AISAS

AISAS(アイサス)とは、2004年に電通によって提唱された、インターネット環境下における消費者行動のプロセスを示すフレームワークである。従来の消費者行動モデルであるAIDMAをベースにしつつ、デジタル社会における「検索」と「共有」という能動的な行動をプロセスの中核に据えている点が特徴である。

概要

2000年初頭、デジタル化の発展により、情報の流通構造は企業から消費者への一方通行から、消費者自身が情報を探索・発信する双方向型へと変容した。かつてはテレビや新聞などのマスメディアを通じた「認知」と「記憶」がマーケティングの主眼であったが、ブロードバンドの普及とSNSの台頭により、消費者は情報の探索および情報の発信者となった。

電通は、インターネット広告の台頭やメディア環境の複雑化に対応するため、従来のAIDMAモデルを再構築し、AISASを提唱した。このモデルは「AISAS」として同社の登録商標となっている。

歴史

AISASのフレームワークの根本は、1898年にアメリカのエルモ・ルイスが提唱したAIDAモデルに遡る。ルイスは、広告の機能を「Attention(注目)をひき、Interest(興味・関心)を維持し、Desire(欲求)を作り出し、Action(行動)させる」というAIDAモデルを体系化した。

その後、1920年代にサミュエル・ローランド・ホールによって、日本で広く普及することとなるAIDMAモデルが提唱された。AIDMAでは、AIDAの広告接触と購買行動の間に存在する時間的・空間的断絶を埋めるため、「Memory」のプロセスが追加されている。

2000年代に入り、消費者がインターネットへの常時接続環境を手に入れたことで、受動的に情報を記憶する必要性が低下した。電通が2004年に提唱したAISASモデルは、AIDMAにおける「Desire(欲求)」や「Memory(記憶)」に代わり、デジタル特有の行動である「Search(検索)」と「Share(共有)」を組み込んだものである。

AISASの5段階プロセス

AISASは以下の5つの頭文字で構成される。

脚注

  1. 1 2 3 4 5 6 7 “AISASとは?WEBマーケティングに必要不可欠な消費行動を解説 ...”. GMOリサーチ&AI. 2026年2月10日閲覧。
  2. 1 2 3 4 5 MDPI (2021). “Online Tourist Behavior of the Net Generation: An Empirical Analysis in Taiwan Based on the AISAS Model”. Sustainability 13 (5): 2781. doi:10.3390/su13052781.
  3. ↑ Sugiyama, Kotaro; Tim Andree (2010) (英語). The Dentsu Way: Secrets of Cross Switch Marketing from the World's Most Innovative Advertising Agency. McGraw-Hill Professional. ISBN 978-0071748124
  4. ↑ “The Aida Model Explained & Best Practices”. Ryte. 2026年2月10日閲覧。
  5. ↑ “AIDA model”. EBSCO. 2026年2月10日閲覧。
  6. ↑ “AIDMA・AISASとは?基本的な概念や違い、活用事例を解説|Zoho CRM”. Zoho. 2026年2月10日閲覧。
  7. ↑ “084 WEB時代のマーケティングモデル "FMOT"と"ZMOT"と"SMOT"”. 東京デザインルーム. 2026年2月10日閲覧。

関連項目