Eスポーツ
eスポーツ (イースポーツ、英 : esports )は、エレクトロニック・スポーツ (electronic sports)の略称、および、コンピュータゲーム (ビデオゲーム)を使った対戦を競技 として捉えた名称。広義では、電子機器を用いて行う娯楽、競技、スポーツ全般を指す。
この用語 は2000年、韓国の文化体育観光部 長官が、韓国eスポーツ協会 (KeSPA)設立の際に造語 したものである。アメリカの通信社 の統一表記は、文中では、小文字 で始まるesportsとすでに定められ、文頭の場合だけは大文字で始まるEsportsも可能。イギリスの辞書ではハイフン を入れた小文字のe-sport(s)で項目が立てられている。
日本の通信社・報道各社では「eスポーツ」が標準的な表記である。日本のリファレンスでは、Sを大文字にするeSports、e-Sportsの表記も記載されている。→#表記ゆれ
コンピュータゲームをスポーツと分類することの可否や位置づけを巡る議論
コンピュータゲームをスポーツ として分類することは議論の的となっている。一部のゲームをスポーツと認定する正当な理由として、eスポーツの人気の高まりを指摘する人がいる。一方で、ゲームが「真のスポーツ」の地位に達することはないだろうと主張する人もいる。
なお、2014年のテクノロジーカンファレンスでは、スポーツ専門チャンネルのESPN のジョン・スキッパー (英語版 ) 社長(当時)が、Twitchの買収について質問された際に、eスポーツを「スポーツではない…競技である」と述べた。
2015年、国際eスポーツ連盟 が主催した世界選手権では、世界的に正当なスポーツ活動としての今後のeスポーツの認識について議論するために、国際的なスポーツ業界からのゲストを招待しパネルが開催された。
中華人民共和国 は当時、コンピュータゲームの中毒性が懸念されていたにも関わらず、2003年にeスポーツを本格的なスポーツとして認めた最初の国の1つである。政府はeスポーツを奨励し、選手がeスポーツに参加することで「中国のために身体を鍛える」ことにもなると述べた。さらに、2019年の初頭までに、中国は人力資源社会保障部 の勧告の中でeスポーツプレイヤーを正式な職業として認めており、プレイヤーだけでなく運営者も認めている。これに基づき、2019年7月までに10万人以上がプロゲーマーとして登録しており、同部は5年後にはこのような職業に就く人が200万人を超えると予想している。
2013年、カナダの『League of Legends』プレイヤーであるShiphtur (Danny Le) が、「国際的に認められたスポーツ選手」として、アメリカのP-1Aビザを取得した最初のプロゲーマーとなった。2014年、トルコ の青年スポーツ省は、プロとして認定された選手にeスポーツプレイヤーライセンスの発行を開始した。2016年、フランス 政府がeスポーツを統制・認知するためのプロジェクトに取り組み始めた。フィリピン のゲームおよび娯楽委員会は、2017年7月から、プロとして認定された選手に競技ライセンスの発行を開始した。
eスポーツを正当なスポーツとして普及させるために、伝統ある国際的なスポーツ大会と並行し、いくつかのeスポーツのイベントが開催されてきた。2007年アジアインドアゲームズ は初めて、他のスポーツ競技と並び、eスポーツ競技が行われた公式大会として注目された。その後のアジアインドアゲームズ や後継のアジアインドア・マーシャルアーツゲームズ では、メダルの授与やエキシビションイベントとして必ず、eスポーツ競技が行われてきた。さらに、アジアトップレベルの総合競技大会 であるアジア競技大会 では、2022年大会 におけるメダル種目としてeスポーツが含まれることとなった。2018年大会 における『ハースストーン 』や『スタークラフト2』『League of Legends』を中心としたeスポーツのエキシビションイベントは、2022年大会への布石として発表された。2019年の東南アジア競技大会 では、eスポーツの競技種目が6つ含まれていた。
2018年と2019年には、ワールドセーリング がeSailing世界選手権 (英語版 ) を開催し、主要なスポーツ連盟がeスポーツを受け入れつつあることを示した。
IOCの見解
オリンピック は、eスポーツを正当化するための潜在的な方法としても見られている。2017年10月に国際オリンピック委員会 (IOC) が開催したサミットでは、eスポーツの人気が高まっていることを認め、「競技性のある『eスポーツ』はスポーツ活動と見なすことができ、関係する選手は伝統的なスポーツ競技の選手と同等のレベルで準備やトレーニングに打ち込んでいる。」しかし、オリンピックに使用されるゲームには「オリンピックの規則・規制」に従う必要があると結論付けている。
スポーツの世界は常に変化しており、IOCでもイベントの主催を始めるほど、eスポーツの規模も非常に大きくなっている。IOCのトーマス・バッハ 会長によると、eスポーツをオリンピックの競技とするには、2つの問題が残されているとし、1つは暴力的なゲームプレイを制限する必要があること。もう1つは、eスポーツをさらに細かく調整するための国際的な統括団体が無いことを挙げている。暴力の問題についてバッハは、現代のスポーツが実際の激しい戦闘から生まれたということを認めたが、「スポーツはそのような戦いを文明化した表現」であり、「いわゆる殺人ゲームである場合、オリンピックの価値観とは異なる」としている。(オリンピズム の英語版の記事(en:Olympism )も参照のこと。人間の尊厳がオリンピックの究極の目的だと書かれている。)
IOCは、NBA 2Kシリーズ やFIFAシリーズ のような、実際のスポーツをシミュレートするようなゲームを中心に、eスポーツを承認することが提案された。
eスポーツを巡る問題は、IOCが将来のオリンピックへeスポーツをどのように組み込むのか、どのような可能性があるのか探ることを妨げていない。2018年7月には、IOCと国際スポーツ連盟機構 (GAISF) がEpic Games のマーク・レイン やブリザード・エンターテイメント のマイケル・モーハイム (英語版 ) 、eスポーツプレイヤーのTLO(ダリオ・ヴンシュ)やジェイク (英語版 ) (ジェイコブ・リヨン)、ゲグリ (英語版 ) (キム・セヨン)といったeスポーツ界の重鎮を招き、「eスポーツの影響、および将来の発展の可能性についてより深い理解を得て、今後数年間ですべてのスポーツの相互利益のために協力する方法を共同で検討できるようにする」シンポジウムを開催した。そこでIOCは、ゲームの展示を通じてeスポーツの可能性を検証してきた。インテル はIOCの後援を受け、2018年平昌オリンピック の前に『スタークラフト2』と『スティープ 』のイベントのスポンサー を務め、韓国のeスポーツ選手5人が、オリンピックの聖火リレー に参加した。同様の展示会であるeGames (英語版 ) は、2016年リオデジャネイロオリンピック と並行して開催されたが、これはIOCの支援を受けていない。
日本では、ゲーム産業の一大拠点としての評価を受け、2020年東京オリンピック 以降にeスポーツを盛り上げるために、議員や団体が関与するようになってきている。日本におけるeスポーツは、景品表示法や賭博及び富くじに関する罪(刑法)との兼ね合いにより、高額な賞金を伴うゲームトーナメントに制約を課しているため盛んではなかったが、2017年後半から、この問題を解消しようとする取り組みが始まった。2020年夏季オリンピックに向け、東京2020組織委員会 の提案で、4つのeスポーツ団体が日本を代表する消費者団体と協力し、eスポーツの大会を賭博罪に関する規制から除外することとなった。自由民主党 所属の衆議院議員 である河村建夫 は、オンラインゲーム・eスポーツ議員連盟 を発足し、日本eスポーツ連合 (JeSU) の支援と国内におけるeスポーツの促進を図った。これまでの結果として、日本国内における他のスポーツのプロアスリートが、プロとしてプレイするために必要な仕組みと同様に、eスポーツ選手がプレイできるようにする免除ライセンスを取得できるようになった。このライセンスは選手が多くのeスポーツ大会に参加することを許可するものであり、2018年7月中旬に初めて、いくつかのコンピュータゲームのパブリッシャーが開催したトーナメントを介し、上位数十人のプレイヤーに発行された。また、東京2020組織委員会は2020年の大会までに、いくつかのeスポーツイベントを計画している。
2024年パリオリンピック の組織委員会は、オリンピックと若い世代との関係を保つためにeスポーツの要素を含める必要性を挙げ、IOCや様々なeスポーツの専門組織と大会中のeスポーツイベントについて協議した。最終的に組織委員会は、eスポーツをメダル種目として2024年大会に採用するのは時期尚早と判断したが、大会中のeスポーツに関連する他のイベントについては除外しなかった。
2019年12月、IOCは第8回オリンピックサミットにおいて、オリンピックの公式大会ではスポーツを模倣したゲームのみを検討する とし、将来的には、身体的および精神的健康の生活スタイルを促進するゲーム、身体活動を取り入れたバーチャル・リアリティ や拡張現実 ゲームのような2つの方法を検討することを繰り返し表明した。
2021年4月、IOC(国際オリンピック委員会)がeスポーツの公式大会を開催することを発表。オリンピック・バーチャルシリーズ として2021年より開催される。バッハ会長は開催に向けて「オリンピックバーチャルシリーズは、バーチャルスポーツの分野で新しい視聴者との直接的な関わりを深めることを目的とした、新しいユニークなオリンピックデジタルな体験です。その構想は、オリンピックアジェンダ2020+5およびIOCのデジタル戦略に沿ったものです。スポーツへの参加を促し、特に若者に焦点を当てたオリンピックの価値観を促進できることを願っております」
しかし、バッハの後任であるカースティ・コベントリー 会長は既存のスポーツを重視する方針を取り、IOCの専門委員会であるeスポーツ委員会のメンバーに向けて発信した2026年1月31日付の書簡ではeスポーツに対する姿勢を変更することを示唆。同年5月にはeスポーツ委員会が活動を休止したことが報じられ、eスポーツに対する取り組みは後退することとなった。
eスポーツとの関わり方
プレイヤーとしての参加
インターネット経由でのプレイ
eスポーツをプレイするためのもっとも簡単な方法はインターネットを経由することである。厳密に勝敗を決するにはチート 行為に対処する方法や、ネットワーク遅延の問題はあるものの、娯楽、あるいは練習のためにこの方法はよく使われる。
各プレイヤーは連絡手段が必要となる。IRC はチームやリーグ、その他のゲームに関連した集まりごとにチャンネルを分けて作成できるだけでなく、簡単にそれを見つけることができるためよく使用されている。QuakeNet (英語版 ) は元々、ファーストパーソンシューティングゲーム『Quake 』のオンラインプレイのために作成されたが、他のゲームのためにも使用されており、最も大きなIRCネットワークとなっている。そこから各チームのサーバでそれぞれのルールに従って競技が行われる。チーム制のゲームでは、他のプレイヤーとの連携が必要不可欠であり、チーム内で連携を取るために音声通信を使う際には、Discord のようなVoIP アプリケーションも利用される。
ローカルエリアネットワークでのプレイ
ローカルエリアネットワーク (LAN) 上でのプレイには「インターネット経由よりも遅延時間が抑えられ、より良い状態でゲームをプレイできる」「主催者側によって用意された機器を使用するため、チートといった違反行為が行いにくい(特にプロフェッショナルなプレイが行われるイベントでは公正なプレイのために管理者が置かれる)」などの長所が存在する。インターネットを経由する「オンライン」に対し、この形式は「オフライン」と呼ばれ、大会の開催形式について一般的には、オンラインで予選が行われ、予選を勝ち進んだ上位の選手やチームが競技するために実際の会場に集まり、オフラインで開催されることが多い。プレイヤー同士の社交的交流の場ともなり、大規模な競技会ではLANパーティー 、LANセンターといった集まりが組織される。
大会イベントの観戦
観戦して楽しむこともeスポーツの主たる娯楽性のひとつであり、eスポーツをスポーツとして楽しむひとつの要素でもある。「テレビや動画配信サイトなどで中継された映像を見る」、「選手が一か所で対戦するものを試合会場で観戦する」、「選手がオンラインで対戦するものを司会者、解説者、ゲストがいる会場で見る」などの方法がある。
様々なメディアを通じて、営利・非営利を問わず気軽に配信され、観戦者のニーズに応じた手段で楽しむことができるのがeスポーツ観戦の特徴である。
大学や高等学校におけるeスポーツ
eスポーツは、2008年以降に大学 や高等学校 からの注目も集めるようになり、eスポーツの人気の高まりとともに、高校生や大学生などの選手の機会の拡大が求められるようになった。中国やアメリカなどの大学で、大学の代表となるチームに参加する新入生に対し、奨学金 を提供し始めた。
日本では2018年より、高等学校 および高等専門学校 を対象とした全国高校eスポーツ選手権 が開催された。2019年の第2回大会からは、参加対象を高等専修学校 、専門学校高等課程、インターナショナル・スクール まで拡大し、2023年まで開催された。このほか、2019年から開催されている高校対抗eスポーツ大会「STAGE:0 」などがある。
プロフェッショナルによるeスポーツ
eスポーツには、職業としてのプロ(プロゲーマー )として活躍するプレイヤー、プロのプレイヤーが集まったプロゲーミングチームが存在している。
世界各国では、これらのプロを参加対象とした多くの大会が毎年開催されている。その多くはストリーミング 中継により世界中に配信されるほか、大規模なものになるとテレビ中継 も行われる。賞金は協賛企業からの提供、放送収入、入場料などから賄われる。大会を協賛するスポンサー は、ハードウェアのメーカーなど、大手のコンピューター関連企業が多い。
プロプレイヤー
プロのプレイヤーは、大会の優勝者など特に上位に入賞する人だけがなれ、大会賞金のほか、スポンサー による援助や、(その知名度を企業側が利用している)キャンペーン 出演料などを収入としている。
収入状況はさまざまで、プロチームに属していてもほぼ無償の選手もいれば、年収が1,000万円前後に及ぶ選手も存在する。
中には、年収が1億円を超える人気プレイヤーのFatal1ty (英語版 ) のように、PCパーツのブランドをプロデュースする者もいる。韓国では、国民的人気を得てタレントのように様々な方面で活躍しているものもいるため、なりたい職業の上位にランクインするなど、eスポーツのプロプレイヤーは若者に多くの支持を得ている。
選手寿命に関して、動体視力 の低下や指の酷使などの要因で短く、ゲームのジャンルによっては10代後半で最盛期を迎え、20代前半で引退する例も多い。
アスリート#プロの職業人生の短さと対策 も参照。
プロプレーヤーのビザ発給上の扱い
アメリカ では2013年に『League of Legends』や『スタークラフト2 』といった競技タイトルがプロフェッショナルスポーツ と認定され、外国人選手に対して「アスリートビザ 」が発行された。日本 では2016年に初めて、国内のチームで活動する韓国 人選手にアスリートビザが発行された。
プロプレイヤーがかかりやすい職業病
プロプレイヤーはライバルたちに負けないようにするために、トレーニングを続けざるを得なくなる。つまりコンピューターゲームを、そしてたいていは特定のゲームタイトルに絞って長時間そして長期間やり続けざるを得なくなり、その結果、次のような症状に悩まされる人も多い。
頭部の位置が脊髄に対して前方にずれた姿勢が長く続くことによって首の筋肉の緊張が高まり、筋緊張性頭痛 や手先の痺れ などの症状が現れる。
前屈みの姿勢を長時間続けるので、腰椎椎間板 に負荷をかけ、ヘルニア になりやすくなる。
eスポーツではコントローラーやマウスを操作し指や手首を激しく動かすので、指や手首に障害が起こることがよくある。
eスポーツのほとんどのタイトルのプレイ中、他の通常の身体スポーツと異なり、「座りっぱなし」になってしまう。特に3時間以上座りっぱなしでいると血栓ができてしまうことがある。「脚がなんだか痛いなぁ」などと感じて放置していて、診察・診断してもらったら血栓症 だったということも起きる。
肉体面に関しては、eスポーツを毎日長時間プレイすることを長期間続けると、柔軟性の低下(運動不足、ストレッチ 不足で、身体がいわゆる「かたく」なる)、筋力低下、体力(有酸素運動でつける持久力やスタミナ)の低下が起きる。
視力の低下や聴力の衰えにもつながることがある。あまりに長時間スクリーンを注視しつづけていると大抵の人が、眼の乾きや、眼の充血 、眼精疲労 、眼痛(眼の奥の痛み)などに悩まされることになる。また精神や認知機能への影響としては、注意力・記憶力などの低下、睡眠不足 や睡眠の質の低下などが頻発する。
なお、プロゲーマーもトレーニングに熱中するあまりゲーム障害 (ゲームに熱中しすぎて、一日あたりのプレイ時間を自分でコントロールできなくなり、日常生活に支障が出る病気)を発症する場合がある。
プロフェッショナルの歴史
1997年5月に「Red Annihilation (英語版 ) 」と題した競技会が行われ、『Quake』の副クリエイターであるジョン・カーマック が所有していたフェラーリ・328GTS を競技会の優勝者に贈呈すると約束した。同年6月、アンヘル・ムニョス (英語版 ) がコンピュータゲーマーのための最初のプロフェッショナルリーグ「サイバーアスリート・プロフェッショナル・リーグ (CPL)」を立ち上げた。それ以来、参加者と会場のサイズは規模を拡大し、優勝決定戦になると多数の観戦者がインターネット越しに観戦するようになった。同時に勝者への賞金も膨大な物になり、2005年のCPLでは賞金総額が150万米ドルに達している。
CPLはeスポーツの開拓者としての精神を保ちながら、2005年にはワールドツアー方式に移行し、同年のツアーでは『Painkiller 』の1対1のデスマッチに焦点を当て、これに100万米ドルの賞金を当てた。CPLのグランドフィナーレイベントでは、Fatal1tyがeスポーツ史上最高賞金額となる15万米ドルを獲得した。
プロチームとプレイヤーの間の契約
eスポーツにおいて、旧来の社交的なゲームプレイヤーの組織(クラン)だったものが、フットボールチームに近いプロ選手の組織として成長している例も存在する。プレイヤーとスポンサーの契約を扱い、プレイヤーにとってその契約を容易にすることで、eスポーツとそのファンにとって存在意義が生まれている。多くのプロチームが他のチームやプレイヤーとの契約を扱い、機会と名声を上げる仲介をしている。また、プロチームへと所属することによってプレイヤーは管理業務から解放され、ゲームのプレイに集中することができるようになる。
1999年12月30日、韓国の通信事業会社KT の子会社KTF がn016オンラインプロゲームチーム を創設し、韓国で初めて大企業の資本が入るチームとなった。
2003年2月1日、SK GamingがFPSのプレイヤーとクランを結びつける最初のチームとなった。契約条件などは明らかにされていないが、インタビューでは給与制であり、給与額は多くはないものの、プレイヤーは賞金を分配して受け取ることができる。また、2003年5月19日、SK Gaming所属のノルウェー のプレイヤーelemeNt- (Ola Moum) を、ライバルチームであるFPS最古のチームの1つNoA (英語版 ) に移籍させ、移籍金を得るという先例を作った。
リーグ制・トーナメント制
昇降格制度
ほとんどのチーム戦で行われるeスポーツでは、チームが試合でどのような成績を収めたかによって、リーグ間を昇格や降格を伴う形式 が中心となっている。この形式は、ヨーロッパやアジアにおけるプロスポーツを踏襲している。チームはシーズン 中に複数回の試合を行い、シーズン終了時までにリーグ内での順位を競う。成績の良いチームには賞金に加えて上位リーグへの昇格もあれば、一方で、成績の悪いチームには下位リーグへの降格もある。
例えば、ライアットゲームズは2018年までにいくつかの『League of Legends』シリーズを運営しており、北米 地域には最上位シリーズとしてLeague of Legends Championship Series が存在する。成績の悪いチームは下位のLeague of Legends Challenger Series (英語版 ) に降格し、下位シリーズにおいて成績の良かったチームが上位に昇格し、入れ替わる。ただし、ライアットゲームズは2018年半ばから下記のフランチャイズ方式を採用し、この形式は廃止している。
トーナメント方式
ポーランド のカトヴィツェ で開催された「インテル・エクストリーム・マスターズ 2013」でプレイする選手たち
eスポーツはトーナメント方式 でもプレイされ、プレイヤーやチームが本戦トーナメントに挑む前に、予選通過をかけて競う。トーナメントはシングル またはダブルエリミネーション、時にはグループステージ との混合など様々な形式が取られる。eスポーツトーナメントはほとんどの場合、ライブの観客の前で行われる物理的なイベントであり、不正行為を監視するための審判などがいる。DreamHack のような大会自体が大規模なeスポーツイベントである場合もあれば、World Cyber Games やフォートナイトワールドカップ (英語版 ) のように、大会が大規模なイベントの一部である場合もある。
コンピュータゲームを使用した大会は以前から存在していたが、eスポーツは1990年代後半に大きな転換期を迎えた。1997年のサイバーアスリート・プロフェッショナル・リーグを皮切りにトーナメントの規模が大きくなり、企業スポンサーがつくことが一般的になった。ライブイベントだけでなく、オンラインでも視聴者が増えたことで、eスポーツはより多くの人々の目に触れるようになった。ゲームの開発元が大会の賞金を提供することが多いが、コンピュータ ハードウェア やソフトウェア 、エナジードリンク を販売する企業といったサードパーティー から提供されることもある。しかしながら一般的に、独立したベンチャー企業 にとって、大規模なeスポーツイベントを主催することは採算が合わない。例えば、ライアットゲームズはLeague of Legends Championship Seriesについて、「私たちがお金を稼いでいない重大な投資だ」としている。
ゲームの開発元と大会主催者や放送メディアとの関係については、かなりのばらつきがあり、交渉の余地がある。韓国では、独自の『スタークラフト』のイベントがブリザード・エンターテイメントとはほぼ独立して運営されていたが、同社は続編の『スタークラフト2』を使用するイベントの開催については、承認制にすることを決定した。これにより、韓国eスポーツ協会との行き詰まりにつながったが、2012年に合意に達した。ブリザードは規約を改め、賞金総額が1万ドルを超える大会について、同社の許可を必要としている。
競技に使用するゲーム
ゲームのジャンルとしては主に、ファーストパーソン・シューティングゲーム 、リアルタイムストラテジー 、格闘ゲーム 、スポーツゲーム 、レースゲーム などを使用して競い合う。
ファーストパーソン・シューティングゲーム (FPS)
サードパーソン・シューティングゲーム (TPS)
リアルタイムストラテジー (RTS)
マルチプレイオンラインバトルアリーナ (MOBA)
対戦型格闘ゲーム
スポーツゲーム
レーシングゲーム
パズルゲーム
デジタルカードゲーム
音楽ゲーム
パーティゲーム
MMORPG
コンピュータRPG
オンラインストラテジーゲーム
アクションゲーム
日本国内におけるeスポーツ
定義
国内でのeスポーツイベントを数年に亘って扱い、「eスポーツグラウンド」などを開発したエウレカコンピューター に所属する犬飼博士 は、2007年アジアオンラインゲームカンファレンスでのコメントより、eスポーツを次のように定義している。
「プレイヤーの行動をデジタル化してコンピューター上で競技するスポーツ」
「工業社会に生まれたモータースポーツの様に、情報社会に生まれた新しいスポーツ」
歴史
1974年 - 「セガTVゲーム機全国コンテスト 東京決勝大会」が開催される。セガが1974年にリリースしたテーブル筐体のゲーム機「テーブルホッケー 」を用いたトーナメント形式による対戦で、全国で開かれた予選を勝ち抜いたメンバーが東京のホテルパシフィック東京 で開かれた決勝大会で対戦し、勝者にはカラーテレビ や白黒テレビ などが贈られた。大会での優勝者は、当時28歳の銀行員の男性とのこと。
1985年 - 全国キャラバンファミコン大会 が開催される。
1992年 - 『TVチャンピオン 』放送開始。コンピューターゲームも取り上げられる。
2000年 - 日本で最初のeスポーツ企業BattleTop Japanが創業し、東京ゲームショウでWCGC日本予選を開催。
2002年 - 有限会社ネクサムがeスポーツ専門サービスAceGamer.netを開始。創業メンバーは犬飼博士、長崎潤、渡辺俊吾。
2002年7月 - 『ゲーム脳の恐怖 』出版。欧米・韓国でe-sportsが台頭していた頃だったが、日本ではゲーマーは人格破綻者という偏見が強まる。
2003年 - エンターブレイン 主催の格闘ゲームを主軸としたeスポーツ大会「闘劇 」が始まる。
2000年代前半 - PC房型のネットカフェやゲーム大会が開催されたが、利益が出ず衰退する。
2007年
6月 - 日本eスポーツ協会設立準備委員会が設立される。
8月 - ニチカレ株式会社がCyber Athlete Competition (CyAC) を設立。以降、オンライン大会とオフライン大会を定期的に開催。
12月 - 韓国のトッププレイヤーを招いて「eスポーツ日韓戦」のパフォーマンスが行われ、各種メディアで取り上げられた。
2009年 - 日本eスポーツ学会が設立され、eスポーツの研究とその学術的確立、およびeスポーツの進歩発展に貢献することを目的として活動している。
2010年 - eスポーツ学生連盟 (eSPA) が設立。各大学同士のeスポーツ大会(eスポーツ選手権、eスポーツ対抗戦など)を企画・運営している。学生達にeスポーツを普及させようと精力的に活動を行っている。
2011年 - 日本eスポーツエージェンシー株式会社 (JeSA) が「eスポーツの本格的なプロスポーツ化とさらなる活性化、世界レベルへの向上、日本のゲーム産業の発展の寄付」を経営理念に掲げ発足。
2013年4月 - 株式会社マイルストーンがジャパンコンペティティブゲーミング (JCG) を設立。eスポーツ界の進化と日本の現状におけるギャップを埋めるため、基盤となるアマチュア層の充実を測るために活動を開始。
2014年
1月24日 - 2011年にオープンした「e-sports SQUARE」が千葉県市川市から秋葉原に移転し、リニューアルオープン。
4月 - TOKYO MX2 にて、日本初となるeスポーツ専門情報番組『eスポーツMaX』が放送開始。
2015年
2016年
3月 - 『ゲーメスト 』および『月刊アルカディア 』の編集部に在籍したライター、編集者を中心に日本ハイスコア協会が立ち上げられる。
4月 - 東京アニメ・声優専門学校が、日本の専門学校では初めてのプロゲーマー・eスポーツ教育を開始。
2018年
2月 - 日本eスポーツ連合 (JeSU) が設立される。
3月7日 - 吉本興業 がeスポーツに進出すると発表。
3月9日
5月7日 - 日本eスポーツリーグ協会 (JeSA) が設立される。
7月19日 - 日本野球機構 がコナミデジタルエンタテインメント との共同で「eBASEBALL パワプロ・プロリーグ」を開催することを発表(11月から12月にリーグ別予選、その後上位3チームずつのリーグ代表決定トーナメントを経て、2019年1月に決勝戦の「e日本シリーズ」を行う)。
7月27日 - 日本野球機構が「NPB eスポーツシリーズ スプラトゥーン2 」を開催することを発表(2019年3月に球団代表を選ぶドラフト会議とキャンプ、4月にオープン戦、5月に本大会を行う)。
12月4日 - アミューズ が世界最大規模のeスポーツチーム・Team Liquid とパートナーシップ契約を結び、eスポーツへの進出を発表。併せて、同チームに所属する日本人選手であるネモ 、竹内ジョンの日本国内におけるマネジメント業務を開始。
2019年
9月28日から10月8日まで開催される第74回の茨城国体 の文化プログラムの一環で全国都道府県対抗eスポーツ選手権 として行う。
4月 - 日本esports促進協会 (JEF) が発足。
9月 - 東京ゲームショウ2019において開催されたCAPCOM ProTour 2019アジアプレミアで優勝したももち が賞金500万円を獲得する権利を得たが、JeSUの規約に基づき10万円に減額され、副賞のモニター台3万9800円を差し引かれた6万200円が賞金だったと発言。
2020年
2021年
eスポーツイベント
2002年から2011年現在まで、World Cyber Games (WCG) 日本予選を毎年開催している。過去にはAcegamerがサイバーアスリート・プロフェッショナル・リーグ (CPL) の日本予選を主催していたが、Acegamer解散後はなくなっている。
2003年から2012年まで、闘劇 が開催されていた。2012年まで第10回大会まで開催しており、2012年の第10回を以って、諸般の事情により一旦の閉幕が発表されている。
2007年から2009年まで、Cyber Athlete Competition (CyAC) が『TrueCombat:Elite 』、『Enemy Territory: Quake Wars 』、『Warsow 』のオフライン大会を1年ごとに開催していた。
2008年 - Electronic Sports World Cup (ESWC) の国内予選が開催された。のちにCyACが国内予選を開催している。
2009年から2012年9月まで、CyACが秋葉原UDX と東京ゲームショウ にて、4回の大規模オフライン大会「e-Sports日本選手権」を開催している。
2010年9月 - 東京ゲームショウ にてCyACが、海外のプロゲーマーを招待した『Quake Live』のショーマッチと『コール オブ デューティ モダン・ウォーフェア2 』、『blur』の大会を開催していた。
2011年11月 - 日本eスポーツエージェンシー株式会社 (JeSA) が国内では初となるフランチャイズチーム対抗戦によるeスポーツ大会「第1回eスポーツJAPAN CUP」を開催。2012年9月時点で第3回大会まで開催されている。
2012年
9月 - 東京ゲームショウ にて、「Asia e-sports Cup」と「Cyber Games Asia」が開催。
「Asia e-Sports Cup」では『カウンターストライク1.6 』と『スタークラフト2 』を競技タイトルとして開催。『カウンターストライク1.6』では、日本、インド、シンガポール 、マレーシア の各国の予選を勝ち抜いた代表チームが決勝戦を行い、日本のプロチーム「myRevenge」が優勝した。『スタークラフト2』では、日本、インド、ベトナム、タイ、マレーシア、シンガポール、インドネシア、フィリピン、ニュージーランド、台湾 、オーストラリアの各国の予選を勝ち抜いた代表選手が決勝戦を行い、台湾のプロゲーマーGamaniaSenが優勝した。
「Cyber Games Asia」では『サドンアタック 』、『ぷよぷよ 』、『FIFA 12』を競技タイトルとして開催。『サドンアタック』では日韓エキシビジョンマッチ2012として日韓戦を行った。対戦結果は日本が1勝したのに対し、韓国が7勝を収めた。
12月 - レッドブル がRed Bull 5Gを開催している。競技タイトルは『バトルフィールド3 』、『グランツーリスモ5 』、『FIFA 12』、『ストリートファイター X 鉄拳 』、『ぷよぷよ』。
2013年2月 - CyACが「CyAC PRO」を開催。第1回目は競技タイトルとしてPS3版『コール オブ デューティ ブラックオプス2 』を採用したオフライン大会を開催した。
2014年2月 - 株式会社SANKOが日本初の『League of Legends』国内トップチームによるリーグ「League of Legends Japan League (LJL)」を開始。9月に行われた決勝戦は、東京ゲームショウ2014・ロジクール ブースにて開催された。賞金総額は100万円。
2015年
1月 - LJL 2015が開幕。賞金総額が200万円に増加したほか、3月末まで行われるSeason 1優勝者には「International Wild Card Invitational (IWCI)」の日本代表チームとして出場する権利が与えられる。
6月 - 第1回e-sports甲子園-League of Legends-が開催された。
8月 - 第2回e-sports甲子園-League of Legends-が開催。
2018年から、全国高校eスポーツ選手権 が開催される。
2019年
2022年6月よりBEMANI PRO LEAGUE 開催。
主なプロチーム
日本のeスポーツチーム を参照。
4dN.PSYMIN
2005年、『カウンターストライク 』のチームとして結成。2005年のCPL夏季大会ではベスト12に入るなど健闘したが、2006年には諸事情により解散している。
myRevenge e.V.
2006年、『カウンターストライク』のチームとして結成。元々は、日本のチーム「UNiTED」として活動を行っていたが、2012年8月にドイツのチームmyRevenge e.V.に所属する形となり、所属後に開催されたAsia e-Sports Cupにて優勝したが、その後は解散している。
DeToNator
2009年9月に『Alliance of Valiant Arms 』のチームとして設立。2012年にはPCパーツメーカー株式会社ELSA Japanとスポンサー契約を結んだ。大会成績は2010年から2013年の間に行われた大会に好成績を残している。2015年にマルチゲーミング化。
SunSister
2010年12月に『Alliance of Valiant Arms 』のチームとして設立。2018年2月に合同会社SST-GAMESとして法人化。
SCARZ
2012年2月に『バトルフィールド3』のチームとして結成、2015年6月にプロ化して以降、多くの部門数やスポンサー獲得に成功し、DetonatioN GamingやDeToNatorと並び日本最大級のマルチゲーミングチームである。
DetonatioN Focus Me(DFM)
2012年7月に『カウンターストライク』のチームとして結成され、2013年4月には『スタークラフト2』や『League of Legends』、7月には『World of Tanks 』、2014年4月には『バトルフィールド4 』、『大乱闘スマッシュブラザーズ 』などの部門を設立し、日本最大級のマルチゲーミングチームとして著名である。旧DetonatioN Gaming。
Rascal Jester
2013年3月に『League of Legends』のチームとして結成。
野良連合
2016年、『レインボーシックス シージ 』のチームとして結成された。コンシューマのプロチームであることが最大の特徴。同年JCG主催の大会で優勝し、日本代表チームになると同年8月19日開幕のE-SPORTS FESTIVAL 2016 香港大会で優勝した。さらに、2019年Sixinvitationalではベスト4という快挙を成し遂げた。
Rush Gaming
2017年11月、『Call of Duty』を中心として設立されたプロゲーミングチーム。株式会社Wekidsによって運営が行われている。
ZETA DIVISION
2018年1月、『PUBG 』のチームとして設立。旧称は「JUPITER」。2021年7月に「ZETA DIVISION」へ名称変更。株式会社GANYMEDEが運営。
Crazy Raccoon
2018年4月、『Fortnite 』を中心として結成されたプロゲーミングチーム。株式会社Samurai工房が運営。
CYCLOPS athlete gaming
2018年6月に設立した大阪を活動拠点とするプロゲーミングチーム。旧称は「CYCLOPS OSAKA」、eスポーツコネクト株式会社が運営。
esports team αD
2018年9月、『荒野行動 』を中心として設立されたチーム。株式会社アルファディによって運営が行われている。
FENNEL
2019年1月、『荒野行動 』のチームとして発足。株式会社Fennnelによって運営が行われている。
その他
上記以外にもPENTAGRAM をはじめとするLeague of Legends Japan League (LJL) に出場しているプロチームなどが存在している。
主なeスポーツ団体
日本eスポーツ協会 (JESU)
日本国内の統括団体は日本eスポーツ協会、e-sports促進機構、日本eスポーツ連盟に分かれていたため日本オリンピック委員会 の認可団体になれないといった問題があった。2018年2月には3団体が統合された日本eスポーツ連合 (JeSU) が発足したことで解消された。JeSUでは賞金付きの大会やプロライセンスの創設を目指すとしている。2025年8月1日付けで日本eスポーツ連合から日本eスポーツ協会へ改称。
日本eスポーツリーグ協会 (JeSA)
eスポーツの「プロ野球」Zリーグを開催。
日本esports促進協会 (JEF)
一般財団。中立の立場で、選手第一のため会員にゲームメーカー関係者がいない。副会長は海外での大会運営やeスポーツ事業を手掛ける企業のCEO。
一般社団法人日本野球機構 (NPB)
日本のプロ野球を統括。2018年、eスポーツに参入。「eBASEBALL パワプロ・プロリーグ」「NPB eスポーツシリーズ スプラトゥーン2」を開催。
ウェルプレイド・ライゼスト株式会社
eスポーツ黎明期の2015年創業時以来、eスポーツに関するあらゆるジャンルのイベントや大会の企画・運営、映像制作・配信、プロモーション、キャスティング、施設運営、コンサルティングに加え、eスポーツを活用した地方創生や新規事業創出などを行っている。「We are the GAMING LIFESTYLE Company.」をビジョンに、ゲームが当たり前にある人々の生活様式に寄り添ったソリューション、サービス、プロダクトを提供し続けることで、ゲーム・eスポーツ業界のさらなる発展に寄与することを目指している。
吉本興業株式会社
芸能プロダクション。2018年、eスポーツに参入し、YOSHIMOTO Gamingを立ち上げ。プロチーム運営だけでなくイベントや大会など開催。
株式会社CyberZ
サイバーエージェント の子会社。プレイ動画共有サービス「OPENREC」や大規模eスポーツ大会「RAGE」を運営。
株式会社Cygames
サイバーエージェントの子会社。モバイルゲーム や家庭用ゲームソフトを開発。本格スマホカードバトル『Shadowverse』で優勝賞金1億円超の「Shadowverse World Grand Prix」を開催。
ガンホー・オンライン・エンターテイメント株式会社
モバイルゲーム や家庭用ゲームソフトを開発。リアルタイムカードバトル『TEPPEN 』で世界大会を開催。2019年度賞金総額は5000万円。2020年は毎月100万円のゲーム内月間大会を開催。
特定非営利活動法人国際教育eスポーツ連盟ネットワーク日本本部(NASEF JAPAN)
北米地域を主体として活動する北米教育eスポーツ連盟(NASEF)の東・東南アジアにおける活動を統括する団体として2017年に設立。2022年から特定非営利活動法人として東京都から認証を受けている。eスポーツを活用して学生にSTEAM教育やキャリア教育を届けることを活動趣旨とする。NASEFの国際的なパートナーは26か国に存在し、日本国内では高等学校を中心として500校・キャンパス以上の加盟校を有している。2024年より特定非営利活動法人国際教育eスポーツ連盟ネットワーク日本本部に名称を変更した。
一般社団法人全国高等学校eスポーツ連盟 (JHSEF)
「全国高校eスポーツ選手権 」を共催した毎日新聞社とサードウェーブが設立。北米教育eスポーツ連盟(NASEF)と活動連携に向けて基本合意。
NTTe-Sports
NTT東日本・西日本・NTTアド ・NTTアーバンソリューションズ ・スカパーJSAT ・タイトー の6社で共同出資を行ない、eスポーツ分野における新会社「NTTe-Sports」を設立。eスポーツ関連設備の構築・運用、人材教育サポートや動画コンテンツなどの配信サービスの運用、イベントソリューションなどの提供、自治体らと連携した地域活性化事業。アーケード版eスポーツ大会「闘神祭2020 -World Championship of ARCADE-」を共催。
全日本青少年eスポーツ協会/Gameic
(旧:日本学生esports協会/Gameic)国内のeスポーツ協会としては最大規模を誇り、毎年継続的にプロ選手を輩出し、プレイヤー・大会運営者・チームオーナーを一番に考えた取り組みを行っている。 その活動は高く評価されており、2022年度には、東北経済産業局からもSDGsX eスポーツの取り組みで受賞している。2021年度からは、東大阪市と事業連携協定を結び引きこもり対策に乗り出している。
e-Sports Queen League(eQリーグ)
女性芸能人やタレントによるeスポーツ女子リーグプロジェクト。以下のチームがこのリーグへの参加を示している。
問題点
オリンピック活動でのeスポーツ問題
2018年、eスポーツのイベントを見学した国際オリンピック委員会 会長のトーマス・バッハ が「eスポーツはオリンピックの価値観に矛盾しており現状では受け入れることはできない」とした。
差別的用語・暴言の横行
eスポーツが興隆する以前からゲーマーの間では未熟なプレイヤー、下位のプレイヤーを障害者 や同性愛 者になぞらえてバカにするスラング が横行していた。また、キャラクターやアイテムをの強さを人権 になぞらえて階級付けを行う行為も横行しており特にそれを持っていないプレイヤーや弱いキャラ・アイテムに対して軽々しく「人権がない」と呼ぶことで見下す風潮もある。さらにゲームがネットワーク対戦に対応するにつれ、上記の用語とからめてメッセージや通話機能で敵味方問わず一緒にプレーした相手に「お前このゲームやめろ」や前述の差別的スラングとからめて「お前〇〇だろ?」といった暴言を送る行為も頻発するようになった。
しかし、もともと内輪の文化という状態でこのような風潮を改善する流れがないままeスポーツとして一般化した結果無名の一般人に限らず、いわゆるプロ選手もこのような発言(暴言)を行うことが表面化しやすくなり炎上しチームを巻き込んだ謝罪や退団になることが頻発している。
フリーライターの円為格人は「今では子どもが憧れる職業となったeスポーツのプロゲーマー。そんな子どもたちの模範となる姿を見せられるよう、ゲームの腕を磨く前に、学ばなければいけないことがあるのではないだろうか」と指摘している。
短い選手生命と引退後の生活
eスポーツのゲームは素早い反射神経などが要求されるため一般に選手生命が短いとされる。また、上述の様な差別的スラングの多用や暴言の多さ、炎上時の不適切な対応など、選手は引退後の活動で必要な社会的スキル に乏しいとの見方がある[ 信頼性要検証 ] 。ただし、既存のスポーツでも選手生命の短い競技がある上引退後の問題もeスポーツ選手固有の問題ではない。
投資利益のなさによるスポンサー離れ
2017年から2020年はeスポーツがゴールドラッシュ時代であったためスポンサーが増えた。しかし2020年代前半にはeスポーツのスポンサーシップ事業が苦境となっており、その理由が期待した投資利益が得られないためだという。大手PCメーカーは「ビッグチームと結ぶ通常のスポンサーシップ契約の99%は、投資効果がまったくないといっていい。メリットは純粋に露出効果だ」と話す。
日本のeスポーツの問題点
日本国内でのeスポーツは、競技、職業として認められていない面が強い。eスポーツの歴史が浅く、育成システムや引退後のセカンドキャリアなどが確立していない点に加え、ゲーム依存症 の悪化が懸念されることから立場が不安定となっている。eスポーツを専業にするには、競技で実力をアピールし、知名度を上げてスポンサーの獲得やチームに所属するなど、自分をプロデュースする必要がある。また、新型コロナウイルス感染症の世界的流行 を境にゲーム配信 で収益を得る動画配信者 が増えたことで、ストリーマーに転向するプロゲーマーも存在する。しかし、アルバイト などで生計を立てながら活動する者も少なくない。
世界規模で活況となっている競技タイトルとしては『リーグ・オブ・レジェンド 』や『カウンターストライク 』シリーズといったパーソナルコンピュータ 専用のゲーム作品(パソコンゲーム )となっているが、日本ではパソコンゲームよりもコンシューマーゲーム (家庭用ゲーム)が主流となっており、パソコンゲームの市場の小ささに相関してユーザー数も少ないとされ、コンピュータゲームに関する文化の違いによるものとも考えられている
日本国内のeスポーツ市場は徐々に拡大しており、2019年の市場規模は前年比127パーセントの61.2億円という調査結果が出ている。
eスポーツへの関心の低さ
ゲームコンテンツが豊富な日本ではあるものの、パーソナルコンピュータと比べて家庭用ゲーム機が普及していることから、PCゲームの発展が遅れ、eスポーツも遅れをとった。また、FPS やRTS の人気が低い。
2018年7月、マイボイスコムがeスポーツに関するアンケート調査結果を発表した。eスポーツを具体的に知っている、名前は聞いたことがあると回答したのは全体の43.9%となった。一方でeスポーツへの興味について興味がない、あまり興味がないと回答した合計は81.3%だった。
2020年2月、エアトリがeスポーツに関するアンケート調査結果を発表。eスポーツの知名度は全世代で8割超という結果だったが、81.4%の大多数がeスポーツに興味はないと回答した。
競技タイトルのガラパゴス化
世界で人気のeスポーツタイトルの代表格にはPCゲームの『リーグ・オブ・レジェンド』『Dota 2 』等のマルチプレイオンラインバトルアリーナ(MOBA)やバトルロイヤルゲームを含めたFPS作品が花形ジャンルで人気が高いが、世界での人気に反してこれらのジャンルは日本ではほとんど人気がなく、プレイヤー人口も少ない。特に『Dota 2』は賞金総額30億円を超える大規模な大会が開催されてるが、日本では知名度が低い。
日本国内では、MOBILE GAME EXPERIENCE 2019の『パズドラ 』ブースなど、他国とは異なるジャンルで人気が出ている。また、人気タイトルのゲームを主とした世界大会が日本国内で開催されるなど、国際的な競技シーンの日本上陸によりグローバル化が進んでいる。
国内法の問題
この節は特に記述がない限り、日本国内の法令について解説しています。また最新の法令改正を反映していない場合があります。
ご自身が現実に遭遇した事件については法律関連の専門家にご相談ください。 免責事項 もお読みください。
刑法賭博罪
参加者から、高額な賞金を出すために、参加費を集める事は刑法 185条に規定する賭博罪 に相当するため、できないとされている。無料参加とし、大会主催者が賞品を提供する場合であれば問題はない。また、参加費をとる場合でも、参加費の用途が大会の賞金以外に使用されるとはっきりしている場合は問題ない。
国際カジノ研究所所長である木曽崇によると、賭博には次の3要素がある。「偶然の勝敗」「財産上の利益」「得喪(得失)を争うこと」である。木曽は「偶然の勝敗」に関しては、偶然が関与しない将棋や囲碁ですら「偶然の勝敗」とみなされることから、ゲームに関しても不可避であるとしている。「財産上の利益」に関しては、ゲーム内のレアアイテムが交換機能を持っていたり、現金で売買できるものである場合、リスクがある(賭博とみなされる)可能性があると指摘している。「得喪を争うこと」とは、一方のプレイヤーが得をしたら、もう一方が損をするような相互性があることで、相互性が重視される。囲碁や将棋の賞金制大会は、参加費無料で第三者から賞金が出されるが、参加者は得をしても損はしないため、相互性は存在しない。参加費を徴収して運営費に充てる場合は、参加できる対価として参加費を払うため、プレイヤーは損をしたことにならず、相互性は存在しない。参加費を徴収して参加費のなかから賞金を出す場合は、「得喪を争う」とみなされる。
対戦者同士が金品を賭けた場合も囲碁や将棋の真剣師 と同じく賭博罪に相当する。
景品表示法
不当景品類及び不当表示防止法 (景品表示法)では景品類の最高額を制限し、過大な景品類の提供を防いでいる。景品類とは、消費者を誘引する手段として、取引に付随して提供される、物品や賞金などの利益のことである。景品類を提供する方法で、くじ等の偶然性や特定行為の優劣等で提供するものを「懸賞」とよび、これには競技、遊戯等の優劣で提供した場合も含まれる。
メーカーが販売したゲームで、賞金付き大会を開催した場合、このメーカーは自社ゲームの大会で賞金を出したことで消費者を誘引した、とみなされやすい。しかし、このメーカーと(利益的に)無関係の第三者が賞金を出す場合は、景品表示法に抵触しない。
賞金を大会で使われるゲームのメーカー自身が提供すると景品表示法に抵触することは2016年夏に木曽が消費者庁に確認している。しかし、消費者庁が定めている、『景品類等の指定の告示の運用基準について』では、「取引の相手方に提供する経済上の利益であっても、仕事の報酬等と認められる金品の提供は、景品類の提供に当たらない」とされている。ただ、メーカーが賞金を支払う場合、大会のただの参加者に対して、大会に参加した報酬としただけでは、景品類の金銭とみなされる可能性があった。JeSUは、ゲーム大会に参加する参加者が、プロライセンスを獲得し、プロゲーマーの仕事として報酬を獲得できるようにするため、プロライセンス制度を導入した。
2018年3月にデジタルライターの岡安が消費者庁 表示対策課の担当者に確認した際には、『興行性のあるeスポーツ大会の賞金は「景品類」に該当しないと考えられる』という趣旨の回答を得ている。
風俗営業法
e-Sports大会はゲームセンター と同様に風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律 (風営法)が適用されると木曽と山本一郎は見ている。ゲームセンターは風俗第五号営業 に相当する。木曽によると「風営法上、ゲームセンターの無許可営業は刑事罰」になると警告しており、許可を得る必要が出てくる模様。
風営法は営利目的の事業者が対象のため、参加費をとらなければ風営法に抵触しない。
文化的背景
「日本語におけるスポーツ」とは陸上競技、格闘技や球技など「体力や筋力を鍛え、人力を主要とした競技のみ」を指し、その中でもさらに「肉体および精神の鍛錬」の要素も含まれている面も大きい。つまりeスポーツが隆興する前であっても前述の条件に該当しない。例えば、自動車などが主要になるモータースポーツ や体を動かさない将棋 や囲碁 、麻雀 などのテーブル上の競技をマインドスポーツ と「スポーツ」という語が含まれる呼称は存在するものの、これらは日本では一般的に「スポーツ」には含まない。
よって、日本語でも「eスポーツ」という語自体は定着したものの、文化的にも「デジタルゲーム=eスポーツは、スポーツではない」という認識は非常に強く、競技性・戦術性を持っていたとしても「単なる娯楽・遊び」とみなされている。つまりデジタルゲームは暇つぶしや付き合い程度の扱いで、デジタルゲームの腕を磨くことは日本において標準的にやることとされる仕事や勉強、そして日本語における「スポーツ」の敵のような扱いもされている。
「ゲーム脳 」論や香川県ネット・ゲーム依存症対策条例 などゲーム有害論は多く、日本は文化的にもeスポーツが発展しづらい土壌となっている。またeスポーツに中国企業が大規模投資していることから、かつてのテトリス 有害論同様に冷戦構造に巻き込まれることもある。
高額報酬をめぐる論争
日本においては法律上の問題(景品表示法、風俗営業法、賭博罪)で賞金制の大会の開催が制限されており、この問題について以下のような提言がある。
日本国内での賞金付き大会に関しては、国際カジノ研究所の所長である木曽崇が法令適用事前確認手続 を利用して消費者庁 に確認したところ、賞金や賞品が高額の場合は不当景品類及び不当表示防止法 に抵触すると指摘を受けており、主催者やゲームデベロッパーなどと利害関係にない第三者がスポンサーとなる、プレイが基本無料で課金要素が結果に影響しないタイトル、などの条件を満たさなければ摘発の可能性がある。
2018年2月19日に梅原大吾が主催した座談会「ゲームと金」や2月21日にAbemaプライムでeスポーツ企画の特集に出演した浜村弘一 (日本eスポーツ連合副会長)や高橋名人 はプロライセンスの必要性を説いたが木曽から刑法賭博罪 であると指摘されている。同イベントで浜村は「プロライセンス制度は消費者庁と何度も議論を重ねた結果」と主張した。しかし、ファミ通2018年3月8日号にてeスポーツの特集記事にてファミ通編集部が景表法の問題について消費者庁へ質問を投げ、同庁表示対策課長の大元慎二も「優れた技術によって観客を魅了する仕事をし、その報酬として賞金を得る場合、その賞金はプロ・アマを問わず、景表法で言う"景品類"には該当しない」と回答し、浜村の発言と食い違いが起きている。
脚注
注釈
↑ 世界のプレーヤー数について正確に把握している統計は今のところ無いので、かなり大雑把に推算する程度のことしか行われていない。日本eスポーツエージェンシー代表の筧は、esportsのプレイヤーは他のジャンルを重複してプレイする人が少ないから、ということを述べて(それを推計の根拠とし)、下のゲームタイトルの購入者・プレーヤーの数字を合計するという推算手法をとり「5500万人以上」と推計した(つまり、主張してもおそらく大丈夫そうな数字、たぶん嘘にはならないだろう数字として5500万人を挙げた)。また下に挙げた以外の部門(ジャンル)のタイトルのプレーヤーもいるから(だから「5500万人以上」と言っても嘘にはならないはず)、と説明した。
特に売れているゲームタイトルとその購入者数やプレーヤー数
FPS部門 コールオブデューティー 1400万
RTS部門 リーグ・オブ・レジェンド 3200万人
2D格闘技部門 ストリートファイター 300万本
3D格闘技部門 鉄拳 100万本
サッカー FIFA13 500万本
出典
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↑ “日本eスポーツ連合(JeSU)、高額賞金問題に関するまとめ その2 ”. 木曽崇 (2018年2月22日). 2018年9月25日閲覧。
外部リンク
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