Looker(ルッカー)は、Google Cloudが提供するエンタープライズ向けのビジネスインテリジェンス(BI)およびデータ分析プラットフォームである。また、かつて存在していた、カリフォルニア州サンタクルーズに本社を置くアメリカのコンピュータソフトウェア企業Looker Data Sciences, Inc.のことも指す。同社は、2019年にGoogleによって買収され、現在はGoogle Cloud Platformの一部となっている。Lookerは、データの探索と発見のためのビジネスインテリジェンスプラットフォームを販売している。2020年にGoogleによって買収されて以来、BigQueryなどのGoogle Cloudのデータエコシステムと強力に連携し、企業のデータ活用の中心的な役割を担っている。従来のBIツールとは異なり、ツール側にデータを抽出・コピーせずに接続先のデータベースに対して直接SQLを発行する直結型(In-Database)アーキテクチャを採用している。また、独自のモデリング言語である「LookML」を用いてデータ定義やビジネスロジックを一元管理する点も大きな特徴である。
Googleが提供する類似のBIツールとしてData Studio (旧Looker Studio、別名データポータル)が存在するが、その用途や対象者は大きく異なる。
データ向けLookerプラットフォームは現在、Google Cloud Platformの一部として運営されており、関係データベースの作業、ビジネスインテリジェンス、およびその他の関連サービスのための多種多様なツールを提供している。Lookerの2019年の収益は約1億4000万ドルと推定されている。
従来のBIツールのようにツール側にデータを抽出・コピーして分析するのではなく、Lookerは接続先のデータベース(BigQuery、Snowflake、Amazon Redshiftなど)に対して直接SQLを発行し、その場で処理させる。これにより、データの二重持ちを防ぎ、大規模なリアルタイムデータを分析することができる。また、Google Cloudに縛られず、AWSやMicrosoft Azure、その他60種類以上のデータベース(SQLダイアレクト)に接続できる柔軟性を持っている。Lookerは単なるダッシュボードツールにとどまらず、自社のWebサービスやアプリにLookerの分析グラフをそのまま組み込む組み込み分析や、APIを活用して独自のデータアプリケーションを構築することが可能である。
Lookerは、データの定義や売上の計算式といったビジネスロジックを、LookMLというシンプルなモデリング言語で一元管理する。これにより、ビジネスユーザーはSQLの基本的な理解だけでデータを探索、保存、ダウンロードすることができる。これにより、社内の誰がダッシュボードを作成しても計算結果が一致する「Single Source of Truth(信頼できる唯一の情報源)」を実現する。コードはGitでバージョン管理されるため、エンジニアリングのベストプラクティスをデータ分析に持ち込むことが可能である。
LookMLは、 Amazon Redshift、Google BigQuery、HP Vertica、Netezza、Teradataなどのスケーラブルまたは超並列の関係データベース管理システム向けに構築されており、Lookerは、これらを対象とした初の商用ビジネスインテリジェンスプラットフォームであった。
Googleは同様のBIツールとして「Data Studio(旧称:Looker Studio、Google データポータル)」を提供している。Data Studioは、現場のビジネスユーザーがGoogleCloud上で無料で直感的な操作ができ、手軽に利用できるツールである。LookerはLookMLを用いる点や、Google以外のクラウドサービスにホストすることも可能である点などで棲み分けをしている。
2012年1月にロイド・タブとベン・ポーターフィールドによって、カリフォルニア州サンタクルーズでLooker Data Sciences, Inc.が設立される。同地の歴史的なリッテンハウス・ビルディングに入居していた。この製品は、Lookerを設立する前にNetscape、LiveOps、Luminateなどの企業でソフトウェアを構築したタブの経験から生まれたものである。
2013年8月13日、Lookerはレッドポイント・ベンチャーズ、ファースト・ラウンド・キャピタル、ピボットノース・キャピタルからのシリーズAラウンドの資金調達を発表し、1800万ドル以上を調達した。シリーズAラウンドに先立ち、Lookerはファースト・ラウンド・キャピタルとピボットノース・キャピタルからのシードラウンドで200万ドルを調達していた。
2015年3月11日、LookerはシリーズBの資金調達で3000万ドルを調達した。
2015年7月、ジェン・グラントが最高マーケティング責任者として加わり、同社の従業員数は140人と推定された。
2016年1月14日、Lookerはクライナー・パーキンスからのシリーズCの資金調達で4800万ドルを調達した。その時点で、同社はJet.comを含む450の顧客を抱えていると推定していた。
2016年6月21日、LookerのCEOであるフランク・ビエンと、Redpointのパートナーであるトマス・トゥングスが共同執筆した書籍『Winning With Data』の出版を祝った。
2017年3月30日、LookerはCapitalGが主導するシリーズDの資金調達で8150万ドルを調達した。2018年12月6日、LookerはPremji Investが主導するシリーズEの資金調達で1億3000万ドルを調達した。
2019年6月6日、Googleは26億ドルでLookerを買収することを発表した。買収は2020年2月に完了した。
2022年3月、LookerのCEOであるフランク・ビエンはGoogle Cloudを退社した。