Memorial address
背景と制作
浜崎は、2002年の初め頃から映像作品に強い興味を持つようになり、さまざまな映像監督の作品を積極的に視聴するようになったという。そうした中で、同年初頭にリリースしたマキシシングル「&」では、新たな監督たちと「Greatful days」「ourselves」「HANABI ~episode II~」の3作品を制作。これらの作品を見たプロデューサー・松浦勝人 から「CD+DVDのミニアルバムをリリースしよう」という提案があったことがきっかけとなり、本作のCD+DVD版が実現した。浜崎は、DVDの内容について「今年、映像の持つ魅力や可能性を感じた自分を反映した形」として、2003年に撮影した7本のプロモーションビデオとライブ『A museum 〜30th single collection live〜 』のダイジェスト映像を収録することを決めたと語っている。結局、タイトル曲「Memorial address」を除く全7曲にプロモーションビデオが制作されており、その映像コンテンツから「ビジュアル・アルバム」と呼べる作品となっている。浜崎はこの点について、「耳だけで得る情報と目と耳の両方で得るモノは違うだろう」とコメントし、映像を通じて自身の感情や動きを丁寧に感じ取ってほしいという強い思いを語っている。
本作の収録内容は、2003年にリリースされたシングル5曲に、新たに書き下ろされた3曲を加えた全8曲構成となっている。浜崎によると、ミニアルバムという形態でのリリースは自身にとって初めての試みであったため、最初は曲数を何曲にするかから検討を始めたという。最終的に8曲に決定したが、既発のシングル5曲に新曲3曲を加えることで、シングルに込められた思いがより明確に伝わるようになったと語っている。
新曲として、「ANGEL'S SONG」「Because of You」、そして生バンドでレコーディングされた「Memorial address」の3曲が収録されている。特にタイトル曲でありボーナストラックでもある「Memorial address」は、ミニアルバム全体の核となる楽曲として位置づけられている。浜崎は、この曲をアルバムのタイトルに選んだ理由について、「ミニアルバムを1年の集約と考えた時、私のベースになっていたものがこの『Memorial address』にあったから」と説明している。
ジャケット
ジャケットのテーマは「内に秘めた強さ」と「内に秘めた思い」である。浜崎はこのテーマを表現するため、ジャケットおよびブックレットに収録された写真では、笑っているでもなく泣いているでもない、全て無表情の自身の姿を採用した。また、全体的なカラーリングには、あえて存在を強く主張しないゴールドを使用している。中面の写真に登場する、グリーンの衣装を着た人形のような姿についても、浜崎は「人形の中に心があって、訴えかけているような」イメージだと肯定し、まさにそのような感じを意図したと語っている。
批評
専門評論家によるレビュー レビュー・スコア 出典 評価 CDジャーナル 肯定的
CDジャーナルは、「浜崎あゆみ初のミニ・アルバム。(3)(6)のように叫びにも似た悲痛なヴォーカルとHΛLのデジタルなアレンジが重なることによる刹那感は相変わらず極上。でも一番興味深いのは(8)の生演奏と絡む柔らかい歌声。これがボーナスなのは、今後の新指針の予告なのかも?」と批評した。
チャート成績
2003年12月29日付けオリコン週間アルバムランキングで、初週524,028枚を売上げて1位に初登場した。2004年1月を通してチャートトップ10圏内にとどまり、2004年2月9日付の週に7位から16位へ順位を落とした。同ランキングに計48週にわたりチャートインし、累積売上が1,062,288枚を記録している。
収録曲
DVD ※ #1 〜 #7.は、VIDEO CLIP 。 # タイトル 作詞 作曲・編曲 1. 「 ANGEL'S SONG 」 2. 「 Greatful days 」 3. 「 Because of You 」 4. 「 ourselves 」 5. 「 HANABI 〜episode II〜 」 6. 「 No way to say 」 7. 「 forgiveness 」 8. 「Special Digest from A museum 〜30th collection live〜 」(Bonus Video)
楽曲解説
ANGEL'S SONG
ポップなメロディーが特徴の楽曲。作曲者の湯汲哲也 から提供されたデモはよりロック寄りで物悲しい雰囲気のメロディーであったが、アレンジャーのHΛL がこれを大胆にアップテンポで明るいアレンジに仕上げたところ、浜崎の中で強く響き、歌詞を書くインスピレーションを受けたという。
プロモーションビデオについて、浜崎は「「Greatful days」を撮ってもらった須永秀明 にお願いした。中には、狼に変身した私がギャングとバトルをしたりするんだけど、その内容を初めて聞いた時は思い描いてたイメージとのギャップがスゴクで・正直ちょっと驚いたよ」と語っている。
本アルバムの中で唯一、他のベスト・アルバム には収録されておらず、ディスク規格も通常のCD-DA 化はされていない。
Greatful days
29thシングル『& 』収録曲。
浜崎によると、本曲の歌詞は非常にシンプルで、強く主張しすぎない自然な存在感を重視して制作された。聞きやすい楽曲を目指しつつ、内側には実は強い主張が込められているというバランスを意識して作ったという。メロディーは「これでもか!」というほど前向きでポジティブな印象を最大限に強調したが、あまりにも明るい曲調のため、レコーディング中はどんな表情で歌えばよいのか迷い、終始笑いながら歌っていたと述べている。
プロモーションビデオについて、浜崎曰く「テーマは“開放的な夏だからこそ出来る悪ノリ。「ourselves」が悪夢なら、こっちは楽しい夢って感じかな。」という。
Because of You
本曲について、浜崎は友人がある人物と出会って深く好きになったものの関係が上手くいかず落ち込んでいたというロマンチックな経験についての会話から生まれた曲であると語っている。友人に「出会わなければ良かったと思う?」と尋ねたところ、「出会えて良かったし、出会えたことが自分にとってすごく尊い」と晴れやかな表情で答えられたことが強く心に残り、そこからこの楽曲が生まれたという。
プロモーションビデオには、ツアーを回っているダンサーたちが出演しており、これは浜崎が丹下紘希 監督に自ら提案したアイデアだった。この点について、浜崎は「『A museum』をやった時、その表現力を見てスゴク感動したからね。当日、セットの中にいるダンサーたちを見て、空気を操っているというか、どういう目的で自分がそこに立っているのか?ちゃんと理解してると思った。”はじめまして同士”では決して出せない絵・空気がそこにはあったし、映像にも出てると思う」だと述べている。
ourselves
29thシングル『&』収録曲。
本曲をクールで潔い印象の楽曲であると浜崎は評し、愛や恋愛をテーマにしているように聞こえるが、実際にはそれほど明るい曲ではなく、恋愛というよりはハッピーなだけではない人生そのものを描いた楽曲だと述べている。十分に満たされた自分が存在する一方で、終わらない悲しみも同時に抱えているという複雑な心情を表現したかったと語っている。
プロモーションビデオについて、奇抜なメイクや衣装、狂気の世界に身を投じた学者、自分と同じ顔のマスクを被った不気味なアンチファンたちが登場するなど、丹下紘希監督による独特の世界観が全開となった作品に仕上がったと浜崎は述べている。
HANABI 〜episode II〜
29thシングル『&』収録曲。
本曲について、浜崎は昨年夏にリリースしたシングル『H 』に収録された「HANABI」が「もうどうしようもない」という歌詞で終わっていることに対し、「ちゃんと終わらせたい」という想いから制作した楽曲であると語っている。
プロモーションビデオは、DVDに収録された7本のPVの中で唯一のロケ作品であり、九十九里浜 にて撮影された。監督は丹修一 が務め、早朝から日没まで空模様を気にしながら分刻みのスケジュールで進行したという。PVには、曇り空、グレーに煙った海、ガラスを滑り落ちる雨、こぼれ落ちる涙、寂しく時に激しい音色を奏でるギター、そして儚く散る花火が登場し、全体が夏の終わりを告げるようなどこか寂しげな表情を帯びていると浜崎は述べている。
No way to say
31stシングル。
本曲について、浜崎曰く「説明したいんだけど、上手く説明出来ない。恋人や友達、仕事仲間いろんな場面において、しゃべればしゃべるほど壁が出来ていったり、むしろ言葉がジャマをする。私はホント話す事・説明する事が苦手だな、そう感じていた時があった」という。そんなことを人に話したところ、「みんなそうなんじゃない?」と言われた言葉がきっかけとなって、楽曲が生まれたと語っている。さらに、ライブツアー『A museum』の経験が本曲の制作に大きく影響を与えたと語り、極めて重要な楽曲であり、本曲が存在したからこそミニアルバム『Memorial address』が生まれたと浜崎は述べている。
プロモーションビデオの監督は「Real me 」を手掛けた上村右近が務めた。プロモーションビデオについて、浜崎は「中には街角に立って行き交う人にティッシュを配るサンタクロースが、私にみんなとは違う自のティッシュをくれて、再び会った時に赤いラッピングで包まれたプレゼントを手渡してくれるシーンがある。これは、今の世の中、便利になってメールとかで用件や気持ちを伝える事が多いけど、やっぱり大事な人への思いを込めたプレゼントは手渡しの方が絶対にいいと思うから、だからそういうイメージのシーンを組み込んだんだ」と述べている。
forgiveness
30thシングル。
本曲について、浜崎は詞を書く前に「大人が聞けるバラードとは何か」を考え、自分の目線を保ちつつ、年配の人から同世代、そしてもっと若い子供たちまで幅広い世代に共通するテーマを探した結果、「愛」に辿り着いたと語っている。タイトルは「祈っている感じ」「懺悔している感じ」「荘厳な感じ」というイメージから「forgiveness」と付けられた。この言葉は日本語で「許す」や「寛大」という意味を持つが、本作には「寛大」のイメージの方が近いと述べている。
プロモーションビデオについて、浜崎は「CG を多用していて、撮影中にも尾小山良監に”ここに●●があると思って…”とか言われたり、自分でイメージしながら演じなければならない部分が多くて、それがスゴク難しかった」と語っている。
Memorial address (take 2 version)
ミニアルバムのタイトル曲でありボーナス・トラックでもある本曲は、本作に収録された全8曲の中で唯一バンドセッションでレコーディングされた楽曲。
LOVER SOUND TRACK の楽曲である「蜘蛛」の歌詞の一部を浜崎がカバーしている。
レコーディングについて、浜崎は「もともとは私1人でスタジオに入ってレコーディングをしてたんだけど、レコーディングしていて、1人でするよりも、周りにバンドやコーラスのみんながいて、音を聞きながら私も歌いたいと思った。ヨッチャンのギター、エンリケさんのベース、吾さんのピアノ。支えてくれる人・音が私を穏やかにしてくれると思ったし、必要だとも思った」と語った。タイトルは英語で「弔辞」という意味であり、ライナーノーツに歌詞は記載されていない。本曲に関しては浜崎自身で詳しく解説するつもりはなく、「まず聞いてもらいたい。ちゃんと聞いてくれれば私が何を思って書いたかが分かると思う」と語った。さらに、他の7曲とは異なり歌詞を掲載しなかった理由については、「文字にしてしまうより、何も情報がない状態でまず耳で聞いて、感じて欲しかったから」と述べている。「Memorial address」というタイトルは彼女の中で特別な意味を持ち、この曲を制作している時、彼女の中では以前の楽曲「teddy bear 」と並んで「大切なモノ」だと語っている。
タイアップ
※ シングルのタイアップについては、各項目を参照。以下は全て、本人出演 によるもの。
ANGEL'S SONG
Panasonic 「D-snap 」CMソング
Because of You
Panasonic デジタルカメラ「LUMIX 」CMソング
その他の収録アルバム (シングル曲除く)
Because of You
Memorial address (take 2 version)
収録ライブ映像 (シングル曲除く)
ANGEL'S SONG
Because of You
Memorial address
参加ミュージシャン
HΛL (梅崎俊春 、清水武仁 、中野雄太 ):Programming & Guitar (#1.2.3.6)
仁科かおり :Background Vocal (#1.2.3.7)
広谷順子 :Background Vocal (#2.7.8)
CMJK :
Programming (#4.7)
Guitar (#4)
真城めぐみ 、SANAE :Background Vocal (#4)
tasuku :Programming & Guitar (#5.8)
D・A・I chorus family:Background Vocal (#5)
山崎陽子 :Background Vocal (#6)
草間信一 :Piano (#7)
梶原順 :Acoustic Guitar (#7)
弦一徹 ストリングス:Strings (#7)
朝川朋之 :Harp (#7)
木戸やすひろ :Background Vocal (#7)
小林信吾 :Piano (#8)
向山テツ :Drums (#8)
エンリケ :Bass (#8)
野村義男 :Additional Guitar (#8)
外部リンク
作品 シングル
CD
1990年代
2000年代
00年 01年 02年 03年 04年 05年 06年 07年 08年 09年
2010年代
デジタル
Ayu その他
アルバム
映像作品
ライブ映像
2000年代
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ミュージック ・ビデオ
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