| ルパン三世 ハリマオの財宝を追え!! | |
|---|---|
| ジャンル | 単発テレビアニメ |
| 原作 | モンキー・パンチ |
| 脚本 |
柏原寛司 藤田伸三 米村正二 |
| 監督 | 出崎統 |
| 声の出演 |
栗田貫一 小林清志 井上真樹夫 増山江威子 納谷悟朗 中村正 岡本麻弥 鈴置洋孝 田中真弓 ほか |
| 音楽 | 大野雄二 |
| 言語 | 日本語 |
| 製作 | |
| プロデューサー |
中谷敏夫(NTV) 尾﨑穏通(TMS) |
| 制作 | 日本テレビ(企画・制作) |
| 製作 | 東京ムービー新社(製作・著作) |
| 放送 | |
| 放送国・地域 | |
| 初回放送 | |
| 放送期間 | 1995年8月4日 |
| 放送枠 | 金曜ロードショー |
| 回数 | 1回 |
| 番組年表 | |
| 前作 | ルパン三世 燃えよ斬鉄剣 |
| 次作 | ルパン三世 トワイライト☆ジェミニの秘密 |
『ルパン三世 ハリマオの財宝を追え!!』(ルパンさんせい ハリマオのざいほうをおえ!!)は、モンキー・パンチ原作のアニメ『ルパン三世』のTVスペシャルシリーズ第7作。1995年8月4日に日本テレビ系の金曜ロードショーで放送された。視聴率は20.6%。
初放送時が戦後50年にあたることから第二次世界大戦やハリマオを題材とした作品となっており、ハリマオが残した財宝を巡りルパン一味とゲストキャラクターが争う内容となっている。
本作から2代目ルパン三世の声優として、同年3月に死去した山田康雄に代わり栗田貫一が正式に就任した。栗田の2代目就任は新聞等で大々的に発表され、日本テレビ側は栗田を正式な2代目に抜擢した経緯として、映画での栗田の演技を評価する声や視聴者からのテレビスペシャルでの続投を望む声が多かった事が決定打になったとしている。
監督には1992年放送のTVスペシャル『ルパン三世 ロシアより愛をこめて』以来、3年ぶりに出崎統を起用。そのため、初期のTVスペシャルで多く見られた出崎特有の止め絵の演出も見られる。また、出崎が製作に関与した最後のルパン作品となった。
脚本に関して、オファーされた柏原寛司の「自分が主催するのゼミの生徒との共作にしたい」という希望から、柏原と共に(後のTVスペシャルの脚本の多くを担当する)米村正二と藤田伸三が初参加した。彼らは柏原と共にプロットや脚本を執筆したが、柏原の修正や監督の出崎の作風により両者の色は薄まっているという。
キャラクターデザインを前作に引き続き須藤昌朋が担当、メインキャラクターは前年と同様『TV第1シリーズ』に近いデザインであるが、ゲストキャラクターについては他のスタッフが手がけており、本編では本来とは異なるデザインに修正された。
ルパン達が潜伏していた宿の支配人役で、生前の山田と親交のあったおぼんがゲスト出演した。
歴代のTVスペシャルでは珍しく肉弾戦のシーンが多く、ルパンがワルサーP38を使用する場面が存在しない珍しい作品となっている。本作では、次元が目を見せる描写が非常に多い。この作品からコンバットマグナムの効果音が変更され、翌1996年に公開された劇場映画第6作『ルパン三世 DEAD OR ALIVE』まで使用された。
『TV第2シリーズ』から20年近く使用された東京ムービー新社名義で製作された最後の作品で、本作放送3か月後にキョクイチに合併した。再放送ではさらに名義がトムス・エンタテイメントに差し替えられる事もある。
当時の流行語や浮かれたカップルなど、コミカルな場面がTVスペシャルの中でも比較的多い作品でもある。
原作や過去作のオマージュが多く取り入れられた2018年放送の『ルパン三世 PART5』では、最終回(第24話)「ルパン三世は永遠に」にて本作からダイアナと黄金の潜水艦が登場している。
第二次世界大戦中、マレー半島を舞台に現地人率いるハリマオは強盗団を組織して日本軍やイギリス軍を相手に略奪を行い、巨万の富を蓄えたという。義賊として地元に配ってなお時価800億ドルの隠し財宝があると知ったルパンは、その手掛かりが熊・鷹・猿の3体の像にあると知り、そのうちの一つ、熊の像をアラスカの美術館から盗み出す。しかし、残りの像の場所を知るのは、イギリス貴族のアーチャー卿のみであった。
アーチャー卿は、かの007のモデルにもなったというイギリス情報部の元諜報部員の老紳士で、孫娘には美人の若き考古学者ダイアナがいた。すでに不二子がアーチャーの秘書として潜り込んでいたが、そんな中でユーロトンネルの崩落(実際には何者かの爆破)が起き、多くの死傷者を出す大規模な事故が発生する。ロイド保険のアンダーライター(保険引受業者)としてユーロトンネルの保険を一人で引き受けていたアーチャー卿は、ロイドの顧問弁護士ラッセルから、70億ドル以上の莫大な支払い義務が発生したとの報告を受ける。豪胆なアーチャー卿は、ハリマオの財宝で弁済できると豪語し、ダイアナと不二子を連れて鷹の像のあるアムステルダムへと向かう。
話を盗聴していたルパン一味もまたアムステルダムに現れ、像が隠されているというミルネバ城を探索する。城の罠をかいくぐりながら、ルパンは像の安置場所にたどり着くが、目前でダイアナに像を横取りされる。これを再奪取しようと、アーチャー卿のクルーザーを追跡するルパンであったが、ここに第二次世界大戦時のドイツ軍風の軍服や装備の謎の武装集団が介入してくる。敵集団の指揮官で士官の格好をしたゲーリングの狙いもまた像であり、像を手に入れた上にダイアナも人質として連れ去ろうとするが、ルパンの妨害に遭い、両方逃してしまう。
アーチャー卿とルパンは手を組み、7対3の分け前で協力することを決める。その際、アーチャー卿は第二次世界大戦時、イギリス軍の航空機パイロットとしてマレー戦線にいたが、日本軍に撃墜され、ハリマオに助けられたことを明かす。たった3か月だけであったが互いに深く信頼しあい、熱病で死ぬ間際のハリマオから隠し財宝について教えられたという。そしてルパンとアーチャー卿はタイに移動し、タイ軍に厳重に守られた深い森の奥にあるワットマナハートという古い寺院内にある最後の猿の像を狙う。
一方、バンコクのホテルに残っていた不二子は、ラッセルの正体がネオナチ系のカルト軍団「ネオ・ヒムラー」の総統ヘルマン・フォン・ディートであると知る。先のゲーリングらの部隊以外に、実はユーロトンネルの爆破も彼らの仕業であり、アーチャー卿に多額の負債を与えれば彼がハリマオの財宝を捜すと読み、その横取りを企んでいた。そして不二子はそのままラッセル側につく。
軍によって厳重警備が敷かれている寺院にて、ルパンとダイアナは最後の像を手に入れる。途中、同じくラッセルの情報を元に寺院に潜入していたゲーリングの襲撃を受けるも、これを撃退する。一方、寺院で修行していた五ェ門は追い出され、不二子のツテでネオ・ヒムラーに雇われる。
三体の像を手に入れたルパンたちは、アーチャー卿の操縦する潜水艦に乗って、ニコバル諸島付近にある古い海底神殿へと向かう。アーチャー卿はハリマオの遺言通りに像を使い、莫大な財宝を積んだ黄金の潜水艦を手に入れ、ルパン達は乗り込む。そこに哨戒情報から彼らの行方を追っていたネオ・ヒムラーの兵士たちもやってくるが、間一髪で黄金の潜水艦は海中へと逃げる。
外洋に出たルパンらであったが、ネオ・ヒムラーは多数の爆雷によって潜水艦にダメージを与え、さらにラッセルは不二子と五ェ門を人質にして海上におびき出す。ラッセル自ら部隊を率いて潜水艦に乗り込み、艦を乗っ取ろうとするが、不二子の機転で双方入り乱れての乱闘となる。苦戦するラッセルはアーチャー卿の胸を撃つが、直後にルパンの乱打を浴びて気絶する。瀕死のアーチャー卿はハリマオの財宝を守れるのは自分だけだとして艦を沈めるように舵を切り、ルパンやダイアナに脱出を促す。アーチャー卿は最期に、ルパンと一度チェスで勝負をしたかったと語り、ルパンの「チェックメイト」の叫び声に手を挙げて応じながら操縦席にて潜水艦と運命を共にする。
本作完成後の会食時、作品の今後についてプロデューサーの中谷敏夫が「視聴者からの手紙を見ると皆『カリオストロの城』のような作品を望んでおり、意見を無視することはできない」という趣旨の意見を(実際の葉書が山のように入った袋を2つ持参し)述べたところ、それに対し、脚本監督の飯岡順一が「これまでのテレビスペシャルは"アンチカリオストロ"な作風で評価されている。監督の宮崎駿本人にオファーできないのに同じようなものを作っても、真似した、偽物だと言われるのがオチだ」と反論したことで小さな争いとなる。この一件を重く感じた飯岡は、4年後のTVスペシャルシリーズ第12作『ルパン三世 1$マネーウォーズ』までテレビスペシャルの参加を辞退することとなった。