| 『PSYCHOPATH』 | ||||
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| レーベル | 東芝EMI/イーストワールド | |||
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| 『PSYCHOPATH』収録のシングル | ||||
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『PSYCHOPATH』(サイコパス)は、日本のロックバンドであるBOØWYの6枚目のオリジナル・アルバム。
1987年9月5日に東芝EMIのイーストワールドレーベルからリリースされた。前作『BEAT EMOTION』(1986年)よりおよそ10か月振りにリリースされた作品であり、作詞は氷室京介およびジョナ・パシュビー、作曲は氷室および布袋寅泰、プロデュースは布袋および糟谷銑司が担当している。
レコーディングは日本国内において16日間で終了し、ミックス・ダウンのみベルリンのハンザ・スタジオで行われた。作風は前作と異なりゴシックホラーを思わせる歌詞とロックを基調としながらも様々なジャンルの音楽を取り入れた楽曲で構成されており、またリリース以前にバンド解散が決定事項となっていたため、解散を意識した楽曲も収録されている。
本作からは先行シングルとして「Marionette -マリオネット-」がシングルカットされオリコンシングルチャートにおいてバンド初の最高位第1位を獲得、また後にリカットされた「季節が君だけを変える」は同チャートで初登場第4位となった。本作はオリコンアルバムチャートで前作に続き初登場第1位を獲得、売上枚数は累計で150万枚を記録した。
本作を受けた全国ツアーの最終日である同年12月24日の渋谷公会堂公演で解散宣言が出されたため、BOØWYとしては最後のオリジナル・アルバムとなった。
前作『BEAT EMOTION』(1986年)リリース後、BOØWYは「ROCK'N ROLL CIRCUS TOUR」と題したコンサートツアーを同年11月11日の石川厚生年金会館からツアーファイナルとなった1987年2月24日の日本武道館公演まで、31都市全37公演を実施した。同ツアー中において12月16日の長野市民会館公演終了後、ホテルのバーに全員が集合し解散に関しての話し合いが行われた。事の発端は布袋が海外への進出やデヴィッド・ボウイとの共演を望んだためにバンドを脱退すると発言したことであり、この時点では休養期間取得後にもう1枚アルバムを制作するという形でメンバー間で合意することとなった。しかしツアーファイナルとなった日本武道館公演終了後、マネージャーの土屋浩により招集されたメンバーは表参道のブルーミン・バーに集合し、プロデューサーである糟谷に解散する意向であることを報告した。
高橋まことは解散の一因を自著『スネア』において述べており、布袋の妻であった山下久美子のコンサートツアーに布袋並びにベーシストとして松井恒松も参加することとなり、さらに高橋にもドラマーとしての参加要請が布袋から出されていることを知り、BOØWYの4人中3人がツアー参加となり氷室を除け者にしていると感じた高橋は氷室にこの件を伝えた所、氷室は「来月解散しよう」と言い出す事態となった。しかし布袋は自著『秘密』において解散の理由は4人それぞれが持っており、布袋自身による「絶対に解散せねばならない理由」は「墓まで持っていくつもりだ」と述べている。その後メンバーは全員休養期間に入り、氷室は単身ロンドンへ飛び立つこととなった。布袋は山下のプロデュースおよびコンサートツアーに帯同し、松井も同ツアーに参加することとなった。その最中、東芝EMIから「ONLY YOU」をシングルカットしたいとの要望が出されたが、東京には高橋しかいなかったため高橋は土屋に「バンドのために動くよ」と伝え「ONLY YOU」のプロモーションビデオ制作などに携わったほか、全国で開催されたBOØWYフェアへの参加および音楽誌でのインタビューを一人で請け負うこととなった。シングル「ONLY YOU」はリリース後オリコンチャートで初登場第4位を獲得。解散が決定事項となって以降、氷室と布袋は直接対話することがなくなり全て土屋を通してコミュニケーションをとる形となり、高橋は関係の修復を試みようとしたが不発に終わることとなった。同時期にレコーディング・ディレクターであった子安次郎は糟谷と共にロンドンに滞在中だった氷室の元へ赴き、1枚だけ新しいアルバムを制作する約束を取り付ける。
7月22日には6枚目のシングル「Marionette -マリオネット-」をリリース。これまでシングルでの第1位獲得作品はなかったが、ラブソング中心であった当時のヒットチャートにおいて男女の恋愛をテーマにしない楽曲としては異例の売上第1位を獲得する。7月31日の神戸ワールド記念ホールおよび8月7日の横浜文化体育館ではデビュー以来のほぼ全ての楽曲を演奏するという4時間に及ぶ長時間ライブ「CASE OF BOØWY」を敢行したが、ほぼ全曲を演奏するというスタッフサイドの無謀な提案をメンバーが受諾した背景には、「どこかに解散を見据えていたからだったかも知れない」と土屋は述べている。8月22日および23日にはグリーンピア南阿蘇アスペクタで開催されたイベントライブ「BEAT CHILD」に参加、オールナイトイベントであったが当日は台風が直撃し、寒さや睡魔に襲われた観客が病院に担ぎ込まれるような豪雨の中での演奏となった。

本作のレコーディングは1987年6月10日から26日にかけて、六本木にあるセディックAスタジオで行われた。氷室によれば当時のメンバーの動きは完全に個別の状態で、3か月のオフ期間中に曲制作を行っており、それぞれが口には出さないが最後のアルバムであると思って制作していたのではないかと述べている。高橋によれば本作は制作前からラストアルバムとなることが想定されており、ビートルズのラストアルバム『アビイ・ロード』(1969年)を意識してバンドの終焉を念頭に置いて制作されたと述べている。エンジニアはハンザ・スタジオに在籍していたトーマス・スティーラーが担当、ミックスダウンはハンザ・スタジオで行われた。
布袋はリリース当時のインタビューで前作が好セールスとなったことによるプレッシャーは感じず、逆に様々なことが可能となりより深く自身の音楽性を追求できたことやスタイルやスタンスにはこだわりを持って制作したと述べている。また、布袋は本作のレコーディングに関してはメンバーそれぞれが個人個人のミュージシャンという感覚で、曲の完成後にあまりリハーサルを行わずにスタジオに入っていたことが前作までと異なる部分であったと述べている。レコーディングの候補曲は15から16曲となっており、時間が短い曲はイントロを長めにするなどアレンジの変更が行われた。布袋は前作までに確立した部分を無理に壊すことなく、それらの要素を少し膨らませるイメージで制作したと述べたほか、「1つ1つのフレーズに込める思い入れとかは違うけどね、昔とは」と述べタフなロックンロールサウンドを目指したという。ディレクターの子安次郎は通常は20から30曲のデモテープから楽曲が絞り込まれる所が、本作のレコーディングでは全ての曲順が決まっていたかのように完成版の12曲がスタジオに持ち込まれたと述べている。
氷室は後に本作に関して「この頃からけっこう自分の精神性とかについて突き詰めて考え始めてる。だんだん真面目になってきてる」と述べており、氷室のソロシングルである「ANGEL」(1988年)や「DEAR ALGERNON」(1988年)の歌詞に繋がるベースの部分をすでに本作時点で指向していたと述べている。氷室は「『BEAT EMOTION』で一種極めた大衆芸能的な部分をブッ壊そうと思いつつ、それがうまくいかないジレンマが出てる」と述べ、当時は自身が過大評価されているとの思いから過度なプレッシャーを感じていたと告白している。氷室は同年のBOØWY解散は正解であったとしたうえで、集大成的な作品を残して解散する意思があったとするならば4枚目のアルバム『JUST A HERO』(1986年)をリリースした時点で解散していたと述べ、本作は集大成的な次元で制作された作品ではなく、精神性やメンバーの音楽に対する接点、音楽と自身との距離感などを重視しており「その時点で自分のできる限りのことを注ぎ込んて作ったアルバムっていう意識がある」と述べている。
後年になり、土屋は「これで終わりにするという決意と、本当に終わってしまうのか、まだ終わりにしたくない……という思いが交差したアルバムになったと思う」と述べており、高橋も同意見であったが「どうせやるなら湿っぽいものにはしたくなかったし、最後までとことん楽しんでやろうと考えていた」と述べている。一方で布袋は自著『秘密』において、レコーディング中もメンバー同士の会話は少なく重い空気が漂っていたと述べている。松井は自著『記憶』において、本作が前作の延長線上にあるとし、「演奏していて気持ちのいい曲が多かった」と述べたが「このアルバムには切なさみたいなものが印象としてあるので、ちょっと重いかな」と述べている。
氷室はBOØWYが商業的に成功を収めたことを素直に喜べず、悲観的であったために他者との間で会話が弾まなくなったことから、「精神がちょっと異常な人」という意味で「PSYCHOPATH」というタイトルを付けたと述べている。「PSYCHOPATH」とは英語で「精神異常者」と言う意味だが表現上問題があるために、発売当初は「イカれた奴」「プッツン野郎」と言う意味だとインタビューなどで説明されていた。アルバムタイトルおよび本作を受けたコンサートツアータイトルは、ハンザ・スタジオの屋上テラスで決定された。
収録曲の内、「ANGEL PASSED CHILDREN」に関して布袋は近未来感覚を持って作曲し、氷室は人類の行く末を見据えて作詞したと述べ、「RENDEZ-VOUS」は様々な遊びのエッセンスを投入して制作した曲であり、布袋は「つくってる気分はステイタス・クォーとかですヨ」と述べている。「MARIONETTE」に関して布袋はシングルカットを意識して制作はしておらず、氷室は歌詞について「ずっと、あたためてたテーマだった」とし、曲と合っていたために選択した歌詞であったと述べている。「PSYCHOPATH」および「CELLULOID DOLL」、「FANTASTIC STORY」は全て氷室作曲の曲であるが、これらの曲に関して布袋は氷室らしい曲であると主張し、「具体的なコード進行っていうよりはね、ずっと前2人で曲つくってた頃のニュアンスって言うかさ、そういうのがひとつの物語みたいに続いてる様な形で僕の中に入って来てるから。うん、だからそれをなるべくこわさない様にバンドとしての完成形をめざしてアレンジしたりするよね」と述べたほか、「自分の曲アレンジする時とは、やっぱりちょっと違うわけで。だから一番考えたと思うな、この3曲が」とも述べている。
松井は自著『記憶』において、氷室はラストアルバムであることを前提に作詞せねばならないために「全体を俯瞰して書かなければならないところもあったと思う」と述べ、ボーカルでありフロントマンであるが故に「苦しいところもあったと思う」とも述べている。収録曲の内、ラストシングルに決定していた「季節が君だけを変える」のみ一度氷室が書き上げた歌詞を、布袋が「もっと深い、俺たちの関係を言葉にして欲しい」と要求し歌詞が書き直されることとなった。過去に布袋が氷室に歌詞の書き直しを要求したことは一度もなく、また提案に従った氷室からシングルのカップリングには「CLOUDY HEART」を使用するよう要求が出された。
音楽誌『別冊宝島1322 音楽誌が書かないJポップ批評43 21世紀のBOØWY伝説』でライターの宮城正樹は、「多種多様なサウンドとファンタスティック・ホラーとも呼ぶべき歌詞ワールドを展開している」と述べ、「LIAR GIRL」は「メロディアスなグラムロック」、「ANGEL PASSED CHILDREN」は「オーソドックスな8ビート・ロック」、「LONGER THAN FOREVER」は「ミディアム・アップのラブソング」、「PSYCHOPATH」は「タイトなニュー・ウェイヴ調の英語詞ナンバー」、「CELLULOID DOLL」は「ヘヴィメタルチック」、「FANTASTIC STORY」は後の氷室ソロにおける「キャッチーさを垣間見せる」、「季節が君だけを変える」は「珍しいニューミュージック風味」であるとそれぞれ指摘し、多彩ながら統一感のある作りが「ピークに達したという感がある」と述べた。歌詞に関しては、当時映画界ではスプラッター映画が主流であったことを指摘したうえで、本作では時代の潮流に乗らず「マリオネット」や「セルロイド人形」、「ガラス細工」などヨーロッパのゴシック調のスタイルで描かれているとし、「Baby」を多用していた氷室の歌詞の世界観を拡大したと述べている。
本作は1987年9月5日に東芝EMIのイーストワールドレーベルよりLPレコードおよびカセットテープ、CDの3形態でリリースされた。本作のジャケットは尼僧の背後にメンバーの写真が配置されたものになっているが、布袋と高橋の間に謎の人物のシルエット写真が配置されており、布袋サイドのスタッフが制作したジャケットであるためにこの人物が「DR.FEELMAN」なのか、また「DR.FEELMAN」とは何者なのかは判明していないと高橋は述べている。本作のレコーディング中に先行シングルに決定した「Marionette -マリオネット-」のみがテイクワン・スタジオでエンジニアの坂元達也によって先行してトラック・ダウンが行われた。しかし同曲は当初シングルカットの予定はなかったという。また同曲はガイナックス制作のアニメーションによるPVが制作された。
本来であれば本作がBOØWYとして最後のリリースとなるはずであったが、本作のセールスが好調であったことからさらに拍車をかけるために2枚目のシングルカットが検討され、レコード会社からはBOØWYらしいアップテンポのビートロックである「PLASTIC BOMB」が推薦されたが、子安は「季節が君だけを変える」をシングルリリースしたいとの欲求が強く残っていたこともあり、「PLASTIC BOMB」を推す声を無視して同曲をリリースすることが決定した。同曲は氷室が一度書き上げた歌詞を、布袋による「もっと深い、俺たちの関係を言葉にして欲しい」との要望から書き直しが行われ、また氷室からは「そういう歌詞にするんだったら、カップリングは『CLOUDY HEART』にして欲しい」と逆に要求が出されることとなった。
後にCD-BOX『BOØWY COMPLETE』に収録される形で1991年12月24日、1993年3月3日、2002年3月29日の計3回リリースされ、2002年版では初めて20ビット・デジタルリマスター版が収録された。さらに2005年2月16日には24ビット・デジタルリマスター版が単体でリリース、解散宣言から20年となる2007年12月24日には紙ジャケット仕様でリリース、デビューから30周年となる2012年12月24日にはブルースペックCD2でリリースされた。その後も35周年を記念して2017年6月28日に2007年リリースの紙ジャケット盤が限定復刻、同年7月26日には180gの重量盤としてロサンゼルスのマスタリングスタジオであるバーニー・グランドマン・マスタリングでカッティングが行われたLP盤として再リリース、さらに2018年3月28日にはハイレゾリューションオーディオ化された音源がFLACとして再リリースされた。

本作を受けての全国ツアーは「BOØWY ROCK'N'ROLL REVIEW DR.FEELMAN'S PSYCHOPATHIC HEARTS CLUB BAND TOUR」と題し、同年9月16日の宇都宮文化会館を皮切りに32都市全35公演行われた。既に解散が決定事項であったためBOØWYとしては最後のツアーであったが、外部には一切知らされていなかった。本ツアーでは開演時の演出として、インストゥルメンタル曲である「VELVET BELLY」が再生される中、ステージ上のスクリーンに工場や歯車、戦争のシーンなどが流れた後に「NO WAR」、「NO AIDS」、「SEX」の文字が表示され、その後BOØWYメンバーが登場する流れとなっていた。9月24日の那覇市民会館公演では、全会場の中で唯一満席とならず2階席に黒幕が張られた状態で開演となった。観客が少ない中でのライブということでメンバーは初期の頃のライブを思い出し、逆に勢いづいたメンバーはテンションが高くなり、氷室はステージを下りて観客を煽るなど他の会場とは異なる展開となった。
12月には写真週刊誌『FRIDAY』に「BOØWY解散の噂」と題した記事が掲載される。解散の噂はシングル「季節が君だけを変える」のカップリングが「CLOUDY HEART」であったことから発生したものであり、雑誌記事により噂の信憑性が高まり以降のライブチケットはプレミア化した。また『FRIDAY』の別記事では「氷室は殺人罪の前科あり」と掲載されたこともあり、氷室はその後ライブ時のMCで「殺人罪の氷室です」と自己紹介するなど冗談として利用した。布袋はBOØWYがアイドルバンドとして捉えられていたことに反発し、同時期には無精髭を生やしそれまで着用していたポップなデザインのスーツを止め、黒く渋い衣装を着用するようになったほか、ステージ上では派手なアクションを行わず松井のように直立不動のまま演奏するようになった。土屋は布袋に最後のツアーであり観客のために以前のステージアクションを行うよう要求、布袋はこれに従わなかったがツアー終盤になって以前のステージアクションを行うようになった。
しかしツアー終盤になるに連れ氷室の精神状態が悪化していき、毎回ライブ終了時に「また会おうぜ、愛してます」とMCをしていた氷室は自分の発言が嘘であることと、ファンに事実を伝えられないジレンマに陥り、毎回ライブ終了後に落胆していた。解散宣言はツアーファイナルである渋谷公会堂で行うことが決定されていたが、氷室は度々高橋や土屋に電話を掛け、「『解散します』って言わなくていいのか?」と問いかけることもあったという。その後12月24日の渋谷公会堂でのライブ中に氷室の口から解散宣言ともとれる発言がなされ、BOØWYはその歴史に幕を閉じることになった。この解散宣言は、当日どのタイミングで行うかは事前に決められておらず、氷室に一任されていた。また、実際に宣言をするかどうかについてはスタッフはおろか、メンバーにも明確には伝えられていなかった。この時会場の外にはチケットを入手できなかった300人程度のファンが詰めかけ、会場の内側から警備員やスタッフが扉を閉めて押さえつけ、さらに机などを置いて固定しているにも拘わらず会場の扉がしなり続け、結果として入口のガラスが破壊され会場側から中止勧告が出される事態となった。翌12月25日には新聞各紙のBOØWYサイドが買い取ったスペースにメンバー4人の個人名が記載された状態で解散宣言が掲載されることとなった。
| 専門評論家によるレビュー | |
|---|---|
| レビュー・スコア | |
| 出典 | 評価 |
| CDジャーナル | 肯定的 |
| 別冊宝島653 音楽誌が書かないJポップ批評18 | 肯定的 |
| 別冊宝島1322 音楽誌が書かないJポップ批評43 | 肯定的 |
本作の歌詞やサウンドに対する批評家たちの評価は肯定的な意見が多く出されている。サウンド面に関して音楽情報サイト『CDジャーナル』では「ドライヴ感に満ちたロックンロールをいつものように聴かせてくれる」としたほかに「布袋のロック・センスが異常なほど輝いて見えてしかたない」と絶賛したほか「最高傑作との呼び名も高い1枚」と主張、音楽誌『別冊宝島653 音楽誌が書かないJポップ批評18 BOØWYと「日本のロック」』においてライターの根本桃GO!は、前作がBOØWYらしく理解しやすい作品であったのに対し本作はBOØWYとしては異質な作品であると主張し、本来はアグレッシブな布袋のギターが本作では抑制的であり「その音色は清々しいまでの透明感に溢れている」と肯定的に評価したほか、「R&Bテイストあり、純粋なロックンロールあり、パンクな雰囲気の曲ありと、実はもっともバラエティに富んだアルバムではないかと再認識させられた」と肯定的に評価、音楽誌『別冊宝島1322 音楽誌が書かないJポップ批評43 21世紀のBOØWY伝説』においてライターの宮城正樹は、「多彩さとそれを貫く統一感はまさにピークに達したという感がある」と称賛したほか、解散へのキーワードと受け取れる2曲がアルバムの最後に収録されており「心憎い限り」と表現したほか「季節が君だけを変える」に関しては本作の中でも異質の曲であり「妙なセンチメンタリズムを感じさせる」と主張した。
歌詞に関して音楽誌『別冊宝島653 音楽誌が書かないJポップ批評18 BOØWYと「日本のロック」』において根本は「音的にも歌詞的にもどこか突き抜けたような感覚」があると主張し、本作が「乾いたリリシズムに満ちた『ロック』となっているのに驚いた」としたほか、氷室の発声がそれまで「語尾だけイングリッシュ唱法」であったのに対し本作の一部では「実に伸びやかでごくナチュラルな日本語の発音、発声なのに気がつく」と肯定的に評価、音楽誌『別冊宝島1322 音楽誌が書かないJポップ批評43 21世紀のBOØWY伝説』において宮城は当時映画界においてスプラッター映画が流行していたことを挙げたうえで、氷室による歌詞がその潮流には乗らずゴシックホラーを思わせる言葉使いであることや言葉の多様性が増したことで表現の幅を広げていると肯定的に評価した。
当時TM NETWORKに所属していた小室哲哉は後年、「多くの人に受け入れられるポピュラリティがある。一方で自分たちが好きな音楽にも忠実。ジャケット等のアートワークもちょっと翳りのあるヨーロッパ的な感じで、それまでの日本のロックバンドにはあまり前例のない試みを行いながら、しっかり結果を出していた。だから単純に『すごいな』と思っていました」と本作を称賛した。
オリコンアルバムチャートにおいて、本作のLPは最高位第1位の登場週数40回で売り上げ枚数は17.1万枚、CDおよびCTを含めた総合では最高位第3位の登場週数36回で売り上げ枚数は28.4万枚となった。その後も売り上げを伸ばしていき、最終的な累計では売り上げ枚数は約128万枚となった。高橋は自著『スネア』で本作が累計で150万枚となったと述べている。本作とほぼ同時期にマイケル・ジャクソンの7枚目のアルバム『バッド』(1987年)がリリースされたが、日本においてはオリコンチャートで本作が第1位を獲得したため『バッド』は第2位の結果となった。この件は1987年9月17日付の『読売新聞』で報道された。また全国ツアー9月19日の千葉県文化会館公演で氷室は「嬉しいお知らせです。『PSYCHOPATH』が、マイケル・ジャクソンとかいう黒人を抜いて1位になりました。これもみんなのおかげと、僕らの実力と、いいスタッフがいるから」とMCで述べている。
オリジナル版はBOØWYのアルバム売上ランキングにおいて第3位となったほか、2012年版は第36位、2017年版は第46位となっている。ねとらぼ調査隊によるBOØWYのアルバム人気ランキングでは2021年および2023年の2回の調査において第3位となった。
| # | タイトル | 作詞 | 作曲 | 編曲 | 時間 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1. | 「LIAR GIRL」 | 氷室京介 | 布袋寅泰 | 布袋寅泰 | |
| 2. | 「ANGEL PASSED CHILDREN」 | 氷室京介 | 布袋寅泰 | 布袋寅泰 | |
| 3. | 「LONGER THAN FOREVER」 | 氷室京介 | 布袋寅泰 | 布袋寅泰 | |
| 4. | 「GIGOLO & GIGOLET」 | 氷室京介 | 布袋寅泰 | 布袋寅泰 | |
| 5. | 「RENDEZ-VOUS (LIVE IN HAMBURG JULY 1987)」 | 氷室京介 | 布袋寅泰 | 布袋寅泰 | |
| 6. | 「MARIONETTE」 | 氷室京介 | 布袋寅泰 | 布袋寅泰 | |
合計時間: | |||||
| # | タイトル | 作詞 | 作曲 | 編曲 | 時間 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1. | 「PLASTIC BOMB」 | 氷室京介 | 布袋寅泰 | 布袋寅泰 | |
| 2. | 「PSYCHOPATH」 | ジョナ・パシュビー | 氷室京介 | 布袋寅泰 | |
| 3. | 「CELLULOID DOLL」 | 氷室京介 | 氷室京介 | 布袋寅泰 | |
| 4. | 「FANTASTIC STORY」 | 氷室京介 | 氷室京介 | 布袋寅泰 | |
| 5. | 「MEMORY」 | 氷室京介 | 布袋寅泰 | 布袋寅泰 | |
| 6. | 「季節が君だけを変える」 | 氷室京介 | 布袋寅泰 | 布袋寅泰 | |
合計時間: | |||||
| # | タイトル | 作詞 | 作曲 | 編曲 | 時間 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1. | 「LIAR GIRL」 | 氷室京介 | 布袋寅泰 | 布袋寅泰 | |
| 2. | 「ANGEL PASSED CHILDREN」 | 氷室京介 | 布袋寅泰 | 布袋寅泰 | |
| 3. | 「LONGER THAN FOREVER」 | 氷室京介 | 布袋寅泰 | 布袋寅泰 | |
| 4. | 「GIGOLO & GIGOLET」 | 氷室京介 | 布袋寅泰 | 布袋寅泰 | |
| 5. | 「RENDEZ-VOUS (LIVE IN HAMBURG JULY 1987)」 | 氷室京介 | 布袋寅泰 | 布袋寅泰 | |
| 6. | 「MARIONETTE」 | 氷室京介 | 布袋寅泰 | 布袋寅泰 | |
| 7. | 「PLASTIC BOMB」 | 氷室京介 | 布袋寅泰 | 布袋寅泰 | |
| 8. | 「PSYCHOPATH」 | ジョナ・パシュビー | 氷室京介 | 布袋寅泰 | |
| 9. | 「CELLULOID DOLL」 | 氷室京介 | 氷室京介 | 布袋寅泰 | |
| 10. | 「FANTASTIC STORY」 | 氷室京介 | 氷室京介 | 布袋寅泰 | |
| 11. | 「MEMORY」 | 氷室京介 | 布袋寅泰 | 布袋寅泰 | |
| 12. | 「季節が君だけを変える」 | 氷室京介 | 布袋寅泰 | 布袋寅泰 | |
合計時間: | |||||
| チャート | リリース年 | 最高順位 | 登場週数 | 売上数 | 規格 | 出典 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 日本(オリコン) | 1987年 | 1位 | 40回 | 17.1万枚 | LP | |
| 3位 | 36回 | 28.4万枚 | LP, CT, CD | |||
| 2012年 | 80位 | 2回 | 0.2万枚 | BSCD |
| No. | リリース日 | レーベル | 規格 | カタログ番号 | 備考 | 出典 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 1987年9月5日 | 東芝EMI/イーストワールド | LP | WTP-90500 | ||
| 2 | CT | ZH28-1900 | ||||
| 3 | CD | CA32-1550 | ||||
| 4 | 1991年12月24日 | TOCT-6396 | CD-BOX『BOØWY COMPLETE LIMITED EDITION』収録 | |||
| 5 | 1993年3月3日 | TOCT-6396 | CD-BOX『BOØWY COMPLETE REQUIRED EDITION』収録 | |||
| 6 | 2002年3月29日 | TOCT-24796 | CD-BOX『BOØWY COMPLETE 21st CENTURY 20th ANNIVERSARY EDITION』収録 20ビット・デジタルリマスター盤 |
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| 7 | 2005年2月16日 | TOCT-25614 | 24ビット・デジタルリマスター盤 | |||
| 8 | 2007年12月24日 | EMIミュージック・ジャパン/イーストワールド | TOCT-26496 | 24ビット・デジタルリマスター盤、紙ジャケット仕様、LP盤のレーベルを再現 | ||
| 9 | 2012年12月24日 | BSCD2 | TOCT-98005 | |||
| 10 | 2016年9月5日 | ユニバーサルミュージックジャパン | AAC-LC | - | デジタル・ダウンロード | |
| 11 | ロスレスFLAC | - | デジタル・ダウンロード | |||
| 12 | 2017年6月28日 | CD | UPCY-9685 | 2007年発売された紙ジャケット仕様(旧品番TOCT-26496)の限定復刻 | ||
| 13 | 2017年7月26日 | LP | UPJY-9070 | オリジナルアルバムのLPを完全限定復刻 180g重量盤、LAバーニー・グランドマン・マスタリングでカッティング |
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| 14 | 2018年3月28日 | ハイレゾFLAC | - | デジタル・ダウンロード オリジナルマスターから96kHz/24bitのハイレゾリューションオーディオ化 リマスタリング担当はオノ・セイゲン |
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