Ayuca

ayuca(アユカ)は、岐阜乗合自動車(岐阜バス)が発売する非接触型ICカード乗車券である。岐阜バスグループのほか、岐阜市周辺の一部のコミュニティバスでも導入されている。発行枚数は約37万枚(2026年1月時点)。

長良川の清流をイメージしたデザインで、右下に3匹のアユが泳ぎ、左上に「ayuca」のロゴがある。グラフィックデザイナーの左合ひとみによるもので、カード裏面に「デザイン:左合ひとみ」の記載がある。

岐阜バスのmanaca導入に伴い、2026年12月31日にサービスを終了する予定。

概要

2002年12月20日、岐阜市は国土交通省(旧運輸省と旧建設省)及び警察庁が連携して創設したオムニバスタウンに指定された。岐阜市のオムニバスタウン事業「オムニバスタウンぎふ」ではバス交通基盤の整備・強化の一環としてバスレーンの導入のほか、料金支払いの簡便化のためにICカードの導入を検討した。

2006年12月1日、岐阜乗合自動車(岐阜バス)がオムニバスタウン事業の一環として、国・岐阜県・岐阜市の協力を得て、ICカード乗車券「ayuca」を発売した。取扱窓口は岐阜バスターミナル、JR岐阜案内所、岐阜バス各営業所のほか、岐阜バスグループの岐阜バスコミュニティ各務原営業所、岐阜バスコミュニティ八幡八幡営業所、岐阜バストラベル関旅行センター、岐阜バストラベル大垣旅行センターでも取り扱いを行った。2007年3月16日からayuca定期券が発売開始された。

ayucaに対応する自動運賃収受システムは岐阜県本巣市に本社を置くレシップ製が採用されている。

2022年12月、岐阜バスが2024年春を目途にmanacaを、2026年春を目途にmanaca定期券を導入し、その後ayucaを廃止する検討を行っていることが報道された。その後、2024年3月2日にmanacaなど全国10種類の交通系ICカードが導入された(manaca定期券はこの時点では未導入)。

2026年1月7日、岐阜バスは同年2月16日から「manaca」を販売開始し、同年12月31日で「ayuca」を廃止する事を発表した。ayucaの新規発券は2026年2月15日を以って終了し、同年12月31日にayucaのチャージ、紛失・破損登録など窓口での取扱い全般、及びバスでの利用が終了となる。ayuca定期券の新規・継続発券も2026年2月15日を以って終了し、翌2月16日以降はmanaca定期券で発行される。なお、2026年2月15日までに発行したayuca定期券は通用期間終了まで使用できる。また、manaca定期券の発売に伴い、通勤定期券・通学定期券における2ヶ月定期券が廃止され、通学学期定期券も2ヶ月と端数を付与した定期券が廃止された。

種類

SF(ストアードフェア)機能のみの「ayuca」と、定期券機能が付加された「ayuca定期券」に大別される。それぞれ乗車対象者に応じて種類が異なる。

また、岐阜市に居住する70歳以上の高齢者を対象者とした、「ayuca」を元に作成している「高齢者おでかけバスカード」も存在する(交付申請必要。初回交付時に限り額面3,000円がチャージ済み。運賃は終日2割引)。

ayuca

種類記名有無対象SF有効期限
普通カード選択可一般大人なし
通学カード記名式一般学生卒業する年の3月31日
こどもカード記名式一般小児卒業する年の4月5日
障がい者カード(大人)記名式障がい者大人誕生月末日
障がい者カード(小児)記名式障がい者小児誕生月末日または卒業する年の4月5日のどちらか早い方

ayuca定期券

種類記名有無対象付加されるayuca
通勤大人用記名式一般大人普通カード
小児用記名式小児こどもカード
障がい者(大人)記名式障がい者大人障がい者カード(大人)
通学大人用記名式通学を目的とする一般大人通学カード
小児用記名式通学を目的とする小児こどもカード
障がい者(大人)記名式通学を目的とする障がい者大人障がい者カード(大人)

沿革

ayucaの導入以前は磁気式バスカードを導入していた。

岐阜市が国土交通省・警察庁により指定されたオムニバスタウン事業の一環として、バス利用者の利便性を向上させる目的で導入した。東海3県(愛知・岐阜・三重)の交通系独自のICカードシステムの導入は東海旅客鉄道(JR東海)のTOICAに次いで2例目で、バス会社としては東海3県で初めてであった。

年表

購入・返却・再発行について

ポイントサービス

2021年11月30日まで、バス乗車の利用金額に応じてポイントが貯まっていた。貯まったポイントを還元することにより、カード残額(利用可能額)に加算されていた。

2006年12月1日から2011年9月30日まで

カードの種類・利用日・時間帯により、乗車1回ごとの利用金額に対して次表の割合でポイントが付与される。

種類利用日・時間帯(降車時基準)付与率
普通カード
障がい者カード
下記を除く14.5%
平日10時から16時まで
土曜、日曜、祝日、8月13日 - 15日および12月29日 - 1月3日の終日
40.0%
通学カード
こどもカード
下記を除く35.0%
平日10時から16時まで
土曜、日曜、祝日、8月13日 - 15日および12月29日 - 1月3日の終日
40.0%

ポイントの還元は、次にチャージするときに自動的に行われる。100ポイント単位で還元され、100ポイント未満の端数は繰り越される。

2011年10月1日から2021年11月30日まで

乗車1回ごとの利用金額に対するポイントは「基本ポイント」となり、これに暦月1ヶ月間の累計利用金額に対する「ボーナスポイント」が加わる。

1ヶ月間累計利用金額付与ポイント累計ポイント
2,000円未満なしなし
2,000円到達時50ポイント50ポイント
5,000円到達時100ポイント150ポイント
10,000円到達時150ポイント300ポイント

ポイントの還元は、基本ポイント・ボーナスポイントとも、翌月以降初めて降車するときに自動的に行われる。10ポイント単位で還元され、10ポイント未満の端数は繰り越される。

乗継割引

使用方法

ayuca利用時

岐阜バスターミナルにある入金機

カード残額が少ない時は使用前に、バス車内、営業所・案内所などの取扱窓口または岐阜市役所・大学病院などにある自動入金機でチャージ(入金)しておく。カードには1,000円単位で最高20,000円までチャージできる。

  1. 乗車時に入口の乗車リーダーにカードをタッチすると、カードに整理券番号が記録される。整理券は取らなくてよい。
  2. 降車時に運賃箱の降車リーダーにカードをタッチすると、事前にチャージしておいたSFから、運賃が引き落とされる。
  3. カード残額が不足した場合、「カード残額が不足です」と音声メッセージが流れるので、現金で精算するか、その場でayucaにチャージして運賃を支払う。
  4. 乗車時にカードをタッチするのを怠った場合、下車時にカードをタッチすると、「ご乗車になった停留所をお知らせください」と音声メッセージが流れるので、市内均一区間外を走行する路線の場合は、乗車したバス停を申告するか、代わりに受け取った整理券を運転士に手渡して運賃を差し引いてもらう。この場合、乗継割引が適用されない場合がある。

ayuca定期券利用時

  1. 乗車時に入口の乗車リーダーにカードをタッチする。この時に、車内前方の運賃表を見て実際に乗車するバス停名が表示されているか確認したほうが良い。もし違ったままタッチすると、降車時に乗車区間が定期券の範囲内でも乗り越し精算扱いになってしまうことがある。タッチすると、カードにバス停情報が記憶される。
  2. 降車時に運賃箱の降車リーダーにカードをタッチする。
  3. 乗車区間がすべて定期区間内の場合、「ピッ」と音がして降車できる。
  4. 乗車区間に定期券の範囲外が含まれる場合、「乗り越し精算しました」(カード残額が乗り越し区間の運賃以上の場合)または「ピーッ」(カード残額不足の場合)と音がする。残額不足の場合、現金で不足分を支払うかその場でayucaにチャージして乗り越し分の運賃を支払う。
  5. 乗り越し精算の際に支払う運賃は、乗り越した区間を普通に乗車した時の運賃と同じである。
  6. 乗車時にカードをタッチするのを怠った場合、下車時にカードをタッチすると、「ご乗車になった停留所をお知らせください」と音声メッセージが流れるので、乗車したバス停を申告して処理をしてもらう(区間外精算の必要がない場合は、定期券の表面を運転士に提示しても良い)。

取り扱い区間

相互利用

相互利用関係(クリックで拡大)

2013年3月23日から交通系ICカード全国相互利用サービスが開始されたが、ayucaについては相互利用サービスが始まる前に導入されたため、当時設置した約320台の運賃箱はayuca専用で相互利用には対応しておらず、更新には億単位の投資が必要なため、TOICAやmanacaなどとの片利用扱いも含めて相互利用を見合わせており、ayuca以外の交通系ICカードは使用不可の状態となっていた。

2024年3月2日よりmanacaとの片利用が開始され、岐阜バスでも2026年2月16日からmanacaを完全導入すると同時に、岐阜バスでもmanacaの各種手続きやmanaca・TOICA・Suicaなど交通系ICカードの全国相互利用対応カードによるチャージが利用可能となった。なお、2015年(平成27年)7月に国土交通省においては、地元利用・圏外利用・外国人利用の利便性も踏まえたayucaを含む地域独自カードエリアにおいて、manaca、TOICAなどの全国相互利用サービス対応の10カードを片利用可能にする新システムの開発、支援を検討していることを発表している。

助成制度

大野町においては、町独自の申請で一定額を支援する制度があるが、岐阜バス直接の発行分や重複利用は無効となる。なお、岐阜バスのayuca廃止に伴い、アユカ助成(新規・積み増し)は、2025年度をもって終了することになり、アユカ新規交付助成の申請は2026年2月13日まで、アユカ積み増し助成の申請は同年3月31日をもって受付を終了する。

乗車カード以外としての利用

2011年10月1日から、名鉄協商のカーシェアリング「カリテコ」の会員カードしての利用が可能になった。また、同日より提携店舗でayucaを提示すると割引・粗品進呈などの特典を受けられるサービスが開始されたが、電子マネーとしての利用はできない。

脚注

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注釈

  1. ↑ ただし、最初の発売日から誕生月までが6ヶ月未満の場合、翌年の誕生月末日まで。
  2. ↑ 名鉄バス担当便では、2011年2月11日からmanacaが利用できる。
  3. ↑ 累計ボーナスポイントは、1ヶ月につき300ポイントが上限
  4. ↑ 2026年3月31日までは名古屋関美濃線の名鉄バス運行便も使用できなかった(代わりに名古屋関美濃線の名鉄バス担当便は、manacaをはじめとする全国交通ICカードが利用可能だった)。
  5. ↑ 2011年10月のポイントサービスの変更では、名鉄バスにおけるmanacaマイレージポイントと付与率が同じになったが、ポイント還元方法や端数の取り扱いが異なる。

報道

  1. ↑ 「アユカ、2月販売終了 サービス年末まで マナカを販売へ 岐阜バス」『朝日新聞』2026年1月20日。
  2. ↑ 「【独自】「アユカ」を「マナカ」移行へ 岐阜バス、24年3月にも」『中日新聞』2022年12月10日。オリジナルの2022年12月14日時点におけるアーカイブ。2022年12月10日閲覧。
  3. ↑ 「岐阜バス 24年春から交通系IC「manaca」いよいよ導入 全国のICカードも」『岐阜新聞』2022年12月10日。オリジナルの2022年12月22日時点におけるアーカイブ。2022年12月10日閲覧。
  4. ↑ 「「ayuca」廃止、manacaに一本化 岐阜バス独自ICカード、26年春にも」『岐阜新聞』2022年12月22日。オリジナルの2022年12月22日時点におけるアーカイブ。2022年12月22日閲覧。
  5. ↑ 「岐阜バス独自のICカード「アユカ」12月廃止 2月15日の発売終了以降は「マナカ」発売」『中日新聞』2026年1月8日。2026年1月29日閲覧。
  6. ↑ 「あなた発! トクダネ取材班 岐阜バスIC乗車券「ayuca」だけ...なぜ?」『岐阜新聞デジタル』2020年9月13日。
  7. ↑ 「列島1枚で「ピッ」 交通IC10種 23日から相互利用」『中日新聞』2013年3月17日、朝刊、1面。

出典

  1. 1 2 3 4 5 『岐阜バス窓口でのmanaca発売開始およびayuca廃止について』(プレスリリース)岐阜乗合自動車、2026年1月7日。
  2. ↑ “オムニバスタウンぎふ:バス交通基盤の整備・強化 ~人・まち・環境にやさしいまちづくりにむけて~”. 交通総合政策課. 2006年8月27日時点のオリジナルよりアーカイブ。2026年2月17日閲覧。
  3. ↑ 『12月1日ICカード乗車券「ayuca(アユカ)」誕生』(プレスリリース)岐阜乗合自動車、2006年11月9日。オリジナルの2007年1月25日時点におけるアーカイブ。
  4. ↑ 『ayuca(アユカ)定期券『平成19年3月16日発売開始』』(プレスリリース)岐阜乗合自動車、2007年3月16日。オリジナルの2007年7月4日時点におけるアーカイブ。
  5. ↑ 岐阜大学地域協学センター・岐阜県『大学生が県内企業の若手社員に聞いた働くこと・やりがい・成長とは? 学生×企業取材レポート』産学金官連携人材育成・定着プロジェクト推進協議会、2019年11月、7頁。
  6. ↑ 『最先端科学体験プログラム(情報系) ayucaの仕組みとビッグデータの可能性』岐阜県立岐阜高等学校、2016年11月16日、1頁。
  7. ↑ 「運賃箱など最新鋭のバス運行機器も展示……『バスフェスタ2023inモレラ岐阜』が熱すぎた!!」『バスマガジンWeb』講談社ビーシー、2023年5月22日。
  8. 1 2 『manacaなど全国交通系ICカードが使えます』(プレスリリース)岐阜乗合自動車、2024年3月2日。
  9. ↑ 『manaca定期券発売に伴う変更点について』(プレスリリース)岐阜乗合自動車、2026年1月26日。
  10. ↑ “高齢者おでかけバスカード交付事業”. 岐阜市高齢福祉課 (2026年2月9日). 2026年2月17日閲覧。
  11. ↑ “ayuca(アユカ)定期券”. 岐阜乗合自動車. 2015年2月21日時点のオリジナルよりアーカイブ。2026年2月17日閲覧。
  12. ↑ 『通学1年定期券の新設および通学平日定期券の発売終了について』(プレスリリース)岐阜乗合自動車、2022年2月1日。オリジナルの2022年2月1日時点におけるアーカイブ。
  13. ↑ 「関シティバスにICカード「アユカ」を導入しました」『広報せき』2011年10月1日号(No.1593)、関市、2011年10月1日、10頁。
  14. ↑ 『関シティバスでICカード(アユカ)が使用できます』(プレスリリース)関市。オリジナルの2016年11月2日時点におけるアーカイブ。2016年11月2日閲覧。
  15. 1 2 “アユカ(ayuca)のポイントサービスが平成23年10月1日より変更となります。”. ayuca乗車券. 岐阜乗合自動車. 2014年12月9日時点のオリジナルよりアーカイブ。2016年11月2日閲覧。
  16. 1 2 『ICカード乗車券「ayuca」のポイント付与サービス終了について』(プレスリリース)岐阜乗合自動車、2021年9月1日。オリジナルの2021年9月2日時点におけるアーカイブ。2023年11月15日閲覧。
  17. ↑ 『10年間未利用の「アユカ」の失効について』(プレスリリース)岐阜乗合自動車、2016年10月31日。オリジナルの2016年11月2日時点におけるアーカイブ。2016年11月2日閲覧。
  18. ↑ 『岐阜乗合自動車株式会社ICカード「ayuca」乗車券取扱規則』岐阜乗合自動車、2026年2月16日。「別表2」
  19. ↑ “ICカード「ayuca(アユカ)」について”. 関市 (2020年10月22日). 2026年2月17日閲覧。
  20. ↑ 『交通系ICカードの普及・利便性拡大に向けた検討会とりまとめ』国土交通省、2015年7月。オリジナルの2015年7月23日時点におけるアーカイブ。2017年8月15日閲覧。
  21. 1 2 “アユカ(新規・積み増し)の助成をします”. 大野町役場総合政策部総合政策課 (2018年6月1日). 2026年2月17日閲覧。

関連項目

岐阜乗合自動車 発行
ICカード乗車券
>>他のIC乗車カード

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