| 9К720 "Искандер" | |
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「イスカンデルM」ミサイルを搭載した輸送起立発射機 MZKT-7930 | |
| 種類 |
短距離弾道ミサイル(イスカンデルE/M) 巡航ミサイル(イスカンデルK) |
| 運用史 | |
| 配備期間 | 2006年から |
| 配備先 |
アルメニア軍 アルジェリア軍 |
| 開発史 | |
| 製造業者 |
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| 諸元 | |
| 重量 | 3,800 kg |
| 全長 | 7,200 mm |
| 直径 | 950 mm |
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| ペイロード | 480 kg |
| 最大射程 |
イスカンデルM:400 km(推定) イスカンデルE:280 km イスカンデルK:500 km |
| 精度 | 5 - 7 m(イスカンデルM) |
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| エンジン | 単段固体燃料推進式 |
| 誘導方式 |
慣性誘導(イスカンデルE) 慣性誘導 + E/O(イスカンデルM) |
9K720「イスカンデル」(ロシア語: 9К720 "Искандер" ヂェーヴャチ・カー・シミソート・ドヴァッツァチ・イスカンデール)はロシア製の短距離弾道ミサイル(SRBM)。固体燃料推進で、車両に搭載される移動式の戦域弾道ミサイル複合(TBM、Оперативно-тактический ракетный комплекс、ОТРК)である。北大西洋条約機構(NATO)の用いたNATOコードネームでは、“SS-26 Stone(「石」の意)”と呼ばれる。「イスカンデル」とは古代マケドニアの英雄アレクサンドロス大王の異称である。
「イスカンデル」は戦域レベルの紛争用に設計された戦術ミサイルシステムである。敵の火力兵器、防空・対ミサイル防衛システム、司令部、通信拠点、密集した軍部隊などの標的に対し、通常弾頭を使い分けて破壊し、敵の戦闘能力を弱体化させる。敵の妨害環境下でも高い任務遂行能力を持ち、発射準備や飛行中の故障率が低い。ミサイルの飛行経路計算と入力は発射装置が自動で行う。搭載車両の機動性、耐用年数の長さ、操作の容易さにより、高い戦術的・戦略的機動性を有する。
「イスカンデル」にはクラスター爆弾、燃料気化爆弾、高威力爆弾、バンカーバスター、対レーダー用の電磁パルス弾頭など、多様な通常弾頭が用意されている。製造企業ロステックのセルゲイ・チェメゾフ会長は、国内仕様に核弾頭搭載能力があることを明言している。
ソ連では、1960年代に配備した9K72「エリブルース」の後継として、1980年代に9K714「オカー」を配備した。しかし、1987年のINF条約により「オカー」が制限対象となり、代替ミサイルが必要となった。1989年に射程の短い9K79-1「トーチカU」が実用化されたが、長射程の非核弾頭ミサイルの開発が求められた。
新ミサイル複合は9K720と命名され、コロムナ機械製作設計局(KBM)が開発を主導。発射装置はヴォルゴグラードの中央設計局「チターン」、自動誘導装置はモスクワの自動化技術・水理学中央科学研究所が担当した。開発要件には、核弾頭の非搭載、命中精度の向上、誘導装置の改良が含まれていた。
ソビエト連邦の崩壊後も開発は続き、1996年に「イスカンデル」ミサイル(当時NATOではSS-X-26)の初発射がロシアのテレビで放送された。2004年9月、ロシア国防省はプーチン大統領に対し、2005年度に「イスカンデル」の状態テストを完了し、量産を開始すると報告した。2006年に「イスカンデルM」の量産が開始され、2007年には巡航ミサイル型のR-500「イスカンデルK」の発射試験が行われた。
2008年11月、メドヴェージェフ大統領は、NATOのミサイル防衛システムに対抗し、必要に応じてカリーニングラード州に「イスカンデル」を配備すると表明。リトアニア政府は、改良型の最大射程が700kmに延伸され、ベルリン近郊まで攻撃可能と指摘している。
「イスカンデル」のミサイルは、9K714の9M714ミサイルを上回る性能を持つ。「イスカンデルM」は2発の固体燃料単段誘導ミサイル(9M723K1)を搭載し、全飛行経路で制御される分離しない弾頭を備える。各ミサイルは数秒で独立して標的を狙える。発射装置の機動性は敵の妨害を困難にする。
運搬車両には、ベラルーシのミンスク・ホイール・トラクター工場製MZKT-7930と、ロシアのブリャンスク自動車工場製BAZ-6909が使用され、従来の1発搭載に対し2発を搭載可能。「イスカンデルM」は光学誘導弾頭を備え、AWACSやUAVからの暗号化通信で制御可能。電子光学誘導システムは自律追尾機能を有し、超音速で標的に降下する。
ミサイルは低軌道を飛行し、最終段階で回避行動を行い、9B899デコイ弾を放出してミサイル防衛を回避する。大気圏を離れず、平坦な軌道を取る。