携帯電話事業
ドコモのFOMA 端末第1号・N2001 NEC 製 2001年
日本国内携帯電話契約数は約8749万と、国内携帯電話市場における市場占有率 は約41%で、ともに1位(2023年3月末現在)。
現在はW-CDMA方式・HSPA方式の第3世代・第3.5世代携帯電話「FOMA」と、2010年12月24日に国内移動通信事業者各社に先駆けて開始したLTE方式の第3.9世代携帯電話「Xi」、2015年3月27日に開始したLTE-Advanced方式の第4世代携帯電話「PREMIUM 4G」、2020年3月25日に開始した第5世代携帯電話「docomo 5G」をサービスしている。
1千万契約ごとの到達年月
1997年2月:1000万契約
1998年8月:2000万契約
2000年4月:3000万契約
2002年1月:4000万契約
2005年11月:5000万契約
2012年3月:6000万契約
2016年2月:7000万契約
2020年3月:8000万契約
メール・iモードサービス
1997年12月開始の10円メール サービス(2008年2月終了)や1999年2月開始のiモード サービスが爆発的ヒットとなり、市場占有率を高めた。
iモード普及期の1999年から2001年にかけて、当初のiモードメールアドレス は「携帯電話番号@docomo.ne.jp」であった。悪意を持ったコンテンツ事業者は「携帯電話番号@docomo.ne.jp」というメールアドレスをコンピュータ で自動生成し、自社の勝手サイト を宣伝する「迷惑メール 」をiモード宛に大量送信した。受信者にメール受信料金の金銭負担がかかる迷惑メールは社会的に大きな問題になった。このため、2001年7月よりiモードに向けて大量に一斉送信されたメールをiモードセンターが探知し、削除して受信させないことである程度の抑制が出来るようになったほか、契約直後のアドレスはランダムな英数字から始まる仕様に変更され、iモード上の「メール設定」でアドレス(メールアカウント)の他、迷惑メール対策の設定変更ができるようになっている。
同じ頃、J-フォン(現・ソフトバンク )はメール受信無料を強くPRしており、また「受信メールにもパケット料金を課金する」というNTTドコモと同様の仕組みを導入していたau (KDDI ・沖縄セルラー電話 連合)が2001年1月に「コミコミパック」という無料通信分を含んだ割引プランを導入した。一方、NTTドコモは2001年8月からiモード利用者に対して、迷惑メール対策の一環として毎月400パケットまでは無料とした。また、電波帯域に余裕のあるW-CDMA (FOMA) においては、1パケットの単価を若干下げると共にコミコミパックと同様の「パケットパック 」を導入した。2005年11月、新統一料金プラン導入時に同プラン利用者のiモード基本料金 を値下げし、毎月の「400パケット無料」を廃止した。また、2008年6月にはiモード基本料金を他社と横並びの月額315円に改定した。
movaからFOMAへの移行
2001年10月に世界初のW-CDMA方式の第3世代携帯電話サービスとして開始された「FOMA」は、2004年に最新機能を盛り込んだ900iシリーズの発売を機にドコモの主力サービスとして位置づけられた。その後、「mova」から「FOMA」への加入者移行を図ったことで、2004年4月から2008年6月末まで第3世代携帯電話での純増数は50か月連続1位となり、2006年7月にはFOMAの契約数はmova契約数を上回った。2008年11月にmovaサービス・2009年3月にデュアルネットワークサービス の新規契約を終了し、2012年3月31日を以てPDC方式によるmova携帯電話サービスを終了した。
FOMAの高速化とLTEの導入
FOMAのデータ通信速度は2001年10月の導入当初、送受信とも64 Kbps の回線交換と、受信最大384 Kbps送信最大64 Kbpsの無線パケット通信 でサービスが開始された。2003年9月に、カード型端末 F2402 が発売され、送受信とも最大384 Kbpsでの通信が利用可能となった。音声端末においては、その後も、送信は最大64 Kbpsであった。2006年8月に、FOMAハイスピード の名称で W-CDMA の上位規格であるHSDPA が導入され、受信最大3.6 Mbps上り送信384 Kbpsの通信速度が利用可能となった。2008年4月に、FOMAハイスピードの受信速度が最大7.2 Mbpsに向上され、2009年6月には、HSPA規格の導入により送信も最大5.7 Mbpsに向上された。2011年6月からは、FOMAハイスピード受信速度が14 Mbps (理論値: 14.4 Mbps) に引き上げられた。
積極的なFOMAエリアおよびFOMAハイスピードエリアの拡大によって通信エリアによる顧客満足度 が向上し、2009年3月にはデータ通信における顧客満足度で1位になり、2009年7月の携帯電話純増数でも第1位になり2009年度全体でも純増数が4年ぶりに1位となっている。また2010年にはJDパワー顧客満足度調査 で初めて業界1位を獲得した。
現在、世界中の通信事業者が導入し始めている3.9G の規格であるLong Term Evolution (LTE)についても、ドコモは「Xi(クロッシィ)」という新たなサービスブランドで、2010年12月24日よりサービスを開始し、東京・大阪・名古屋から政令都市・全国へと基地局を増やしている。「Xi」の導入によって導入当時一部の屋内エリアで最大75 Mbps、その他のエリアで最大37.5 Mbpsの通信速度が利用可能となった。一部地域において2012年冬より受信最大速度最大112.5 Mbpsにまで、2013年夏より受信最大速度最大150 Mbpsにまで向上した。
スマートフォンとiPhoneへの参入遅れ
「HT-03A 」日本初のAndroid搭載携帯電話(HTC Magic ベース)
2006年10月に開始した「番号ポータビリティ (MNP)」では当初苦戦し、2006年11月度の契約数が自社初の純減となった。その後も、auに比べ純増数が少ない状態が続いた。さらにはソフトバンクにも純増数で劣り、MNP開始後2社に大きく遅れをとった。また、2008年1月度はイー・モバイル にも純増数で劣った。ドコモは2007年5月より「DoCoMo2.0 」という旗印で顧客獲得を狙ったが、2007年8月度に、創業以来2度目の純減 (-22900)となった。
この純減状況に、更なる追い打ちをかけたのが、フィーチャーフォン に変わるスマートフォン (スマホ)の台頭と、2007年にWWDC で発表された「iPhone 」(Apple )の登場である。とりわけiPhoneは、画面上を指の操作によるマルチタッチ機能が、斬新で直感的な操作体系に加えて、パソコン とほぼ同等の機能を持つ「フルブラウザ機能」と「電子メール 機能」を搭載したことで、iPhoneの市場規模が拡大した。ドコモもiPhoneの販売契約に向けて、Appleと協議を続けていたが、Appleが要求する条件を受け入れることが出来なかったことから、破談となり、ソフトバンクが国内独占販売権を獲得した。
翌年の2008年に発表されたiPhone 3G に、ソフトバンクが参入したことで、日本国内においてもスマートフォンが普及するきっかけとなった。
スマホの台頭でドコモも対応に追われ、2008年7月から新しいドコモブランドに変更することとなった。2008年11月には「90X・70X」といった数字による携帯電話の付番方式を改め、型番を整理し、「docomo PRIME series 」「docomo STYLE series 」「docomo SMART series 」「docomo PRO series 」といった4つのシリーズに分類するようになり、2008年度からは1100シリーズ、docomo PRO seriesで「Windows Mobile 」「BlackBerry 」「Android 」といったスマートフォンを立て続けに発売した。
2010年夏からはスマホを PRO series カテゴリから独立させ「ドコモ スマートフォン 」とし、2010年9月にはスマホでもiモードのメールアドレスなどが利用できる「spモード 」がサービス開始になった。
2011年冬季モデルの端末からは、従来型携帯電話の上位シリーズを「docomo STYLE series」に統合してスマホを主力に位置付けた上で、ワンセグやおサイフケータイといった従来型携帯電話に搭載されていた機能を付け加えた「docomo with series 」と、旧来の「ドコモ スマートフォン」の流れを引き継ぐ先進的なユーザー向けのスマートフォンという位置づけとなる「docomo NEXT series 」の2つのシリーズに分類した。2011年冬モデル以降は「Xi」対応の音声通信端末が発売された。
しかし、これまで通信規格「CDMA 」の問題で、iPhoneに参入出来なかったauが、iPhone 4s の発売と同時に参入したことで、iPhone 3GS 以降の機種で、FOMAの通信規格に対応していたにもかかわらず、ドコモだけがiPhoneを取り扱わない状態に陥っていた。これは、ソフトバンクのiPhone参入時からドコモのiPhone参入時までの間に、ドコモでは2度の社長交代が行われており、経営方針の変更を余儀なくされていたのに加えて、2010年のパケットビデオ社の買収や2012年のNOTTV の放送開始、当時のドコモの傲慢な態度も、ユーザーの不評を買う要因となっていた。
その影響を受けて、2008年夏以降は番号ポータビリティ 転出数や解約 率の低下が顕著になり、同年12月にはMNP制度開始以来初の転入超過となっている。2012年1月には初めて「FOMA」契約が純減となり、iPhone参入までの間は、苦戦が続いた。
このような過去の失敗と反省を踏まえて、ドコモは経営戦略の見直しを図り、新たに「2トップ戦略」を打ち出し、ソニー とサムスン電子 のスマホに、販売奨励金をより多く投入すると共に(結果的には失敗に終わるが)、2013夏季モデルの端末からは、「docomo with series」と「docomo NEXT series」の2つのシリーズによる分類も無くなった。
2013年秋には、ソフトバンク、auに続いて、日本国内でのiPhone参入 (iPhone 5s / 5c ) をようやく果たした。
近年の課題・新サービス
他社に比べ料金プランや端末価格が高額というイメージがあることなどが挙げられる。FOMAでのパケ・ホーダイ (iモード通信を対象としたパケット定額制料金プラン)・パケ・ホーダイフル(iモード通信・フルブラウザを対象としたパケット定額制料金プラン)(パケ・ホーダイダブルのサービス開始に伴い、2008年12月31日をもって新規申込受付を終了)の導入や利用可能エリアの拡大、サービスや端末のバリエーションの強化、家族間通話24時間無料などファミリー割引 の強化、料金プランのFOMAとmovaの統一、ファミ割MAX50 とひとりでも割引50 の導入による料金が高額というイメージの払拭、新料金体系(バリューコース ・ベーシックコース )導入に伴う端末の割賦販売 の開始、さらなる高速パケット通信規格であるHSDPAの導入、MOAP といったソフトウェアにおける共通プラットフォーム開発などの対抗策を打っている。
2004年には「iモードFeliCa 」を開始した。愛称は「おサイフケータイ 」で、これを基にした「モバイルSuica 」のサービスも行われている。「おサイフケータイ」は他社にもライセンス が供与されている。
2006年8月31日、HSDPA と呼ばれる高速パケット通信規格を使用したサービス「FOMAハイスピード」を開始した。HSDPAは3.5G の高速データ通信の受信規格(ダウンロード)に相当する。これを利用した、「着うたフル 」の配信や深夜に音楽番組を自動でダウンロードする「Music&Videoチャネル 」も行っている。また、同じ第3.5世代移動通信システムの高速データ通信の送信規格(アップロード)であるHSUPA 方式の「FOMAハイスピード」も採用され、FOMAのデータ通信サービス「FOMAハイスピード」は送受信とも高速化を実現した。更に、4G に相当するXi、5G への新方式の研究・開発を積極的に行っている。
2008年度からは、今までドコモが作ったビジネスモデルであるiモードシステムでは開拓しきれなかった分野にも取り組んでいる。
2010年9月より、スマホ用ISPサービス「spモード 」をサービス開始、ワンセグ 、おサイフケータイ搭載のスマホの発売、更に大日本印刷 との提携でスマホ向け電子書籍配信サイト「2Dfacto 」を立ち上げるなどして販売拡大に取り組んでいる。
2011年9月からは、タブレット端末を新たなカテゴリ「ドコモ タブレット 」で展開している。また同年4月1日以降に販売する端末は、総務大臣 が示すガイドラインに基づき、iPhoneを除いた全ての携帯端末で、SIMロック 解除可能(SIMフリー )とした。
更に2014年夏には、「Xi」による高音質通話サービス「VoLTE 」(Voice over LTE) が開始された。
2015年2月から、「口座振替のご案内の封書」は有料化され、郵送料は50円(消費税 抜き)、請求書 払いは100円(消費税抜き)の取扱手数料が掛かるようになった(eビリングは継続)。同年、タカラトミー と共同で、コミュニケーショントイ・オムニボット「OHaNAs」を開発した。「しゃべってコンシェル」の技術を応用し、円滑な会話が可能となっている。
2019年秋、ラグビーワールドカップ2019 に合わせ、5Gのプレサービスを開始し、2020年3月25日に5Gサービスを正式に開始した。
2020年9月には、今後の6G 携帯電話への研究開発に向けてのNTTグループとしての国際競争力を高めるなどの狙いから、NTT によるドコモの完全子会社化が発表された。
またNTTドコモは、KDDIやソフトバンクのようにサブブランドを持っていなかったため、大手携帯電話会社への月額料金の値下げを迫った菅義偉内閣 の要望を受け、2020年12月に、デジタルネイティブ 世代をターゲットにした、ドコモの既存プランとは完全分離された新プラン「ahamo 」を2021年3月に導入することを発表している。
2022年にはNTTコミュニケーションズ(NTTコム、現・NTTドコモビジネス )を傘下に収めた関係で、NTTコムが提供する格安スマホ「OCNモバイルONE 」をNTTドコモショップで販売している。
2023年7月1日より、ギガホとギガライトを統合した「eximo」と、ライトユーザー向けの「irumo」のプランを開始した。それにともない、「ギガホ」「ギガライト」「OCNモバイルONE」の新規受付は終了している。
他事業者への回線貸出(MVNO事業)
NTTドコモのXi/FOMA回線網をMVNO 事業者へ貸し出すMNO事業を行っている。
衛星電話(ワイドスター)
ワイドスターデュオ
小夜戸衛星通信所
揚枝方衛星通信所
ワイドスターは赤道 上空36000 kmにある2機の静止軌道衛星 (N-STAR) を使った公衆通話サービスである。2010年5月末時点で、38100契約である。利用可能エリアは日本の領土 ・領海 ・経済水域 のうち、正午 ごろに太陽 を見渡せる場所を全てカバーする。主に山小屋 、船舶 といった携帯電話や固定電話 の届きにくい場所で利用されている。2004年3月まで、航空機 内においてもサービスが提供されていた。
衛星軌道が遠いため、0.2秒程度音声に遅延が発生する。また通信に高出力が必要であるため、電話機は最小の可搬型で1.7 kgである。主に可搬型・車両型・船舶型の3形態である。車両型・船舶型は常に静止衛星にアンテナが向くよう、自動追尾アンテナを備える。可搬型にはそれ自体に指向性 の強いアンテナが内蔵されており、アンテナを南方向に向けることにより、通信が可能となる。
屋内で利用するため外部アンテナと接続することもできる。割り当て番号は日本の携帯電話番号と同じで、衛星電話 に着信する際の料金体系も、地上系携帯電話の料金と同じであるため、世界的な比較でも格安な衛星通信である。地上インフラ への依存度は低く、災害時も輻輳 が起こりにくく、下記の2箇所に分散された「衛星アップリンク局」が同時に被災しない限り、通信に支障が生じることは無く、移動予備局への移行も容易である。
その実力は、未曽有の被害となった東日本大震災 で、地上の携帯電話基地局が地震や津波や長時間停電などで、次々と麻痺・機能不全になった時でも、安定した通話・通信が実証されたため、災害対策機関だけでなく、官公庁 や企業でも災害対策用として導入している。
2010年4月からはワイドスターIIという、データ通信速度の高速化及びパケット料金の低廉化を図った新サービスを開始している。
インターネットサービスプロバイダ及び公衆無線LAN事業
NTTドコモでは、インターネットサービスプロバイダ (ISP)事業を展開している。
ドコモ光 は、NTT東日本・西日本及び提携ケーブルテレビ 局の光回線の卸売 を利用してFMC を行うものである。各ISPと提携しているが、ドコモnetの選択も可能である。
mopera (モペラ)はNTTドコモの携帯電話(mova、初期のFOMA)やDoPa、衛星電話といった全ての通信でインターネット接続ができるもので、利用料は基本的に無料である。FOMAに特化しデータ圧縮やセキュリティー対策のとれるmopera U(モペラユー)ではiモードが使えないドコモのスマートフォンでのプッシュ型電子メール や定額データプラン での接続などができるほか、オプションで公衆無線LAN やフレッツ光やフレッツADSLを安価に利用することができる。
かつてはドコモ・エーオーエル やドリームネット といったISPも運営していたが、他社への売却やOCNへの統合などでmoperaとドコモnetだけである。
公衆無線LAN docomo Wi-Fi・FLET'S SPOT ・ホットスポット の共用エリア表示
その他にd Wi-Fi という公衆無線LANサービスを提供している。これはドコモ契約者向けにdocomo Wi-Fi (ドコモ ワイファイ)として有料で提供していたサービスをdポイントクラブ 会員向けに無料で提供するよう拡張したものである。法人名義のドコモ回線を所有しているドコモビジネスメンバーズ会員向けに、同じく無料でドコモビジネスWi-Fiが提供されている。
docomo Wi-Fiは、かつてはMzone(エムゾーン)の名前でサービスを展開していたが、2012年3月1日より名称変更された。回線契約者向けに前述のmopera Uの公衆無線LANのオプションサービスやスマートフォン向けのspモードの公衆無線LANオプションサービスとしてdocomo Wi-Fiの公衆無線LANサービスを提供していたが、NTTドコモの回線契約がなくても、docomo Wi-Fiのサービスを単体で契約して利用することができた(利用料はmopera Uやspモードの公衆無線LANのオプションよりは割高)。
d Wi-Fi(かつてのdocomo Wi-Fiも含む)およびドコモビジネスWi-Fiの提供エリアは日本の有料で提供される公衆無線LANのなかでは最大で、コンビニエンスストア、飲食店 、駅 、空港 、複合ビル、ホテル 、パーキングエリア などで利用することができる。
PHS事業
NTTドコモPHS、633S 642S
1998年にNTTパーソナル よりPHS事業の譲渡を受け、事業展開を行っていた。NTTドコモの携帯電話事業との競合を極力避けるため、音声通話よりもデータ通信 や位置情報端末、パッセージ といわれるPHSを使った構内内線や家庭内内線などといった分野に力を入れていった。
2000年ごろはパーム (Palm/SONY) やザウルス (Zaurus/SHARP )、Windows CE 端末といった携帯情報端末 (PDA) が全盛期ということもあり、それにあわせたコンパクトフラッシュ タイプのデータ通信端末を中心に契約数を伸ばし、ピーク時には200万以上の契約数で市場占有率2位であった。
2001年前半にFOMA等に先駆けてマルチメディアサービスM-Stage (音楽配信 ・動画配信)も行われていた。しかし事業自体は赤字が続き、生き残りの施策として2003年に@FreeD という定額データ通信 サービス(回線交換によるドーマント方式)を開始。一時期収益を持ち直したが、競合するDDIポケットがAir H" サービス(パケット交換方式)の先行に追いつけず、端末と料金設定が充実した2005年頃にはFOMAサービスの低廉化とデータ通信や構内内線 (PASSAGE DUPLE ) 事業が社内競合し始めた事や、設備の老朽化によりエリア拡充や新規サービス追加が困難なことから、事業継続のメリットが少なくなってきた。PHS事業を手がける3大グループの中のアステル グループが2002年より一部地域会社で撤退が始まり(2006年12月にアステルとしてのサービスは全て終了)、ドコモPHSの動向が注目されていた。
2005年4月30日を以て新規加入を停止、2008年1月7日24時をもって全てのサービスを終了した。ドコモPHSの利用者はFOMAへの移行優遇措置やウィルコムへの斡旋等を行い、NTTグループ全体としてみても、通信分野部門単位で初めて他事業者に市場を明け渡したことになる。
2008年1月7日以降は、ウィルコムグループ→ワイモバイル のみがPHSの全国サービスを展開し存続する事業者になったが、これも2023年3月末日をもって全サービスが終了した。
ポケットベル(クイックキャスト)
ドコモセンティーネクスト
日本で唯一ポケットベルサービスを全国の都道府県で提供する事業者であった。NTTドコモの営業開始当初は、携帯電話よりポケットベル加入者の方が多かった時期もあった。1968年7月1日に、東京23区 で旧電電公社が始め、1978年 に280MHz帯のFSK変調 200b/sのNTT方式のサービスが開始された。当初は呼び出し音のみのものであったが、バイブレーションタイプ、カードタイプと進化していった。1985年の通信自由化 によりテレメッセージ グループが参入し、ポケットベル価格が安価になり、1990年代は端末が「ネクスト」シリーズとしてラインナップされ、数字 ・カタカナ ・漢字 の表記もできるように高機能になっていった。
1996年以降は、携帯電話・PHSの低価格化とポケベル同様の「ショートメール 」機能を備えた機種の登場により、プライベート用途で利用していたユーザの流出が起き始める。
1997年からパソコン から電子メール 網(SMTP )を経由してメッセージを送信するアプリケーション 、占い ・天気予報 ・ニュース などのプッシュ型情報配信サービス(タクシー や自動販売機 の電光掲示板 配信にも応用)や、“帰宅や連絡を促す”定型文(シンプルネクスト)のみに対応した子供向け端末「キッズベル」の発売、1999年には発信者課金で基本料不要の「ゼロニード」(02DO/020発信電話)のサービスも開始され、テレビCMもiモード登場後の02DOサービスインまで行われていた(「キッズベル」を除き、東京テレメッセージ でも同等のサービスが近年まで提供されていた)。
2001年4月にポケットベルからクイックキャストへサービス名称を変更した。“確実に届く”ページャーの特性を前面に出し、新端末「スクーパー 」シリーズも発売されたが、携帯電話の加入者増加が続き、利用者が大幅に減少したため、2004年6月30日に新規申込受付を終了、2007年3月31日限りで事業を終了した。
NTTドコモが2007年に撤退した後は、テレメッセージグループだった沖縄テレメッセージ と東京テレメッセージ (2代目:2008年10月1日にYOZAN から会社分割)がポケットベル事業を継続していたが、沖縄テレメッセージは2017年4月に、東京テレメッセージは2019年9月に事業終了した。