LGA1954

LGA 1954
リリース日 2026年末予定
設計 Intel
ソケット形式 LGA-ZIF
チップ形状 フリップチップ
接点数(ピン数) 1954
FSBプロトコル PCI Express
プロセッサ寸法 37.5 mm × 45 mm
1,687.5 mm2
採用プロセッサ Nova Lake
前世代 LGA 1851
対応メモリ DDR5

この記事はCPUソケットシリーズの一部です

LGA 1954(別名:Socket V2)は、インテルが設計したランド・グリッド・アレイ (Land grid array) 方式のCPUソケットである。デスクトップ向けプロセッサ「Nova Lake-S」(開発コードネーム)に対応するプラットフォームとして開発されており、2026年末の発売が予定されている。前世代のLGA 1851の後継にあたる。

概要

LGA 1954はコンタクト数が1,954個であることからその名称が付けられており、LGA 1851(1,851ピン)から103ピン増加している。物理的な寸法は37.5 mm × 45 mm(1,687.5 mm²)であり、前世代のLGA 1851およびLGA 1700と同一の寸法を維持している。

増加したピン数は、主に次世代ハイパフォーマンスCPUの電力供給要件を満たすために活用される。

リテンション機構

LGA 1954における主要な設計変更のひとつが、2レバーILM(Independent Loading Mechanism、独立ロード機構)の採用である。これはインテルのHEDT(ハイエンドデスクトップ)やサーバー向けソケット(LGA 2011など)で使用されてきた方式であり、一般コンシューマー向けデスクトッププラットフォームへの採用は異例となる。2レバー設計により、ILMブレースとプロセッサパッケージの固定がより均一になり、安定した接触が確保される。

また、ソケットの形状は従来の長方形よりも正方形に近くなっており、これがより高いピン数を実現した要因のひとつと考えられている。

クーラー互換性

ソケットの物理的なフットプリントがLGA 1700・LGA 1851と同一であることから、多くの既存CPUクーラーが機械的に取り付け可能とされている。ただし、現代のIntelデスクトップCPUはモノリシック設計でなくなっているため、サーマルホットスポットの位置が変わる可能性がある。最適な冷却性能を得るためには、新たなマウントハードウェアが必要になる場合もある。

対応チップセット(900シリーズ)

LGA 1954プラットフォームは、インテルの新世代900シリーズチップセットを搭載したマザーボードと組み合わせて使用する。900シリーズは800シリーズ(LGA 1851向け)の後継にあたり、以下の5製品が予定されている。

チップセットZ990Z970W980Q970B960
対象セグメント ハイエンドメインストリームワークステーションビジネスバリュー
CPU OC YesYesNoNoNo
メモリ OC YesYesYesNoNo
BCLK OC YesNoNoNoNo
PCIeレーン数(チップセット合計) 4834483434
チップセットPCIe 5.0レーン ありなしありなしなし
チップセットPCIe 4.0レーン 2014201414
SATAポート数 84844
USB 3.2 Gen2×2(20Gbps) 最大4最大2最大4最大2最大2
USB 3.2 Gen2×1(10Gbps) 最大10最大8最大10最大8最大6
USB 3.2 Gen1×1(5Gbps) 最大10最大8最大10最大8最大6
USB4 / Thunderbolt4 あり1ポートありありなし
ECC対応 UDIMM対応なしUDIMM対応UDIMM対応なし
最大メモリ容量 256 GB256 GB256 GB128 GB128 GB
最大DIMMスロット数 44444
BIOSフラッシュROMサイズ(推奨) 64 MB64 MB64 MB64 MB推奨

Z990

900シリーズのフラグシップチップセット。最大48本のPCIeレーンを持ち、PCIe 5.0レーンをチップセット側でも提供する。CPUオーバークロック、メモリオーバークロック、BCLKオーバークロックのすべてに対応する。

Z970

メインストリーム向けオーバークロック対応チップセット。B960と同一のベースシリコンを使用しているとされ、PCIeレーン数は34本、チップセット側のPCIe 5.0レーンは持たない。CPUオーバークロックとメモリオーバークロックには対応するが、BCLKオーバークロックはサポートしない。

W980

ワークステーション向けチップセット。Z990とほぼ同等のI/O仕様を持つが、オーバークロック機能が省かれている。メモリOCは対応するほか、ECCメモリ(UDIMM)に対応する。

Q970

法人・ビジネス向けチップセット。vProサポートや128 GBのDDR5 CUDIMMメモリへの対応が確認されている。

B960

バリュー(普及価格帯)向けチップセット。Z970と同一のベースシリコンを使用するとされ、基本的なI/Oを提供する。オーバークロック機能は持たない。

対応メモリ

LGA 1954プラットフォームはDDR5専用であり、DDR4との互換性は持たない。標準でDDR5-6400をサポートし、オーバークロック時にはより高い動作周波数に対応する見込みである。最大メモリ容量は256 GB(Z990/Z970/W980)または128 GB(Q970/B960)となっている。

ソケット互換性

LGA 1954はLGA 1851およびLGA 1700とは互換性がない。Nova Lakeプロセッサを使用するには、LGA 1954対応の新しいマザーボードが必要となる。

一方、ソケットの物理的な取り付け穴の位置はLGA 1700・LGA 1851と共通であるため、多くのCPUクーラーがそのまま、またはアダプタを使用して流用できる可能性がある。

世代の長寿命化

従来のインテルデスクトッププラットフォームは概ね2世代程度でソケットが変更されてきたが、LGA 1954では複数世代のCPUをサポートする方針が採られているとされる。リーカー情報によれば、LGA 1954はNova Lake、Razor Lake(Razer Lake)、さらにその先の世代まで対応する可能性があり、これはAMDのAM5ソケットに見られるような長期互換性戦略に近い方針といえる。

この方針に対応するため、Z990などの上位マザーボードでは64 MBの大容量BIOSフラッシュROMの採用が推奨されており、将来世代のCPUのファームウェアを格納するための余裕を確保している。

対応プロセッサ

脚注

  1. ↑ “Intel's new platform for Nova Lake chips leaked, up to 48 PCIe lanes and all-new chipset — 900-series motherboards with LGA1954 socket arrive in late 2026”. Tom's Hardware (2026年2月9日). 2026年6月14日閲覧。
  2. 1 2 “Intel "Nova Lake-S" LGA-1954 socket may retain cooler compatibility”. VideoCardz (2025年5月29日). 2026年6月14日閲覧。
  3. ↑ “Intel Socket LGA1954 for "Nova Lake" Pictured in the Flesh, Confirms 2L ILM Design”. TechPowerUp. 2026年6月14日閲覧。
  4. ↑ “Intel 900-Series Chipset Specs Leak: Z990, Z970, W980, Q970, B960 For Next-Gen Nova Lake CPUs”. WccfTech (2026年2月9日). 2026年6月14日閲覧。
  5. ↑ “Intel 900-series chipset specs leaked: B960, Z970, Z990, Q970, and W980 for Nova Lake-S”. VideoCardz (2026年2月9日). 2026年6月14日閲覧。
  6. ↑ “Intel's Next LGA 1954 Socket Gains First Q970 Workstation Board Ahead Of Nova Lake”. WccfTech. 2026年6月14日閲覧。
  7. ↑ “Intel's LGA-1954 Socket and Nova Lake-S CPUs”. ComputerCity (2025年5月29日). 2026年6月14日閲覧。
  8. ↑ “Intel's next-gen LGA1954 socket will support Nova Lake, Razor Lake, and beyond”. Tom's Hardware. 2026年6月14日閲覧。

関連項目

外部リンク