Inspiration of JAPAN

Inspiration of JAPANロゴ(2013年7月以降)
B777-300ER

Inspiration of JAPAN(インスピレーション オブ ジャパン、旧表記:Inspiration of Japan)は、全日本空輸(ANA)が展開するプロダクト・サービスブランド。同コンセプトを取り入れたシートデザインも2010年2月20日から導入している。1991年から2010年にかけて使用していたサービスブランド、CLUB ANAに代わって導入された。

沿革

Inspiration of Japanの導入

ANAは2009年11月10日、東京都内で新ブランド「Inspiration of Japan」を発表した。この名前には、イノベーション(新しい発見やワクワクする体験)、際立つ個性(期待を超えた歓び)、モダンジャパン(日本発の技術・細やかな心遣いや細部へのこだわり)の3つの価値が含まれていると説明した。2010年2月導入予定のB777-300ER新造機に新ブランドのシートを導入し(後述)、随時リニューアルを進めていくとし、同イベント内で新シートを公開した。また、この他に機内食やオンデマンド機能、機内販売の改良や温水洗浄便座、上位顧客を対象にしたチェックインサービスの導入、成田空港のファーストクラスラウンジ内でのパーソナルルームの設置なども行うとした。

ANAは日本国外における知名度が低いことに問題意識を抱えており、新ブランドのイメージキャラクターにはアカデミー賞受賞の経歴を持つ俳優である本木雅弘を起用し、外国人にも分かるグローバルな視点で見た日本の価値をつくっていくとした。

同社は新ブランドの展開に伴う航空機材の開発費として150 - 170億円を拠出する一方、新ブランドによる増収を年50億円見込んでいるとした。

機体への表記

2013年7月29日、従来機内サービスで使用していた「Inspiration of JAPAN」の文字をタグラインとしてANAロゴともに機体に表記すると発表し、新たなロゴをお披露目した。また、これと同時にサービス向上を図るため新サービスの導入を発表した。2013年9月1日より15名のパートナーと9名のANAシェフが国際線の機内食と飲み物、国内線プレミアムクラスの一部の食事をプロデュースする「THE CONNOISSEURS」(ザ・コノシュアーズ)の開始、同日からの国内線プレミアムクラスの食事サービス「プレミアム御膳」と茶菓サービス「プレミアム茶房」においての有名店の提供、欧米路線はファーストクラスとビジネスクラスにおいて東京西川の寝具の導入、欧米路線ビジネスクラスにおいてアメニティサービスの導入を行う。

同年8月24日からInspiration of JAPANの表記がなされた1号機が営業を開始した。運航当初から特別塗装や特別ロゴが施されていたボーイング787型機においても、2014年2月6日に引き渡された25機目(登録番号JA827A)からは787のロゴを排された状態で、Inspiration of JAPANのタグラインを表記されて登場している。

2015年3月には、2011年4月25日から続けられていたB777-300ERのInspiration of JAPAN (IOJ) 仕様への改修が完了した。改修完了時点でANAが保有している19機のB777-300ERのうち、最初からIOJ仕様で導入された機体は6機、前仕様のCLUB ANAから改修された機体は13機だった。

2018年8月以降、日本国政府専用機の置き換えに伴い整備が日本航空からANAに移行することに伴って、Inspiration of JAPAN仕様のビジネスクラスとエコノミークラスと同型の座席が新型機に設置されている。

Inspiration of JAPANに次ぐ新シート

2019年7月、ANAは「利用者からは好評を博したものの、9年経ってデザインも古くなり、技術革新などで取り巻く環境も変わった」としてInspiration of JAPANに次ぐシートデザインが導入することを発表した。新シートは建築家の隈研吾とイギリスのデザイン会社Acumenによってデザインされている。ファーストクラスは "THE Suite"、ビジネスクラスは "THE Room" と名付け、両クラスともにドア付きの個室型ワイドシート、世界初の4Kモニターを導入した。新仕様機はJA795Aを筆頭に6機を年内に導入し、同年8月2日の羽田 - ロンドン線で運航を開始する。Inspiration of JAPAN仕様機からも6機が新仕様に改修され、最終的に12機を導入する予定。

シートタイプ

ファーストクラス

ANA FIRST SQUARE
  • ANA FIRST SQUARE(エーエヌエーファーストスクエア)
2019年10月現在、B777-300ERの一部に搭載。座席配列は1-2-1。導入当時としてはクラス最大級となる23インチタッチパネル式液晶ワイドスクリーンを搭載している。デジタルノイズキャンセリングヘッドホンも用意されている。機内食は、2010年4月以降はアラカルトを含め食べたいときにモニターを通じて注文する仕組み。メニューは月替り。白米、健康米など2種類の炊きたて米飯を用意している。

ビジネスクラス

ANA BUSINESS STAGGERED
  • ANA BUSINESS STAGGERED(エーエヌエービジネススタッガード)
2019年10月現在、B777-300ERの一部、エアバスA380、B787-9、-10と-8の一部で導入されている。B777-300ERの場合で比較すると、座席配列は従来の2-3-2から1-2-1に変更になった。導入当時としてはクラス最大級となる17インチ(A380のみ18インチ)タッチパネル式液晶ワイドスクリーンを搭載している。「My Style, My Space」(マイスタイル・マイスペース)のコピーのもと、「機内空間での過ごし方を自由自在にコーディネートできる全く新しい考え方」を導入した。名称にもなっているスタッガードシートを導入したことで、居住スペースの従来比150 %拡大を実現させた。また全席の通路への直接アクセス、フルフラットも実現している。寝るための専用の寝具、アメニティ、アロマも備えている。機内食は、2010年4月以降はアラカルトを含め食べたいときにモニターを通じて注文する仕組み。メニューは月替り。iPodコネクターやUSB端子を搭載しており、乗客自身の動画(iPodのみ)、写真、音楽を機内で再生できる。
  • ANA BUSINESS CRADLE(エーエヌエービジネスクレードル)
B787-8の一部、2010年以降導入されたB767-300ERの新造機に導入されている。大型液晶12.1インチタッチパネルモニターや大型テーブル、パーソナル読書灯、ユニバーサル電源、USBポートが搭載されている。アジア方面の便を中心に運用されている。最大シート角度160度、シート幅54.6 cm、座席配列2-2-2。

プレミアムエコノミークラス

ANA PREMIUM ECONOMY SEAT
  • ANA PREMIUM ECONOMY SEAT(エーエヌエープレミアムエコノミーシート)
他のクラスとは異なり、2009年11月20日に発表されたシートは実際には導入されなかった。2012年3月29日に同年6月からのInspiration of JAPAN仕様の新シートの導入が発表された。B787-8の一部、-9、B777-300ERに導入されている。

エコノミークラス

ANA ECONOMY CLASS SEAT
  • ANA ECONOMY CLASS SEAT(エーエヌエーエコノミークラスシート)
2010年に導入されたタイプ。シートピッチは導入当時クラス最大級の約86 cm、個人テレビタッチパネルモニターは導入当時クラス最大級の10.6インチを搭載している。スライドするヘッドレストや、3段階に動くフットレストがあり、シートはFixed back shellを採用しリクライニングの際に後部座席に干渉することはない。ユニバーサルタイプのパソコン電源、iPodコネクター、USB端子を標準装備している。

脚注

注釈

  1. ↑ 運行開始日は同年4月19日だった
  2. 1 2 ホノルル線は除く

出典

  1. ↑ Tadayuki YOSHIKAWA「4年がかり最後の改修機 写真特集・ANA新仕様777-300ERができるまで(アモイ編)」『Aviation Wire』2015年3月22日。2026年6月21日閲覧。
  2. 1 2 3 4 “ANA、新プロダクト・サービスブランドを発表 - "業界初"とオリジナリティあふれる、「Inspiration of Japan」”. マイナビ. 2019年10月13日閲覧。
  3. 1 2 3 4 5 『2010年、新しいANAがスタート』(プレスリリース)全日本空輸、2009年11月10日。2019年10月13日閲覧。
  4. 1 2 “ANAが新ブランド「インスピレーション・オブ・ジャパン」”. 観光経済新聞. 2019年10月13日閲覧。
  5. ↑ “国際線倍増で狙う「アジアNo.1キャリア」全日本空輸”. プレジデントオンライン. 2019年10月13日閲覧。
  6. ↑ “全日空/ANA、「Inspiration of JAPAN」のタグラインを全機材にデザイン 日の丸と共に”. flight liner. 2019年10月13日閲覧。
  7. ↑ “ANA、前方に日の丸を施した新しいデザインを全機体に採用予定”. マイナビニュース. 2026年6月21日閲覧。
  8. 1 2 3 『ANAの機内サービス刷新・第一弾について』(プレスリリース)全日本空輸、2013年7月29日。2019年10月13日閲覧。
  9. ↑ 「ANAの787、他機種と同一塗装に 25機目から”787″ロゴ消える」『Avation Wire』。2019年10月13日閲覧。
  10. ↑ “4年がかり最後の改修機 写真特集・ANA新仕様777-300ERができるまで(アモイ編)”. FlyTeam. 2019年10月13日閲覧。
  11. ↑ 「空飛ぶ官邸、機内も一新 Wifiや座席モニターも」『朝日新聞』。オリジナルの2019年4月23日時点におけるアーカイブ。2019年10月13日閲覧。
  12. ↑ “ANA、国際線777-300ERの機内仕様刷新 ビジネスクラスにドア付き個室シート導入”. traicy. 2019年10月13日閲覧。
  13. ↑ “ANA FIRST SQUARE B777-300ER(264/250/212席)”. 全日本空輸. 2019年10月13日閲覧。
  14. 1 2 “ANA BUSINESS STAGGERED”. 全日本空輸. 2019年10月13日閲覧。
  15. 1 2 “ビジネスクラスガイド”. HIS. 2019年10月13日閲覧。
  16. ↑ “プレミアムエコノミー”. 全日本空輸. 2013年10月13日閲覧。
  17. ↑ “国際線 プレミアムエコノミーの新サービスがスタート”. 全日本空輸. 2019年10月13日閲覧。
  18. ↑ “ANA ECONOMY CLASS SEAT”. 全日本空輸. 2019年10月13日閲覧。