
1/700はスケールモデルで使用される縮尺の一つである。艦船模型では標準スケール(デファクトスタンダード)として用いられ、艦船以外でも建築物やキャラクターモデルの一部などで使用されている。本項では1/700の艦船のプラモデルについて主に述べる。
1/700は日本のプラモデルメーカー4社(静岡模型教材協同組合=青島文化教材社、田宮模型、ハセガワ、フジミ模型)が共同して開発した艦船のプラモデル、ウォーターラインシリーズが採用したことにより一般化したスケール(縮尺)であるが、現在では世界の多くのメーカーから1/700のプラモデルやガレージキットが発売されている。1/700でモデル化されているのは艦船および艦船と組み合わせることを前提とした航空機、軍用車両、建造物等と、艦船用アクセサリーパーツが主であるが、城などの建築物やアニメや特撮作品に登場するメカなどの一部にも1/700でモデル化されているものがある。近似のスケールとして1/720があり、艦船モデルに採用しているメーカーも存在するが、現在では新規の製品開発はほとんど行われていない。
ウォーターラインシリーズ開始以前、海外ではエレールが1/400、フロッグ、レンウォールが1/500、エアフィックス、オーロラが1/600で艦船のキットを作っていたが、その他のメーカーでは製品の長さを統一するいわゆる箱スケールが普通であり、1/700で作られたキットは無く、標準スケールといわれるものもない状態であった。そのような中、レベルは1967年より新たに1/720統一スケールで艦船キットの販売を開始し、1971年のウォーターラインシリーズ開始時には既に9点のキットを発売していたが、追従するメーカーは無く、1社のみの規格に留まっていた。
日本国内では、ウォーターラインシリーズ以前にも1/700スケールのキットは存在し、マルサン、イマイ、三和等から戦艦、空母、重巡洋艦などのキットが販売されており、ウォーターラインシリーズに参加するフジミからも空母大鳳のモーターライズキットが発売されていた。また、渥美産業(ASK)からはウォーターラインシリーズに先駆けて連合艦隊を網羅すべく1/1000スケールの連合艦隊シリーズが発売されており、にしき屋飛行機店(JNMC)からも同様に1/1000の軍艦シリーズが展開されていたが、同型艦の差異や、年代による変化を再現するためには1/1000では小さすぎたため、ウォーターラインシリーズには作りやすさとコレクション性のバランスの取れた1/700スケールが採用された。
ウォーターラインシリーズは4社共同企画ということもあり、1971年の開始後順調にキット数を増やして行ったが、他に追随するメーカーは無く、1/700は国内だけの規格という位置づけであった。そのような中、1970年代後半になって新たに3つのメーカーが艦船モデルの発売を開始した。1つはイギリスのマッチボックスであり、1977年に1/700の艦船キットの販売を開始した。同じく1977年には日本のグリーンマックスも1/700の艦船キットの販売を開始し、現在まで続くスカイウェーブシリーズとなった。 これにより1/700スケールは世界標準に近づいたが、1978年に艦船キットの販売を開始したイタリアのItalaerei(現イタレリ)はスケールに1/720を採用した。イタレリは日本国外のメーカーとしては最も早い時期に1/35の戦車を発売し、日本発の1/35スケールのデファクトスタンダード化に貢献したメーカーだけに、艦船キットにレベルと同じ1/720を採用したのは皮肉であるが、これによりその後しばらく1/700と1/720の近似スケールが並存することとなった。レベルの製品は古く製作には手間もかかるためそれ程ではなかったものの、イタレリの新キットが1/700でないことを残念に思うウォーターラインシリーズのファンは当時少なくなかった。
1/700と1/720の関係に決着が付いたのは1980年代後半である。当時既にキット数では圧倒的な差が付いていた上、1988年に海外2番目のメーカーとして香港のドラゴンモデルズが1/700のキットの販売を開始し、その後徐々に海外でも1/700のキットを販売するメーカーが増えていった。
これまでに1/700またはその近似スケールのプラモデルを発売したことのある主なメーカーを下記に示す。