| HD 137010 b | ||
|---|---|---|
HD 137010 bの想像図 | ||
| 星座 | てんびん座 | |
| 分類 | 太陽系外惑星 地球型惑星 | |
| 発見 | ||
| 発見年 | 2026年 | |
| 発見場所 | Alexander Venner et al. | |
| 発見方法 | トランジット法 | |
| 現況 | 惑星候補 | |
| 位置 元期:J2000.0 | ||
| 赤経 (RA, α) | 15h 24m 21.2510574641s | |
| 赤緯 (Dec, δ) | −19° 44′ 21.678457001″ | |
| 固有運動 (μ) | 赤経: 228.536 ミリ秒/年 赤緯: -248.158 ミリ秒/年 | |
| 年周視差 (π) | 22.2922 ± 0.0174ミリ秒 (誤差0.1%) | |
| 距離 | 146.3 ± 0.1 光年 (44.86 ± 0.04 パーセク) | |
| 軌道要素と性質 | ||
| 軌道長半径 (a) | 0.88+0.32 −0.10 au | |
| 公転周期 (P) | 355+200 −59 日 | |
| 軌道傾斜角 (i) | >89.82+0.05 −0.03° (3σ) | |
| 通過時刻 | BJD 2458055.0969+0.0035 −0.0032 | |
| HD 137010の惑星 | ||
| 物理的性質 | ||
| 直径 | 13,521+765 −638 km | |
| 半径 | 1.06+0.06 −0.05 R⊕ | |
| 表面積 | 5.731×108 km2 | |
| 体積 | 1.290×1012 km3 | |
| 放射束 (F) | 0.29+0.11 −0.13 F⊕ | |
| 平衡温度 (Teq) | 205+17 −28 K(アルベドを 0 と仮定) 188+16 −25 K(アルベドを 0.3 と仮定) 173+14 −23 K(アルベドを 0.5 と仮定) | |
| 年齢 | 48 - 100 億年 | |
| 他のカタログでの名称 | ||
| BD-19 4097 b EPIC 249661074 b HIP 75398 b SAO 159232 b TYC 428919267 b 2MASS J15242123-1944215 b |
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| ■Template (■ノート ■解説) ■Project | ||
HD 137010 b は、地球からてんびん座の方向に約150光年離れた位置にある恒星 HD 137010 の周囲を公転している太陽系外惑星候補である。
HD 137010 b は2018年に運用を終了したケプラー宇宙望遠鏡の延長ミッションである「K2」において、2017年8月23日から同年11月19日までの88日間に行われた「キャンペーン15 (Campaign 15)」の観測期間中に得られたトランジット法での観測データ内から検出され、2026年にその発見が報告された。HD 137010 b のトランジット(主星面通過)を最初に検出したのは市民科学プロジェクトのプラネットハンターズに所属する市民科学者のチームであった。
主星の減光率は 225 ± 10 ppm と比較的小さいものであったが、良好な測光精度で測定されたことで高いSN比で検出されたことで、この減光は惑星によるトランジットによって発生したことが強く示唆されると報告されている。一方で、現時点でこのトランジットを起こしているとみられる惑星 HD 137010 b のトランジットはケプラー宇宙望遠鏡のK2ミッションによる観測期間内の1回しか観測されていない。トランジット法で単独の惑星によるトランジットであると正式に確認されるには通常は3回のトランジットの検出が求められるため、アメリカ航空宇宙局 (NASA) のニュースリリースでは「惑星候補」として言及されている。HD 137010 b のトランジットがこれまで検出されていなかったのは、複数回のトランジットの検出を前提としたアルゴリズムが研究でよく用いられていたためとされており、2026年に発見を報告した研究チームの筆頭著者であるサザンクイーンズランド大学の Alexander Venner はこの発見について「完全に見逃されていたもの」だったと述べている。HD 137010 b は公転周期が長いのでそもそもトランジットの発生頻度が低く、TESS や CHEOPS、さらに次世代の宇宙望遠鏡による観測でトランジットを再度確認できる可能性がある。
| 地球 | HD 137010 b |
|---|---|
HD 137010 b のトランジットが1回しか検出されていないので、その軌道要素の不確実性は大きい状態となっているが、軌道の離心率を考慮しないと仮定して主星からの軌道長半径は 0.88 au(約1億3200万 km)、公転周期は355日と地球にかなり近い可能性が示されている。半径は地球の1.06倍と計算されており、1回のトランジットのデータから惑星である可能性が非常に高いと報告された事例の中では、2017年に発見された TRAPPIST-1h に次いで半径が小さい太陽系外惑星となった。
大きさと軌道の特性が地球に類似しているが、主星の HD 137010 が太陽よりもやや小型で低温のK型主系列星であるため、HD 137010 b へ入射する放射エネルギーは地球が太陽から受ける量の約3割に留まっており、ハビタブルゾーンの外縁付近に位置する可能性がある。そのため、アルベド(反射能)を考慮しない場合の表面の平衡温度は、205 K(-68 ℃)、アルベドの値を地球と同等の 0.3 と仮定した場合は 188 K(-85 ℃)となり、火星と同程度の低温環境になっているとみられており、太陽に似た恒星を公転していてトランジットを起こすことがこれまでに知られている最も低温の太陽系外惑星の一つである。
一方で一定の大気条件が揃えば表面に液体の水が存在できる可能性が示されている。 HD 137010 b の想定される公転周期と、計算される HD 137010 のハビタブルゾーンの範囲を照らし合わせると、より狭い「保守的」なハビタブルゾーン内に 51%、より広い「楽観的」なハビタブルゾーン内に 40% の確率で HD 137010 b の軌道が位置する可能性があり、逆に軌道が完全にハビタブルゾーンの外側に外れている確率は 50% と計算されている。2026年の Venner らによる研究チームは、惑星の大きさや主星からの受ける放射エネルギー量が HD 137010 b と似通っている太陽系外惑星ケプラー186fの例を参考に、大気中に地球よりも高濃度の二酸化炭素が含まれていれば、その温室効果により表面温度が上昇することで表面で液体の水の形成が促進される可能性が非常に高いとしている。ケプラー186fは主星が暗い赤色矮星であるため、追跡観測を行うのが難しいが、HD 137010 b の主星 HD 137010 は比較的明るい10等級の恒星で地球からの距離も近いため、将来的な追加観測に適した対象とされている。
| 条件 | 地球 | HD 137010 b | |||
|---|---|---|---|---|---|
| ボンドアルベド | 0.3 | 0.9 | 0.6 | 0.3 | 0 |
| 温室効果なし (平衡温度) |
255 K (-18 ℃) |
116 K (-157 ℃) |
164 K (-111 ℃) |
188 K (-85 ℃) |
206 K (-67 ℃) |
| +地球の温室効果 | 288 K (15 ℃) |
149 K (-124 ℃) |
197 K (-78 ℃) |
221 K (-52 ℃) |
239 K (-34 ℃) |