パソピア(PASOPIA)とは、東芝が1980年代に生産、販売していたパーソナルコンピュータのブランド名である。「パーソナル」と「ユートピア」の合成語。当初は独自仕様機のブランドだったが、"パソピアIQ"としてMSX規格の東芝製パソコンにも使用された。
日立がベーシックマスターシリーズ(1978年〜)、シャープがMZシリーズ(1978年〜)、NECがTK-80BSに続いてPC-8001(1979年〜)、富士通がFM-8(Fujitsu Microシリーズ。1981年〜)を販売し、しのぎを削っていた当時に、東芝が市場に投入したコンピュータである。


1981年発売。初代機。
価格はPA7010(本体)が発売当時価格で148,000円。 スペックは当時のヒット機であるNEC PC-8001よりも上だが、後発としてはインパクトに欠けるきらいがあった。そのうえ、VRAM操作がバンク切り替えでもI/O空間へのマッピングでもなく、VRAM上の行列アドレスを数バイトのI/Oウィンドウ経由で指定しアクセスする変則的な実装になっていたうえに、仕様のドキュメントも公開しなかったので、プログラマにはVRAMあたりが理解不能なマシンとなり、リアルタイム系ゲームがなかなか登場せず(そして東芝として主体的に手配してその類のゲームソフトを用意しようともせず)、販売上の弱点となった。これはあまりに"うかつ"だった。後年[いつ?]、活用本(何というタイトルの本?[要出典])でようやくハードウェア仕様が明らかとなり、ファイングラフィックモードで縦方向のドット単位色指定などの技法が公開されたが、最後まで人気は出ず、典型的マイナー機として終わることとなった。
米国では『T100』として販売された。
なお、レトロコンピュータとしていじる愛好者が近年でもおり、2015年に、有志により初代およびパソピア7の機能を拡張し、MRAMやSDメモリーカードをストレージとして使用出来る拡張カードが制作され(少数)販売された。
1982年発売。ハンドヘルド機。表示は標準では本体上にある24桁×1行の液晶画面のみだが、ミニプリンタの付いた拡張ユニットと合体させてTVインターフェースを接続することで外部モニタへの出力が可能になる。この場合の表示能力は32桁×24行のキャラクタのみのモノクロ表示となる。パソピアとの互換性はないがRS-232Cで接続してパソピアを親機として使うことが出来る。



1983年発売。初代パソピアの、特にホビー用途における弱点を強化した後継機。
本体価格が119,800円(富士通のFM-7を意識した価格設定である可能性が高い)。他社ライバル機に比肩または凌駕しうるスペックとなったが、マイクロコンピュータメーカーとしてはやはり後発だった富士通のほうはFujitsu Microシリーズ(FM-8、FM-7)で販売台数を伸ばし、日立のベーシックマスターシリーズを抜いて、NEC、シャープとともに新たな"御三家"と呼ばれる状態になっていたのに比べ、東芝は富士通のように販売数を伸ばすことには成功せず、パソピア7もマイナーな機種にとどまった。
当時の雑誌『Oh!PASOPIA』では、掲載内容の多くがパソピア7に関する事柄となっている。
1983年2月発売。オフィス用途を主眼に置いた16ビット機で、8ビット系PASOPIAシリーズとの互換性はない。6MHzの8088-2を採用、演算コ・プロセッサi8087をオプション搭載可能、メモリーは標準192KByte(最大512KByte)、表示はテキストRAM 4KByteで80字×25行、文字色、背景色共に8色、グラフィクは標準128KByteで640×500dotモノクロ、オプションでデジタル8色(+256KByte)、256色中16色表示(+256KByte+128KByte)に拡張できる。キーボード分離型。本体に5インチ640KByteFDDを1台内蔵(2台に増設可)で、MS-DOS V2.0を標準装備(MS-DOS V2.0の漢字版)。拡張スロットを4個備える。標準装備の RS-232 の最大転送速度は 9600 bps。本体、キーボード、FDD1台、メモリ192KByte、漢字ROM、MS-DOSを含む本体基本システム価格は39万8000円。別売のBASICはマイクロソフトのGW-BASICを拡張させたT-BASIC16で、MS-DOS上で動作し、T-BASICと互換性がなく、多くの場合手作業による修正が必要になるが、コンバートユーティリティーが用意された。漢字はJIS第一水準 + 特殊文字で全5312文字が16×16ドットで40字x25行、かな漢字変換機能がT-BASIC上でも使える。ハードウェアのアーキテクチャー的にはIBM-PCに近い設計で、パッチを当てることによって一部のIBM-PC用ソフトウェアも動作した。なお、米国ではIBM PC互換機の『T300』として販売されていた。
パソピア16の後継機。基本仕様は変わらないがCPUは8086-2、JIS第二水準漢字ROMがオプション、グラフィックは384KByteまで標準となり8色表示になる。筐体が小さくなり、拡張スロットは2個に減っている。マウスとJS-WORDがスクリーンエディタとして標準装備される。5インチ(720KByte)FDD×2のモデル10、8インチ×2のモデル20、5インチFDD×1+10MByteHDDのモデル30の3タイプ(20、30は拡張スロット1使用)。
CPUは80286 8 MHz。RAMは704 KByte、RAMファイル320 KByte、JIS第一、第二水準標準装備、MS-DOSはV2.11になる。TS100が5インチ(1.2MByte)×2、TS300が5インチFDD×1+20MByteHDD。これより後の東芝の16ビット系パソコンは、J-3100シリーズが主力となる。
MSXマシンで、上記の初代機からのシリーズと互換性は無い。MSXでは低価格帯のホビー向け機種だったこともあり国内では標準装備されることは少なかったシリアルポートをHX-22、23Fでは標準装備、HX-20、32、33、34は専用オプションを用意しスロットを消費することなく実装できるようになっている。また、規格として形状が定義されていなかったため、本体側の端子がMSXの多くの機種が採用した丸型8ピンのコネクタではない機種もあるが、RGB21ピン接続用の端子を多くの機種が備えている。
T-400は、1979年11月に開かれた東芝オートメーションフェアで参考出品された、パソピアの原型(プロトタイプ)ともいえるパーソナルコンピュータである。スペック的には同社のEX-80BSをパワーアップさせたような内容で、本体の外観はApple IIに似ている。元は海外市場向けに開発された製品で、OEM供給先を探したが買い手が見つからなかったことから商品化には至らなかった。主な仕様は以下の通り。