(恒星に近い順)
質量 軌道長半径
(天文単位)
公転周期
(日)
軌道離心率 軌道傾斜角 半径
b (未確認) 6.4+2.6
−3.1
MJ
0.360 +0.006
−0.016
271.56+3.0
−3.0
< 0.98 96.9 +7.4
−1.8
°
—

脚注

[脚注の使い方]

注釈

出典

  1. 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 “VB 10 -- Flare Star”. SIMBAD. CDS. 2017年3月12日閲覧。
  2. 1 2 3 Stuart Lowe、Chris North 著、吉川真 訳『COSMOS - インフォグラフィックスでみる宇宙』丸善出版、2016年12月10日、135頁。ISBN 978-4-621-30072-5。
  3. 1 2 3 4 Linsky, Jeffrey L.; Wood, Brian E.; Brown, Alexander; Giampapa, Mark S.; Ambruster, Carol (1995). “Stellar Activity at the End of the Main Sequence: GHRS Observations of the M8 Ve Star VB 10”. The Astrophysical Journal 455: 670. doi:10.1086/176614. ISSN 0004-637X.
  4. 1 2 3 4 5 6 7 Pravdo, Steven H.; Shaklan, Stuart B. (2009). “AN ULTRACOOL STAR’S CANDIDATE PLANET”. The Astrophysical Journal 700 (1): 623-632. doi:10.1088/0004-637X/700/1/623. ISSN 0004-637X.
  5. ↑ Jenkins, J. S.; Ramsey, L. W.; Jones, H. R. A.; Pavlenko, Y.; Gallardo, J.; Barnes, J. R.; Pinfield, D. J. (2009). “ROTATIONAL VELOCITIES FOR M DWARFS”. The Astrophysical Journal 704 (2): 975-988. doi:10.1088/0004-637X/704/2/975. ISSN 0004-637X.
  6. 1 2 van Biesbroeck, G. (1944). “The star of lowest known luminosity”. The Astronomical Journal 51: 61. doi:10.1086/105801. ISSN 0004-6256.
  7. 1 2 3 4 “Planet VB 10 b”. Extrasolar Planets Encyclopaedia. exoplanet team. 2017年3月12日閲覧。
  8. 1 2 3 “Planet-Hunting Method Succeeds at Last”. NASA (2009年5月28日). 2017年3月12日閲覧。
  9. 1 2 3 “古典的な系外惑星検出法がついに成功”. AstroArts (2009年6月2日). 2017年3月12日閲覧。
  10. ↑ Bean, Jacob L. et al. (2010). “THE PROPOSED GIANT PLANET ORBITING VB 10 DOES NOT EXIST”. The Astrophysical Journal 711 (1): L19-L23. doi:10.1088/2041-8205/711/1/L19. ISSN 2041-8205.
  11. ↑ Anglada-Escudé, Guillem; Shkolnik, Evgenya L.; Weinberger, Alycia J.; Thompson, Ian B.; Osip, David J.; Debes, John H. (2010). “STRONG CONSTRAINTS TO THE PUTATIVE PLANET CANDIDATE AROUND VB 10 USING DOPPLER SPECTROSCOPY”. The Astrophysical Journal 711 (1): L24-L29. doi:10.1088/2041-8205/711/1/L24. ISSN 2041-8205.

関連項目

座標: 星図 19h 16m 57.622s, +05° 09′ 02.18″