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Apple Watch Ultra 3 | |
| 開発元 | Apple |
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| 製品ファミリー | Apple Watch |
| 種別 | スマートウォッチ |
| 発売日 |
Apple Watch Ultra:2022年9月23日 Apple Watch Ultra 2:2023年9月22日 Apple Watch Ultra 3:2025年9月19日 Apple Watch Ultra 4:2026年9月18日 |
| OS | watchOS |
| SoC |
Apple S8(初代) Apple S9(Ultra 2) Apple S10(Ultra 3) Apple S11(Ultra 4) |
| ストレージ |
32 GB(初代) 64 GB(Ultra 2以降) |
| ウェブサイト |
www |
Apple Watch Ultra(アップルウォッチ ウルトラ)は、Appleが開発・販売するスマートウォッチの製品系列で、Apple Watchシリーズのうち、アウトドア活動や持久系スポーツなどでの使用を重視したモデルである。初代モデルは2022年9月7日に発表され、同月23日に発売された。
通常のApple Watchより大型の49 mmチタンケース、平面のサファイアクリスタル、任意の機能を割り当てられる「アクションボタン」、デュアル周波数GPS、緊急時用のサイレンなどを初代から備える。また、水深計と水温センサーを搭載し、対応する他社製アプリを利用することで最大40 mのレクリエーショナルスクーバダイビングにも対応する。2025年発売のApple Watch Ultra 3からは衛星通信と5G通信に対応し、2026年には第4世代のApple Watch Ultra 4が発売された。
Apple Watch Ultraの発表前から、Appleがアウトドアやエクストリームスポーツ向けのApple Watchを開発していることは複数回報じられていた。2021年には、Apple社内で「Explorer Edition」と呼ばれる高耐久モデルが検討されていると『Bloomberg』が報じ、2022年7月には大型ディスプレイや大型バッテリー、高耐久の金属ケースを備えたモデルについて報道された。
『GQ』によるAppleのデザインチームへの取材によると、同社は開発にあたって探検家、ウルトラアスリート、生物学者、気候科学者、映像制作者、サイクリスト、ダイバーなどから意見を収集したという。Appleのヒューマンインターフェイスデザイン担当副社長だったアラン・ダイは、歴史的に探検や特定用途のために設計されてきた腕時計から着想を得たと説明している。
初代Ultraでは、手袋を装着していても操作しやすいよう大型化されたデジタルクラウンと突出したサイドボタンを採用し、左側には高い視認性を持つ橙色のアクションボタンが新設された。アクションボタンにはワークアウト、コンパス、ストップウォッチなどの機能を割り当てることができる。また、遭難時などに周囲へ位置を知らせるための86dBのサイレンを備える。
2024年に『British GQ』がApple Watchのデザインチームを取材した際、Apple Watch製品マーケティング担当のエリック・ジューと工業デザイナーのモリー・アンダーソンはいずれもダイバーであり、Ultraの開発初期からダイビング機能を製品の基本機能として組み込むことを推進したと説明している。
初代では用途別に「Trail Loop」「Alpine Loop」「Ocean Band」の3種類のバンドが用意された。Trail Loopは持久系スポーツ、Alpine Loopはアウトドア活動、Ocean Bandはウォータースポーツやダイビングでの使用を想定して設計された。
初代Apple Watch Ultraは2022年9月7日にApple Watch Series 8などとともに発表され、9月23日に発売された。日本での発売時価格は124,800円であった。
49 mmのチタンケースと平面サファイアクリスタルを採用し、Apple S8 SiP、最大2,000ニトの常時表示Retinaディスプレイ、32 GBのストレージを搭載した。GPSではL1帯とL5帯を同時に利用するデュアル周波数方式をApple Watchとして初めて採用し、高層建築物や樹木などによる電波反射が生じやすい環境での測位性能向上を図った。
バッテリー駆動時間は通常使用で最大36時間とされ、後に導入された低電力設定では最大60時間まで延長できるとされた。Apple Watch Ultraは初代からモバイル通信に対応するGPS + Cellularモデルのみで展開された。
耐水性能はISO 22810に基づく100 m耐水で、ダイビング機器向け規格EN13319にも対応する。ただし、100 mの深度までスクーバダイビングが可能であることを意味するものではなく、レクリエーショナルスクーバダイビングでの利用は最大40 mまでとされている。

Apple Watch Ultra 2は2023年9月12日に発表され、9月22日に発売された。日本での発売時価格は128,800円であった。
Apple S9 SiPを搭載し、ストレージ容量は64 GBとなった。ディスプレイの最大輝度は初代の2,000ニトから3,000ニトへ引き上げられた。また、親指と人差し指を2回合わせることで操作する「ダブルタップ」、Apple Watch本体上で処理されるSiri、第2世代Ultra Widebandチップによる対応iPhoneの「正確な場所を見つける」などが追加された。通常使用時の公称バッテリー駆動時間は最大36時間、低電力モードでは最大72時間とされた。
2024年9月には従来のナチュラルチタニウムに加えてブラックチタニウム仕上げが発表され、同時にチタン製ミラネーゼループも追加された。同年にはUltraシリーズとして初となるApple Watch Hermès Ultra 2も発売された。
Ultra 2は、米国でMasimoとのパルスオキシメトリー関連特許をめぐる紛争の影響を受けた。米国国際貿易委員会(ITC)は2023年10月、AppleがMasimoおよびCercacorの保有する2件の特許を侵害したとして輸入排除命令を出し、米国通商代表部は同年12月26日にこの判断を覆さなかった。
Appleはその後、米国で販売するUltra 2などについて血中酸素測定機能を無効化したモデルの販売を2024年1月に開始した。
2025年8月には一部の米国向けUltra 2などで血中酸素機能が再設計され、センサーで取得したデータをペアリングしたiPhone上で計算し、「ヘルスケア」アプリに結果を表示する方式が導入された。2026年4月、ITCは再設計されたApple Watchが対象特許を侵害しないとした行政法判事の判断について再審査を行わず、同委員会での執行手続きを終了した。
Apple Watch Ultra 3は2025年9月9日に発表され、9月19日に発売された。日本での発売時価格は129,800円からであった。
Apple S10 SiPと64 GBのストレージを搭載し、LTPO3と広視野角OLEDを採用した常時表示Retinaディスプレイへ更新された。ケースの外形は49 mmを維持しながらベゼルを狭くし、解像度422×514ピクセル、表示領域1,245 mm2となり、発表時点でApple Watchとして最大の表示領域を実現した。通常使用時のバッテリー駆動時間は最大42時間、低電力モードでは最大72時間へ延長された。
通信面ではUltraシリーズとして初めて5Gに対応したほか、Apple Watch単体で利用できる衛星通信機能が追加された。携帯電話回線やWi-Fiの圏外で、対応地域では緊急SOS、メッセージの送受信、「探す」による位置情報共有などを衛星経由で利用できる。
Ultra 3ではチタンケースの製造方法も変更され、100%再生チタン粉末を用いる金属3Dプリントによってケースを量産する方式が採用された。『The Verge』の取材によれば、チタン粉末をレーザーで溶融し、約60マイクロメートルの層を900層以上積層して形成する方式で、従来の製法と比較して使用する原材料を約半分に削減したとAppleは説明している。
Apple Watch Ultra 4は2026年9月9日に発表され、9月18日に発売された。日本での価格は142,800円から。
Apple S11 SiPと64 GBのストレージを搭載する。主な変更点として新しい「Health Sensing System」が導入され、心拍数と心拍変動(HRV)の測定頻度が増加したほか、睡眠、運動量、心拍変動など複数の指標から身体の回復状態を示す「準備度」が追加された。
バッテリー駆動時間は通常使用で最大50時間、低電力モードで最大84時間に延長された。ディスプレイはUltra 3と同じ422×514ピクセル、表示領域1,245 mm2、最大輝度3,000ニトのLTPO3広視野角OLEDを採用し、49 mmのチタンケースと衛星通信機能も継承している。
Apple Watch Ultraは、Apple Watchのスマートウォッチ機能を維持しながら、ランニング、トライアスロン、登山、サイクリングなどに向けた機能を拡張した製品として位置づけられている。
初代からL1およびL5の2周波数を利用するGPSを採用した。『Runner's World』のジェフ・デンゲートは初代Ultraを50マイル(約80 km)以上のランニングで使用し、Garmin Fenix 7X Sapphire SolarおよびCoros Vertix 2と同時に測位を行った。その結果、従来のApple Watchに比べてGPS軌跡が大きく改善し、競合する専用GPSウォッチに近い結果を示した一方、条件によって距離や軌跡に差も生じたと報告している。
『Triathlete』も初代Ultraをトライアスロン用途で検証し、自動的に水泳、自転車、ランニングの種目間移行を検出する機能などを評価した一方、発売当初はGarminやCorosなどの競合製品と比較して、長時間のGPS利用におけるバッテリー駆動時間、オフライン地図、サイクリング用パワーメーターへの接続などに制約があると指摘した。
その後、watchOSの更新によってスポーツ機能は拡張され、watchOS 10ではBluetooth対応のサイクリング用パワーメーター、速度センサー、ケイデンスセンサーとの接続、FTP(機能的作業閾値パワー)やパワーゾーン表示などが追加された。初代発売時にレビューで指摘された一部の機能不足は、後のwatchOSによって段階的に補われている。
Apple Watch Ultraには初代から水深計と水温センサーが搭載され、標準の「水深」アプリでは現在の水深、水温、潜水時間などを表示できる。100 mの耐水性能とEN13319への適合をうたう一方、レクリエーショナルスクーバダイビングでの利用は最大40 mまでとされている。
Appleはダイビング用品メーカーのHuish Outdoorsと協力し、Ultraをレクリエーショナルダイビング向けのダイブコンピュータとして利用するためのOceanic+を開発した。Oceanic+は2022年11月28日に提供開始され、無減圧潜水時間、組織内窒素負荷、浮上速度、安全停止、ダイブプランなどを表示する。減圧計算にはBühlmannアルゴリズムを使用する。
実地試験では、テクノロジーライターのHaje Jan KampsがOceanic+を従来使用していたSuunto製ダイブコンピュータと同時装着し、深度などの表示が概ね一致したと報告した。DC RainmakerもOceanic+とGarmin Descent G1を同時に使用した潜水試験を行い、無減圧限界の計算や深度表示がおおむね近い結果となったと報告している。
なお、Apple純正の「水深」アプリ自体は減圧情報を計算する本格的なダイブコンピュータではなく、ダイブコンピュータとしての機能を利用するにはOceanic+など対応する他社製アプリが必要となる。
Ultra 3ではApple Watchとして初めて本体から直接衛星へ通信する機能が導入された。携帯電話回線およびWi-Fiの圏外において、対応地域では緊急SOS、メッセージ送受信、「探す」による位置情報共有を利用できる。通信にはAppleが提携するGlobalstarとその関連会社の衛星ネットワークが使用される。
機能の提供地域は段階的に拡大された。日本ではUltra 3の発売時点で衛星経由の緊急SOSと「探す」が利用可能であり、2025年12月9日から衛星経由のメッセージ送受信にも対応した。
衛星通信は空への見通しが確保された場所での使用を前提としており、建物、地形、樹木などによって接続が妨げられる場合がある。アウトドア誌『Outside』が米国ニューメキシコ州の圏外地域でUltra 3を試験した際には、空が開けた場所で1分未満で衛星へ接続し、メッセージの送受信が行えた一方、位置情報共有には手動更新が必要であったと報告している。
初代Ultraでは、従来のApple Watchより外部からアクセス可能なネジや独立した背面センサーアセンブリが採用された。修理情報サイトiFixitは、これらを従来モデルから修理性を改善する方向への変化と評価した一方、ディスプレイの取り外しやバッテリーへのアクセスは接着剤や狭い筐体構造のため依然として難しいと指摘した。
Ultra 3からは前述のとおり、100%再生チタン粉末を使用した3Dプリントによるケース製造へ移行した。

初代Ultraについて、『The Verge』のVictoria Songは、アクションボタン、デュアル周波数GPS、大型で視認性の高いディスプレイなどを評価し、高耐久スマートウォッチとして良好な第一歩であると評した。一方、発売当時はGarminやPolarなどの競合製品と比較してバッテリー駆動時間、オフライン地図、トレイルナビゲーション、詳細なスポーツ指標などが不足していると指摘した。
『Runner's World』は、初代UltraのGPSについてGarminやCorosの上位モデルと競合できる精度を示す一方、専用スポーツウォッチと比較するとバッテリー駆動時間は短いと評価した。『Triathlete』も、iPhoneとの連携やスマートウォッチとしての機能を強みとする一方、長時間競技やナビゲーションでは当時の専用スポーツウォッチに優位性が残るとした。
デザイン面では、初代Apple Watch Ultraが2023年にiFデザイン賞やD&ADのProduct Design部門で評価を受けた。Ultra 2は『TIME』の「Best Inventions of 2023」に選出された。
Ultra 4について『WIRED』は、Health Sensing Systemやバッテリー駆動時間の改善を評価する一方、外観や基本設計は前世代から大きく変化しておらず、通常のApple Watchシリーズとの機能差も以前より小さくなっていると評した。