GLAN Tank

GLAN Tank
GLAN Tank(SOTO-HDLGW)
種類 NAS組み立てキット
発売開始年 2006
会社名 アイ・オー・データ機器
ブランド名 挑戦者
モデル SOTO-HDLGW
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GLAN Tank(グランタンク、型番:SOTO-HDLGW)は、アイ・オー・データ機器が上級者向けブランド「挑戦者」から2006年1月に発売した、ネットワークアタッチトストレージ(NAS)の組み立てキットである。ハードディスクドライブ(HDD)は付属せず、利用者が3.5インチPATA HDDを組み込み、付属ソフトウェアを使ってシステムを導入する方式を採っていた。

従来製品「LAN Tank」の上位機種に位置づけられ、Gigabit Ethernetへの対応、Intel XScale 400 MHzプロセッサ、128 MBのメモリ、2台のHDDを用いたスパンニングまたはミラーリングなどを特徴とした。

概要

GLAN Tankは2005年12月27日に発表され、2006年1月上旬から販売された。価格はオープン価格で、発売時の予想実売価格は24,800円前後だった。アイ・オー・データ機器の完成品NAS「HDL-GW」シリーズと基本的なハードウェア仕様を共有していたが、HDDを搭載せず、利用者による組み立てやソフトウェアの追加・設定を前提とする製品だった。

前機種のLAN Tankと比較すると、プロセッサはSH-4 266 MHzからIntel XScale 400 MHzへ、メモリは64 MBから128 MBへ変更された。ネットワークインターフェースも100 Mbps級からGigabit Ethernetへ高速化され、USB 2.0ポートは2基から4基に増加した。プロセッサアーキテクチャが変更されたため、LAN Tankのソフトウェアをそのまま利用する製品ではなく、ARM向けのDebianパッケージを利用できる構成となった。

ハードウェア

3.5インチPATA HDDを2台まで内蔵でき、1台のみを使用する構成のほか、2台の容量を連結するスパンニング、同一内容を2台へ記録するミラーリングを選択できた。2台のHDDは同一のIDEインターフェースへマスター/スレーブとして接続する構成だった。

ネットワークコントローラにはIntel 82541PIを採用した。USB 2.0ポートを4基備え、標準構成ではFAT32形式のUSBストレージを接続できた。また、動作状態や異常を知らせるLEDとブザー、別売りのシリアルコンソール用キットを接続するための端子を備えていた。

主な仕様
項目仕様
型番 SOTO-HDLGW
プロセッサ Intel XScale 400 MHz
メモリ 128 MB
内蔵ストレージ 3.5インチPATA HDD×2(HDDは別売、1台あたり8 GB以上)
ディスク構成 シングル、スパンニング、ミラーリング
ネットワーク Gigabit Ethernet×1(Intel 82541PI)
USB USB 2.0×4
冷却 背面ファン×2
外形寸法 幅68×奥行265×高さ131 mm
消費電力 約28 W(250 GB HDDを2台搭載した場合)
質量 約2.3 kg(250 GB HDDを2台搭載した場合)

ソフトウェアと導入

付属システムはDebian GNU/Linux 3.1(Sarge)を基礎とし、Linuxカーネル2.6.10を採用していた。標準状態では、Apache 2とmod_davによるWebDAVサーバー、iTunes向けのDAAPサーバー「mt-daapd」、動画配信サーバー「wizd」、Bonjour、Telnetなどが用意された。一方、Windowsのファイル共有に使用するSambaは標準では導入されておらず、必要な場合は利用者がDebianのパッケージ管理機能を使って追加・設定する必要があった。

インストーラーでは、1台のHDDを使用する「シングル」、2台を連結する「スパンニング」、ミラーリング、ミラー構成の復旧、NAS用サービスを含まないDebianのみの構成を選択できた。ミラーリングされたHDDの一方を交換した場合には、復旧モードを使って内容を再構築できた。

初期導入時には、1台目のHDDをPATAインターフェースを備えたx86系PCへ一時的に接続し、付属CDから起動してパーティションや起動ファイルを書き込む必要があった。その後、HDDをGLAN Tankへ戻して起動すると、選択した構成に応じた残りの導入処理が実行された。USB接続のHDDや光学ドライブには標準のインストーラーが対応していなかったため、通常はIDE接続のHDDと光学ドライブを利用できるデスクトップPCが必要だった。

性能と評価

『INTERNET Watch』が約1.5 GBのMPEG-2ファイルを用いて行った測定では、ジャンボフレームを有効にした場合の転送時間は読み込み128.3秒、書き込み111.8秒で、転送速度はおおむね105 Mbpsとされた。同じ条件で測定したLAN Tankと比較すると、転送時間はおよそ半分になった。

『ITmedia PC USER』がSambaと500 MBの単一ファイルを用いて行った別の測定では、読み込み112.0 Mbps、書き込み63.0 Mbpsだった。同誌は、当時のGigabit Ethernet対応NASとして突出した速度ではないものの、従来のLAN Tankからは明確に高速化されていると評価した。これらの数値は、搭載するHDD、ファイルサイズ、通信設定、使用するファイル共有ソフトウェアなどによって変化する。

Debianによる対応と利用例

Debianプロジェクトは2006年11月に公開したDebian Installer etch RC1で、ARMのiop32xサブアーキテクチャへの対応を追加し、その最初の対応機種としてGLAN Tankを挙げた。

2007年に九州大学応用力学研究所が刊行した技術報告では、GLAN Tankへ500 GBのPATA HDDを2台搭載し、Debian環境でRAID 1、SSH、NFSなどを構成して、研究室のPCクラスタ用ファイルサーバーとして運用した事例が報告されている。

脚注

  1. 1 2 3 4 5 6 7 “挑戦者、“白箱”のGbE対応版「GLAN Tank」”. PC Watch. インプレス (2005年12月27日). 2026年7月18日閲覧。
  2. 1 2 小西利明 (2005年12月27日). “アイ・オー・データ機器、玄人向けパーツブランド“挑戦者”から、Gigabit Ethernet対応のNASキット『SOTO-HDLGW』を発表”. ASCII.jp. 2026年7月18日閲覧。
  3. 1 2 3 “ギガビットLAN搭載の“白箱”発売:NAS組み立てキット”. ITmedia PC USER. アイティメディア (2005年12月27日). 2026年7月18日閲覧。
  4. 1 2 3 清水理史 (2006年1月31日). “第182回:ギガビットイーサ対応で高速化を実現 挑戦者ブランドの自作NASキット「GLAN Tank(SOTO-HDLGW)」”. INTERNET Watch. インプレス. 2026年7月18日閲覧。
  5. 1 2 3 4 坪山博貴 (2006年5月15日). “112Mbpsを実現──ギガビット対応になったNASキット「GLAN Tank」のパフォーマンスをチェックする(1/4)”. ITmedia PC USER. アイティメディア. 2026年7月18日閲覧。
  6. ↑ 坪山博貴 (2006年5月15日). “112Mbpsを実現──ギガビット対応になったNASキット「GLAN Tank」のパフォーマンスをチェックする(3/4)”. ITmedia PC USER. アイティメディア. 2026年7月18日閲覧。
  7. ↑ “Debian Installer etch RC1” (英語). Debian. Debian Project (2006年11月13日). 2026年7月18日閲覧。
  8. ↑ 石井大輔「RAID対応自作NASサーバーの構築」『九州大学応用力学研究所技術職員技術レポート』第8巻、九州大学応用力学研究所、2007年3月、13–22頁、2026年7月18日閲覧。

関連項目