|
| |
|
VMware本社 | |
| 種類 | 有限責任会社(ブロードコムのグループ会社) |
|---|---|
| 市場情報 | NYSE: VMW(2007年 - 2023年、上場廃止) |
| 本社所在地 |
カリフォルニア州パロアルト (Palo Alto, California) |
| 設立 | 1998年 |
| 業種 | 情報・通信業 |
| 事業内容 | 製品やサービスの開発、製造、販売、ならびに保守業務 |
| 売上高 | 133.5億ドル(2023年2月期) |
| 営業利益 | 20.2億ドル(2023年2月期) |
| 純利益 | 13.1億ドル(2023年2月期) |
| 純資産 | 15.3億ドル(2023年2月期) |
| 総資産 | 312.4億ドル(2023年2月期) |
| 従業員数 | 約38,300(2023年2月) |
| 決算期 | 2月(独立企業当時) |
| 主要株主 | ブロードコム 100% |
| 外部リンク |
www |
| 特記事項:旧社名は VMware, Inc.(1998年 - 2023年)。財務数値は独立企業として最後の通期となる2023会計年度(2023年2月3日締め)のもので、ブロードコムによる買収後はVMware単独の業績は開示されていない。 | |
|
| |
| 種類 | 株式会社 |
|---|---|
| 本社所在地 |
〒108-0023 東京都港区芝浦3丁目1-1 田町ステーションタワーN 18階 北緯35度38分45秒 東経139度44分59秒 / 北緯35.64583度 東経139.74972度 |
| 設立 | 2003年5月12日 |
| 業種 | 情報・通信業 |
| 法人番号 | 2010401071174 |
| 事業内容 | 日本における VMware 製品の販売支援、設計支援、運用保守支援、サポートサービス、教育サービス、等 |
| 代表者 | 代表取締役 水野大地 |
| 資本金 | 1億円 |
| 純利益 |
|
| 総資産 |
|
| 従業員数 | 非公開 |
| 外部リンク |
jp |
| 特記事項:ブロードコムによる買収以前の商号は同一(登記上の商号は少なくとも2018年時点で「VMware株式会社」)。カタカナ表記の「ヴイエムウェア株式会社」も対外的に併用されている。 | |
VMware LLC(ヴイエムウェア)は、アメリカカリフォルニア州パロアルトに本拠を置く仮想化・クラウドコンピューティング関連のソフトウェア企業。ブロードコムのグループ会社である。
1998年に VMware, Inc. として設立され、x86 アーキテクチャのサーバーで仮想化を実用化した企業である。1台の物理サーバー上で複数のオペレーティングシステムを同時に動かす技術を無改変の OS 向けに実現し、企業のシステム基盤で使える製品として世に出した。この技術は、それまで1台のサーバーに1つの用途を割り当てていた企業の情報システムのあり方を変え、データセンターの集約と運用の自動化を可能にした。仮想環境を構築する際のデファクトスタンダードとして広く用いられ、調査会社ガートナーによれば2024年時点でサーバー仮想化市場の売上シェアの96 %超を占めている。
2004年にEMC Corporationの傘下となり、2007年8月にニューヨーク証券取引所へ上場、2021年11月にデル・テクノロジーズから分離して独立企業となった。2023年11月22日、ブロードコムによる買収が完了して同社のグループ会社となり、株式は上場廃止、法人形態もデラウェア州の有限責任会社へ組織変更されて社名は VMware LLC となった。製品は「VMware by Broadcom」のブランドで提供され、日本法人の VMware株式会社も存続している。
1999年、x86 向けの仮想化ソフトウェアを製品化した。以降 x86 が標準的なサーバー技術となるとともに利用が広がり、業務用の情報システムではサーバー・クライアント・ネットワーク・クラウドを仮想化することが一般的となった。情報システムの基盤を担う製品が中心であるため画面には表れず、利用者が直接目にする機会は少ない。
主要な製品は、サーバー仮想化の vSphere、ストレージ仮想化の vSAN、ネットワーク仮想化の NSX、およびこれらを統合したプライベートクラウド基盤の VMware Cloud Foundation (VCF) である。デスクトップ向けには Workstation(Windows/Linux)と Fusion(macOS)がある。
同社の製品群の特徴は、計算機・ストレージ・ネットワークのそれぞれの仮想化を単一の基盤として統合し、共通の管理画面と操作体系で扱える点にある。物理的な構成に手を加えずソフトウェアの設定のみでシステムを構成・変更できるため、構築期間の短縮と運用の自動化が可能となる。この考え方は「ソフトウェア定義データセンター」と呼ばれ、企業のシステム基盤の設計思想として広く受け入れられた。
オンプレミスのプライベートクラウドに加えてパブリッククラウドへの対応も進み、VMware Cloud on AWS、Azure VMware Solution のように、パブリッククラウド上で VMware 製品群をサービスとして利用する形態も提供されている。移行元と移行先の双方を同一の VMware 環境で構成できるため、既存のアプリケーションを改修せずにクラウドへ移行できる点が利点として説明されてきた。日本でも富士通の「FJcloud-V」やインターネットイニシアティブの「IIJ GIO インフラストラクチャー P2 Gen.2」のように、国内のクラウド事業者がサービス基盤として採用している。
米国法人の名称は、設立時から2023年までは「VMware, Inc.」、ブロードコムによる買収完了に伴う組織変更後は「VMware LLC」である。日本法人の登記上の商号は「VMware株式会社」で、官報に掲載された決算公告では少なくとも2018年時点でこの商号が用いられている。カタカナ表記の「ヴイエムウェア株式会社」も対外的に併用されており、国税庁法人番号公表サイトに登録されたフリガナも「ヴイエムウェア」である。
社名の表記は、先頭の VM が大文字、続く ware が小文字である。「VMWare」や「Vmware」といった表記は誤りである。ただし会社ロゴは全て小文字で表記される。
技術的な源流は、スタンフォード大学でメンデル・ローゼンブラム(Mendel Rosenblum)らが進めていたオペレーティングシステムの研究にある。この研究で開発された仮想機械モニタ「Disco」は、大規模なマルチプロセッサに既存の OS を大幅に改造せずに載せることを狙い、ハードウェアと OS の間にソフトウェア層を挿入する方式を採った。1970年代の仮想機械モニタの考え方を再評価するもので、論文は1997年10月の第16回オペレーティングシステム原理シンポジウム(SOSP)で発表された。
VMware, Inc. は1998年1月に創業された。創業者は5名で、ダイアン・グリーン(Diane Greene)が社長兼最高経営責任者、ローゼンブラムがチーフサイエンティストを務め、エドゥアール・ビュニョン(Edouard Bugnion)、スコット・ディヴァイン(Scott Devine)、エドワード・ワン(Edward Wang)が技術スタッフとして参加した。ビュニョンとディヴァインは Disco の研究チームの主要メンバーであった。
1999年2月8日、カリフォルニア州インディアンウェルズで開かれた会議 Demo 99 で技術を公表した。同社はこれを「Virtual Platform」と呼び、薄いソフトウェア層によって「1台のマシンに1つのオペレーティングシステム」という制約から利用者を解放するものと説明した。最初の製品 VMware for Linux は同年5月15日から販売され、学生・趣味利用者・家庭利用者を対象とする99ドルの非商用版も用意された。Windows NT/Windows 2000 版も同年9月7日に発売されている。2か月の公開ベータには25,000人以上、Linux 版のベータには130か国の100,000人以上が参加した。
2000年5月、デルを主導者とする2,000万ドルの資金調達を完了した。当時の登録利用者は385,000人以上、導入企業は100か国以上の5,000社に達していた。同年12月にはサーバー向けの GSX Server と ESX Server を発表してサーバー市場へ進出し、メリルリンチなどが初期の導入企業となった。
2003年11月には集中管理ソフトウェア VirtualCenter を提供し、あわせて稼働中の仮想機械を停止させずに別の物理サーバーへ移す VMotion 技術を投入した。無停止で仮想機械を移せるこの機能は、計画停止を伴わないハードウェア保守や負荷分散を可能にし、仮想化の価値を決定づける機能となった。
初期の仮想化がもたらした利点は、物理サーバーの集約による設置スペースと消費電力の削減、および構築の迅速化であった。従来は用途ごとに物理サーバーを調達・設置する必要があったが、仮想化により既存のハードウェア上でソフトウェア操作のみで新たなサーバーを用意できるようになった。仮想機械はファイルとして扱えるため複製や退避も容易で、システムの試験環境の構築や災害対策の実装も簡素化された。
EMC Corporation は2003年12月に VMware の買収で合意し、2004年1月9日に完了した。金額は約6億2,500万ドルであった。買収後も VMware は独立したソフトウェア企業としてパロアルトに本拠を置き、グリーンが引き続き経営を担った。
2007年8月、新規株式公開を実施した。公開価格は1株29.00ドル、手取金は10億3,520万ドルで、8月14日に「VMW」の銘柄コードで取引を開始し、初日の終値は52.11ドルと公開価格を大きく上回った。公開に際しては事業上の提携先による株式取得も行われ、インテルの投資部門 Intel Capital が1株23.00ドルで950万株を取得している。
歴代の最高経営責任者は、グリーン(1998年 - 2008年)、ポール・マリッツ(2008年 - 2012年)、パット・ゲルシンガー(2012年 - 2021年)、ラグー・ラグラム(2021年 - 2023年)である。
VMware は仮想化以外の領域へ事業を広げる過程で、製品群の多くを企業買収によって獲得してきた。主な買収には、Spring Framework の開発元 SpringSource(2009年、4億2,000万ドル)、ネットワーク仮想化技術の Nicira(2012年、12億6,000万ドル)、Kubernetes 関連の Heptio(2019年、4億2,000万ドル)、アプリケーション開発基盤の Pivotal Software(2019年、取得対価29億ドル)がある。
これらの買収は製品戦略と結びついていた。Nicira の技術は、物理的な配線を変更せずソフトウェアでネットワークを構成できる NSX の基礎となり、サーバー仮想化で実現した柔軟性をネットワーク領域へ広げた。Pivotal と Heptio の技術は Kubernetes 基盤 VMware Tanzu の中核となり、コンテナを用いる新しい開発手法を既存の仮想化基盤の上で扱えるようにした。こうした拡張によって、同社の製品はサーバー仮想化の単体製品から、企業のシステム基盤全体を対象とする製品群へと発展した。
2016年9月、デルが EMC Corporation の買収を完了し、VMware は新たに誕生したデル・テクノロジーズの傘下となった。2018年12月にはデルが VMware の経済的成果に連動する追跡株式を解消する「Class V 取引」を完了している。
2021年11月1日、VMware はデル・テクノロジーズから分離して独立企業となった。分離の条件として、VMware は完了直前に115億ドルの特別配当を全株主に支払っている。同社は独立の効果として、複数のクラウドをまたぐ戦略を実行する自由度の拡大、資本構成とガバナンスの単純化、運営・財務面の柔軟性の向上を挙げた。
通期売上高は、2013年12月期の52.07億ドルから、独立企業として最後の通期となる2023会計年度(2023年2月3日締め)の133.50億ドルへと約2.6倍に拡大した。
| 決算期 | 売上高(億ドル) |
|---|---|
| 2013年12月期 | 52.07 |
| 2015年12月期 | 65.71 |
| 2018会計年度 | 79.22 |
| 2020会計年度 | 108.11 |
| 2022会計年度 | 128.51 |
| 2023会計年度 | 133.50 |
x86 アーキテクチャは、特権命令を捕捉してエミュレートする古典的な手法だけでは仮想化できなかった。特権レベルがコードセグメントセレクタの下位2ビットに格納されているため OS が自らの特権レベルの引き下げを観測できてしまうこと、および特権命令をユーザーレベルで実行しても例外が発生しない場合があることが障害であった。
VMware はこれをバイナリ変換(binary translation)で解決した。変換器はゲストのコードを実行時に変換し、特権命令を含む x86 命令セット全体を、主にユーザーモード命令からなる安全な部分集合へ写す。変換の負荷はカーネルコードに限定され、アプリケーションコードは直接実行によってネイティブと同じ速度で動作する。この方式の意義は、ゲスト OS に改変を求めずに仮想化できる点にあった。OS の改変を前提とする準仮想化では、Windows のようにバイナリのみで配布される OS を仮想化できないためである。
その後インテルの VT (VT-x) と AMD の SVM (AMD-V) によってハードウェア支援が加わり、現在はこれが標準的な方式となっている。ハードウェア支援を用いる場合はゲストコードを変換する必要がなく、システムコールや例外の多い処理はネイティブに近い速度で動作する。
サーバー向けの ESXi は汎用 OS に依存せず、ハードウェア上で直接動作する。中核は VMkernel と呼ばれる独自の POSIX 風オペレーティングシステムで、資源スケジューリング・入出力スタック・デバイスドライバを提供し、ハードウェアを制御して仮想機械や管理エージェントをその上で動作させる。それ以前の ESX にあった Linux ベースのサービスコンソールを取り除くことでメモリ占有量を32 MB 未満に縮小し、共有ストレージのみを使う構成ではローカルディスクを必要としない。
デスクトップ向けの Workstation は、既存の OS 上に通常のアプリケーションとして導入される「ホスト型」の設計を採る。ゲストの入出力をホスト OS のシステムコールへ変換することで、個々の周辺機器向けのデバイスドライバを自前で持たずに多様な PC ハードウェアへ対応できる。
稼働中の仮想機械を別の物理サーバーへ移す vMotion は、メモリの事前複製(プリコピー)を用いる。仮想機械を動かしたままメモリ全体を移送先へ複製し、その間にゲストが変更したページを繰り返し複製する。残りが十分小さくなった時点で短時間だけ静止させ、移送先で実行を再開する。ネットワーク接続は仮想アダプタが独立した MACアドレス を持つことで維持され、ディスクは共有ストレージを介して再接続される。2005年の論文の実測では、移送に伴う停止時間は1秒未満であった。
メモリの利用効率を高める仕組みも早くから実装された。ESX は、稼働中の全仮想機械に設定されたメモリ量の合計が実際の搭載メモリを超える構成を許容する。回収の主要な手段が「バルーニング」で、ゲスト内に読み込まれた小さなモジュールがメモリを確保することでゲスト OS 自身のメモリ管理を働かせ、どのページを解放するかはゲスト OS が判断する。さらに、内容が同一のページをハッシュで特定してコピーオンライトで共有する方式も併用する。いずれもゲスト OS の改変やその内部構造の理解を必要としない。
2022年5月26日、VMware はブロードコムとの合併契約を締結した。VMware 株1株に対する対価は、株主の選択により現金142.50ドルまたはブロードコム株0.25200株とされた。発表時の買収価格は約610億ドルであった。同年11月4日の臨時株主総会で合併契約の承認議案が可決された。
本件は主要国の競争当局による審査を受けた。欧州委員会は2023年7月12日に条件付きで承認した。ファイバーチャネル・ホストバスアダプタの市場における相互運用性の確保が条件とされ、ブロードコムは競合企業や新規参入者に対し、開発・認証に必要な相互運用性 API や技術サポートへのアクセスを自社と同時期に保証し、ドライバのソースコードを取消不能なオープンソースライセンスで提供することを約束した。英国の競争・市場庁は詳細審査を経て2023年8月21日、競争の実質的減殺は見込まれないとして無条件で承認した。中国の国家市場監督管理総局も同年11月21日に条件付きで承認している。
買収は2023年11月22日に完了した。ブロードコムの年次報告書によれば、最終的な取得対価の総額は862.90億ドルで、内訳は交付したブロードコム株の公正価値533.98億ドル、現金307.88億ドルなどである。
買収完了に伴い、VMware の事業はブロードコム内の複数の事業部門へ再編された。その後、旧 VMware の事業の一部は他社へ移っている。デスクトップ仮想化の Horizon と端末管理の Workspace ONE を擁するエンドユーザーコンピューティング事業は、2024年7月1日にKKRへ35億ドルで売却され、独立企業 Omnissa として分離した。EDR の Carbon Black は2024年3月にブロードコムのシマンテック事業と統合された。SD-WAN の VeloCloud は2025年6月30日にArista Networksへ3億ドルで売却された。
製品ラインナップは VMware Cloud Foundation (VCF) を中心とする構成へ集約され、ライセンスはサブスクリプション方式へ全面的に移行した。2025年6月17日には VCF 9.0 が一般提供を開始した。デスクトップ向けの Workstation と Fusion は2024年11月11日以降、商用・教育・個人のいずれの用途でも無償で提供されている。無償版のハイパーバイザ vSphere Hypervisor も、2025年4月10日公開の ESXi 8.0 Update 3e で提供が再開された。
ライセンス体系の変更を契機に、利用企業の間では仮想化基盤を見直す動きも生じている。ガートナーは、VMware の代替となる多くの製品は機能が不完全または成熟途上であるとし、大半の組織が新たな基盤へ移行するのは2027年以降になるとの見方を示している。日本では公正取引委員会がブロードコムのライセンス取引について審査を行い、2026年7月3日、独占禁止法の規定に違反すると認定するに足る事実は認められなかったとして審査を終了した。
日本法人の VMware株式会社は2003年5月12日に設立された。国税庁法人番号公表サイトでは法人番号 2010401071174 で登録されている。米国本社の買収に対応して関係会社を段階的に吸収合併しており、2016年10月31日にヴイエムウェアヴイクラウドサービス合同会社、2019年12月31日にカーボン・ブラック・ジャパン株式会社、2020年7月1日に Pivotal ジャパン株式会社を吸収合併した。2021年4月には本店を港区浜松町から港区芝浦の田町ステーションタワーへ移転している。
歴代の代表者は、三木泰雄(2005年10月 - 2015年3月)、ジョン・T・ロバートソン(2015年3月 - 2021年1月)、山中直(2021年1月 - 2024年6月)、山内光(2024年7月 - )である。官報の決算公告(第24期・2025年10月期)では、登記上の代表者は水野大地とされている。
日本市場では国内のクラウド事業者やシステム構築企業との協業が進められている。ブロードコムは2025年10月29日、VCF によるプライベートクラウドの導入推進に向けて日本電気(NEC)との戦略的パートナーシップを強化する計画を発表した。NEC は自社の情報システムに VCF を導入し、そこで得た知見を基にマネージドサービスとして販売するとしている。
技術者向けの認定資格制度が設けられている。ブロードコムによる買収後は VMware Cloud Foundation (VCF) を対象とする体系へ再編され、VCP (VMware Certified Professional) と VCAP (VMware Certified Advanced Professional) の2段階、および最上位の VCDX (VMware Certified Distinguished Expert) で構成される。資格の有効期限は、現行の VCF 認定については発行日から3年間と定められている。試験は主に英語で提供され、一部の試験のみ日本語で受験できる。
|
|
|