
HP 30b (NW238AA)は2010年1月7日に発売されたヒューレット・パッカード(HP)社のプログラミング可能な金融電卓である。2014年に製造が終了している。
HP 30bは前機種HP 20bの進化バージョンである。
その特徴は、
である。
このARM搭載電卓は限定的ではあるものの科学技術関数を搭載している。科学技術関数の搭載は金融電卓としては珍しい。
さらにブラック–ショールズ方程式も内蔵しており、コール・オプション(買う権利)とプット・オプション(売る権利)の行使に対する理論プレミアム(オプションの価値)、修正内部収益率(Modified Internal Rate Of Return)そして財務管理収益率(Financial Management Rate of Return)を計算するために使う。
HP 30bは当時の最も高速な電卓の一つであり、当時のHP社のフラッグシップモデル HP 50gよりも高速である。その原因はHP 30bがネイティブARMコードで実行されるからである。一方、HP 50gは75MHzで動作しているにもかかわらず、Saturnコードをエミュレーション実行するので遅い。
HP 30bはHP 20bで評判の悪かったキーよりも改良されたキーを採用したため利用者から賞賛されている。
当時、HP 30bはCFA認定試験のような主要な試験で持ち込みが禁止されていた。

HP 20bと同様にHP 30bのファームウェアはPCと特殊ケーブルを使って書換えることができる。
この書換の容易さを利用して、一部のHP電卓ファンが金融電卓HP 30bとHP 20bをプログラム科学技術関数電卓へ変身させるファームウェアを制作した。その結果としてWP 34Sが誕生した。そのファームウェアと説明書は無料でダウンロードできる。そして、キーパッド用オーバーレイ(キーパッドの上に貼るシール。HP 30bからキー配置が変わるので必要)は低価格で購入可能である。
特殊ケーブルもかつては販売されていたが、2016年12月現在は販売されていないので、自作する必要がある。特殊ケーブルは、USBをシリアル変換する必要がある上、シリアル配線側に2つのスイッチが必要である。さらに電卓側の特殊形状6pinコネクタは市販されていないので、電卓側のコネクタは完全に自作する必要がある。そのため、本体の改造よりも特殊ケーブルの自作の方が難しくなっている。 WP 34Sの時間関連機能の誤差を減らすためには、HP 30bに水晶振動子とキャパシタ(コンデンサ)を追加する改造と水晶振動子を有効化する操作が必要である。
WP 34Sは完成品が商業販売もされている。完成品にはオーバーレイが貼られており、水晶振動子とキャパシタも装着済みである。2016年12月現在、WP 34Sの販売サイトには「状態の良いHP 30bが残っていないので、キーに多少問題があるものしか発送していない」と書かれている。
WP 31SはWP 34S完成品の廉価版である。2016年12月現在、すでに商業販売はされていないようである。
HP 30b Business Professional(公式ページ)
WP 34S Scientific Calculator(WP 34Sの完成品の販売。上述のようにキーに難点があるかもしれない)
WP 31S Scientific Calculator(WP 31Sの完成品。販売終了)
WP 34S Overlay(WP 34Sのオーバーレイの販売。WP 34Sを自作するときに必要)
How to make WP 34S(HP 30bをWP 34Sへ改造する方法)