AN/ALR-67レーダー警戒装置(RWR)は、敵対的な可能性のあるレーダー波の放射を航空機の搭乗員に警告するために設計された電子戦用受信機である。
本装置は、A-6E イントルーダー(SWIP)、AV-8B ハリアーIIプラス、EA-6B プラウラー、F-14 トムキャット、F/A-18 ホーネット/スーパーホーネットなど、複数の機種で運用されていたアメリカ海軍(USN)のAN/ALR-45の後継として開発された、脅威警戒機能と電子対抗手段(ECM)制御機能を統合したシステムである。
軍用電子機器型式命名規則(JETDS)に基づき、AN/ALR-67という名称は、対抗手段用受信装置であるアメリカ陸軍およびUSN共用の航空機搭載電子機器の67番目の設計であることを示している。現在、JETDSは米国防総省のすべての電子システムや、一部のNATOの電子システムの命名にも使用されている。
重量45kg(99lb)のALR-67は、機体の各所に配置された4本のアンテナを使用しており、各アンテナは約180度の円錐状の視野または開口面を有している。当初のシステムは、主に1~16GHz(波長30.0~1.9cm)のレーダー信号を受信・処理し、脅威の識別情報や相対方位を搭乗員に提供するものだった。現在では、数次にわたる改修を経て、UHF、L、S、C、X、Ku、さらにはKバンドを含む複数のIEEEレーダー帯域(0.5~20GHz、波長60.0~1.5cm)をカバーするようになっている。
搭乗員に対する脅威情報の主要な表示は、画面中央から同心円状のリングが広がる円形のレイアウトで行われる。様々なレーダー脅威を表す英数字コードの記号が、航空機に対する脅威の計算された方向に応じてディスプレイに表示される。同心円は脅威までの距離を表すのではなく、計算された脅威レベルを表しており、画面の中央に近いほど脅威が大きく、画面の端に近いほど脅威が小さく表示される。
当初は独立したシステムであったALR-67は、搭載された射撃管制レーダー、データリンク、妨害装置、ミサイル探知システムと統合し、連携して運用するようになった。
1970年代初頭、USNは電子戦機EA-6B専用の第3世代RWRの開発を計画した。この計画はCWCS(対抗手段警戒・管制システム)と命名された。1974年にUSNがCWCS開発計画の入札を募ると、1975年にリットン・インダストリーズのアプライド・テクノロジー部門がその契約を獲得した。同部門はその後、アメリカ軍向けに多種多様なRWRを製造することとなり、1990年の砂漠の嵐作戦(湾岸戦争)の時点では、米国の固定翼機1,000機の80%、およびカナダとクウェートの戦闘機の100%にリットン製のRWRが搭載されていた。当時、AN/ALR-67はA-6、AV-8B、F/A-18、F-14Aといった航空機に採用されていた。
USNは、当初のALR-67を改修するため、ECP-510(技術変更提案)を発行した。このカード単位での改修により、信号感度が大幅に向上したほか、コンピュータのパルス処理能力も強化された。当初ALR-67はリットン・インダストリーズ社が製造していたが、後継モデルであるALR-67(V)および(V)2については、ノースロップ・グラマン社のエレクトロニック・システムズ部門(イリノイ州ローリング・メドーズ)が製造を担った。
1990年代半ば、カリフォルニア州ゴリータに拠点を置くレイセオン・エレクトロニック・ウォーフェア・システムズ社は、第4世代ALR-67(V)3先進特殊受信機の主契約企業であった。低率初期生産(LRIP)は1998年6月に達成され、初期作戦能力(IOC)は2003年に発表された。
オーストラリア国防科学技術機構(DSTO)とAWA防衛産業(AWADI)は、1992年からALR-2002 RWRシステムの開発に着手した。このシステムはオーストラリア空軍(RAAF)のF-111 アードバーク戦闘機の要求仕様に基づいて設計されたものの、15ヶ月間、495万豪ドルを費やしたこの計画は、概念実証の段階にとどまり、それ以上進展することはなかった。オーストラリアの新聞 ジ・エイジは、ずっと後の2006年9月13日に、オーストラリア国防大臣がRAAFのF/A-18用のALR-2002の開発を中止し、代わりにALR-67V(3)を搭載するという勧告を受け入れたと報じた。
数年後の2013年2月27日、アメリカ合衆国国防総省の国防安全保障協力局(DSCA)は、オーストラリアへのF/A-18E/FとEA-18G グラウラー各12機の対外有償軍事援助(FMS)の可能性について米国議会に通知した。これには、ALR-67(V)3レーダー警報受信機(RWR)システム24基とその他多くの支援システムが含まれる。この売却費用は37億米ドルと見積もられた。
2007年8月3日、DSCAはカナダに対し、カナダ空軍のCF-18ホーネット戦闘機向けに、ALR-67(V)3受信機59台、関連機器、およびサービスを提供する可能性のあるFMSについて議会に通知した。推定価格は2億900万米ドルだった。この売却予定の通知は法律で義務付けられているものであり、売却が成立したことを意味するものではない。
DSCAは2016年11月17日、国務省がクウェートへのF/A-18E/Fの対外有償軍事援助(FMS)の可能性を承認したと発表した。その推定総額は101億米ドルである。今回の売却には、航空機、支援体制、装備、訓練が含まれていた。パッケージには、ALR-67(V)3システムが45基含まれていた。
DSCAは2020年10月9日、フィンランドへのF/A-18E/FとEA-18Gの両航空機の売却案について、国務省の承認を発表した。推定総額147億米ドルのこの売却には、航空機、兵器、および関連装備が含まれる。