レディオヘッド

レディオヘッド
左からトム、ジョニー、コリン、エド、フィル
基本情報
原語名 Radiohead
別名 オン・ア・フライデー
出身地 イングランドの旗 イングランド オックスフォードシャーアビンドン=オン=テムズ
ジャンル
活動期間 1991年 -
レーベル
公式サイト Radiohead Public Library
メンバー

レディオヘッド(英語: Radiohead)は、イギリスのロックバンド。1985年に前身にあたるバンドを結成。1992年のメジャー・デビュー以降、外部ミュージシャンの起用は多いものの、同じパーマネント・メンバーで活動している。

彼らのルーツであるポストパンクやオルタナティヴ・ロックの大枠に、ポストロックや電子音楽、ジャズ、クラシック、現代音楽などを混交した多彩な音楽性や、アルバムごとの急進的な実験性・変化が特徴。また、ソロ活動も盛んである。

2010年12月にローリング・ストーン誌が発表した「歴史上最も偉大な100組のアーティスト」(100 Greatest Artists of All Time)において第73位。2011年時点でアルバム総売上は3,000万枚を超えている。2019年にロックの殿堂入り。

来歴

Radiohead
YouTube
チャンネル
拠点 イギリス
活動期間 2005年 -
ジャンル 音楽
登録者数 542万人
総再生回数 53億0875万4577回
チャンネル登録者数・総再生回数は
2026年10月11日時点。
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メンバーが通っていたアビンドン・スクール

オックスフォード郊外のアビンドン=オン=テムズにある男子全寮制パブリックスクールのアビンドン・スクールでメンバー5人は出会う。それぞれ別のバンドで活動したのち、1985年にバンド「オン・ア・フライデー(英語: On A Friday)」を結成。ジョニー以外のメンバーはスクールを卒業後オックスフォードを離れ、バンドは解散状態になる。

1991年、大学を卒業したメンバーがオックスフォードに戻り、バンドを再結成する。同年にEMI傘下のパーロフォンとメジャー契約し、バンド名をレディオヘッドに変更する。1992年にEP『Drill』でメジャーデビュー。翌年、1stアルバム『パブロ・ハニー』からのシングル『クリープ』が若者から熱烈な支持を受け、世界的なヒットとなる。この当時はUSオルタナティヴ・ロック、UKシューゲイザーなどの影響が頻繁に語られるような、トリプルギターにベース、ドラムという比較的オーソドックスなロックバンドであった。

ギターロックをより押し進めつつもアコースティックソングやサイケデリック・ロックからの影響を昇華した2ndアルバム『ザ・ベンズ』(1995年)により、人気を不動のものとする。この作品からプロデューサーのナイジェル・ゴッドリッチと組むようになる。

この頃から次第にロックミュージック以外の音楽と接近していき、メンバー各自が様々な楽器を使い分けるようになる。1996年明けには映画音楽・サイケデリック・トリップ・ホップなどからの影響をシングルのB面や限定シングルカット「Lucky」などに表出し始め、1997年にはそれらの実験的な試みの結晶ともいえる3rdアルバム『OK コンピューター』(1997年)を発表。このアルバムは全世界で大きな評価を獲得し、1990年代のポップ・ミュージックを代表する金字塔としばしば評される出世作となる。

アルバムの世界的な成功により名声を得たメンバーだったが、評価を得たそれらのサウンドを捨て去り、当時ポップミュージックの分野ではほぼ手つかずのジャンルであったエレクトロニカ・現代音楽などに大きく傾倒。長いスタジオ作業の果てに「商業的自殺」とも言われた4thアルバム『キッド A』(2000年)を発表し、大方の予想を裏切り再度成功を収める。実験的な電子音楽とバンド・サウンドを融合させ、前作『OK コンピューター』からの劇的な変化を遂げた作品となった。

翌年には『キッド A』と同時期に制作された5thアルバム『アムニージアック』(2001年)を発表。1920年代のスウィング・ジャズを取り入れるなど、ジャンルに捕われない音楽性をより明確にした。同年に初の公式ライブアルバム『I Might Be Wrong - Live Recordings』を発表した。

6thアルバム『ヘイル・トゥ・ザ・シーフ』(2003年)では、これまでの実験性を包括したうえで改めてバンドサウンドに立ち返った。このアルバムを最後にEMIとの契約を終了。契約金額で折り合わなかったことが理由と報じられている。同年、ジョニーが初のソロ作品としてテレビ・ドキュメンタリー『Bodysong』のサウンドトラックを発表。翌2006年にトムが初のソロ・アルバム『ジ・イレイザー』を発表。

2005年から新作に向けた活動が再開され、2006年には欧米でのツアーも行われた。2007年10月1日、公式ブログにて7thアルバム『イン・レインボウズ』を発表。期間限定の専用サイトを通じ、MP3形式で先行ダウンロード販売が行われた。購入価格は買い手が自由に決める方式となっていた。同時に、豪華版のディスクボックス(ダウンロード版と同内容のDisc1にDisc2を加えた2枚組CD、同内容のアナログ盤2枚、ブックレット、化粧箱で構成される)も40ポンド定額でリリースされ、2007年12月3日より発送開始となった。その後、TBDレコード(北アメリカのみ)、ホステス・エンタテインメント(日本のみ)、XLレコーディングス(それ以外の全世界)と契約し、通常のCDフォーマットでもリリースされた(内容はダウンロード版、豪華版Disc1と同様)。

2008年に初のベスト・アルバム『ザ・ベスト・オブ』と同タイトルのベストDVDをリリース。バンド自身は曲順やアートワークなどの制作全般に関わっておらず、EMIが残されたアルバム契約を消化するために行われた。

2009年より、トムがレッド・ホット・チリ・ペッパーズのフリー、ナイジェル・ゴッドリッチらと共に新バンド「アトムス・フォー・ピース」(ソロ・アルバムの曲名が由来)を結成。セットリストはソロアルバムの曲を中心に、他バンドのカバーや新曲をちりばめたようなもので、各所でライブを精力的に行っている。

2010年よりフィルがソロ・アルバム『Familial』を発表。また、フジロックフェスティバルにアトムス・フォー・ピースが出演した。

2011年2月14日、公式サイトにて8thアルバム『ザ・キング・オブ・リムズ』の完成を発表。専用サイトにて、アルバムダウンロード(MP3又WAV)と豪華版ニュースペーパー・アルバムの予約受付を開始した。7月4日には『ザ・キング・オブ・リムズ』のリミックスシリーズの発売が決定。完全生産限定12インチ・アナログシングル(輸入盤のみ)と、デジタル・シングルでの発売となる。「リトル・バイ・リトル」と「ロータス・フラワー」のリミックスが収録された。

2011年春、2013年夏、2015年夏と断続的にスタジオ入りが報じられており、ジョニーはインタビューで新作には未発表曲の「Lift」が収録される予定だと答えている。

2015年、映画『007 スペクター』の主題歌候補として「スペクター」を制作したが、最終的にサム・スミスの楽曲が起用され、本楽曲は使用されなかった。

2016年に9thアルバム『ア・ムーン・シェイプト・プール』が発表された。前述の「Lift」は収録されなかったが、1995年以降ライブで披露されてきた「True Love Waits」の初のスタジオ音源が収録された。

2019年にロックの殿堂入り。

2018年8月1日のフィラデルフィア公演以降、長らくバンドとしての新曲発表やライブは行われず活動休止状態となっていたが、2025年11月からは7年ぶりのライブとなるUK&ヨーロッパツアーが開催される。

2027年5月~6月にはオーストラリアと日本で合計21本のツアーを開催する予定。

音楽的な影響

メンバーは、ジョイ・ディヴィジョンやマガジン、スージー・アンド・ザ・バンシーズ 、U2といったポストパンクや、ピクシーズやR.E.M.やソニック・ユースといったオルタナティヴ・ロックに早くから影響を受けてきた。トムは小学生の頃にはクイーンなどを好み、エルヴィス・コステロなども聴いていた。1990年代半ばにはマッシヴ・アタックやDJシャドウなどのエレクトロヒップホップからの影響をうかがわせ、それらは『OK コンピューター』に顕著である。『OK コンピューター』にはマイルス・デイヴィス、エンニオ・モリコーネなどや、ビートルズやビーチ・ボーイズ、ピンク・フロイドなどからの参照が見受けられ、メンバーもそれを公言している。

『キッド A』で、メンバーはグリッチやアンビエントなどのエレクトロニカの手法に関心を見せ、ワープ・レコーズのオウテカやエイフェックス・ツインといったアーティストの音楽性に接近していった。またそれ以降、モダン・ジャズのアリス・コルトレーンやマイルス・ディヴィス、チャールズ・ミンガス、アート・ブレイキーなども好んで参照し、カン、ノイ!、クラフトワークなどのクラウトロックの影響も顕著である。特にジョニーはいわゆる現代音楽や、オリヴィエ・メシアン、クシシュトフ・ペンデレツキ などの独特の方法論を持った音楽家からの影響も大きい。

基本的に作詞、作曲のクレジットはメンバー全員(Radiohead)となっている。曲の大枠やデモの多くを作るのはトムであるが、そこからさらに議論を重ねてそこに肉付けしたり、逆に削ったりすることで楽曲の元を作っているからである。録音についてもパート別に順ぐり録音したりするのではなく、メンバー全員とプロデューサーでアレンジを議論し、個々がパートにとらわれずに音楽を作っている。パートごとの演奏者もまちまちで、あまり問題とされない。ストリングスやブラスバンド主体の曲などでは、楽隊を呼んで録音するため、そもそもメンバーが譜面やアレンジを指示するだけで演奏しないこともあり得る。歌詞については、基本的にほぼ全てがトムによって作詞・推敲される。

レディオヘッドの音楽スタイルから影響を受けたアーティストとしては、ミューズ、コールドプレイ、トラヴィス、ソンバーなどが挙げられる。

アートワーク

グラフィック・アーティストのスタンリー・ドンウッドは、『ザ・ベンズ』以降、レディオヘッドの全作品のアートワークを手がけている。彼はトム・ヨークの大学時代からの友人であり、トムの社会活動にも一緒に参加している。

基本的にアートワークはアルバムごとに一定のテーマが決められている。シングルのジャケットやツアーでのグッズなど、次のアルバムをリリースするまではそのテーマに沿ったものが作成される。

メンバー

名前プロフィール担当楽器
トム・ヨーク
(英語: Thomas Edward Yorke)
1968年10月7日(58歳)
イングランドの旗 イングランド ノーサンプトンシャー
ボーカル
ギター
ピアノ
キーボード
ジョニー・グリーンウッド
(英語: Jonathan Richard Gordon Greenwood)
1971年11月5日(54歳)
イングランドの旗 イングランド オックスフォード
ギター
キーボード
オンド・マルトノ
ストリングス
コリン・グリーンウッド
(英語: Colin Charles Greenwood)
1969年6月26日(57歳)
イングランドの旗 イングランド オックスフォード
ベース
サンプリング
エド・オブライエン
(英語: Edward John O'Brien)
1968年4月15日(58歳)
イングランドの旗 イングランド オックスフォード
ギター
サンプリング
コーラス
フィル・セルウェイ
(英語: Philip James Selway)
1967年5月23日(59歳)
イングランドの旗 イングランド オックスフォードシャー
ドラムス
パーカッション

ディスコグラフィ

スタジオ・アルバム

ダウンロード・シングル

レディオヘッドの作品には、ダウンロードのみで発表された楽曲(アートワークも含む)も存在する。

コラボレーション

トム・ヨーク

ジョニー・グリーンウッド

その他のメンバー

トリビュート・アルバム

社会問題に関する活動

レディオヘッドのメンバーは社会問題に関心が強く、これまでに多くのキャンペーンに関わってきた。

その他

日本との関係

来日公演

脚注

[脚注の使い方]

注釈

  1. 1 2 サンプリングに関しては各アルバムのクレジットにも明記されている。

出典

  1. ↑ Robinson, Will (2016年1月12日). “Sam Smith on Thom Yorke, Radiohead's Spectre song”. EW.com. Dotdash Meredith. 2024年8月29日閲覧.
  2. ↑ Young, Alex (2016年1月21日). “Radiohead will tour in 2016”. consequence.net. Consequence Holdings. 2024年8月29日閲覧.
  3. ↑ Hogan, Marc (2017年3月20日). “Exit Music: How Radiohead's OK Computer Destroyed the Art-Pop Album in Order to Save It”. Pitchfork. Condé Nast. 2024年8月29日閲覧.
  4. 1 2 Erlewine, Stephen Thomas. “Radiohead Biography”. AllMusic. Netaktion. 2020年12月13日閲覧.
  5. ↑ “Radiohead Biography”. Rolling Stone. 2018年6月12日時点のオリジナルよりアーカイブ. 2024年8月29日閲覧.
  6. ↑ Lahann, Michael (2016年5月2日). “All surprises: Radiohead and the art of the unconventional album release”. The Guardian. Guardian News & Media. 2024年8月29日閲覧.
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  8. ↑ Iadarola, Alexander (2016年5月11日). “Why We're Happy Holly Herndon Is Touring with Radiohead”. Thump. Vice Media. 2016年5月12日時点のオリジナルよりアーカイブ. 2024年8月29日閲覧.
  9. ↑ “100 Greatest Artists” (英語). Rolling Stone (2010年12月3日). 2024年12月22日閲覧。
  10. ↑ “BBC - Press Office - BBC Worldwide takes exclusive Radiohead performance to the world” (英語). www.bbc.co.uk. 2024年12月22日閲覧。
  11. 1 2 “ロキシー、ゾンビーズ、ジャネット、ロックの殿堂入りに喜びのコメント”. BARKS (2018年12月14日). 2019年2月2日閲覧。
  12. ↑ ピッチフォーク・ガイドの『キッド A』レビューより、当時の反応。
  13. ↑ レディオヘッド、EMIと決別した理由 Barks 2008年1月2日
  14. ↑ 「価格はあなた次第」のレディオヘッド新作、幾らで売れた? ITmedia 2007年11月6日
  15. ↑ レディオヘッド「あまり先のことは考えないことにした」 Barks 2011年3月7日
  16. ↑ レディオヘッド、2013年夏にも通算9枚目の新作スタジオ・アルバム制作開始 Barks 2013年2月18日
  17. ↑ ジョニー・グリーンウッド、レディオヘッド新作の進捗状況を語る RO69 2015年6月18日
  18. ↑ BBCを英語で読む「ボンド映画の主題歌になれなかった名曲たち」(9)
  19. ↑ Lamacq, Steve. “Interview with Thom Yorke”. BBC 6 Music radio. 2006年8月26日閲覧。 “My best gig in Oxford ever though, was Siouxsie and the Banshees [...] they were absolutely... they were just amazing [...] the band were like, they were really, really exciting [...] Siouxsie and the Banshees were just genius”
  20. ↑ Dombal, Ryan. “Radiohead interview”. Pitchfork.com. 2008年3月21日閲覧。 “Colin Greenwood: In rehearsals yesterday, Thom, Ed and I were running through a Siouxsie and the Banshees cover called "Happy House" and Jonny [Greenwood]-- the young one-- was like, "What the fuck is this?" And we're like, You know, Siouxsie and the Banshees! Check out Juju [ Siouxsie and the Banshees' 1981 album]”
  21. ↑ Casandra Scaroni, Samuel Dietz.. “You’ve got to find a voice [Radiohead Ed O'Brien interview]”. Alltuntun. 2018年9月1日時点のオリジナルよりアーカイブ。2011年9月2日閲覧。 “I was very lucky because I grew up in an era... It was the post-punk era, so you had a lot of music like Siouxsie and the Banshees... it was a great era of music, you'd been listening to the charts or tape them on a cassette recorder so you’d have... "Spellbound" by Siouxsie And The Banshees,”
  22. 1 2 Randall, Mac (1998-04-01), “The Golden Age of Radiohead”, Guitar World
  23. ↑ 。 Ross, Alex (2001-08-20), “The Searchers”, The New Yorker, オリジナルの2008年2月14日時点におけるアーカイブ。 2007年12月24日閲覧。
  24. ↑ Reynolds, Simon (June 2001), “Walking on Thin Ice”, The Wire
  25. ↑ Gillespie, Ian (1997-08-17), “It all got very surreal”, London Free Press
  26. ↑ DiMartino, Dave (1997-05-02), “Give Radiohead Your Computer”, LAUNCH, オリジナルの2007年8月14日時点におけるアーカイブ。 2007年12月21日閲覧。
  27. ↑ Zoric, Lauren (2000-10-01), “Fitter, Happier, More Productive”, Juice
  28. ↑ 。 Eccleston, Danny (2000-10-01), Q
  29. ↑ Kokawa, Shino (2025-07-30), rockin'on, https://rockinon.com/blog/rockinon/212610 2025年10月12日閲覧。
  30. ↑ 『教養としてのロック名盤ベスト100』光文社、2019年9月20日、123頁。ISBN 9784334044251。

参考文献

外部リンク