MBB Bo 105

MBB Bo 105

ドイツ陸軍のBo 105

ドイツ陸軍のBo 105

MBB Bo 105は、 西ドイツ、シュトゥットガルトのベルコウ(Bölkow)社で開発された小型の双発多用途ヘリコプターである。生産はメッサーシュミット・ベルコウ・ブローム(MBB)社時代に始まり、同社は1991年にユーロコプター(現エアバス・ヘリコプターズ)社になった。ユーロコプター社はBo 105の生産を2001年まで続け、その後はEC 135がこれに代わった。

開発

Bo 105Aは1967年2月16日に西ドイツのオットブルンでMBB社のテストパイロット ヴィルフリート・フォン・エンゲルハルト(Wilfried von Engelhardt)の操縦で初飛行を行った。西ドイツ民間航空局は1970年10月13日にBo 105に型式認証を与え、その後まもなくドイツ国内の民間と法執行機関向けの生産が始まった。アメリカ合衆国からの注文に応じて、より安全基準の厳しいFAAの型式認証が1972年4月に取得された。

1972年にBo 105Cが開発され、ドイツ連邦国防省はこのモデルを軽観測ヘリコプターに選定し1977年に100機を購入した。ほぼ同じ頃に西ドイツ陸軍は、HOT対戦車ミサイルを装備したBo 105PAH-1という名称の対戦車専門の機種を調達した。結局、総計212機のBo 105が納入された。

1976年により高出力のアリソン 250-C20Bエンジンを搭載したBo 105CBが開発され、更にこの機種からアメリカ市場での救命救急医療活動の要求に合致するように胴体を10インチ延長したBo 105CBSが開発された。この機種はアメリカではBo 105 ツインジェットとして知られるようになった。

1984年にはBo 105CBSの胴体を拡大し、より高出力のアリソン 250-C28Cエンジンを搭載することにより最大離陸重量を増大したBo 105LSが開発された。

2001年に1,406機が生産された後でBo 105の生産は終了し、より近代的なユーロコプター EC 135にとって代わられた。

Bo 105は民間市場に投入された初めての小型双発ヘリコプターであり、洋上での運用と同様に地方自治体(警察、救急医療/救命搬送)での運用に広く浸透した。

設計

Bo 105は無関節型の複合材製4枚ブレードのメインローターにより高い運動性をもっており、レッドブル USAで宣伝活動のために使用されていたBo 105CBSは、宙返り、横転(ロール)、インメルマンターンなどの通常は固定翼機のみが実施できると考えられていた高い運動性を見せ、完全な曲技飛行を行った。油圧系、電気系、燃料系、潤滑油系など全ての重要装備は完全な冗長性を持つように設計されている。

派生型

西ドイツ陸軍で使用された派生型はBo 105PとBo 105M。

Bo 105A
アリソン 250-C18エンジン搭載の最初の生産モデルで主に民間で使用。
Bo 105C
1972年に開発されたアリソン 250-C20エンジン搭載の初期モデル。
Bo 105CB
1976年に開発されたアリソン 250-C20Bエンジン搭載の小型観測、多用途輸送モデル。
Bo 105CBS
救命救急医療活動向けに胴体を10インチ延長した多用途輸送モデル。
Bo 105CBS-5
Bo 105CBSの捜索救難モデル。
Bo 105D
英国認証の洋上運用モデル。
Bo 105LS A1
1984年に開発されたアリソン 250-C28Cエンジン搭載の胴体延長モデル。
Bo 105LS A3
1986年に開発された最大離陸重量を2,600kgまで増大したモデル。
Bo 105LS A3 "スーパーリフター"
1995年に開発された最大運用重量を2,850kgまで増大したモデル。
西ドイツ陸軍のPAH-1
機体左右のチューブにHOT対戦車ミサイルを装備する
Bo 105P/PAH-1
西ドイツ陸軍での名称を"PAH-1"、その能力向上型を"PAH-1A1"(PAH=Panzerabwehrhubschrauber;「対戦車ヘリコプター」)という有線誘導式HOT対戦車ミサイルで武装した対戦車攻撃ヘリコプター。大部分は新しい多目的攻撃ヘリコプターのユーロコプター ティーガーに改編されつつあるが、残存機はその機体寿命が尽きるまで引き続き現役で使用されている。対戦車攻撃任務を解かれた機体は武装を外しVBHモデルまでダウングレードされる。
Bo 105P/PAH-1A1
西ドイツ陸軍向けのHOT対戦車ミサイルを6基搭載した対戦車攻撃ヘリコプターの改良モデル
Bo 105P/PAH-1 フェーズ 2
西ドイツ陸軍向けの夜間攻撃型の提案モデル。
Bo 105P/BSH
西ドイツ陸軍向けのスティンガー空対空ミサイルで武装した護衛型の提案モデル。
Bo 105M
西ドイツ陸軍での名称を"VBH"(Verbindungshubschrauber;「連絡ヘリコプター」)という小型輸送、偵察ヘリコプター。これらは武装を外され改造されたPAH-1により更新される。
Bo 105ATH
スペイン陸軍向けの対戦車攻撃モデル。
Bo 105GSH
スペイン陸軍向けの武装偵察モデル。
Bo 105LOH
スペイン陸軍向けの観測モデル。
NBO-105
1976年からITPN社でMBB(現ユーロコプター)社からのライセンスで生産されたモデル。ローターとトランスミッションのみはドイツから供給されている。オリジナルはNBO-105 CBだが101機目から現在までは胴体延長型のNBO-105 CBS。
NBO-105S
胴体延長モデル。
BO 105 エグゼキュテエア(Executaire)
アメリカでの小型ヘリコプターの市場に参入することを意図してエグゼキュテエアの名称でボーイング・バートルとカールソン・ヘリコプターによりライセンス生産された24.5cm胴体を延長したモデルだが、販売は不振であった。
Bo 105E-4
1,000万ユーロの契約でドイツ連邦陸軍の12機のBo-105Pに性能向上とオーバーホールが施され、2006年に最初の1群がアルバニアに提供された。これらの機体は性能が向上し、より高性能の電子装備を搭載していた。ドイツ連邦軍のその他のBO-105の性能向上が将来の販売を目して考慮されている。
EC-スーパーファイブ(Super Five)
Bo 105CBSの高性能モデル。

運用

軍用

メキシコの旗 メキシコ
オランダの旗 オランダ
ニジェールの旗 ニジェール
ナイジェリアの旗 ナイジェリア
パプアニューギニアの旗 パプアニューギニア
ペルーの旗 ペルー
フィリピンの旗 フィリピン
シエラレオネの旗 シエラレオネ
大韓民国の旗 韓国
  • 大韓民国陸軍:AH-64が装備するものと同じTADS(目標捕捉・指示照準装置)を搭載した機体を採用。
スペインの旗 スペイン
スーダンの旗 スーダン
 スウェーデン
トリニダード・トバゴの旗 トリニダード・トバゴ
アラブ首長国連邦の旗 アラブ首長国連邦
ウルグアイの旗 ウルグアイ
メキシコ海軍機
標的艦コノリーを攻撃するメキシコ海軍機

民間

日本の旗 日本
インドネシアの旗 インドネシア
イスラエルの旗 イスラエル
イランの旗 イラン
  • TARA HELICOPTER
ヨルダンの旗 ヨルダン
  • ヨルダン警察
ペルーの旗 ペルー
  • 国家警察
フィリピンの旗 フィリピン
ロシアの旗 ロシア
  • Uralhelicom
南アフリカ共和国の旗 南アフリカ共和国
イギリスの旗 イギリス
アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
ロシアのMBB Bo-105、ヘリロシア2008にて
東北エアサービスのBo105CBS-4

性能諸元

(Bo 105)

脚注

[脚注の使い方]

出典

  1. 1 2 3 “Bölkow Bo 105”. History of EADS. 2007年3月10日閲覧。
  2. ↑ Eurocopter Press Release - Eurocopter celebrates the 40th Anniversary of the Maiden Flight of the BO105
  3. ↑ http://www.redbullusa.com/#page=ArticlePage.1165622311204-62961151.0 [名無しリンク]
  4. ↑ YouTube - Red Bull Helicopter does back flips!
  5. ↑ “Messerschmitt-Boelkow-Blohm Bo-105”. All the World's Rotorcraft. Maksim Starotsin. 2007年4月28日閲覧。
  6. ↑ “MBB (Eurocopter) Bo105”. WaffenHQ.de (German language for "WeaponHQ"). 2007年4月28日閲覧。 translated from German by Google translate
  7. ↑ EADS N.V. - Eurocopter to deliver 12 BO 105 helicopters to the Albanian Defense Ministry
  8. ↑ The International Institute for Strategic Studies (IISS) (2023-02-15) (英語). The Military Balance 2023. Routledge. p. 72. ISBN 978-1-032-50895-5
  9. ↑ “Brunei orders six H145M helicopters”. janes.com (2024年5月2日). 2026年3月18日閲覧。
  10. ↑ IISS 2026, p. 269.
  11. ↑ Alessandra Giovanzanti (2021年12月23日). “Philippine Army to boost its aircraft capabilities”. janes.com. 2025年8月12日閲覧。

参考文献

関連項目

外部リンク