|
コンピュータ歴史博物館所蔵のApple I | |
| 開発元 | スティーブ・ウォズニアック |
|---|---|
| 発売日 | 1976年4月11日 |
| 標準価格 | 666.66ドル |
| 販売終了日 | 1977年9月30日 |
| CPU | MOS 6502 @ 1 MHz |
| メモリ |
標準 4 KB 8 KB あるいは拡張カードを使い 48 KB まで拡張可能 |
| グラフィック | 40桁×24行の文字表示のみ。スクロールをハードウェアで実装 |
| 次世代ハード | Apple II |
Apple I(アップル・ワン)は、Appleが一番最初に製作・販売したマイクロコンピュータである。基板の表面に「Apple Computer 1」と刻印されていたため「Apple 1」と表記されることも稀にある。
設計はスティーブ・ウォズニアック。ウォズニアックがほぼ独力で設計・開発したマイクロコンピュータ、あるいは周辺装置を容易に仕立てられるよう周到に設計されたある種のワンボードマイコンのキットである 。
ウォズニアックは父親もエンジニアで、自身は6歳でアマチュア無線の免許を取得しアマチュア無線機を自作し、13歳の時にトランジスタを組み合わせて二進加減算器を作り科学コンクールに優勝するなど、エレクトロニクス、回路設計、デジタル回路に精通していた。そのウォズニアックにコンピュータを開発・製造・販売するビジネスを持ちかけたのは年下の友人であるスティーブ・ジョブズだった。ウォズニアックはビジネスに関心は無かったが、自分が新しいコンピュータを創造することには興味があり、その話に乗った。
Apple Iの発売時、Apple Computer社はまだ設立したばかりのわずか3人で構成されている会社だった。Apple Iの回路設計はウォズニアックがし、ウォズニアックははんだづけも得意で自分たちでApple Iを組立てることができることは見えていたが、その土台となるプリント基板だけは基板製造業者(当時は、エッチング処理を行う業者)にあらかじめ発注する必要があった。基板製造業者には製造代金を前払いで支払う必要があったが、その金すら持っていなかったため、ジョブズは自分が所有していた唯一の乗り物であるフォルクスワーゲンのバンを、ウォズニアックはヒューレット・パッカード製のHP-65という高機能電卓を500USドルで売却し工面した。
1976年7月、Apple Iはカリフォルニア州パロアルトのホームブリュー・コンピュータ・クラブで披露された。
1976年7月、666ドル66セントという価格で発売。この価格設定は、ウォズニアックが「数字の繰り返し」が好きだからで、同時に地元の店に500ドルで売ったので、そこから3分の1値上げしたからでもある。約200台を生産(うち、売れたのは約170台)。当時、他のホビイスト向けコンピュータは組み立てキットとして販売されていたが、Apple Iは60個以上のチップを実装済みの回路基板として販売された。しかし筐体は無く、ほかにもキーボード、トランス(レギュレータはオンボード)を自分で用意して組み立てなければならなかった。カセットテープインタフェースについては別売りで用意され(75ドル)、拡張スロットに挿して使用した。

Apple Iは当時としては内蔵の端末回路が際立っている。必要なのはキーボードと安価なテレビ受像機だけである。競合するAltair 8800などは、フロントパネルのトグルスイッチでプログラミングし、ランプ(赤のLEDなど)で表示させており、コンピュータ端末やASR-33のようなテレタイプ端末に接続するには別のハードウェアを追加する必要があった。その面でApple Iは革新的マシンであった。BASICもテープで提供された。1977年4月、475ドルに値下げした。同じく4月にApple IIを発表し、6月から出荷を開始していたが、1977年8月まで Apple Iも併売していた。Appleの製品価格表からApple Iが消えたのは1977年10月のことで、その時点で正式に販売終了となった。
なお、Apple Iの設計・開発はウォズニアックが独りで行っており、Apple I細部の技術的なことが分かるのはウォズニアックだけであり、ジョブズは全く理解できなかった。当然、Apple Iについての顧客からの質問に応え、サポートできるのもウォズニアックだけであり、ウォズニアック一人に多大な負担がかかることになった。
その状態から脱するために、Apple II発売後はApple Iオーナーに対して、Apple IIのディスカウントサービスやApple Iの下取りなどのインセンティブを提供して、Apple IからApple IIへ乗り換えさせるように誘導した。さらに、後々ウォズニアックに負荷がかかり続けないようにとの配慮で、回収したApple Iは全て裁断して廃棄された。このため現存するApple Iは非常に希少である。
そして、後継機のApple IIは大ヒットとなった。
2017年(平成29年)の時点で現存しているのは世界で約50から60台、そのうち動作するものは8台しか存在しないといわれている。
一方で、 Apple Iのソフトウェア互換なレプリカであるReplica Iが2003年、約200ドルで発売された。かつて、日本向けには米Vintage Computerが代理店となり販売していた。他にもレプリカや自作用キットや指示書などが出回っている。
