STEREO

STEREO (英語、Solar TErrestrial RElations Observatory) は、NASAの太陽調査プロジェクトである。2機の観測機で異なった角度から太陽を同時に観測する事により、立体的に太陽を見ようという計画であった。プロジェクト名の頭字語は、オーディオの立体音響や立体写真などの「ステレオ」に掛けている。

概説

軌道上での観測機の形状の模式図である。なお、SECCHIは、太陽用の紫外線カメラ。PLASTICは、太陽から放出された荷電粒子を調べるための装置。IMPACTは、磁場などを測定するための装置。S/WAVESは、電波を観測するための装置である。
軌道上での観測機の形状の模式図である。なお、SECCHIは、太陽用の紫外線カメラ。PLASTICは、太陽から放出された荷電粒子を調べるための装置。IMPACTは、磁場などを測定するための装置。S/WAVESは、電波を観測するための装置である。
STEREOの軌道。
STEREOの軌道。

2014年9月まで

STEREOは、ほとんど同じ機能を有した2機の観測機を用いて、太陽を同時に観測する事で、ちょうどヒトが2つの目で立体視を行うように、コロナ質量放出の様子を立体的に調査する事を目的として実行された。これは2機で1組の観測機を用いるという、特殊な観測手法を用いたミッションであったと言える。2機の観測機は、いずれも太陽を中心とした軌道を周回する人工惑星であり、地球の公転軌道に近い軌道に投入された。

ただし、2機の観測機の太陽周回軌道は、同一ではない。STEREO-A (Ahead)の軌道は、地球の公転軌道よりも僅かに太陽に近く、したがって、公転周期が地球よりも僅かに短いために、地球より先行する側に進んでゆく。具体的には、太陽を約346日で1周する。これに対して、STEREO-B(Behind)の軌道は、地球の公転軌道よりも僅かに太陽から遠く、したがって、公転周期が地球より僅かに長いため、地球から少しずつ遅れてゆく。具体的には、太陽を約388日で1周する。

このような太陽周回軌道であるため、ほとんどの期間において、STEREO-AとSTEREO-Bとは、遠く離れた位置におり、2機が同時に異なった角度から、太陽を観測できる。

2014年10月以降

しかしながら、2014年10月1日にSTEREO-Bとの通信が途絶した。これによって、2機の観測機で同時に太陽を観測して、太陽活動を立体視するという当初の目的は果たせなくなった。

それでも、NASAは残ったSTEREO-Aの運用を中止せずに、STEREO-Aのみを用いた太陽の観測を続け、2010年代が終わるまで運用が行われた。そして、2020年現在も、STEREO-Aのみでの運用が行われている。

経過

装備器具

関連項目

脚注

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注釈

  1. ↑ 頭字語(英語:acronym)とは、単語の最初の部分を続ける事で、作成した語である。STEREOの観測機に搭載された観測機器の名称でも、他の物に掛けて作成された頭字語が見られる。
  2. ↑ ここで言うaheadとは、位置的に見て「前方の」といった意味の英単語である。
  3. ↑ ここで言うbehindとは、位置的に見て「後方の」といった意味の英単語である。
  4. ↑ CMEとは、coronal mass ejectionの略であり、すなわち、コロナ質量放出の事である。

出典

  1. 1 2 3 4 5 6 7 8 9 小谷 太郎 『宇宙の謎に迫れ! 探査機・観測機器61』 p.20、p.21 ベレ出版 2020年3月25日発行 ISBN 978-4-86064-611-0
  2. ↑ “STEREO Mission News”. NASA (2006年7月18日). 2006年7月19日閲覧。
  3. 1 2 3 “Loss of Contact with STEREO Behind”. NASA. 2015年6月4日. 2015年8月10日閲覧.
  4. ↑ “STEREO Mission Status” (2005年11月). 2006年5月30日閲覧。
  5. ↑ “STEREO Mission Status” (2006年5月). 2006年5月30日閲覧。
  6. 1 2 “通信途絶した太陽観察衛星「STEREO-B」、2年ぶりに地上と通信が回復!”. NASA. 2016年8月24日. 2016年8月24日閲覧.
  7. 1 2 3 4 “STEREO Spacecraft & Instruments”. NASA Missions (2006年3月8日). 2006年5月30日閲覧。

参考文献

外部リンク