UNITEC-1

UNITEC-1 / しんえん
所属 UNISEC
公式ページ UNITEC-1
国際標識番号 2010-020F
カタログ番号 36578
状態 通信途絶
目的 技術試験
計画の期間 6-7ヶ月(最低)
打上げ機 H-IIA17号機
打上げ日時 2010年5月21日
6時58分22秒(日本時間)
通信途絶日 2010年5月22日
1時01分50秒(日本時間)
物理的特長
最大寸法 38.5×38.5×49.9 cm
質量 21.7 kg
発生電力 25 W(太陽電池)
姿勢制御方式 制御なし
軌道要素
軌道 金星ホーマン軌道
搭載機器
ミッションカメラ 画像撮影
放射線カウンタ 放射線計測
UOBC×6 大学開発オンボードコンピュータ
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H-IIA17号機によるUNITEC-1の打ち上げ

UNITEC-1(UNISEC Technology Experiment Carrier 1)は、日本の大学宇宙工学コンソーシアム(UNISEC)による宇宙機。愛称は「しんえん」。金星へのフライバイを計画し、地球の重力圏を離脱する世界初の民間宇宙機である。

2010年5月21日に種子島宇宙センターから打ち上げられ、同日に電波を受信して以降通信途絶し、11月末に距離5,500万kmの受信限界に達した。

計画

2008年JAXAが金星探査機「あかつき(当初はPLANET-Cと呼ばれていた)」の相乗り衛星を募集した。これによって民間宇宙機が金星行きを選択することが可能になったが、距離的な問題で超小型衛星では通信を行うことすら困難になってしまい、観測などの本格的な科学ミッションはまず不可能であった。さらに打ち上げが2010年に予定されており、開発期間も非常に限られていた。こうした制約の中、機体内部で各大学が開発したオンボードコンピュータ(UOBC)をコンペ形式で耐宇宙環境性能試験を行う計画が立てられた。

複数の大学・高専がこの計画に参加を表明し、予選会として耐真空、耐熱、耐振動試験が2009年夏に行われた。その結果、電気通信大学、東京理科大学、北海道工業大学、高知工科大学、東北大学、慶應義塾大学の6台が選ばれた。これらがUNITEC-1(しんえん)に搭載され、6台のうち1台ずつ定期的に起動し、企業が開発した信頼性の高いメイン・オンボードコンピュータ(MOBC)から送られてくるコマンドの解釈が出来ているか、また決められたパターンで正確にデータの送受信ができているか、をMOBCによって試験されその結果が地上に送られる。

MOBCからUOBCへ渡されるデータには搭載カメラおよび放射線の計測データが含まれる。各UOBCによる生き残り競争を利用して、カメラの映像から本機の姿勢を計算したり、科学観測を行うこともミッションの一部とされる。

サクセスレベル

UNISEC所属の各大学・高専が共同で衛星を開発し、試験結果の受信・解読に最低1回でも成功すること。
予測される3mアンテナでの通信可能期間、試験結果の受信・解読を行うこと。
フルサクセスからさらに2ヶ月を超えて、試験結果あるいは観測データの受信・解読を行うこと。

設計

UNITEC-1は約35cm角のキューブ型で機体の表面に太陽電池パネルが貼り付けられ、約25Wの電力を発生する。姿勢制御システムは搭載されておらず、全方向性アンテナを搭載。UNITEC-1は姿勢制御システムも展開システムも持たないので、電波が非常に弱い。そのため打ち上げ前からアマチュア無線コミュニティにも電波の受信・デコードの協力を求めている。

通信

参加学校

UNITEC-1の開発は22の大学・高専によって行われた。太字は主担当校。

運用史

JAXAが8月2日に開催した第3回相乗り小型副衛星ワークショップによれば、最後に通信が成功した位置は地球から約27万kmの地点だったという。そのためヴァン・アレン帯の突破は成功したとされるが、信号が得られたのは衛星分離45分後の1回目のパスのみだった。またテレメトリの内容が本来の設計に外れたものだったことが分かっており、予想よりも低温に晒されたことで電力系に不具合が生じたと予想されている。ミニマムサクセスを目指してそのとき得られた断片的なデータの解析が続けられているが、解読は難航している。

脚注

注釈

  1. ↑ 公式Webなどでは深宇宙衛星と書かれているが、惑星を周回しないので人工衛星ではない。
  2. ↑ 愛称は打ち上げ直前の5月17日に決定され、打ち上げ後に発表された。
  3. ↑ これは狭義の地球重力圏(約26万km)を超えている。

出典

  1. 1 2 3 4 『日本の宇宙開発 果てしなき空間への果てしなき夢』GAKKEN、2009年。ISBN 978-4-05-605617-4。
  2. ↑ “【H2A】宇宙ヨット「イカロス」も予定軌道に”. MSN産経ニュース. 2010年5月23日閲覧。
  3. 1 2 3 4 倉原, 直美; 中須賀, 真一 (2011). “B2 Unitec-1の運用結果報告と超小型衛星センターの活動紹介(超小型衛星(1))”. スペース・エンジニアリング・コンファレンス講演論文集 2010.19: _B2–1_. doi:10.1299/jsmesec.2010.19._B2-1_.
  4. 1 2 3 4 5 “Unitec-1について”. 2010年5月23日閲覧。
  5. ↑ 髙玉研究室 (2010年5月21日). “大学・高専共同開発の深宇宙衛星UNITEC-1に載って、髙玉研のオンボードコンピュータが金星に向かう” (PDF). 2010年5月23日閲覧。
  6. 1 2 3 4 5 “The 8th UNISEC Workshop (2009) UNITEC-1発表資料” (PDF) (2009年11月28日). 2010年5月24日閲覧。
  7. ↑ UNITEC-1 開発チーム 大学宇宙工学コンソーシアム(UNISEC) (2009年5月29日). “世界初の深宇宙に向かう大学衛星UNITEC-1の追尾および信号受信のご協力のお願い” (PDF). 2010年5月23日閲覧。
  8. ↑ “Develop&Competiton UOBCの開発”. 電気通信大学高玉研究室. 2010年5月27日閲覧。
  9. ↑ “UNITEC-1 Signal has been received!” (英語) (2010年5月21日). 2010年5月29日閲覧。
  10. ↑ “人工衛星3個が音信不通…電波の受信できず”. ANNニュース. 2010年5月27日. 2010年5月29日閲覧.
  11. ↑ “Latest status (26 May 2010, 3:00 (UTC))” (英語). UNITEC-1 Operation Center (2010年5月26日). 2010年5月27日閲覧。
  12. ↑ “【レポート】 JAXA、「第3回 相乗り小型副衛星ワークショップ」を開催”. マイコミジャーナル (2010年8月2日). 2010年8月25日閲覧。

関連項目

外部リンク