カナダ

カナダ
Canada
カナダの国章
(国章)
カナダの位置
国の標語:A Mari Usque Ad Mare
(ラテン語: 海から海へ)
国歌:O Canada(英語)
Ô Canada(フランス語)
オー・カナダ
公用語 英語、フランス語
首都 オタワ
最大の都市 トロント
政府
国王 チャールズ3世
総督 ルイーズ・アルブール
首相 マーク・カーニー
上院議長 レイモンド・ガニエ(英語版)
下院議長 フランシス・スカルパレッジャ(英語版)
最高裁判所長官 リチャード・ワグナー(英語版)
面積
統計 9,984,670km2(2位)
水面積率 8.9%
人口
統計(2026年) 41,798,407人(39位)
人口密度 4.2人/km2
GDP(自国通貨表示)
合計(2020年) 2兆2049億500万カナダドル($)
GDP(MER)
合計(2020年) 1兆6440億3700万ドル(9位)
1人あたり 43,294.795ドル
GDP(PPP)
合計(2020年) 1兆8515億4000万ドル(16位)
1人あたり 48,759.254ドル
イギリスから独立
1867年憲法法(連邦結成) 1867年7月1日
ウェストミンスター憲章 1931年12月11日
1982年憲法によるパトリエーション(英語版) 1982年4月17日
通貨 カナダドル($)(CAD)
時間帯 UTC−3.5 から −8(DST:−2.5 から −7)
ISO 3166-1 CA / CAN
ccTLD .ca
国際電話番号 1

カナダ(英・仏: Canada、英語発音: /ˈkænədə/ En-ca-Canada.ogg 聞く[ヘルプ/ファイル]、フランス語発音: /kanada/)は、北アメリカ大陸北部に位置する連邦立憲君主制国家である。10の州と3の準州からなり、首都はオタワ。国土面積は約998万平方キロメートルで、ロシアに次ぐ世界第2位である。2026年7月の推計人口は約4180万人で、その大半が南部のアメリカ合衆国との国境付近に住む。イギリス連邦の加盟国であり、英国王を国王とする英連邦王国の一つである。

ファースト・ネーションやイヌイットなどの先住民が古くから暮らしていた地に、17世紀以降フランスとイギリスが植民地を築き、1763年に全域がイギリスの支配下に入った。1867年に連邦を結成して自治領となり、1931年のウェストミンスター憲章で事実上の独立を果たし、1982年の憲法制定で憲法改正の権限も本国から移管された。英語とフランス語を公用語とする二言語国家であり、1971年に世界で初めて多文化主義を国の政策として掲げた。

G7、北大西洋条約機構(NATO)、CPTPPなどに加盟する先進国で、豊富な天然資源と製造業・サービス業を持つ。最大の貿易相手国であるアメリカ合衆国とは緊密な関係にあるが、2025年に発足した第2次トランプ政権の関税政策をめぐって対立が続いている。日本とは1928年に外交関係を結び、2026年には両国関係を「包括的戦略的パートナーシップ」に格上げした。

国名

1982年憲法の制定以前には複数の名称が用いられたが、現在は公用語の英語・フランス語のいずれでも「Canada」のみが正式名称とされている。日本政府による表記は「カナダ」で、漢字では「加奈陀」と当て字され、「加」と略される。

国名は、1535年にフランスの探検家ジャック・カルティエがセントローレンス川流域に達した際、イロコイ系の言葉で「村」や「集落」を意味する「カナタ(kanata)」を地名と誤解したことに由来するとされる。

1867年の連邦結成の際には、君主制を強調する「カナダ王国」(Kingdom of Canada)という国号も検討されたが、本国イギリスの植民地省が反対し、英領北アメリカ法では「カナダ自治領」(Dominion of Canada)の名称が使われた。「自治領」(Dominion)の語は1931年以降も慣習的に使われたが、1950年代以降は次第に用いられなくなった。

カナダで使用される諸言語による国名

歴史

先住民と植民地時代

カヌーで毛皮を運ぶ交易者。19世紀まで毛皮貿易はカナダで最も重要な産業だった

ファースト・ネーションやイヌイットの伝承では、先住民は時の始まりからこの地に住んでいたとされる。考古学的研究では、北部のユーコン準州に2万6500年前、南部のオンタリオ州に9500年前に人類がいた痕跡が見つかっている。

ヨーロッパ人としては、1000年頃にヴァイキングがランス・オ・メドーに短期間定住したのが最初である。1497年にはジョン・カボットがイングランドのために大西洋岸を探検し、1534年にはフランスのジャック・カルティエが続いた。サミュエル・ド・シャンプランは1605年にポート・ロワイヤル(現在のノバスコシア州)に、1608年にはケベックに定住地を築き、ヌーベルフランスの基礎となった。

イギリスは1670年にハドソン湾会社を設立し、北米での毛皮交易をめぐってフランスと争った。一連の北米植民地戦争の結果、ユトレヒト条約(1713年)でノバスコシアがイギリス領となり、フレンチ・インディアン戦争後のパリ条約で、フランスは北米植民地のほぼすべてをイギリスに割譲した。1774年のケベック法は、ケベックでのフランス語、カトリック信仰、フランス民法の使用を認めた。アメリカ独立戦争後には、約5万人の王党派がアメリカからカナダへ移住した。1791年にはフランス語圏のローワー・カナダと英語圏のアッパー・カナダが分けられた。

米英戦争(1812年 - 1815年)ではカナダが主戦場となった。1837年に責任政府を求める反乱が起きると、総督ダラム伯爵は報告書で責任政府の導入を勧告した。これを受けて1840年に両カナダが統合され、1849年までに英領北アメリカの各植民地に責任政府が設置された。

連邦結成と自治領時代(1867年–1931年)

『連邦の父たち』(ロバート・ハリス画)。シャーロットタウン会議とケベック会議の場面を合わせて描いている

1860年代、英領北アメリカの各植民地では、南北戦争後のアメリカによる膨張への警戒、鉄道建設に伴う債務、植民地間の通商の拡大などを背景に、統合をめざす議論が進んだ。1864年のシャーロットタウン会議とケベック会議を経て、1867年7月1日、1867年憲法法によりオンタリオ、ケベック、ノバスコシア、ニューブランズウィックの4州からなる自治領カナダが成立した。新たな連邦は内政を自ら担う一方、外交は引き続きイギリスが代表した。

初代首相ジョン・A・マクドナルドは、国内産業を保護する関税政策と西部開拓を進めた。1869年にハドソン湾会社からルパート・ランドを取得すると、先住民とメティの土地をめぐってルイ・リエル率いるレッド・リヴァーの反乱が起き、その結果1870年にマニトバ州が成立した。太平洋岸のブリティッシュコロンビア州は大陸横断鉄道の建設を条件に1871年に連邦に加わり、プリンスエドワードアイランド州も1873年に加盟した。カナダ太平洋鉄道は1885年に完成し、同年には西部でリエルが再び蜂起した北西反乱が鎮圧され、リエルは処刑された。この処刑は、英語系とフランス語系の住民の対立を深める結果となった。

一方、1876年に制定されたインディアン法は先住民の生活を連邦政府の管理下に置き、のちに寄宿学校を通じた同化政策の基盤となった。鉄道建設に従事した中国系労働者に対しては、1885年から人頭税が課された。

連邦結成以降の州・準州の拡大

19世紀末から20世紀初めにかけて、ウィルフリッド・ローリエ政権のもとで東欧などからの移民が大平原に入植し、小麦生産が急増した。クロンダイク・ゴールドラッシュ後の1898年にはユーコン準州が、1905年にはアルバータ州とサスカチュワン州が設置された。

ヴィミーリッジの戦いで戦車とともに前進するカナダ兵(1917年)

第一次世界大戦では、イギリスの参戦に伴いカナダも自動的に参戦した。60万人以上がカナダ海外派遣軍などに従軍し、6万人以上が戦死した。1917年4月のヴィミーリッジの戦いでは、カナダ軍団の4個師団が初めてそろって攻撃に加わって高地を奪取し、この戦いは国民意識の形成を象徴する出来事として記憶されている。同年に導入された徴兵制はケベックの強い反発を招き、英仏両系住民の対立を深めた(徴兵危機)。

大戦への貢献を背景に、カナダは国際的な地位を高めた。1919年のパリ講和会議に代表を送り、イギリスとは別に国際連盟に加盟した。同年にはウィニペグ・ゼネストが起き、戦後の労働問題が表面化した。1926年の帝国会議で採択されたバルフォア報告書は、イギリス本国と自治領が対等な地位にあることを確認し、1931年のウェストミンスター憲章によって法的に裏付けられた。

独立の完成と戦後(1931年–2015年)

1940年、出征するブリティッシュコロンビア連隊に駆け寄る少年(『待ってよ、パパ』)

1931年のウェストミンスター憲章により、カナダはイギリスと対等な立法権を持つ国として認められた。第二次世界大戦では連合国として欧州戦線やアリューシャン方面の戦いに加わる一方、国内では日系カナダ人を強制移住させた(後述)。戦後は国際連合の原加盟国となり、1949年にはNATOの原加盟国となった。1949年にはニューファンドランドも連邦に加わった。

1960年代以降、国家としての独自性を強める政策が進められた。1965年に現在のメープルリーフの国旗が採用され、1969年には公用語法で英仏2言語の対等な地位が定められ、1971年には多文化主義が国の政策として宣言された。ケベックでは1960年代の「静かなる革命」を経てナショナリズムが高まり、1970年にはケベック解放戦線によるオクトーバー・クライシスが起きた。ケベックの独立の是非を問う州民投票は1980年と1995年に行われ、いずれも否決された。

1982年にはピエール・トルドー政権のもとで1982年憲法が制定され、憲法改正の権限がイギリス議会からカナダに移管されるとともに、「権利と自由の憲章」が憲法に組み込まれた。経済面では、1989年に米加自由貿易協定が発効し、1994年にはメキシコを加えた北米自由貿易協定(NAFTA)に発展した。1999年にはノースウエスト準州の東部がヌナブト準州として分離した。

トルドー政権とカーニー政権(2015年–)

第24代首相マーク・カーニー

2015年にジャスティン・トルドー率いる自由党が政権を獲得し、2018年には嗜好用大麻を合法化した。2020年にはNAFTAの後継となる米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA、カナダではCUSMA)が発効した。2021年以降、かつての先住民寄宿学校の跡地で多数の無標識の墓とみられる痕跡が見つかったと報告され、先住民との和解が大きな政治課題となった。

2025年1月にトルドーが辞意を表明し、同年3月に元カナダ銀行総裁のマーク・カーニーが首相に就任した。カーニーは同年4月28日の総選挙でアメリカの関税政策への対抗を訴え、自由党は343議席中169議席を獲得して第1党を維持した。その後、野党議員5人の自由党への移籍と2026年4月13日の3選挙区の補欠選挙での勝利により、自由党は174議席となって単独過半数を回復した。2026年6月には元最高裁判事のルイーズ・アルブールが、チャールズ3世の即位後初めて任命された総督として就任した。

地理

カナダの地形図
カナダの主な河川

カナダは北アメリカ大陸の約41%を占め、海岸線の長さは世界最長である。国土の半分以上は森林で覆われている。南はアメリカ合衆国本土と、北西はアメリカのアラスカ州と国境を接し、北極海のハンス島ではデンマーク領グリーンランドとも陸上国境を持つ。ハンス島の帰属をめぐっては1973年以来見解の相違があったが(ウイスキー戦争)、両国は2022年6月に島を分割領有することで合意した。

東は大西洋、西は太平洋、北は北極海に面し、北部には広大な北極諸島がある。西部にはロッキー山脈をはじめとする山脈が南北に連なり、その東のウィニペグ湖にかけてはプレーリーと呼ばれる大平原が広がる。国土の中央から東部にかけては、ハドソン湾を囲むように先カンブリア時代の岩盤からなるカナダ楯状地が広がり、無数の湖沼が点在する。南東部の五大湖からセントローレンス川にかけての低地は、農業と工業の中心地である。

北極圏を含む寒冷地が多いため人の住める地域は限られ、国民の大部分はアメリカとの国境から数百キロメートル以内の南部、特に五大湖とセントローレンス川の周辺に集中している。

気候

凍結したリドー運河(オタワ)。冬にはスケートリンクとして利用される

太平洋岸を除くほぼ全域が亜寒帯・寒帯に属する。バンクーバーやビクトリアがある西海岸の沿岸部は暖流の影響で西岸海洋性気候となり、冬も比較的温暖だが雨が多い。

アルバータ州からマニトバ州にかけての平原部は降水量が少なく、夏は比較的暑くなる一方、冬は氷点下40度を下回ることもある。トロントやモントリオールなどがあるセントローレンス川沿いは亜寒帯湿潤気候で、夏は蒸し暑く、冬は寒さが厳しく雪も多い。北部の北極圏はツンドラ気候で、永久凍土が広がる。

国内の最高気温の記録は、2021年6月29日にブリティッシュコロンビア州リットンで観測された49.6度である。最低気温の記録はユーコン準州スナッグで観測された氷点下63度で、アメリカ大陸で最も低い。

カナダ各地の平年値(統計期間:1981年 - 2010年、出典:カナダ環境・気候変動省)
平年値
(月単位)
太平洋岸 西部 中部
ビクトリア バンクーバー プリンスルパート カムループス カルガリー エドモントン フォートマクマレー サスカトゥーン ウィニペグ チャーチル サンダーベイ
気候区分 CfbCfb CfbBSk BSkDfb DfbBSk/Dfb DfbDfc Dfb
平均
気温
(°C)
最暖月 16.9
(7月)
18.0
(7,8月)
13.8
(8月)
21.5
(7月)
16.5
(7月)
17.7
(7月)
17.1
(7月)
18.5
(7月)
19.7
(7月)
12.7
(7月)
17.7
(7月)
最寒月 4.6
(1月)
4.1
(1月)
2.4
(1月)
−2.8
(1月)
−7.1
(1月)
−10.4
(1月)
−17.4
(1月)
−15.5
(1月)
−16.4
(1月)
−26
(1月)
−14.3
(1月)
降水量
(mm)
最多月 152.6
(11月)
188.9
(11月)
373.6
(10月)
37.4
(6月)
94.0
(6月)
93.8
(7月)
80.7
(7月)
65.8
(6月)
90.0
(6月)
69.9
(9月)
89.5
(8月)
最少月 17.9
(7月)
35.6
(7月)
108.8
(6月)
12.4
(2月)
9.4
(1,2月)
12.0
(2月)
13.2
(2月)
8.8
(2月)
13.8
(2月)
16.6
(2月)
20.5
(2月)
平年値
(月単位)
東部 大西洋岸 北部
トロント オタワ モントリオール ケベックシティ ラブラドール・シティ ハリファックス セントジョンズ ホワイトホース イエローナイフ イカルイト ユーリカ
気候区分 DfaDfb DfbDfb DfcDfb DfbDfc DfcET ET
平均
気温
(°C)
最暖月 21.5
(7月)
21.0
(7月)
21.2
(7月)
19.3
(7月)
13.8
(7月)
18.8
(7月)
16.1
(8月)
14.3
(7月)
17.0
(7月)
8.2
(7月)
6.1
(7月)
最寒月 −5.5
(1月)
−10.3
(1月)
−9.7
(1月)
−12.8
(1月)
−22.2
(1月)
−5.9
(1月)
−4.9
(2月)
−15.2
(1月)
−25.6
(1月)
−27.5
(1月)
−37.4
(2月)
降水量
(mm)
最多月 78.1
(8月)
92.8
(6月)
96.4
(11月)
121.4
(7月)
113.9
(7月)
154.2
(11月)
164.8
(12月)
38.1
(7月)
40.8
(7月)
69.5
(8月)
16.1
(8月)
最少月 47.7
(2月)
54.3
(2月)
62.7
(2月)
74.5
(2月)
40.3
(2月)
93.5
(8月)
91.6
(7月)
7.0
(4月)
11.3
(4月)
18.7
(2,3月)
2.2
(3月)

生物多様性

ルイーズ湖付近のアメリカクロクマ(バンフ国立公園)

カナダは15の陸域エコゾーンと5つの海域エコゾーンに区分される。ウイルスと細菌を除いて約8万種の野生生物が確認されており、未確認の種も同程度存在すると推定されている。

広大な北方林(ボレアル林)にはヘラジカ、カリブー、オオカミ、ビーバーなどが、北極圏にはホッキョクグマやジャコウウシが生息する。他国に比べて固有種の割合は低いが、人間の活動や外来種などの影響で、800種以上が絶滅のおそれがあるとされる。

政治

政治体制

国会議事堂のセンターブロックと平和の塔(オタワ)

政体は議院内閣制をとる立憲君主制である。国家元首は英国王を兼ねるカナダ国王で、国内では総督が国王を代行する。総督の権能は慣例上、首相と内閣の助言に従って行使され、行政の実権は下院の信任を得た首相が率いる内閣が持つ。

憲法は統治機構を定める「1867年憲法法」と、「権利と自由の憲章」や先住民の権利などを定める「1982年憲法」を中心に構成される。1982年憲法第33条(いわゆる「にもかかわらず条項」)は、連邦議会と州議会が法律に明記することで、憲章の一部の権利規定を5年間(更新可能)適用除外できると定めており、ケベック州などがこの条項を用いている。

連邦制のもと、各州には議会と内閣、州首相が置かれ、教育、医療、天然資源などについて広い権限を持つ。連邦と州の権限配分をめぐる交渉は、カナダ政治の重要な要素である。

カナダでは君主制を支持する意見が多数を占めるが、共和制への移行を求める団体も存在する。

立法

オタワの国会議事堂

立法府のカナダ議会は、首相の助言により総督が任命する上院(定数105)と、小選挙区制で選出される下院(定数343)からなる二院制である。2026年現在、議会は国会議事堂センターブロックの改修工事のため、ウェストブロックなどの仮議場で開かれている。

政党

主要政党は、中道左派・自由主義のカナダ自由党と、中道右派・保守主義のカナダ保守党の二大政党である。このほか、社会民主主義の新民主党、ケベック州の地域政党であるブロック・ケベコワ、カナダ緑の党がある。新民主党は国民皆保険制度の導入に大きな役割を果たした。

2025年4月の総選挙では、自由党が得票率43.7%で169議席、保守党が41.3%で144議席を獲得した。二大政党がともに40%を超える得票を得たのは1930年以来で、新民主党は7議席にとどまった。

1993年の総選挙では、与党の進歩保守党が改選前の169議席から2議席に激減し、小選挙区制の特徴を示す例としてしばしば取り上げられる。

司法

カナダ最高裁判所

最高裁判所は長官を含む9人の判事で構成される。刑法は連邦の管轄で、死刑は1976年に通常犯罪について廃止された。1989年のモントリオール理工科大学虐殺事件などを契機に銃規制が強化されており、拳銃の携帯は警察や軍などを除いて原則として認められていない。

地方行政区分

カナダの州・準州と州都

カナダは10の州(プロビンス)と3つの準州(テリトリー)に区分されている。州が憲法上の権限を持つのに対し、準州の権限は連邦議会の法律によって与えられる。人口は2026年7月1日の推計値。

名称 人口(人) 州都/主府/本部 備考
ブリティッシュコロンビア州の旗 ブリティッシュコロンビア州
British Columbia
5,710,598 ビクトリア
Victoria
■
アルバータ州の旗 アルバータ州
Alberta
5,101,050 エドモントン
Edmonton
■
サスカチュワン州の旗 サスカチュワン州
Saskatchewan
1,278,402 レジャイナ
Regina
■
マニトバ州の旗 マニトバ州
Manitoba
1,517,379 ウィニペグ
Winnipeg
■
オンタリオ州の旗 オンタリオ州
Ontario
16,262,121 トロント
Toronto
■
ケベック州の旗 ケベック州
Québec
9,067,114 ケベックシティ
Ville de Québec
■
ニューブランズウィック州の旗 ニューブランズウィック州
New Brunswick / Nouveau-Brunswick
883,522 フレデリクトン
Fredericton
■
ノバスコシア州の旗 ノバスコシア州
Nova Scotia
1,103,419 ハリファックス
Halifax
■
ニューファンドランド・ラブラドール州の旗 ニューファンドランド・ラブラドール州
Newfoundland and Labrador
552,462 セントジョンズ
St. John's
■
プリンスエドワードアイランド州の旗 プリンスエドワードアイランド州
Prince Edward Island
182,989 シャーロットタウン
Charlottetown
■
ユーコン準州の旗 ユーコン準州
Yukon
50,356 ホワイトホース
Whitehorse
■
ノースウエスト準州 ノースウエスト準州
Northwest Territories
45,904 イエローナイフ
Yellowknife
■
ヌナブト準州の旗 ヌナブト準州
Nunavut
43,091 イカルイト
Iqaluit
■

主要都市

人口上位10都市と都市圏(2021年国勢調査)
順位都市州市の人口都市圏人口
1トロントオンタリオ2,794,3566,202,225
2モントリオールケベック1,762,9494,291,732
3カルガリーアルバータ1,306,7841,481,806
4オタワオンタリオ1,017,4491,488,307
5エドモントンアルバータ1,010,8991,418,118
6ウィニペグマニトバ749,607834,678
7ミシサガオンタリオ717,961—
8バンクーバーブリティッシュコロンビア662,2482,642,825
9ブランプトンオンタリオ656,480—
10ハミルトンオンタリオ569,353785,184

情報機関

主な情報機関はカナダ安全情報局(CSIS)で、1984年に王立カナダ騎馬警察から分離して設立された。このほか、通信情報を担う通信安全保障局(英語版)(CSE)、刑事情報部(英語版)(CISC)、国防省の情報部門などがある。カナダは米英豪ニュージーランドとともに、情報共有の枠組み「ファイブアイズ」に参加している。

人権

1982年に制定された「権利と自由の憲章」が人権保障の基盤となっている。2005年の市民結婚法により、世界で4番目に全国で同性結婚が合法化された。

一方、過去の人権侵害の清算も課題となっている。19世紀末から1990年代まで続いた先住民寄宿学校では、先住民の子どもが家族から引き離されて同化教育を受け、多くの虐待や死亡が報告された。2015年には真実和解委員会が最終報告書を公表し、2021年からは毎年9月30日が「真実と和解のための国民の日」とされている。このほか、中国系移民への人頭税、インド人移民の上陸が拒否された駒形丸事件、第二次世界大戦中の日系カナダ人の強制移住などについて、連邦政府は公式に謝罪している。

国際関係

カナダと国交を持つ国

カナダはイギリス連邦、G7、G20、NATO、フランコフォニー国際機関などに加盟し、国際連合の平和維持活動にも長く参加してきた。

自らをインド太平洋国家とも位置づけ、アジア太平洋経済協力(APEC)やCPTPPに参加している。2022年11月に発表した「インド太平洋戦略」では、中国を「破壊的なグローバルパワー」と位置づけ、気候変動対策などでの協力を掲げる一方、太平洋での海軍の増強や安全保障を脅かす中国資本の投資の制限を打ち出した。カナダ軍の艦艇や航空機は、北朝鮮による瀬取りの監視活動にも参加している。

北極海を挟んでロシアと向かい合う北極沿岸国でもある。気候変動による海氷の減少は、航路の開放や資源開発、軍事的プレゼンスの拡大を通じて、北極沿岸国間の対立リスクを高めうると指摘されている。

対米関係

アメリカ合衆国とは世界最長の陸上国境を共有し、北アメリカ航空宇宙防衛司令部(NORAD)による共同防空、自由貿易協定による経済統合などを通じて緊密な関係を築いてきた。アメリカはカナダの輸出の約4分の3を占める最大の貿易相手国である。

2025年に発足した第2次トランプ政権は、不法移民や合成麻薬フェンタニルの流入対策などを理由にカナダへの追加関税を課し、カナダを「51番目の州」にしたいと繰り返し発言した。2025年3月4日にアメリカが関税措置を発動すると、カナダも同日に報復関税で応じ、トルドー首相は関税措置を「非常に愚かな行為」と非難した。後任のカーニー首相は、トランプ大統領との会談で「カナダは決して売り物ではない」と明言し、アメリカとの「古い関係は終わった」として、貿易相手の多角化と国内経済の強化を進める方針を示した。カナダ国内ではアメリカへの好感度が大きく低下し、アメリカへの旅行やアメリカ製品の購入を控える動きも広がった。

2026年7月1日に行われたCUSMAの最初の共同見直しでは、カナダとメキシコが協定の16年間の延長を求めたのに対し、アメリカは延長に同意せず、協定は効力を保ったまま毎年見直しを行う手続きに入った。同年7月20日には、トランプ大統領がカナダの乳製品の関税割当制度や、自動車・酒類をめぐるカナダの措置を理由に、1930年関税法第338条に基づいて一部のカナダ製品に50%の追加関税を課す布告に署名した。関税は8月22日に発動され、カナダは9月8日から15–50%の対抗関税を課した。

日本との関係

交流の歴史

日本とカナダは1928年に外交関係を開設し、1929年に互いの首都に公使館を置いた。19世紀後半から日本人のカナダ移住が始まり、ブリティッシュコロンビア州を中心に漁業や林業などに従事する日系人社会が形成された。

第二次世界大戦中の1942年、カナダ政府は西海岸に住む約2万1000人の日系カナダ人を強制的に内陸部へ移住させ、財産を没収した。対象者の約6割はカナダ生まれであった。戦後、日系カナダ人の全国組織が補償を求める運動を続け、1988年9月22日、ブライアン・マルルーニー首相が下院で公式に謝罪し、生存者1人当たり2万1000カナダドルの補償などを盛り込んだ補償協定が結ばれた。

現代の関係

両国はG7のメンバーとして、またインド太平洋の重要なパートナーとして、政治、経済、安全保障、人的交流など幅広い分野で協力している。2009年7月には天皇・皇后両陛下(当時)が国賓としてカナダを訪問した。2022年10月には「自由で開かれたインド太平洋」に資する行動計画が策定された。

安全保障分野では法的な枠組みの整備が進んだ。2025年7月に署名された情報保護協定は2026年1月15日に発効し、同月28日には防衛装備品・技術移転協定が署名された。2026年3月にはカーニー首相が来日して高市早苗首相と会談し、両国関係を「包括的戦略的パートナーシップ」に格上げする共同声明に署名した。両首脳は、2028年の外交関係開設100周年に向けて人的交流を拡大することでも一致した。

経済面では、両国はともにCPTPPの締約国である。日本はカナダから鉱物性燃料、鉱石、肉類、菜種などを輸入し、自動車や機械などを輸出している。2025年10月時点でカナダに在留する日本人は7万5316人で、2024年10月時点の日系企業の拠点数は933である。

軍事

カナダ軍の旗

カナダ軍の最高指揮官は国王で、その権限は総督が代行するが、実質的な指揮は首相と国防相が担う。陸軍、海軍、空軍を中心に、統合作戦軍や特殊作戦軍などで構成される。核兵器は保有しておらず、核抑止はアメリカに依存している。旧ソ連・ロシアの弾道ミサイルや爆撃機の最短経路が北極圏の上空にあたるため、アメリカと共同でNORADを運用している。

1950年代から1990年代にかけて多くの国連平和維持活動に参加し、2001年からはNATO主導のアフガニスタン紛争にも派兵した。一方、2003年のイラク戦争への参加は拒否した。

国防費は長年NATOの目標であるGDP比2%を下回り、2024年には1.47%であったが、カーニー政権は2025年度に93億カナダドルを追加して支出を拡大した。NATOの年次報告書によれば、2025年のカナダの国防費は634億カナダドルで、1990年以来初めてGDP比2%に達した。カーニー政権は、2035年までにGDP比5%(うち中核的な国防費3.5%)に引き上げるNATOの新目標にも同意している。

経済

カナダ経済の中心地トロントのスカイライン

カナダは世界有数の先進工業国で、金融・保険、不動産、製造業、鉱業、農林業などが主要産業である。20世紀初めまで経済の中心は農業であったが、その後モントリオールやトロントが金融の中心地となり、自動車産業や機械産業、近年は情報技術産業が成長している。中央銀行のカナダ銀行が通貨カナダドルを発行する。1セント硬貨は2012年に製造が終了した。

国際通貨基金(IMF)は2026年10月の見通しで、カナダの2026年の実質成長率を1.1%と予測した。2025年の1.9%から鈍化しており、中東での戦争によるエネルギー価格の高騰と通商の不確実性が重荷になっているとしている。

地球温暖化対策では、京都議定書に署名したものの2011年12月に脱退を表明した。パリ協定のもとでは、2030年までに温室効果ガスの排出量を2005年比で40–45%削減する目標を掲げている。

鉱業

鉱物資源に恵まれ、天然ガス、原油、ウラン、カリ塩、ニッケル、金、ダイヤモンドなどを産出する。特にアルバータ州のオイルサンドは世界有数の原油埋蔵量を持つ。ウランとカリ塩は世界有数の生産量を誇り、第二次世界大戦期にはベルギー領コンゴと並ぶ主要なウラン供給国であった。

貿易

カナダの輸出品目の構成(2019年)

最大の貿易相手国はアメリカで、2023年の輸出の約75%、輸入の約半分を占める。主な輸出品は原油・天然ガス、自動車・同部品、金属・金属製品、機械、木材、穀物などで、輸入品は自動車・同部品、機械、電子機器などである。アメリカ以外の主な貿易相手国は中国、メキシコ、日本、イギリス、ドイツである。

科学技術

カナダはインスリンの発見(1921年)や電話の発明に関わったアレクサンダー・グラハム・ベルの研究など、科学技術の歴史に多くの足跡を残してきた。近年は人工知能研究の拠点として知られ、トロントやモントリオールには深層学習の研究者が集まっている。宇宙開発では、カナダ宇宙庁が国際宇宙ステーションのロボットアーム「カナダアーム」を開発した。

交通

国土が広大なため、航空網が国内移動の重要な手段となっている。主要空港はトロント・ピアソン、バンクーバー、モントリオールなどである。鉄道は貨物輸送が中心で、旅客はVIA鉄道が運行している。東西を結ぶトランス・カナダ・ハイウェイは世界有数の長さを持つ国道である。

国民

人口

カナダの人口は2026年7月1日時点で4179万8407人と推計されている。人口増加の大部分は移民によるもので、2020年代前半には留学生や一時就労者などの非永住者の急増によって人口が急拡大した。その後、連邦政府が非永住者の受け入れを抑制したことで増加は鈍化し、2026年7月時点の非永住者数は約278万人で減少傾向にある。カナダ統計局は2026年国勢調査の人口を2027年2月に公表する予定である。カナダでは社会保険番号が国民識別番号として用いられている。

民族・人種

人種(2011年 カナダ国勢調査)

  ヨーロッパ系 (76.7%)
  東アジア系 (4.8%)
  南アジア系 (4.8%)
  先住民族 (4.3%)
  黒人 (2.9%)
  ラテンアメリカ系 (1.2%)
  混血 (0.5%)
  その他 (0.3%)

2011年の国勢調査では、ヨーロッパ系が76.7%、先住民が4.3%を占め、白人・先住民以外の「可視的少数派」は19.1%であった。先住民はファースト・ネーション、先住民とヨーロッパ系の混血に起源を持つメティ、北極圏のイヌイットの3つに分類される。

祖先の出自としては、イングランド系、フランス系、スコットランド系、アイルランド系、ドイツ系、イタリア系、中国系、ウクライナ系などが多い。ウクライナ系の人口はウクライナ・ロシア以外では最大規模である。アジア系はインド系などの南アジア系と、香港など広東語圏出身者を中心とする中国系が多く、特にバンクーバーとトロントに集中している。1999年には香港出身のエイドリアン・クラークソン、2005年にはハイチ系のミカエル・ジャン、2021年には初の先住民であるメアリー・サイモンが総督に就任した。

中国系移民は1850年代のゴールドラッシュや鉄道建設の労働者として始まったが、カナダは人頭税や1923年の中国人移民法によって移民を制限した。連邦政府は2006年にこれについて公式に謝罪している。

言語

英語とフランス語の使用地域。黄色が英語、茶色がフランス語、薄茶色が両言語使用地域、白色が人口希薄地域

1969年の公用語法により、英語(カナダ英語)とフランス語(カナダ・フランス語)が連邦の公用語として対等な地位を持つ。連邦議会、連邦裁判所、連邦政府機関では両言語が平等に扱われ、国民は十分な需要がある場合には連邦政府のサービスをどちらの言語でも受ける権利がある。この原則は民間にも一部及び、フランス語を母語とする乗客が一定割合以上いる旅客機の定期便では、航空会社に英仏両語での機内サービスが義務づけられている。

母語話者(2011年)

  英語 (56.9%)
  フランス語 (21.3%)
  その他 (21.8%)

2006年の国勢調査では、国民の約58%が英語、約22%がフランス語を第一言語としていた。フランス語は主にケベック州と、オンタリオ州東部・北部、ニューブランズウィック州、マニトバ州南部などで使われる。州の公用語は、ケベック州がフランス語のみ、ニューブランズウィック州が英仏両語で、その他の州は英語のみである。準州では、ヌナブト準州がイヌクティトゥット語など、ノースウエスト準州がクリー語やドグリブ語など11言語を公用語としている。

移民社会を反映して200以上の言語が母語として話されており、英仏両語に次いで中国語(特に広東語)、パンジャブ語、スペイン語、アラビア語、タガログ語などの話者が多い。英仏両語で会話ができる人は人口の約17%である。

宗教

トロントの「信教の自由」像(マーリーン・ヒルトン・ムーア作)

2021年の国勢調査では、キリスト教徒が53.3%を占めた。内訳はカトリックが29.9%と最も多く、カナダ合同教会(3.3%)、カナダ聖公会(3.1%)、東方正教会(1.7%)、バプテスト教会(1.2%)などが続く。キリスト教以外ではイスラム教が4.9%、ヒンドゥー教が2.3%、シク教が2.1%、仏教が1.0%、ユダヤ教が0.9%、先住民の伝統的な信仰が0.2%で、無宗教は34.6%であった。シク教徒の人口はインドに次いで世界で2番目に多い。

宗教別の人口割合の推移(%)
区分2001年2011年2021年
キリスト教77.167.353.3
無宗教・世俗的立場16.523.934.6
その他の宗教6.48.812.1

キリスト教徒の割合は2001年の77.1%から20年間で大きく低下し、無宗教の割合は16.5%から2倍以上に増えた。これは、以前は宗教を回答していた人が所属なしと答えるようになったことが主な要因とされ、特に若い世代で顕著である。一方、移民の増加を背景に、イスラム教は2001年の約2%から4.9%に、ヒンドゥー教は約1%から2.3%に増えた。

宗教構成には地域差も大きい。フランス系住民の多いケベック州ではキリスト教徒が64.8%と全国平均を上回り、その大半をカトリックが占める。これに対し、アルバータ州では無宗教が40.1%、ユーコン準州では59.7%にのぼる。全体として、宗教が政治や社会に強い影響を持つアメリカに比べて世俗化が進んでいる。

教育

教育は州の管轄で、制度やカリキュラムは州ごとに異なる。公教育が中心で、大学もほとんどが公立である。国際的な評価の高い大学としてトロント大学、マギル大学、ブリティッシュコロンビア大学などがある。国内最大の大学はトロント大学で、学生数は約8万5000人にのぼる。高等教育機関の起源としては、1663年に設立されたケベックの神学校を前身とするラヴァル大学が最も古い。

保健

各州が運営する公的医療保険(メディケア)により、医療機関での診察や入院は原則として無料で提供される。ただし、処方薬や歯科治療などは対象外の場合が多く、医療費全体の約3割は自己負担や民間保険で賄われている。待機時間の長さが課題とされる。

社会

分離主義運動

ケベック州では独立を目指す運動が続いており、1980年と1995年の州民投票ではいずれも独立が否決された。1995年の投票では反対が50.6%と僅差であった。西部のアルバータ州などでも、連邦政府への不満を背景に分離を主張する動きがある。

治安

一般に治安が良いとされるが、日本の外務省によれば犯罪発生率は日本の約10倍の水準である。空港やホテルなどでのスリや置き引きのほか、ギャングが絡む発砲事件や、夜間に通行人を襲う強盗なども発生している。

法執行機関

連邦警察の王立カナダ騎馬警察(RCMP)は、連邦法の執行に加え、オンタリオ州とケベック州を除く多くの州・準州で州警察の役割も担っている。オンタリオ州とケベック州は独自の州警察を持ち、大都市には市警察がある。

メディア

カナダ放送協会(CBC)の中継車

カナダのメディアは、英語圏を中心にアメリカの映画やテレビ番組、雑誌の影響を強く受けている。そのため、公共放送のカナダ放送協会(CBC)、カナダ国立映画庁、放送を規制するカナダ・ラジオテレビ通信委員会(CRTC)などが国内コンテンツの保護・育成を担っている。CBCは英語・フランス語の両方でラジオとテレビのネットワークを持つ国内最大のメディアである。

文化

トロントにある多文化主義の記念碑(フランチェスコ・ピレリ作)

カナダの文化は、先住民の文化、英仏をはじめとするヨーロッパ系の文化、その後の多様な移民の文化が重なり合って形成されてきた。多文化主義は1982年の憲法にも盛り込まれ、各民族の文化が融合せずに共存する「文化のモザイク」としばしば表現される。ケベック州はフランス語文化に基づく独自のアイデンティティを強く持つ。

世界遺産

ユネスコの世界遺産には、カナディアン・ロッキー山岳公園群、ケベック旧市街の歴史地区、ランス・オ・メドー国定史跡、ダイナソール州立公園などが登録されている。

祝祭日

連邦の法定休日は以下の通りである。このほか、各州が独自の祝日を定めている。

日付名称備考
1月1日元日(New Year's Day / Jour de l'An)
復活祭直前の金曜日聖金曜日(Good Friday / Vendredi saint)3月下旬から4月
復活祭翌日の月曜日イースター・マンデー(Easter Monday / Lundi de Pâques)連邦政府機関などの休日
5月25日の直前の月曜日ヴィクトリア・デー(Victoria Day / Fête de la Reine)ヴィクトリア女王の誕生日と現国王の公式誕生日を祝う。ケベック州では愛国者の日
7月1日カナダ・デー(Canada Day / Fête du Canada)1867年の連邦結成の記念日
9月の第1月曜日レイバー・デー(Labour Day / Fête du Travail)
9月30日真実と和解のための国民の日(National Day for Truth and Reconciliation)2021年制定。先住民寄宿学校の歴史を記憶する日
10月の第2月曜日感謝祭(Thanksgiving / Action de grâce)アメリカとは時期が異なる
11月11日リメンブランス・デー(Remembrance Day / Jour du Souvenir)戦没者追悼の日
12月25日クリスマス(Christmas / Noël)
12月26日ボクシング・デー(Boxing Day / Lendemain de Noël)

多くの州では2月第3月曜日を「ファミリー・デー」などの名称で、8月第1月曜日を「シビック・ホリデー」などの名称で休日としている。

スポーツ

カナダで最も人気のあるアイスホッケー

アイスホッケーは冬の国技で、最も人気のあるスポーツである。北米プロリーグNHLは1917年にカナダで設立され、2026年現在、32チームのうち7チームがカナダを本拠地とする。カナダ代表はオリンピックで男女ともに最多級の金メダルを獲得しており、2010年のバンクーバー大会では男女ともに優勝した。

カナディアンフットボールの試合

カナディアンフットボールはアイスホッケーに次ぐ人気を持ち、プロリーグカナディアン・フットボール・リーグ(CFL)の優勝決定戦グレイ・カップは国内最大級のスポーツイベントである。バスケットボールはカナダ人のジェームズ・ネイスミスが考案したもので、NBAのトロント・ラプターズは2019年に優勝した。野球ではMLBのトロント・ブルージェイズが1992年と1993年にワールドシリーズを連覇した。

サッカーの人気も近年高まっており、2024年の世論調査では「観戦するのが好きなスポーツ」でアイスホッケーに次ぐ2位となった。2019年には国内プロリーグのカナダ・プレミアリーグが発足した。2026年にはアメリカ、メキシコとともにFIFAワールドカップを共同開催し、トロントとバンクーバーで試合が行われた。女子代表は東京オリンピックで金メダルを獲得した。

オリンピックは、1976年モントリオール夏季大会、1988年カルガリー冬季大会、2010年バンクーバー冬季大会の3回開催している。このほか、カーリング、スピードスケート、フィギュアスケートなどの冬季競技や、フォーミュラ1のカナダグランプリも人気がある。

象徴

国会議事堂に設置されたビーバーの像

国の象徴には、国旗にも描かれたサトウカエデの葉や、毛皮交易の歴史と結びついたビーバーなどがある。これらは、国土の自然や寒冷な気候、開拓の歴史を反映している。

著名な出身者

脚注

注釈

  1. ↑ 1969年の公用語法により、連邦レベルでは英語とフランス語が対等な地位を持つ。州レベルではケベック州がフランス語のみ、ニューブランズウィック州が英仏両語を公用語とし、準州では先住民の言語も公用語とされている(後述)。
  2. ↑ カナダは英国王を国王とする英連邦王国の一つで、国王の職務はカナダ国内では総督が代行する。総督は首相の助言に基づいて国王が任命し、その権能は慣例上、首相と内閣の助言に従って行使される。行政の実権は下院の信任を得た首相と内閣が持つ。
  3. ↑ オタワ=ガティノー都市圏(ケベック州のガティノーを含む)。
  4. 1 2 トロント都市圏に含まれる。
  5. ↑ 夏の国技はラクロスである。

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  69. ↑ “2026年W杯開幕まで1週間、バンクーバーとトロントでも盛り上がりをみせる”. 日加トゥデイ (2026年6月5日). 2026年6月12日閲覧。
  70. ↑ “The mother beaver – Collection Profiles” (英語). House of Commons Heritage. 2015年12月12日閲覧。

関連項目

外部リンク

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