| モットー |
motto: Business is a force for good mission: |
|---|---|
| 種別 | 私立ビジネススクール |
| 設立年 | 1957年 |
| 資金 | 1.52億 ユーロ |
| 学部長 | Ilian Mihov |
教員数 | 250人+ |
| 大学院生 | 1000人+ (主にMBA,EMBA MiMプログラム) |
博士課程在籍者 | 80人+ |
| 所在地 | フォンテーヌブロー、シンガポール、アブダビ、サンフランシスコ |
| キャンパス | フォンテーヌブロー、シンガポール、アブダビ、サンフランシスコ |
| 公式サイト |
www |
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INSEAD(インシアード)は、フランス・フォンテーヌブロー、シンガポール、アブダビ、サンフランシスコに校地を置くビジネススクール。日本語直訳は「欧州経営大学院」。
MBAの他、EMBA(Executive MBA、エグゼクティブMBA)、EMCCC(Executive Master in Consulting and Coaching for Change)、学術博士(PhD)、MiF(Master in Finance)MiM(Master in Management)などのプログラムを置く。
2022年現在、MBA課程には約100ヶ国から約1000名、EMBA課程には約80カ国から約280名、博士課程には約30ヶ国から60名強の学生が在籍する。
INSEADのMBA, EMBAプログラムは世界的に極めて高い評価を受けている。INSEADは、ロンドン・ビジネス・スクールと共に、欧州を代表する世界屈指の名門ビジネススクールであり、長年ヨーロピアンエリートのフィニッシングスクールとして認知されている。米国のM7と並び、世界最高峰、最難関のビジネススクールとして認知され、ビジネススクールにおけるヨーロッパのハーバードと称される。Financial TimesのGlobal MBA rankingでは2000年以降、26年間連続で世界トップ10校入りを果たしており、2016年、2017年、2021年は世界第1位、2022年世界第3位、2023年世界第2位、2024年世界第2位、2025年世界第4位、2026年は、MITスローン経営大学院に次ぎ世界第2位にランキングされた。FT500(時価総額ランキンググローバルトップ500社)CEO輩出者数ランキング(Financial Times紙、2017年)では、ハーバード・ビジネス・スクールに次いで世界第2位とされた。2023年度に卒業するMBA生の卒業直後の総年収の中央値は、$198,363(2023年の年間平均米ドルTTB日本円換算で¥28,080,266)であった。
近年インフレ及び円安により円換算の学費は高騰しており、2026年8月入学及び2027年1月入学者の授業料はMBAで、€109,860(約2,100万円)EMBAで、€142,150(約2,600万円) となっている。
INSEADの歴史はJean-Louis Barsoux著の"INSEAD: From Intuition to Institution"に詳しい。
INSEADの歴代学長
INSEADの主な特色として、1年制MBAプログラムであること、通常100か国以上から学生が集まっており言語・国籍の多様性があること、キャンパスがフランス・シンガポール・アブダビに分かれていること、コーチングに関するユニークなマスターコース(EMCCC)があること、等が挙げられる。また、バリュー・ステートメントの中でも言及されているとおり、政府・大学・企業から独立した機関であることも特徴のひとつである。
なお、INSEADは企業求人データベースに関して、ハーバード・ビジネス・スクール、ケロッグ経営大学院、スタンフォード経営大学院と提携を結んでおり、これら4校の在学生・卒業生はお互いの求人データベースにアクセスができる。2023年度に卒業するMBA生の卒業直後の総年収の中央値は、$198,363(2023年の年間平均米ドルTTB日本円換算で¥28,080,266)であった。
さらにINSEADは、現役の管理職・経営幹部を対象としたGlobal Executive MBA(GEMBA)にも力を入れている。GEMBAは仕事を継続しながら受講できるモジュール制プログラムで、対面型ではフランス、シンガポール、アブダビを拠点として実施され、参加者はプログラム中に複数のINSEADキャンパスで学ぶ。2026年時点ではAsia、Middle East、Europeに加えて、オンライン・ライブ授業と対面モジュールを組み合わせたGEMBA Flexも提供されている。通常の対面型GEMBAはおおむね14〜17か月程度で構成されている。
INSEADという名称は「Institut Européen d'Administration des Affaires (European Institute of Business Administration)」の頭文字に由来しており、「欧州経営大学院」の意であった。しかしながら、アジアへの展開を始めとするグローバル化志向から、「欧州」という特定の地名を含んだ旧称は避けられるようになり、現在では「INSEAD」のみを正式名称として認めるに至っている。
INSEADのMBAプログラムは1年が5学期に分かれており、各学期2か月ずつ、正味10か月のプログラムである。授業は全て英語で行われる。入学時期が1月と8月にあり、修了時期はそれぞれ12月と7月である。1、2、3学期の一部で必修科目として、経営学の一般科目である会計学、金融・財務、経営戦略論、マーケティング論、統計学、経済学、オペレーション、組織論、IT、国際関係論の基礎科目が提供され、3、4、5学期に選択科目としてそれら各分野の発展・応用講座が開かれる。また、入学時点で英語ともう1か国語(英語以外の母語でも可)の二言語に精通していること、さらに卒業時点までに、もう1か国語が基礎レベルに達することが要求される。
INSEADの選考過程は非常に厳しい。選考委員会(Admissions Committee)が出願者の言語・数学基礎能力(GMAT)、職務・職業履歴、国際経験、リーダーとしての素質、過去の学業成績等を考慮して出願者の合否を判断する。出願者はエッセイ、推薦状、GMAT得点、英語(TOEFL)ともう1か国語の語学能力証明書、過去に在籍した大学・大学院の成績表等を選考委員会に提出する。なお、2018年卒業予定の学生の平均GMAT得点は709点であった。
選考委員会による一次書類審査を通過すると、世界中に散らばるINSEAD卒業生による個人面接が2回行われ、その結果と一次書類審査の評価を総合して委員会が合否を決定する。そのため、出願者は選考過程においてキャンパスを訪れる必要はない。
INSEADの特色の1つがその国際性である。学校側が公式にも、「我々はフランスの学校でも、シンガポールの学校でもない。グローバル・スクールである」と述べており、学生の出身国は80カ国以上におよぶ。ただし全学生が多言語話者であり多数が国境・文化を越えたバックグラウンドを持つため、単一出身国が定義しづらく、出身国の特定自体にあまり意味がない場合も多い。教授陣は30カ国あまりから140名強がフルタイムとして在籍している。また学校の特徴が現れている文化・現象であるが、学内においては、民族的なマジョリティ・マイノリティ、国内学生・留学生といった概念がない。全員がマイノリティおよび留学生であるともいえる。2007年卒業予定のMBAプログラム学生の第一言語は、英語17%、フランス語13%、ヒンディー語8%、スペイン語6%、中国語(普通話)5%、ポルトガル語5%、ドイツ語5%、その他41%である。
INSEADのキャンパスはフランスのフォンテーヌブロー、シンガポール、アブダビ
サンフランシスコにある。公式には、国名を避け「ヨーロッパ・キャンパス」、「アジア・キャンパス」のように呼ばれる。本校・分校の区別はなく、全てのキャンパスを合わせて1つのグローバルスクールであり、入学審査もキャンパスとは無関係に共通で行われる。学生は、入学時に最初の2学期を過ごす校舎を希望選択し、3学期から5学期まではまたそれぞれ学期ごとに希望するキャンパスに移ることができる。なお、2014年では7割の学生が1年の間に複数キャンパスに在籍をした。また多くの教授陣も1年を通して両校舎を行き来する。キャンパス間で必修科目に差はないが、選択科目において多少の差があるため、学生は、授業・教授陣も考慮に入れて3-5学期の希望キャンパスを決める。
またペンシルベニア大学 ウォートン・スクールおよび、ノースウェスタン大学ケロッグ経営大学院と提携しており、各校間での交換学生も在籍する。学生によっては1年の間に3つのキャンパスを移動する者もいる。
コンサルスクールと称され、戦略コンサルティングを卒業後の進路として考える学生が非常に多く、卒業生のおよそ4割がコンサルに就職している。2021年卒業生(795名)の主な進路は、マッキンゼー・アンド・カンパニー179名、ベイン・アンド・カンパニー89名、ボストン・コンサルティング・グループ64名、Amazon.com28名、アクセンチュア19名、Kearney18名、Roland Berger11名、Strategy&11名、Shopee8名、デロイト6名、クレディ・スイス5名、Hilti Corporation5名、Eli Lilly and Company5名、Restaurant Brands International5名、Oliver Wyman4名、マイクロソフト4名であった
INSEADのExecutive MBAは、正式にはGlobal Executive MBA(GEMBA)と呼ばれ、一定の職務経験およびマネジメント経験を有する管理職・経営幹部を主な対象としたプログラムである。通常のMBAがフルタイムで行われるのに対し、GEMBAは受講者が現在の職務を継続しながら学べるモジュール方式を採用している。
対面型GEMBAは、アジア、ミドルイースト、ヨーロッパの3セクションに分かれている。2026年入学クラスの場合、アジア・セクションは約17か月、ミドルイースト・セクションは約15か月、ヨーロッパ・セクションは約14か月で構成される。これとは別に、対面授業、ライブ形式のオンライン授業、非同期オンライン学習を組み合わせたGEMBA Flexも設けられている。2026年開始のFlexでは全体の日程は約22か月にわたる。
対面型では合計約12週間のキャンパス授業が組み込まれており、それ以外にも授業準備、Implementation Essay、Reflection Paper、最終プロジェクトなどのため、平均して週10~12時間程度の自主学習が想定されている。つまり、仕事を中断して通学する通常のMBAとは異なり、経営実務と学習を並行させ、授業で学んだ内容を自らの所属企業や組織で直ちに応用することを前提とした設計となっている。
カリキュラムでは、会計、ファイナンス、マーケティング、経済学、戦略、オペレーション、組織・リーダーシップ、データ分析・意思決定など、経営に必要な基礎分野をCore Coursesとして学び、その後Elective Coursesおよび、実際の経営課題を扱うKey Management Challenges(KMC)へと進む。最終的には実務経験に基づいたFinal Projectを完成させる。
GEMBAの大きな特徴の一つが、通常の経営科目とは別にプログラム全体を通して行われるLeadership Development Programme(LDP)である。LDPでは、リーダーシップに関する授業だけでなく、360度フィードバック、個人・グループ・ピアコーチング、Leadership Lab、コミュニケーション・ワークショップ、チーム活動などを組み合わせ、自身のリーダーシップ・スタイルを分析・発展させる。したがってGEMBAは、経営知識を学ぶだけでなく、上級管理職・経営者としてのリーダーシップ能力そのものを開発することを重視している。
授業言語は英語であり、受講には高いレベルの英語力が必要となる。またINSEADは国際性を重視しており、英語以外の第二言語についても基礎的な能力を求めている。
GEMBAの入学者選考では、通常のMBA以上にこれまでの職務経験とリーダーシップ経験が重要視される。INSEADが示す典型的なGEMBA参加者の職務経験は平均約14年であり、少なくとも3年間、チームまたはプロジェクトを管理するマネジメント経験を持つことが想定されている。典型的なクラスの平均年齢は約38歳である。
選考では主として、①これまでに実証されたリーダーシップ、②GEMBAの学習に対応できるAcademic Capacity、③国際的・異文化環境への適応力、④授業やグループワークに自身の経験を持ち込みクラスに貢献できる能力、の4点が重視される。海外での勤務・留学だけでなく、複数国籍の人材との協働など、実務上の国際経験もInternational Outlookとして評価対象となる。
学力面では原則として大学学位またはそれに相当する学歴が求められ、さらにEA、GMAT、GRE、またはINSEAD Executive Testのいずれかによって、分析力・数理能力・言語能力などを証明する必要がある。
出願者はオンライン出願書類、職務経歴、志望動機等のエッセイ、推薦状等を提出するとともに、Kira Talentを利用した2回のビデオ・インタビューを行う。一次審査を通過した候補者は必要な入学試験を受験した後、通常2名のINSEAD卒業生との面接を受ける。その評価を含めてAdmissions Committeeが最終的な合否を決定する。したがって、単純な試験得点よりも、これまでの経営・管理経験、リーダーシップ実績、国際経験、GEMBAを今後のキャリアにどのように活用するのかという一貫したキャリアストーリーが重要となる。
GEMBAにおいても、通常のMBAと同様にINSEADの最大の特徴の一つが国際性である。ただし、GEMBAでは参加者がすでに相当程度の職務経験を持っているため、単なる国籍の多様性だけでなく、国籍、勤務国、産業、職種、経営経験の多様性が学習環境そのものを形成している。
INSEADが現在公表しているTypical GEMBA Classでは、全セクションを合わせて約280人が参加し、平均年齢は約38歳、平均職務経験は約14年、国籍数は約80か国に及ぶ。また約55%が自らの出身国以外で勤務しており、女性は約35%を占める。
そのため、授業では教授から経営理論を学ぶだけでなく、異なる国・業界で実際に経営や組織運営に携わる参加者同士が、自らの経験をケースや議論に持ち込むPeer Learningが重要な役割を果たす。銀行、製造業、テクノロジー、ヘルスケア、コンサルティング、公共部門など異なる分野の管理職が同じ経営課題を異なる立場から議論すること自体が、GEMBAの教育の一部となっている。
GEMBAの主要な教育拠点は、フランス・フォンテーヌブローのEurope Campus、シンガポールのAsia Campus、アブダビのMiddle East Campusである。
入学時にはAsia、Middle East、Europeのいずれかのセクションを選択し、前半のCore Coursesは主としてそのセクションの拠点で履修する。しかし、GEMBAは各キャンパスが独立したEMBAを提供しているのではなく、一つのGlobal Executive MBAとして設計されている。
そのため、どのセクションから開始した場合でも、プログラム中には他地域のキャンパスでも学ぶ機会が設けられており、後半では各地域のGEMBA参加者が合流する。Elective Coursesはフォンテーヌブローなどで合同で行われ、Key Management Challengesでは複数の地域を選択する機会があり、最終モジュールおよび修了行事はシンガポールで行われる。
さらにGEMBA Flexでは、フォンテーヌブローおよびアブダビなどでの対面モジュールと、ライブ・オンライン授業および非同期オンライン学習を組み合わせる。後半には通常のAsia、Middle East、Europeセクションの参加者とも合流するため、オンラインのみで完結するEMBAではなく、INSEADのマルチキャンパス環境を維持したBlended Executive MBAとして位置付けられている。
GEMBA参加者は原則としてプログラム期間中も勤務を継続しているため、通常のMBAのように「卒業直後にどの企業へ就職したか」という指標だけではキャリア成果を測ることができない。GEMBAでは、現在の企業内での昇進、経営幹部への移行、他社・他業界への転職、勤務国の変更、起業などが主要なキャリア成果となる。
INSEADが現在公表しているGEMBAのキャリア統計では、修了者の66%が業界・職種・勤務地のいずれかを変更している。また、GEMBAの受講前後でC-suiteレベルの役職に就く割合は17%から27%へ上昇しており、10ポイントの増加となっている。さらに16%が自らの企業を設立、または自らの事業に復帰している。修了後の職能ではGeneral Managementが45%を占めており、GEMBAが特定の専門職への転職というより、より広い経営責任を持つGeneral Managementや経営幹部への移行に利用されていることが特徴である。
INSEADのCareer Development CentreはGEMBA参加者について、現在の組織内での昇進を目指す「Internal Career」と、転職・業界変更・地域変更等を目指す「External Career」の双方を支援している。参加者は個別のキャリアアドバイザーとの面談に加え、原則5回のキャリアコーチング、CV作成、LinkedIn・パーソナルブランド構築、面接、交渉等に関する支援を受けることができ、コーチングは修了後6か月まで利用できる。
また、GEMBA修了者はINSEADの世界的な卒業生ネットワークに加わる。INSEADは70,000人を超えるグローバルな卒業生コミュニティを有しており、GEMBAでは同じクラス内だけでなく、MBA、GEMBA、TIEMBA(清華大学との共同プログラム)その他INSEADプログラムの卒業生とのネットワークも、国境を越えた転職、経営職への移行、起業、事業開発などに利用されている。 (INSEAD)
以上の点から、INSEADのGEMBAは、若手・中堅層がフルタイムで学びキャリアチェンジを目指すMBAとは性格が異なり、すでに一定の専門性・管理経験を有する30代後半から40代前後の管理職が、仕事を継続しながら総合経営能力、国際的ネットワーク、リーダーシップを強化し、General Management、経営幹部、C-suite、あるいは起業へとキャリアを発展させるためのExecutive MBAとして位置付けられる。