| 『Istanbul mambo』 | ||||
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| ムーンライダーズ の スタジオ・アルバム | ||||
| リリース | ||||
| 録音 |
1977年6月~8月 クラウン大スタジオ・小スタジオ | |||
| ジャンル | ロック | |||
| レーベル |
PANAM / CROWN GW-4034 | |||
| プロデュース | ムーンライダーズ | |||
| ムーンライダーズ アルバム 年表 | ||||
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| 『Istanbul mambo』収録のシングル | ||||
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『Istanbul mambo』(イスタンブール・マンボ)は、日本のロックバンド・ムーンライダーズの2枚目のオリジナル・アルバム。1977年10月25日にクラウン・レコード(PANAMレーベル、GW-4034)より発売された。
前作『MOONRIDERS』(1976年)に続く2枚目のスタジオ・アルバムであり、ギタリストの白井良明が正式加入して6人編成の強固なラインナップが揃ってから制作された実質的な初作品にあたる。
本作最大のサウンド的特徴である中近東風の無国籍サウンドやオリエンタルなコンセプトは、昭和を代表する歌手・江利チエミとの幻のセッション体験が直接の大きな契機となって生み出された。
当時、ムーンライダーズの前身バンドであるはちみつぱいがキングレコード傘下のベルウッド・レコードに所属していた縁から、同じくキングレコードに所属していた江利チエミの新録音およびバック演奏のオファーがバンドに持ちかけられた。セッションにおいてバンドは、江利が1950年代にヒットさせたトルコ民謡「ウスクダラ」などのバック演奏を録音したものの、諸事情により企画自体がボツとなり、音源はお蔵入りとなったが、この際お蔵入りとなった江利チエミとムーンライダーズによるセッション音源は、後年に蔵出し音源としてCD化・配信リリースがなされており、現在は音源として実際に聴くことが可能である。
中心人物の鈴木慶一は後に「俺たちの『ウスクダラ』は結局ボツになっちゃったけど、勿体ないぞと。それで2枚目の『イスタンブール・マンボ』になるわけです」と回想している。セッションのために構築したオリエンタルな編曲や異国趣味の着想をそのままバンド自身のアルバムへスライドさせて結実させた。
アルバムタイトルも、江利チエミが1955年にカバーして大ヒットさせたラテン・ナンバー「イスタンブール・マンボ」(原曲:*Istanbul (Not Constantinople)*)へのオマージュとなっている。
LPの帯には「6人の ナイス・タフ・ガイが 今宵誘う」というキャッチコピーが記載されていた。
英米のウエストコースト・ロックやポップスからの影響が色濃かったデビュー当時のアプローチから脱却し、欧米から見た誤解を含んだオリエンタリズムや無国籍音楽への傾倒を見せ始めた重要作である。鈴木慶一は英米音楽をモチーフにし尽くした後に、海外視点から見た東アジアや日本特有の景色を描こうとしたと語っており、湿り気を排した「乾いた無国籍性」を提示した。
サウンド面では、ロックのダイナミズムをベースに中近東・アラビアンテイスト、マンボ、ポリリズム、歌謡曲的な情緒を融合。この無国籍ポップスの実験は、細野晴臣によるエキゾティカ路線やイエロー・マジック・オーケストラ(YMO)、そして1980年代以降のテクノ歌謡へとつながる日本ポピュラー音楽史上の先駆的アプローチとなった。
江利チエミとの幻のセッションというアクシデントを起点としながらも、単なるパロディや歌謡曲のバックバンド経験にとどまらず、ロックバンドとしてのアイデンティティとアヴァンギャルドな感性を融合させた作品として高く評価されている。
1970年代後半の日本のロックシーンにおいて、湿度の高い和風歌謡とも従来の英米直輸入ロックとも異なる「乾いたエキゾチシズム」を確立した本作は、後に『カメラ=万年筆』や『マニア・マニエラ』へと連なるムーンライダーズ独自のオルタナティヴな音楽性の原点と位置づけられている。