もともとSHARP BASIC(シャープ・ベーシック)と呼ばれ、後にS-BASIC(エスベーシック)と呼ばれることになったものは、シャープの8ビットマイクロコンピュータ、MZシリーズに標準添付されていたBASICである。
S-BASICなる名称が正式に登場したのはMZ-700からで、MZ-700にはS-BASIC以外にHu-BASICが同梱されていたためである。それ以前は「SHARP BASIC」という名称だった。
本項目では便宜上S-BASICと呼ぶ。
MZシリーズにはコンパクトカセットテープで標準添付されており、本体搭載のデータレコーダでロードし使用するものである。
グラフィックス描画、サウンドなど、本体に搭載されている機能をほぼ全て使うことができる。
実行速度は速く、変数は逐次処理され、フリーエリアも多く取れる傾向にあった。
予約語はPET 2001のBASICのものが参考にされたとされる。
S-BASICの各バージョンには製品番号がついていた。主要なものを太字で表示し、一時期しか流通しなかったものなどマイナーなバージョンは細字で表示する。
SP-5030では次のとおり。
単精度浮動小数点演算など、基本的な命令セットの標準添付のBASIC以外に、倍精度、カラー表示対応、漢字表示対応などの機能そのものを拡張したBASICや、QD、ミニフロッピーディスクに対応した、DISK-BASIC等もシャープから別途供給された。
MZ-80B/MZ-2000シリーズに搭載されていたフルロジックコントロールデータレコーダの制御命令を装備していたため、プログラム上から必要なデータの頭出しを行うことが出来、ユーザーからは「TOS(Tape Operating System)」とも呼ばれた。
なお、X1でHu-BASICが標準BASICとして採用された後、MZ-2500シリーズではシャープの文法に則ったBASIC(BASIC S25)のほかに、N88-BASICライクな文法のBASIC(BASIC M25)が付属していた。これはハドソン製ではなかった。純正以外にもバイナリパッチを当て、機能を拡張した亜種のBASICも販売されていた。
2010年代にはS-BASICのカセットテープを入手することは困難な状態になっていた。2017年にハル研究所がMZ-80Cをミニチュアサイズで復刻した「PasocomMini MZ-80C」では、オリジナルのS-BASICが使えなかったため、S-BASICとほぼ同等の動作をする「KM-BASIC for MZ-80K/MZ-700」というソフトウェアを使うことを想定した。これはGPLライセンスでオープンソースのものである。